彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」
●今日は天気がよく昼から大津にお出かけ!
ひかるくん(大津市石山寺)
● 雇用のランチは大津そば(石山寺前「小松屋」)
● 紫式部の舞台から叶匠壽庵へ!
大津市大石龍門には、琵琶湖から唯一流れ出る瀬田川のほとり、六万
三千坪の丘陵地に寿長生の郷(すないのさと)あり。梅や柚子などを
植え、農工ひとつの菓子づくりを目指す。自然の谷川を利用し、山林
の部分はそのままに散歩道をめぐらせ、数百種類の野の花が咲く姿は
人々を楽しませてくれる。
わたしのチョイスは「草の餅」。蓬をたっぷりと練り込んだ滋賀県産
のもち米(滋賀羽二重もち)でつぶ餡を包みこまれている。あっさり
と炊き上げた小豆と杵つきの蓬餅。
昨今は哀しみつつまれたること多く、ものの哀れに時に涙が頬をつた
うことも多し、今日も、先日の「天秤の里」につづき、彼女に引かれ
心を打ちあわせた。(あわすことはできたかな ?! ^^;
PS.まだ寒く、梅の花も満開には手が届いていない。
>
● 明日のモーニングはジュブリルタン!
近江鶏と季節野菜のホットサンド
白味噌でマリネした近江鶏とケール、人参、カブを使ったホットサン
ド。琵琶湖や庭を眺めながら、ほっとひと息!J’oublie le temps って!
図1.各国別の温室効果ガス排出量シェア 2016 IEA
図2.各国別の温室効果ガス排出量シェア 2020:
Structure of CO2 emissions from fuel combustion by country, 2021,
billions of metric tons of CO2 IEA
※排出量最大国は中国。
日本が誇る触媒技術を活用した「人工光合成」
人工光合成の概念
さまざまな産業分野のうち、CO2を多く排出しているのはどの産業分野の第
1位は、熱を多く使用する「鉄鋼業」。第2位は、プラスチックなど身近な製品
の原料を製造する「化学産業」。日本で1年間に排出されるCO2の約6%が
、化学産業に由来。
人工光合成のプロセス
人工光合成の鍵となるのは、日本が国際的に強みを持つ「触媒技術」。ここ
では特に、プラスチックなどの原料になる「オレフィン」を合成を記載する。人
工光合成では、まず、「光触媒」と呼ばれる、光に反応して特定の化学反応
をうながす物質を使い、この光触媒は、太陽光に反応して水を分解し、水素
と酸素を作り出す。次に、「分離膜」を通して水素だけを分離し、取り出しす。
最後に、取り出した水素と、工場などから排出されたCO2とを合わせ、化学
合成をうながす「合成触媒」を使ってオレフィンを作る。
出所:資源エネルギー庁:CO2を“化学品”に変える脱炭素化技術
「人工光合成;artificial photosynthesis」
日本では、この人工光合成技術の実現に向けて、「光触媒」「分離膜」
「合成触媒」に関する研究開発がおこなわれ、経済産業省が支援する
研究プロジェクトが2012年度から始まっており、2014年度以降は国立
研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)へと引き
継がれ、日本を代表する企業、大学、国立研究機関等、産学官の連携
により現在も研究が進められている。
CO2とH2から製造される「合成燃料」
また、合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造さ
れる燃料。複数の炭化水素化合物の集合体で、“人工的な原油”とも
言われ、原料となるCO2は、発電所や工場などから排出されたCO2を利
用。将来的には、大気中のCO2を直接分離・回収する「DAC技術」を使
って、直接回収されたCO2を再利用することが想定されている。CO2を
資源として利用する「カーボンリサイクル」に貢献することになるた
め、「脱炭素燃料」とみなすことができると考えられている。もうひ
とつの原料である水素は、製造過程でCO2が排出されることがない再生
可能エネルギー(再エネ)などでつくった電力エネルギーを使って、
水から水素をつくる「水電解」をおこなうことで調達する方法が基本
となります。現在主要な水素製造方法は、石油や石炭などの化石燃料
から水蒸気を使って水素を製造する方法だが、この方法と組み合わせ
ると、①化石燃料から水素をつくる ②その製造過程で発生したCO2
を分離・貯留する ③その後別の回収したCO2と合成する…ということ
となり、非効率な製造プロセスになるためである。
尚、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれている。
出所:資源エネルギー庁
via エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは
スペシャルコンテンツ
図.エネルギー密度の比較
出所:トヨタ自動車
このようなケースで、化石燃料由来の液体燃料を液体合成燃料に置き
換えれば、エネルギー密度をキープしつつCO2の排出量をおさえること
ができる。また合成燃料の大きな特徴として、従来の「内燃機関」(
たとえばガソリンを使うためのエンジンなど)や、すでに存在してい
る燃料インフラを活用できる点がある。水素エネルギーなどのほかの
燃料では新たな機器やインフラを整備しなければならないのにくらべ
て、導入コストをおさえることができ、市場への導入がよりスムーズ
になると考えられる。これまでの化石燃料と変わらない使い勝手の合
成燃料は、エネルギーのレジリエンス(強靭性)やセキュリティの面
でもメリットがある。積雪により停電が発生した地域への燃料配送、
高速道路で立ち往生した自動車への給油もでき、災害対応機能を持っ
た全国のサービスステーションなどでは既存のタンクを活用した備蓄
も可能。また、国内で工業的に大量生産できること、常温常圧で液体
であるため長期備蓄が可能であることなど、さまざまな優位性がある。
図:2017年に発表された国際エネルギー機関(IEA)の見通し
出典:IEA 「ETP(Energy Technology Perspectives) 2017」に基づき経済産
業省作成
さまざまな分野での合成燃料の活用方法
既存の燃料インフラや内燃機関の活用が可能な合成燃料は、導入コスト
をおさえられるなど産業界にとっても大きなメリットがある。特に石
油精製業では、国内の石油需要の減少で設備能力の削減が求められる
一方、余剰となったタンク、土地、人材などの資源をどうするかとい
う課題がある。合成燃料を導入すれば、既存インフラを活用しながら
新規事業に取り組むことができる。また、灯油・LPガス・都市ガスを
利用した暖房器具は、エアコンとくらべてすぐに暖まる、外気温に影
響されにくいなどの特徴があり、とりわけ寒冷地域では引き続き需要
が残る可能性がある。こうした場合にも、灯油などの代替燃料として
合成燃料を利用できる。また、産業用ボイラーの燃料としての活用も
考えられる。
図.今後10年間で集中的に技術開発・実証をおこない、2030年までに
高効率かつ大規模な製造技術を確立、2030年代に導入拡大・コスト低
減をおこなって、2040年までに自立的な商用化を目指す。
人工光合成 低い変換効率が最大の課題
図1 光触媒の太陽エネルギー変換効率 ※出典:NEDO
上図のごとく、人工光合成の最大の課題は、低い太陽エネルギー変換
効率。既に植物と比較すると技術レベルは、変換効率は植物を超えた
といえる。しかし、生命活動だけに利用する植物とは違い、産業とし
て活用していくためには、さらに高い変換効率が必要になる。
人工光合成としては、2011年に豊田中央研究所が、二酸化炭素と水か
らギ酸(HCOOH)を合成することに成功した他、2012~2013年にはパ
ナソニックがギ酸やメタンを生成するシステムを公開している。さら
に東芝は2014年12月に人工光合成において、太陽エネルギー変換効率
1.5%を実現したとしている。また2015年3月には、NEDO(新エネルギ
ー・産業技術総合開発機構)と人工光合成化学プロセス技術研究組合
(ARPChem)が、人工光合成技術で世界最高レベルとなる太陽エネル
ギー変換効率である2%を達成したことを発表。
太陽エネルギーを活用し、水を分解し、二酸化炭素と合成するという
技術だけを考えれば、太陽光発電を利用し、その電力で水を電気分解
するという方法も取れる。また現状だけを見れば、こちらの手法の方
がエネルギー変換効率も高い。太陽光発電と電気分解設備を利用する
仕組みでは、電気分解設備の初期コストが高くなり、導入への負担が
大きくなる。理論上では人工光合成の方が低価格で実現でき、そのた
め将来的に産業で活用しやすい。そしてもう1つの理由は、人工光合成
は日本が世界に技術面で勝てる領域。太陽光発電や電気分解はある程
度確立された技術で、日本の技術的な優位性はそれほどない。しかし、
光触媒や人工光合成は日本が技術的にも強い領域。NEDOでは、2021年
度までに人工光合成技術で、太陽エネルギー変換効率10%を目指すと
ともに、最終的には基幹化学品製造基盤技術の確立を目指す。パナソ
ニックなども2020年以降に光触媒水素生成デバイスの実用化に向けた
研究開発が進み、実用化に向けた取り組みが本格化している。
出所:東芝
持続可能な製造能力②
最新水電解装置事情 東芝の場合
天候の影響を受けて変動する再エネの電力を水素などに変換し、貯蔵・
輸送を可能にするPower to Gas(P2G)技術において、レアメタルの一
種であるイリジウムの使用量を従来の10分の1に抑えた電極の大型製
造技術を確立した(*1)。P2Gでは、再エネの電力を利用して水を水素
と酸素に電気分解(水電解)し、水素に変換します。 水電解には、再
エネ電力の変動への適応性が良く耐久性の高いPEM(固体高分子膜:
Polymer Electrolyte Membrane)を用いた「PEM水電解」方式が注目され
ているが、電極に用いる触媒に貴金属の中で最も希少なイリジウムを
使用しており、実用化にはイリジウム使用量の削減が課題の一つ。独
自の酸化イリジウムナノシート積層触媒を開発し2017年に従来のイリ
ジウム使用量を1/10に抑えることに成功。本触媒を一度に最大5㎡成
膜化できる技術を開発し、電極の大型製造技術を確立。本技術により、
カーボンニュートラル社会の実現に不可欠なP2Gにおいて、再エネ電
力の変動に対応したP2G技術の早期実用化を見込むことができる。当社
は2023年度以降の製品化を目指す。
この水電解における「持続可能な製造能力」で材料供給における電解
電極に使用されるイリジウム使用量である。東芝は昨年10月、PEM型
水電解装置のイリジウム使用量を減らし電極は従来比500倍に大型化
の開発をすすめることを公にしている。それによると、PEM(Polymer
Electrolyte Membrane:固体高分子膜)型水電解装置の電極で、触媒に
用いるイリジウム(Ir)の単位面積当たりの使用量を従来の10分の1に
抑えながら、1度に最大5m2(従来型の約500倍)の触媒層を成膜できる
技術を開発。同社によると、最大出力200kW程度のPEM型水電解装置の
電極サイズ相当する。均一な成膜と表面積の拡大による発電の高効率
化も実現。量産体制の確立などを急ぎ、2023年度以降の製品化を目指
す。
スパッタリングで均一な酸化Ir層を成膜
水を電気分解して水素を生成するPEM型水電解装置は、カーボンニュー
トラル(温暖化ガスの実質的な排出量ゼロ)実現に向けた水素活用技
術の一環として注目されている。しかし、水電解に使う電解質膜と電
極が一体化した MEA( Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)
の触媒層に、高コストで希少なIrを用いる点が課題となっていた。こ
れに対して東芝は、触媒層の成膜にスパッタリング*を用いて、Irの
使用量を削減する手法を2017年に開発。
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※スパッタリング コーティングや薄膜形成に用いられる物理的気相
成長法(PVD)の一種。真空中にアルゴン(Ar)などの不活性ガスを
導入。成膜材料(ターゲット)にマイナスの電圧を印加して不活性ガ
ス原子をイオン化し、そのイオンを高速でターゲットの表面に衝突さ
せる。この衝突によって、ターゲットの成膜材料の粒子を弾き出し、
基材や基板の表面に付着させて薄膜を形成する。従来は、Ir触媒層を
成膜するのに、酸化イリジウム(IrO2)の粉末を多孔質チタン基材に
塗布する手法を採用していたが、この手法だと塗布むらが生じるため
水電解効率が低下。十分な水電解を行うためにはIrの使用量を減らせ
なかった。そこで同社が考案したのが、多孔質チタン基材上にスパッ
タリングによって触媒層を成膜する手法だった。
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【関連特許技術】
※ 特開2022-143974 電気化学装置 東芝 2021年3月18日
【要約】
随1のごとく、電気化学装置20は、第1流路12を有する第1電極
2と、第2流路13を有する第2電極3と、第1電極2と第2電極3
とで挟持された隔膜4とを備える電気化学セル1と、第1電極2の第
1流路12に接続され、稼働時に第1電極2で生成された生成物及び
第2電極3から第1電極2に浸透する水が送られる気液分離タンク2
7と、気液分離タンク27の液体部分に接続され、停止時に気液分離
タンク27の水を第1電極2の第1流路12に送る水封入配管29と
を具備することで、起動停止操作を実施した際の性能の低下を抑制す
ることを可能にした電気化学装置を提供する。
【符号の説明】
1…電気化学セル、2…第1電極、3…第2電極、4…隔膜、5…第
1触媒層、7…第2触媒層、12…第1流路、13…第2流路、20
…電気化学装置、24…第1水タンク、27…第2水タンク、28…
第2配管(動作用配管)、29…第3配管(水封入配管)、30,
31…逆止弁。
※ 特開2021-169084 電解水生成装置および電解水生成方法
東芝 2021年7月5日
【要約】
図14のごとく、電解水生成装置は、電解液を収納する電解液室と、そ
れぞれ隔膜を介して電解液室に対向する陽極14および陰極20が設
けられた電極室と、電解液室に設けられ隔膜を介して陽極に対向する
第2陰極20Bと、陽極、陰極および第2陰極に給電する給電部23
と、電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合
して混合生成水とする生成水混合部と、を備えている。給電部は、陰
極および第2陰極への通電比率を調整し、混合生成水のpHを調整す
るpH調整機構を有していることで、生成する次亜塩素酸水のpHを
中性付近に制御可能な電解水生成装置を提供する。
【符号の説明】
10…電解水生成装置、11…電解槽(電解セル)、14、134a
…陽極、 16、44a、132a…第1隔膜 18、44b 132b
…第2隔膜、 20、134b…陰極、15a、120…中間室、15
b、126…陽極室、15c、 122…陰極室、30…スペーサ、
32、140…マスク、40…電解液室、 42…電極室、20B…第
2陰極、SW…切換えスイッチ
※ 特許第6612714号 電解水生成装置 東芝 2016年10月31日
【要約】
図3のごとく、電解水生成装置は、筐体52と、筐体内に設けられた
電解槽20と、電解液を収容する密閉構造を有し、筐体内に設けられ
たバッファタンク70と、筐体内に設けられ、電解液を貯溜する外部
タンクからバッファタンクに電解液を供給する第1ポンプ42と、筐
体内に設けられ、第2ポンプ58によりバッファタンクの電解液を電
解槽の電解液室に供給し、電解液室を流れた電解液をバッファタンク
に送る電解液供給部と、を備えることで、ガス臭の発生を抑制すると
ともに小型化が可能な電解水生成装置を提供する。
【符号の説明】
10…電解水生成装置、20…電解槽、15a…中間室、15b…陽
極室、 15c…陰極室、16a…第1隔膜、16b…第2隔膜、18a
…陽極、 18b…陰極、30…給水部、40…電解液供給部、42…
供給ポンプ、 46…循環配管系、48…ドレイン配管、50…装置本
体、52…筐体、 56…循環配管、58…循環ポンプ、60…外部タ
ンク、70…バッファタンク、 72…タンク本体、74…蓋体、90
…フロートセンサ
※ 特開2017-128806 電極、電気化学セル、電気化学装置、スタック
及び電極の製造方法 2017.7.27
【要約】
図1のごとく、実施形態の電極は、基材と、前記基材上に設けられた
中間層と、前記中間層上に設けられた触媒層と、を有する電極であっ
て、前記中間層は、化合物、貴金属の単体又は貴金属を含む合金のう
ち2つ以上の物質を含む混合物であり、前記混合物の組成比率が、前
記基材と中間層とのの界面近傍における中間層の組成比率は、前記触
媒層と中間層との界面近傍における中間層の組成比率と異なる電極で
構成することで高い活性および耐久性を持つ電極を提供する。
✔電解再生システム開発をテーマにしていたこともあり,(合計年数で
2~3年)、新しい電極材料および型式開発には現在も非常に興味を
もっており、①高電解効率化、②高耐久性、③高持続可能な製造能力
に、④高付加価値電極及び電解システム(大面積グラフェン超薄膜電
極➲まるでシルクのごとく➲新超純粋製造濾過膜のように?!)
について今後もリサーチ継続)。とはいえ、日本のレベルは高いので
当面トップを走ることは間違いないだろう。
この項つづく
図 ⼀重項励起⼦分裂によって⽣成された五重項状態を⽤いた核 スピン
の⾼偏極化のイメージ
⽔を⾼核偏極化する⾊素材料の開発
⼀重項励起⼦分裂(シングレット・フィッション)の新しい応⽤
シングレットフィッションとは、有機材料中などで生成した励起一重}
項が二つの励起三重項に分裂する過程をさす。
第⼆次量⼦⾰命が勃興するなか、シングレットフィッション過程の存
在は、1960年代に有機結晶の蛍光強度に対する磁場効果の観測により
実証され、2000年代に有機デバイスの高効率化にフィッションが利用
できるのではというアイデアが提唱されて以降、再び研究が活発化。
有機結晶の蛍光強度の磁場依存性を観測し、シングレットフィッショ
ンの機構解明がなされてきた。
また、光合成や太陽電池などの光エネルギー変換システムでは、光が
励起子や電荷を中間体として瞬時に生みだし、必要不可欠なエネルギ
ー源となる。これら変換過程の根源的なしくみは、植物光合成や有機
太陽電池などの複雑で不均一な組織・膜中における光反応初期過程を明
らかにすることで理解され、将来に期待される「光の有効利用する超
高効率デバイス開発の具体的指針が提示できる。従来の一重項励起子
分裂の応用例としては光エネルギー収支に着目した太陽光発電の高効
率化が主流でしたが、一重項励起子分裂によって生み出される五重項
状態と呼ばれる特殊な量子状態に着目した応用研究は未開拓であった。
3月2日、九州大学、北里大学、神戸大学、理化学研究所らの研究グ
ループは、一重項励起子分裂により生じる偏極した五重項状態を用い
水分子の核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号強度を向
上させる新たな手法の開発。水分子のNMRシグナルの増大は、磁気共鳴
イメージング(MRI)を始めとする生体分析の分野で特に重要で、従来、
一重項励起子分裂は太陽電池などエネルギー分野への応用が想定され
てきたが、この成果により、その量子状態を用いたNMR感度の増感とい
うバイオ分野への新たな応用が提示された。
【要約】
有機一重項核分裂材料を利用して長寿命の遊離三重項を高収率で収穫
することは、潜在的に太陽光発電効率を高めるための基礎となる可能
性があるがし、一重項分裂分野で最も研究されているシステムである
ポリアセンを除いて、スピン絡み合った相関三重項ペアと、一重項分
裂によって生まれた自由な三重項は、比較的特徴付けられない。 ハミ
ルトン受容体置換ジケトピロロピロール誘導体からなる超分子凝集体
薄膜における過渡吸収とフォトルミネッセンス分光法を利用すること
により、光励起がスピン0相関トリプレットペア1(TT)の形成を下部
フレンケル励起状態から引き起こすことを示します。 1(TT) の存在は、
振電カップリングによって有効になり、近赤外線でのアーティファク
トのないトリプレット状態の光誘起吸収と相関するかすかなヘルツベ
ルグ-テラー放出によって証明されます。 驚くべきことに、過渡電子
常磁性共鳴は、長寿命のトリプレットが、1(TT) 解離ではなく古典的
な項間交差によって生成され、2つの経路が競合していることを明ら
かにしています。 さらに、J 様薄膜と H 様薄膜の三重項形成ダイナ
ミクスを同じエネルギー論で比較すると、スピン軌道結合を介した項
間交差が両方で持続することが明らかになりました。 ただし、1(TT)
は J のようなフィルムでのみ形成され、一重項核分裂ダイナミクスに
対する分子間結合ジオメトリの大きな影響を特定する。
【関連論文】
掲載誌:Nature Communications
原題:Singlet fission as a polarized spin generator for dynamic nuclear polari-
zation (動的核偏極法のための偏極スピン⽣成への⼀重項励起⼦分裂の
応⽤)
著者名:川嶋優介・濵地智之・⼭内朗⽣・⻄村亘⽣・中島悠真・藤原
才也・君塚信夫・笠僚宏・⽥村徹・⻄郷将⽣・恩⽥健・佐藤俊輔・⼩
堀康博・⽴⽯健⼀郎・上坂友洋・渡辺豪・宮⽥潔志・楊井伸浩
DOI:10.1038/s41467-023-36698-4
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[こぼれ話:量子革命の系譜]
日本では、量子力学を応用する半導体産業や光産業といった第一次量
子革命で強みを発揮し、経済成長を牽引。一方、量子力学を生み出し
た欧州圏や米国では、その間にも量子の性質はどう捉えうるのかとい
った基礎的な部分の議論を引き続き積み重ね共有していた。現在、量
子コンピュータや量子通信といった量子力学の性質を積極的に用いる
ことで初めて可能となる技術の創出、つまり第二次量子革命に注目が
集まっている。新しい分野に挑戦する時は、本質を問い直すことが重
要。
言い換えると、20世紀の量子力学は、いわば外から量子の世界を見て、
その性質を利用し、半導体素子などを作ってきた。人間がよりミクロ
の世界を見られるようになったことで、量子力学に内在する確率的な
性質を統計的に捉えることができるようになったす。ここでは、量子
性をいわばざっくりと見ていて、重ね合わせ状態を「特別な状態」と
捉えていても、あまり不都合なことが起こらないが、20世紀終わり
頃から急速に量子制御技術が普及する。このように、量子状態を人間
が直接操作することは、その捉え方が今と昔では大きく違い、量子情
報とも呼ばれ、量子情報的な理解が進むことにより、量子力学の性質
が次々と発見されている。
量子コンピュータ・量子センサ
第二次量子革命の可能性
期待の大きい量子コンピュータだが、従来の技術では達成不可能な高
速性が期待されています。一方、量子コンピュータでも、プライバシ
に注目した優位性もあるが、それは量子コンピュータが可能にする秘
密計算。このように、まず何に使うのか、そしてどこに優位性を見出
すかで、さまざまな量子技術が見えてくる。
もう1つ。例えば、期待の大きい量子コンピュータ。従来の技術では
達成不可能な高速性が期待されている。一方、量子コンピュータでも、
プライバシに注目した優位性もある。それは量子コンピュータが可能
にする秘密計算、まず何に使うのか、そしてどこに優位性を見出すか
で、さまざまな量子技術が見えてくる(➲技術の見える化)。測定そ
のものを量子情報的にしで、この限界を超えていけることが理論的に
示されたのが量子センシングであるという。
※第二次量子革命における日本の量子教育の課題と現状、2022年11月
号, 先端教育オンライン
● 今夜の一冊:
物語のつむぎ方入門―“プロット”をおもしろくする25の方法
ジョーンズ,エイミー著 駒田 曜【訳】
創元社(2022/12発売)
【概要】 小説・映画・演劇のどのジャンルにおいても、物語をどの
ように構成すれば、読者の興味を引くかということにかんして、基本
的なセオリーがある。 ストーリーテリングにおけるプロット(筋立
て)は、 その基本のなかの基本で、 本書ではプロの作家が、プロッ
トに関する理論と、具体的なプロットをつくる技術を紹介し、プロッ
トをどのように操作すれば ドラマチックな効果が得られるかを伝え
る。 作家を志す人がアイデアを しっかりとした作品に育てることを
目的とした 実践的な本。
【目次】
キャラクター主導か、
プロット主導か
始まり、中間、結末
フライタークのピラミッド
緑の世界
衝突と対立
ウェルメイド・プレイ(よくできた芝居)
5段階構成の映画
プロットポイント
昔話の構造
英雄の旅〔ほか〕
【著者概歴】 ジョーンズ,エイミー[ジョーンズ,エイミー]
[Joness,Amy]トにあるストロード・カレッジで、英国トップレベル
のシックス・フォーム(大学進学準備教育)課程の英語科の主任を務
め、英語、文学、クリエイティブ・ライティングのほか、ポッドキャ
ストのシナリオ作り、詩、物語論も教えている。本書以外にも、物語
の書き方に関する著書がある。
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あらゆる偉大な物語は、アイディアの萌芽、すなわち、やがて生
長する“何がから始まる。本書の目的は、作家志望者がそうした
最初の着想を----散歩中にふとよみがえった記憶、電車の中で耳
にした議論、夢で見た不思議な場面などを----しっかりした構成
を持つ作品に育てるお手伝いをすることである。
ストーリーテリングには、2つの基本要素がある。構造、つまり
物語のプロットと枠組みに関するもの(本書で扱ぅ)と、方法、つ
まりストーリーの語り方(姉妹書『Narrative』〔2023年刊行予定〕
で扱う)である。
本書ではますプロットの理論(物語を作るすべての人向け)を概
観し、具体的なプロットモデル(爆竹家や脚本家向け)を取り上げ
る。次に、古くから使われ続けてきた「必須プロット」とも言うべ
きパターンに話を移す。続いてプロットと時間軸を論じ、それを
どう操って劇的効果を生み出すかについて述べてから、幕開けと
終幕に関するアドバイスを記す。また、折々に、試すに値する実
践的な方法をいくつか紹介する。
人類はつねに語り部を必要としてきた。古代の洞窟壁画、アボ
リジニのドリームタイムの□承、粘土板に刻まれたギルガメシュ
叙事詩、アフリカのグリオやトルコのアシークといった楽器と歌
による伝承、ヨーロッパの吟遊詩人などが、物語を連綿と紡いで
きた。物語は、単なる出来事の羅列ではない。時空け多くの例か
ら学びを超えた視覚的で直感的なスナップショットのこともある。
遥か遠い場所の古代の物語は、奇妙で非論理的で、普通の因果関
係では捉えられない事象の連鎖に見えることもある。イ乍家として
自分のスタイルを確立したければ、できるだ多くの例から学びど
んな形のストーリーテリング術も参考にするよう心がけよう。
本書は伝統的な文学の構造に的を統って解説しているが、それ
らを真似る必要はない。あなたは、できる限りの学びを得て、ペ
ンを取ればよい。準備はできたかな? では始めよう。
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風蕭々と碧い時代
Jhon Lennon Imagine
BLUE GIANT .1
仙台で高校生活をジャズに捧げた大は、上京し世界一のジャズプレー
ヤーになる道を模索する内に、ジャズピアニストの沢辺雪祈と出会い
ます。お互いの音に魅せられた2人はバンド「JASS」を組み、ド素人で
ある大の友人の玉田俊二をドラムに迎え、ぶつかり合いながら成長し
ていくというストーリー。
『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)は、石塚真一による日本の漫
画作品。ジャズを題材とした作品で、『ビッグコミック』(小学館)
にて2013年10号から2016年17号まで連載された。マンガ大賞2016で第3
位。2017年、第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)、第20回文化
庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。2022年6月時点でシリーズ累計
発行部数は840万部を記録。2023年2月に劇場アニメ映画版公開制作に
当たり、JASSの各メンバーの演奏パートは、先にプロの演奏家(サック
ス:馬場智章、ピアノ:上原ひろみ、ドラム:石若駿)の演奏を録音
してから映像を作るという順序でおこなう。
●今夜の寸評:(いまを一声に託す)鳥インフルエンザパンデミック?
新型コロナウイルスパンデミックから何を学んだか
抗パンデミック基金制度の新設を考える必要がある。
➲ブログ「ウイルス解体新書」に追加掲載していく。