極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

太陽から降り注ぐ恵み

2023年03月14日 | ネオコンバーテック

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。



【誰も住みたくなる街:満天星躑躅で持続可能な街】
今年で3年目になるがやっと重い腰を上げる。といっても前から植えら
れものは(サルスベリ、サツキ)はそのまま。また花やハーブも共存さ
せ、平均丈は1メートル。ドウダンツツジ、秋は赤で統一し、冬春夏は
それどれの色合いで彩る。



ドウダンツツジは、ツツジ科ドウダンツツジ属の植物。「ドウダン」は、
枝分かれしている様子が昔、夜間の明かりに用いた灯台の脚部と似通っ
ており、その「トウダイ」から転じたもの。満天星の表記は本種の中国
語名の表記をそのまま引用し和名のドウダンツツジの読みを充てたもの。



春に咲く小さな鈴形の花は愛らしく、秋には燃えるように赤く染まる紅
葉が楽しめ、季節の移ろいを告げてくれる花木です。みずみずしい葉も
美しく、枝ものとしてインテリアに飾っても素敵な、用途の幅広い植物。




この爽やかな葉と枝のグ
リーンな姿はインテリアとし人気。また水が
汚れにくく、長持ちし暑さにも強く、寿命も2週間程。切り花にする
際は、木が水を吸い上げやすいように、切り口に十字に割りを入れ、
水が腐らないようにこまめに取り替えて見映えを保ち、枯れ葉や乾燥
により縮れた葉があれば適宜取り除き、大きな枝をそのままダイナミ
ックに飾ることも、細かく切って小さめの花瓶に飾ることもできる、
剪定の際に切った枝を利用することが進められている。

※ 参考情報:花と紅葉が楽しめる! ドウダンツツジの特徴や種類・
 育て方を解説、GardenStory (ガーデンストーリー)

     





 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング

宣言!”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”





 日・米の水素-水素化ホウ素核融合初観測 人工太陽開発
核融合科学研究所(岐阜県土岐市)は米核融合スタートアップのTAE
テクノロジーズ(カリフォルニア州)と共同で、軽水素(普通の水素)
とホウ素という新たな燃料の組み合わせによる核融合実験に成功した
ことを好評。将来の実用化を目指す核融合発電では一般に、燃料に重
水素と三重水素(トリチウム)を使う想定だが、今回の方法は放射線
である中性子が発生しない点で優れている。ネイチャー コミュニケー
ションズ誌に掲載された最新の研究によるとクリーンで豊富な先進的
水素化ホウ素燃料を核融合エネルギーに利用する可能性があるという。
フットヒルランチ(カリフォルニア州)2023年3月2日 /PRNewswire/ --
世界各地で核融合開発者が核融合エネルギーの商用化を競う中、TAE
Technologiesは、豊富で環境に配慮した燃料である水素化ホウ素(別
名p-B11またはp11B)による最もクリーンでコスト効率の高い電力供給
方法を他社に先駆けて追及している。


via CISION

本日、同社は日本の核融合科学研究所(NIFS)と共同で、世界で初め
て磁場閉じ込め核融合プラズマでの水素化ホウ素核融合実験という画
期的な研究成果を公表。ネイチャー コミュニケーションズ誌に掲載さ
れた査読付き論文(「First measurements of p11B fusion in a magnetically
confined plasma
」)では、NIFSの大型ヘリカル装置(LHD)の実験に
よる水素化ホウ素の核融合反応の結果を説明しています。本論文では、
LHDプラズマ中での水素化ホウ素融合に必要な条件を実現するための
実験作業と、アルファ粒子として知られるヘリウム原子核などの水素
化ホウ素反応の生成物を測定するためのTAEの検出器の開発について
こう話す。


図1.実験装置
(左) ヘリオトロン プラズマの一部を切り取った LHD 真空容器を示
3D CAD モデル。 (右) LHD セパラトリクス近くの PIPS 検出器、
最後の閉じたフラックス表面 (tan) の一部、およびプラズマの下に位
置する PIPS 検出器に到達する、計算されたアルファ粒子の軌道 (緑
色の曲線) を示す CAD 画像。


via  J-Stage「核融合炉開発の展望」


YouTube 【日米】水素・ホウ素の『核融合』実験が成功しました!

この発見は、長年にわたる国際的な核融合共同研究を反映しており、
最もクリーンで、最もコスト競争力があり、最も持続可能な核融合用
燃料サイクルである水素化ホウ素を用いた商業用核融合発電を開発す
るというTAEの使命における画期的な出来事。ネイチャー コミュニケ
ーションズ誌の論文では、核融合炉の炉心を製造する上での課題は、
D-Tよりもp11Bの方が大きいですが、原子炉の工学ははるかにシンプル。
簡単に言うと、p11Bによる核融合への道は、下流の工学的課題と現在
の物理学的課題を交換するもの。物理学的課題は克服できる。水素化
ホウ素アプローチは、TAEの技術共同創設者であるNorman Rostoker
士の「目的を念頭に置く」という哲学から生まれる、商業的な核融合
エネルギーに対するTAEの中核的なビジョンの一部。このように、真
にクリーンで豊かな、コスト競争力のあるエネルギーを目指すという
ビジョンが、TAEを、成長著しい核融合企業とは一線を画す存在にし
ている。この反応は正味のエネルギーを生成していないが、非中性子
融合の実行可能性と水素化ホウ素への依存を示すものである。

✔前回の<レモン>でプラスチック合成や炭化水素系燃料製造技術に注
目し「ホウ化水素シ-ト」を考察してみたら、今夜は「水素化ホウ素
核融合」が飛び込み、急遽考察に入ると、2030年を目標に実用化への
挑戦を開始するという研究グループの新星が誕生、それも、日本人も
絡んでいる。なんとも面白い時代だが、核融合は1990年前後の常温核
融合ヒーバーを回想させる。件のJ-Stage「核融合炉開発の展望」参照。
ここはのめり込みを避け、当初通り「太陽光利用炭化水素系化合物製
造」を”持続可能な製造能力”をコアとして考察を続ける。



出所:環境ビジネス 2023年 冬季号(上図、願クリック) 

最新人工光合成技術動向
※特開2022-129732 二酸化炭素還元触媒、二酸化炭素還元装置、およ
び人工光合成装置 株式会社豊田中央研究所 学校法人東京理科大学
【概要】
これまで、高活性である金属錯体触媒は、レニウム(Re)、ルテニ
ウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の希少な元素を用いたり、配位
子の化学構造が複雑であった。二酸化炭素還元技術の実用化のために
は、大量の触媒が必要となることから、資源量が豊富な中心金属と合
成のプロセスが簡便なシンプルな構造の配位子からなる金属錯体の開
発が望まれていたが、二酸化炭素還元触媒は、二酸化炭素還元に要す
る過電圧が高く、性能のさらなる改善が求められていた。電子供与性
の置換基を有するポリピリジンが第6族~12族の金属イオンのうち
の1つに1分子以上配位した金属錯体であり、電気化学的または光触
媒的な二酸化炭素還元反応を触媒する、二酸化炭素還元触媒で、有機
溶媒中および水系溶媒中において、低いバイアスにおいて電気化学的
または光触媒的な二酸化炭素還元反応を進行させることができる二酸
化炭素還元触媒、それを用いた二酸化炭素還元装置および人工光合成
装置の提供。
※ 特開2021-107298 Fe含有複合化合物粒子、その製造方法及びFe
含有複合化合物電極 <株式会社豊田中央研究所
【概要】
Fe含有複合化合物粒子は、β-FeOOH結晶相と、前記β-Fe
OOH結晶相の周囲を覆う3価のNi含有化合物とを含み、前記Fe
含有複合化合物粒子全体におけるNi元素とFe元素との原子数比(
Ni元素/Fe元素)は0.01~0.5であり、前記Fe含有複合
化合物粒子表面におけるNi元素とFe元素との原子数比(Ni元素
/Fe元素)は、前記Fe含有複合化合物粒子全体におけるNi元素
とFe元素との原子数比(Ni元素/Fe元素)の1.5倍以上であ
る中性領域の溶液中で優れた酸化触媒活性を示すFe含有複合化合物
粒子の提供。
※ 特開2021-63246 還元反応用電極、還元反応用電極の製造方法、お
よび還元反応用電極を用いた反応デバイス
【概要】
図1のごとく、基材12と;炭素繊維と炭素との複合基材と、Ru錯
体モノマーとN,S,Bのうち少なくとも1つを含む5~9員環構造
を有する複素環式芳香族化合物とを含んで構成されたRu錯体ポリマ
ーとを含む触媒層16と;を有し、触媒層16におけるRu錯体ポリ
マー中のRu錯体モノマーの含有量は、3.35×10-6mol/
cm2を超え、6.70×10-6mol/cm2未満の範囲であり
複素環式芳香族化合物の含有量は、1.32×10-6mol/cm2
を超え、2.64×10-6mol/cm2未満の範囲である、還元反
応用電極10である。Ru錯体ポリマーを用いた大面積化、高出力化
が可能な還元反応用電極、その還元反応用電極の製造方法、およびそ
の還元反応用電極を用いた反応デバイスを提供する。

図1

 図2

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。
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図1人工光合成の概念図(出所:EMIRA

トヨタ系研究所が世界最高水準の高効率を達成
さらなる大型化にも期待できる新たなセル構
2021年4月22日、日本政府は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を
2013年度比で46%削減するという新たな目標値を発表。従来の目標値
はパリ協定後に国連に提出した26%(同年度比)であり、大幅に上方
修正されたことになるに。目標達成にはあらゆる分野で技術革新が必
要となるが、その中で社会実装されればCO2削減に大きく貢献すると
期待されるのが人工光合成。トヨタグループの一社である株式会社
豊田中央研究所が(1)水から電子を抽出する酸化反応と、(2)抽出
した電子でCO2を還元して有機物(ギ酸)を合成する還元反応という
2つの反応を組み合わせた人工光合成技術を開発。同じく水素キャリ
アとして注目されるアンモニアの沸点が摂氏約マイナス33度の常温常
圧で気体になってしまうのに比べて、ギ酸の沸点は摂氏約101度と水
に近い。さらに常温常圧で液体という性質から扱いやすさの点でギ酸
が優位だが、当時は原理の実証段階にあり、太陽光エネルギーの変換
効率はわずか0.04%。これは植物(スイッチグラス)の変換効率の1/5
程度の数値。その後、豊田中研は2015年に1cm角サイズの人工光合成
セルにおいて植物を超える4.6%の変換効率を達成。社会実装に向けて
大きく前進する。


図2 装置と原理図 ※生成されるギ酸は、水素キャリアの一つとし
  て使用を想定。

世界最高の変換効率を実現した新たなセル構造
しかし、人工光合成セルの変換効率を低下させずに、実用サイズに拡
張させなければならないが、単純にセルを拡張しただけでは、電極の
電気抵抗が大きく、加えてギ酸合成に必要なCO2の供給不足から太陽光
エネルギーの変換効率が低下する。開発した技術では、人工光合成の
プロセスを(1)光を電子に変化する太陽電池、(2)水を電気分解す
る酸化電極、(3)水素イオンと電子とCO2でギ酸を生み出す還元電極
の3つの装置を組み合わせた方式が採用(上図2(右)参照)。
新たに開発されたセル構造の概念図。ポイントは、酸化電極と還元電
極の組を5組並列に接続したこと。太陽光パネルの変換効率は15%、そ
の発電エネルギーの約1/2をギ酸として貯めておくことが可能。その結
果、実用太陽電池サイズ(36cm角)のセルを用いた実証実験で、クラ
ス世界最高となる太陽光エネルギー変換率7.2%の数値を達成する。
図1.

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。

※ 特開2020-25497 再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動
方法、および、メタノール製造方法 国立大学法人東京工業大学 大阪
瓦斯株式会社
【概要】
タンガスの有効利用という観点からも、たとえば、排水処理設備や埋
立地等から大気放散しているバイオマス由来低質メタンガスを有効利
用する技術が求められている。この中で、メタンは二酸化炭素よりも
温室効果の高い気体であるが、上記の低質メタンは硫化水素などの不
純物を含んでいるため、既存の無機触媒への利用は困難という実情で
ある。また、持続可能なエネルギーを用いたメタン/メタノール変換
である無機触媒によるメタン/メタノール変換は高温・高圧反応であ
るため大量のエネルギーが必要であるとされている。一方、微生物を
用いたメタン/メタノール変換は無機触媒に比べては低コストである
が、微生物の酵素反応のためには電子源となる高価な還元剤が必要で
あり、継続的に反応を維持するにはコスト的に釣り合わない。そのた
め、より低コストでクリーンなエネルギーで駆動する反応系を構築す
ることが望ましい。非特許文献(Methane Hydroxylation Using Light
Energy by the Combination of Thylakoid and Methane Monooxygenase. RSC
Advances 2014, 4 (17), 8645-8648
.)によるとチラコイドによるNAD+
(還元剤)の光還元を利用することで、水から得た電子がNADH、
NQO(quinone oxidoreductase)、キノンプール、pMMOへと順に
受け渡されることでメタン酸化反応が進行する(図5参照)ことが、
明らかになっている。すなわち、チラコイドとpMMOとは、別々の
膜上の反応系に独立して存在しており、チラコイドに位置する光合成
反応タンパク質PSII(PSII)で光生成した電子をNAD+を
介してpMMOの位置する膜に伝達することで最終的にメタンを酸化
しメタノールを製造するものであるがし、電子伝達経路が複雑となる
ため、よりシンプルな反応系の構築が求められていた。またさらに、
安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法が求められて
いた。メタンモノオキシゲナーゼと、光合成反応タンパク質PSII
とを、キノンプールを内包する状態に保持したことで、よりシンプル
で、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法となる(
たとえばメタンからメタノールを生産する)。

【図2】再構成膜によるメタン酸化反応を示すグラフ


【図5】非特許文献1(従来)による光酸化反応駆動系の模式図


【図6】本発明の光酸化反応駆動系の模式図
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【日本化学会賞】
分子連結系光電荷分離の学理構築とエネルギー・生物学的応用
Molecular Photoinduced Charge Separation for Science and Energy and
Biological Applications
今堀博京都大学教授
1.分子連結系を用いた光電荷分離に関する学理構築
光合成,太陽電池,光触媒において,太陽エネルギー変換を効率良く
行うためには,ドナー(D)・アクセプター(A)系において,いかに
効率良く長寿命の光電荷分離状態を生成するかが鍵となる。今堀氏は,
ドナーとしてポルフィリン,アクセプターとしてフラーレンを用いた
分子連結系において電子移動の再配列エネルギーが小さいことを実証
し多段階電子移動系に展開して,人工光合成分野における数々の世界
記録を打ち立てた。
一方,上記の研究成果はマーカスの古典的な電子移動理論に基づく精
緻な分子設計,合成,物性評価,解析により実現されたものである。
今堀氏は,振動,回転,ゆらぎなどの原子核の運動やそれらの集団運
動に対して,電子やスピンの振る舞いが時間発展的にどのように動的
に関与するのかに興味を持ち,研究を推し進めた。例えば,架橋構造
を工夫することで,D・A 間電子的相互作用を連続的に変化させたポ
ルフィリン・フラーレン連結系を構築した。詳細な物理化学的測定お
よび解析の結果,光励起電子移動で生成する一重項電荷分離状態を,
三重項電荷移動状態を経て,三重項電荷分離状態に高速かつ高効率で
変換することに成功した。これは,分子構造の回転,ゆらぎを通して,
3 次元的な分子軌道を有するフラーレンと平面的なポルフィリン間の
スピン軌道相互作用が増強された結果であることを明らかにした。
 また,単分散ポリチオフェンとフラーレンをオリゴフェニレンで架
橋した有機薄膜太陽電池のモデル分子連結系を構築した。時間分解電
子スピン共鳴分光法により,D・A 界面で電荷分離状態が生成し,さ
らにホールがポリチオフェン主鎖に沿って,非局在化していく様子を
明らかにした。そしてポリチオフェンのアルキル側鎖の集団運動によ
り,エントロピーが増加し,クーロン力に打ち勝って電荷解離が促進
されることを提案した。
このように動的効果を導入することで局所励起状態,電荷移動状態,
電荷分離状態を相互に自在に操れれば,有機太陽電池,有機電界発光
素子などのさらなる高機能化が期待できることから,多様な光機能開
拓の契機となった。

2.有機太陽電池における分子構造・太陽電池特性相関解明
今堀氏は分子設計の観点から,分子構造と太陽電池特性の詳細な相関
を独自性の高い手法で解明してきた。例えば,ポルフィリンが極めて
高いモル吸光係数を400 nm および550 nm 付近に示すことに着目し,
ポルフィリン! 系の非対称拡張により,ポルフィリンの吸収特性と太
陽光分布を合致できることを提案した。ポルフィリンへのD・A置換基
の導入,置換型メチレン構造を介した非対称な縮合環化を組み合わせ
ることで,非対称! 拡張ポルフィリン系色素増感太陽電池として最高
のエネルギー変換効率を達成した。また,今堀氏は金属,半導体表面
上に有機分子が密に自己組織化単分子膜を形成する場合,傾いて配向
することに着目し,酸化チタン電極上に吸着した増感色素の傾きと太
陽電池特性との相関を初めて解明した。具体的には,増感色素と酸化
チタン電極との電子のやりとりは増感分子が酸化チタン電極表面へと
傾いているため,空間を通して起こることを実証した。
 一方,有機薄膜太陽電池に関しては,化学修飾されたフラーレン誘
導体の異性体効果は知られていなかった。今堀氏は異性体を分離・精
製することで,その異性体構造と有機太陽電池特性の相関を明らかに
した。さらに,非フラーレンアクセプターにおいて,会合性の大きな
! 共役系をコア部位に用いることで,溶液中よりも膜中において長い
寿命を有する励起一重項状態生成に成功した。有機薄膜太陽電池の高
効率化には電圧損失を抑制することが重要であると言われており,励
起状態の長寿命化は電圧損失を抑制する独自の戦略につながると期待
される。
3.光を用いた細胞制御工学の開拓
D・A 連結分子における光電荷分離状態は10 6 V/cm と細胞の静止膜
電位10 5 V/cmを一桁上回るナノ電場を発生できる。今堀氏はD・A連
結系を細胞膜に導入し,光を照射すれば,膜電位を制御できるとの仮
説を打ち立てた。実際に,D・A 連結分子を生きた細胞の細胞膜に導
入し,光照射を行ったところ,膜電位の低下とイオンチャンネルタン
パク質の阻害が観測された。また,神経細胞の脱分極による発火にも
成功した。さらに,複数のカチオン性置換基をD・A 連結分子に導入
することで,人工細胞膜中での光電荷分離効率の最高値86% を達成し
た。光を用いた遺伝子工学はオプトジェネティックスとして近年注目
を集めており,今後精神疾患などの医学的治療への応用が期待される。 

以上のように,今堀博氏の世界を先導する光電荷分離に関する業績は
,新たな「光電荷分離ワールド」を切り開いており,多彩な光機能開
拓に広がりつつある。一方で,精緻で独創的な分子設計により,有機
太陽電池の高効率化,細胞機能制御に関する新しい分野を築きつつあ
る。よって,同氏の業績は日本化学会賞に値するものと認められた。
via CHEMISTRY & CHEMICAL INDUSTRY , Vol.76-3 March 2023
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 人工光合成で低濃度CO2から生分解プラ合成
3月9日、大阪公立大学の研究グループは,人工光合成技術を活用し,
廃棄アセトンの約70%を生分解性プラスチック原料である3-ヒドロキシ
酪酸に変換することに成功する。生分解性プラスチックの中でも,水
に不溶かつ強度のあるポリエステルとして包装材等によく使われてい
るポリヒドロキシ酪酸は,3-ヒドロキシ酪酸を重合して得られる。研
究グルプは以前の研究で,二酸化炭素とアセトンから高効率で3-ヒド
ロキシ酪酸を合成できることを報告。研究段階にある二酸化炭素を資
源とする技術の多くは,出発原料として炭酸水素塩,炭酸塩または高
純度の二酸化炭素が使用されている。これをより一層実用化へと近づ
けるためには,二酸化炭素の濃縮過程を経ずに,火力発電所や製鉄所
等からの排ガスに含まれる数%~20%の低濃度二酸化炭素を直接利用す
ることが経済的に望まれている。 また,アセトンは水および油との
混和性が非常に優れているため,除光液や染み抜きなど日常的に使用
する化学薬品や,実験器具の洗浄など広く用いられており,廃棄され
た大量のアセトンの再資源化も求められている。研究グループでは,
以前報告した3-ヒドロキシ酪酸を合成する人工光合成技術に,油性イ
ンクを処理した廃棄アセトンと,火力発電所等からの排ガス相当の低
濃度二酸化炭素を出発原料とし,太陽光と同等の可視光を1日照射す
ることで,アセトンの約70%を3-ヒドロキシ酪酸に変換することに成
功した。この成果は,二酸化炭素を削減するだけでなく,廃棄資源を
再利用しながら生分解性プラスチックを作る革新的な方法となること
が期待される。研究グループは今後,実際に実験室で出てくるアセト
ン廃液や排ガスを原料として利用できる人工光合成技術への展開を目
指す。
【要約】
1.廃棄アセトンと排ガス相当の低濃度CO2から生分解性プラスチック
 原料を合成
2.二酸化炭素と結合させたアセトンからの収率は約70%
3.廃棄資源を再利用する革新的な人工光合成技術へ、大きな一歩。

✔ 人工光合成も2030年には実用化の目処が立っているものと考える。
  正確に言うと、持続可能水と二酸化炭素と光還元触媒を主流とし
  て、再エネ電力水電解の水素と二酸化炭素を使用して、化成品、
  有機溶剤などを持続可能な製造能力な製造システムである。従っ
  て次回のテーマは、持続可能な製造能力な水素濃縮・貯蔵・供給
  システムに移り本シリーズは完結。


図1 マルチモード光ファイバを用いた長距離伝送の動向、
  および本成果の位置づけ

NTT 10空間多重光信号を空間モード多重増幅中継 
従来の10倍以上の長距離・大容量光ネットワークの実現へ貢献
3月6日、日本電信電話株式会社は、これまでの光ファイバと同じ直径
を保ちながら伝送容量を10倍に拡大可能な空間モード多重光ファイバ
による、世界最長(1300 km)の10空間モード多重信号の光増幅中継伝
送に成功。本成果により、従来技術では困難であった10以上の空間多
重数拡張と長距離伝送の両立が可能になるため、光ファイバあたりの
伝送容量の飛躍的な向上を見込む。これにより、将来的なクラウドサ
ービス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビッ
ト級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献する。また、
NTTが提唱するIOWN構想・Beyond 5G/6G時代を支える大容量光ネットワ
ークの実現に貢献する次世代の伝送基盤技術として期待する。今回の
成果は、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される光通信技術
に関する国際会議OFC2023(The Optical Networking and Communication
Conference & Exhibition
)の伝送部門において査読委員から最も高く評
価されたトップスコア論文として採択され、3月6日(現地時間)に発
表される。なお、本研究成果の一部は,国立研究開発法人情報通信研
究機構の「Beyond 5G研究開発促進事業」の委託研究(採択番号01001
)により得られたもの。 
【要点】
1.空間モード多重中継増幅器に適用可能な拡張巡回モード群置換技
 術を研究開発し空間チャネル間の伝送特性偏差を平準化することで、
 従来記録の10倍以上の伝送距離に相当する、世界最長の1300 kmにわ
 たる10空間モード多重光伝送実験に成功。
2.上記の増幅中継技術を適用することにより、これまでの光ファイ
 バと同じ直径のMMFを用いて10以上の空間多重信号を長距離伝送でき
 ることを世界に先駆けて示した(図1)。



【展望】
今後、線路技術や光増幅技術などの関連技術分野と連携のもと、10空
間モード多重級の光信号を効率良く処理可能なMIMO信号処理を用いた
システム実現技術の確立をめざ。これにより、将来的なクラウドサー
ビス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビット
級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献。また、NTTが
提唱する2030年代のIOWN構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤
の実現を推進していく。


SCREEN 直接描画装置のラインアップ拡充
SCREENホールディングスは,ICパッケージ基板やFOPLP(FOWLPの製造
方法をウエハーよりも大きなパネルに適用した半導体パッケージ)な
どに対応した,次世代パターン用直接描画装置「LeVina(レビーナ)」
の2μm対応モデルを開発し,2023年7月に販売を開始する。

キヤノン,前工程向け半導体露光装置を発売

キヤノンは,前工程向け半導体露光装置の新製品として,50×50mmの
広画角と0.5µmの高解像力を両立するi線ステッパー「FPA-5550iX」の
販売を開始。

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine   



J--POPの系譜を探る1968年代】

ザ・テンプターズ The Tempters  神様お願い (1968年3月5日発売)  
ソロ:萩原健一 作詞・作曲:松崎由治 ※ J-POP(ジェイ-ポップ、英: Japanese
Popの略で、和製英語)は、日本で制作されたポピュラー音楽を指す言葉で
あり、1989年頃にその語と概念が誕生した後、1993年頃から青年が歌唱す
る曲のジャンルの一つとして広く認識されるようになった。 つまり   J、-POP
以前と以後の違いは、BPM(テンポ)の速さや洋楽の影響を受けたメロディ・
コード進行・リズムにある。特に、昭和歌謡の時代の邦楽と比較して、歌詞
の構造が解体された代わりにグルーヴが洗練された作品は増加した。なお、
一般的な音楽ジャンルとは異なり、その先に「J-POP」という言葉を定義し、
それに既存の楽曲を当てはめる所から入っていったもので、発生した音楽
ジャンルではない(via Wikipedia)。 ここでは、和製ポップス、グループ・サ
ウンズ(フォークソングを含む)とする。

テンプターズ(誘惑者達)などのグループ・サウンズジと----ジャッキー吉川
とブルーコメッツ、ザ・スパイダース等----呼び始めたのは1967年3月からだ
という説もあるが、ビートルズ 「ハロー・グッドバイ」 ドアーズ 「ハートに火を
つけて」、007は二度死ぬ[英]、ベストセラー 五木寛之、『蒼ざめた馬を見よ
』、大江健三郎、『万延元年のフットボール』、有吉佐和子『華岡青洲の妻』、
多湖輝『頭の体操』がある。 (弊ブログ 2020.12.07 「太陽は沈み太陽はまた
昇る」) その大江健三郎氏が今月3日他界された。享年八十八。
                                          合掌

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)ひとつの言葉が励みとなる
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