極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

新成長経済理論考 ⑬

2023年12月10日 | 人工光合成時代



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



きょうは親父の命日。宗安寺にお参りし、昼食はいつものように十割側をと予定
していたが、閉店のため在来種のいぶき蕎麦を打つ「つる亀庵」に立ち寄り、「
寒ぶりの伊吹大根みどれ蕎麦」「にしん蕎麦」を頂く。前者ははじめての季節蕎
麦。すこし朝霧がかかったような上天気。「これは美味い!」と堪能す。因みに
墓地の供養花はご近所から頂戴いている「高野槙」。

 
  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era

                     
新成長経済理論考 ⑬
 高付加価値としての再エネ事業の選択と集中



近年、下記に事例掲載しているように、白金族などの希少元素を代替するプラズ
モン金属と触媒金属を組み合わせることで、産業用途向けの強力な光触媒開発を
進められている。これは太陽光の新しい利用方法であり、CO2を使用可能な物質
に変換する方法であり、持続可能な社会実現の有効な手段り、付加価値を高める
技術として注目をされている。

1.2017.04.10 神戸大学・大阪大学・科学技術振興機構(JST) 水素生成量z
が桁増加する光触媒の開発に成功 
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20170410/index.html

2.02017.05.29 大阪大学 世界初!水から水素を高効率で生成できる光触媒;
黒リン、金ナノ粒子、チタン酸ランタンの3材料の可視光・近赤外光応答光触媒https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2017/20170529_1

3.2021.02.21 田中貴金属 細菌とナノ粒子の「バイオ・ハイブリッド」で、光
から水素をつくる。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202016960

4.2021.08.26 NED・人工光合成化学プロセス技術研究組合・東京大学、富士フ
イルム(株)、TOTO(株)、三菱ケミカル(株)、信州大学、明治大学 人工光
合成により100m2規模でソーラー水素を製造する実証試験
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101473.html

5.2022.07.11 世界最高水準の太陽光-水素変換効率(13.9%) 新潟⼤学・産総
研 https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/07/220701rs.pdf


12月08日、ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学らの共同研究グループは
プラズモニックバイメタル二次元超結晶に基づく光触媒水素生成技術を開発。
個々の金ナノ粒子 (AuNP) と白金ナノ粒子 (PtNP) を組み立てることによって
プラズモニック構造を組み立てた。金ナノ粒子の配置により、入射光が極めて効
率的に集束され、金粒子間に形成される強い局所電場、いわゆるホットスポット
が生成される。 提案のシステム構成は、可視光が金属内の電子と非常に強く相
互作用し、それらを共鳴振動させ、電子が集合的にナノ粒子の一方の側からもう
一方の側へ非常に速く移動する。 これにより、双極子モーメントと呼ぶ一種の
ミニ磁石が形成される。 これは、電荷の大きさと、正電荷と負電荷の中心間の
距離の積。 それが物質化すると、ナノ粒子はより多くの太陽光を捕らえ、それ
を非常に高エネルギーの電子に変換。 これらは化学反応を促進するのに役立ち
ます。ギ酸分解におけるプラズモニックバイメタル二次元超結晶の性能をテスト
した。この文脈では、金と白金の活性が低いこと、そしてカーボンニュートラル
な水素キャリアであることにも基づき、プローブ反応が選択された。超結晶が触
媒目的に使用できることを発見。 実験での照明下でのプラチナの性能の向上は、
入射光と金アレイの相互作用によってプラチナが活性化されたことを示唆する。
実際、ギ酸を H2 キャリアとして使用すると、AuPt 超結晶が最高のプラズモニ
ック性能を発揮する。この結晶は、触媒1グラム当たり1時間当たり139ミリ
モルの水素生成速度を示す。これは、この光触媒材料が可視光照射および太陽放
射下でのギ酸脱水素による水素生成の世界記録となる。最近 Nature Catalysis
に掲載された水素
生成のためのプラズモニック バイメタル二次元超結晶で新しい
解決策を発表。
プラズモン金属と触媒金属を組み合わせることで、産業用途向けの強力な光触媒
の開発を進めている。これは太陽光の新しい利用方法であり、CO2を使用可能な
物質に変換するなど、他の反応の可能性をもたらす方法。
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水素製造用プラズモニックバイメタル二次元超結晶

【要約】
太陽光による水素生成は、差し迫った炭素ベースのエネルギー崩壊に対処するた
めの中心的な技術。プラズモン粒子と触媒ナノ粒子からなるコロイド光触媒は、
太陽放射照度での水素生成に有望だが、その性能は吸収や多重散乱現象によって
妨げられる。 今回、明確に定義された金ナノ粒子の超結晶に白金ナノ粒子を組
み込むことにより、二次元バイメタル触媒を提案。 このバイメタル超結晶は、
の H2 生成率を示しました。 可視光照明および太陽放射照度下でのギ酸脱水素
反応を介し、2つの金属材料間の相互作用と、それが触媒作用に及ぼす影響を研
究することが可能になる。 ホットスポットの電場の強度と白金ナノ粒子の触媒
活性の促進との相関関係を観察し、その促進における熱と金から白金への電荷移
動の構成利点を実証した。

【概要】
分子状水素 (H2) は、クリーンで持続可能なエネルギーの探求において必然的に
重要な役割を果たす。 発熱燃焼が高いため、炭素ベースの燃料の代替として適し
ており、それによって二酸化炭素排出量が削減される。 自然界で起こることと
同様に、水素結合で太陽光からのエネルギーの捕捉すは、さらなるプロセスで太
陽エネルギーを貯蔵及び製造に有望な戦略である。このエネルギー変換を促進す
る材料は非常に興味深い。この点において、サブ波長の金属ナノ粒子 (NP) は、
局在表面プラズモン共鳴によって駆動される光触媒作用に独自の可能性をもたら
す。 金、アルミニウム、銀、マグネシウム、銅などのプラズモニック金属は、電
磁スペクトルの可視領域でこれらの共鳴を示し、最大太陽放射照度のスペクトル
領域で光を効率的に吸収できます5。 この光と物質の相互作用により、NP表面の
電場が強化され、高エネルギーの正孔と電子 (ホットキャリア)、および局所的な
熱が発生。 これらの優れた光学特性にもかかわらず、これまでに使用されてい
るプラズモニック金属は触媒活性が低い。

化学変換の顕著な光学特性を利用びは、プラズモニック NP を多成分ナノ構造に
統合し、個々の成分に関してより優れた性能を備えた光触媒を製造した 8,9。
特に、触媒金属とプラズモニック金属からなるバイメタル構造は、可視光の強い
吸収と高い反応性を兼ね備えている10、11、12。 アンテナ - リアクター」とい
う用語は、プラズモニック NP と触媒 NPが近接して配置される構成を指す造語
だが、活性材料が島を形成するか、プラズモニックアンテナ表面に単一原子とし
て分散する配置にも拡張された。この構成は、他の構成と比較して、光を反応生
成物に変換する効率が最も高くなる13、14、15、16、17。
これらのバイメタル光触媒の活性が強化されているにもかかわらず、液体環境に
おけるその性能はいくつかの実験上の課題に直面しています。 たとえば、濃縮
された溶液は複数の散乱と吸収の事象に悩まされ、反応器への光の浸透が数百マ
イクロメートル(〜500 μm)まで減少するため、存在するすべてのナノ構造の同
時活性化が妨げられる18。これにより、溶液中の触媒濃度の作業範囲が制限され
適切に設計された反応器を製造する際の課題が増大する。さらに、コロイド NP
に安定性を与えるリガンドは光化学的脱着を受ける可能性がある 19,20。 その
結果、ナノ構造の制御されない凝集が生じ、光学特性の変化、凝集体の沈降、お
よび触媒活性に利用できる表面の減少につながる。 コロイド懸濁液からフィルム
構成への移行は、光の透過と凝集による制限を回避するための魅力的な戦略。
このアプローチにより、比較的固定された位置にあるすべての個々の NP を集合
的に励起することができるため、上記の実験上の制限に対する解決策が提示され
る 21、22、23。 この点に関して、プラズモニック二次元(2D)超結晶24、25、26、
光応答が平面内の個々の成分の周期的組織化によって支配されるデバイス27、28
は、3Dから準2D材料への移行を促進し、バイメタル光触媒の利点をより良く活用。
ここで、2Dとは結晶が2次元に広がることを表現する。これは単層に限定され
ず、むしろ特定のドメイン内の定義された数の層を意味する29。

【成果】
2D超結晶の合成と特性評価
図1は、合成されたプラズモニック超結晶の顕微鏡的
特性を示している。参照/対照サンプルとして機能する単金属 2D 超結晶 (Au 超
結晶) は、個々の AuNP を構成要素として使用する以前に報告された方法に従っ
て製造された 25。 AuNPの合成を正確に制御し、 それらの表面化学と自己組織化
ステップにより、エッジ間距離が約2 nmの22 nm AuNPが十分に詰まった六角形の
アレイが得らた(図1a)。 透過型電子顕微鏡 (TEM) でさまざまな領域を調査し
たところ、サンプル中に大きな AuNP の六方最密充填以外の結晶配列は見つから
なかった。 広い領域にわたる構造の均一性は、図1bのTEM画像に示す。 これら
の層は最大数平方ミリメートルまで広がることがある (図 1c)。 単層に加えて、
結晶化プロセス中に多層の領域も出現(図1c)。多層は同じ結晶相 25 を維持す
るが、結果として異なる光学特性が得られる。 透過モードの光学顕微鏡を使用
}すると、コントラストの違いにより異なる層番号を識別することができ、サン
プルの厚さが異なることを示した 24,40。 Au超結晶の透過率の一例を図1cに示
す。青色が明るいほど、超結晶は薄くなる。明確な色のコントラストを利用して
さまざまな層番号の面積を測定。


図 1: 顕微鏡による特性評価
a、b、22 nm AuNP からなる Au 超結晶の 2 つの異なる倍率での TEM 画像。 NP
の粒子間ギャップは約 2 nm 。 c、超結晶の代表的な透過顕微鏡画像。 青色の
色合いの違いは、粒子層の数が異なることを示す。 1L、単層。 2L、二層; 3L、
三層。 3L+、多層。 d、e、2つの異なる倍率でのバイメタル2D AuPt超結晶のTEM
画像。 PtNP (〜3 nm) は、22 nm AuNP 間の粒子間ギャップ (〜3.5 nm) にホス
トされている。 異なる金属間に界面は形成されず。

【結論】
この研究では、コロイド懸濁液から所望のアンテナ - リアクター構成を実現。
たプラズモニックバイメタル超結晶を紹介。 超結晶のサイズは構造を維持した
まま数ミリメートル平方ミリメートルまで拡大することができ、単層、二層、多
層ドメインを実現できる。太陽放射照度でのギ酸脱水素反応における水素生成速
度の2倍の増加を観察で、超結晶におけるプラズモニック触媒成分の相乗効果を
証明した。 明確に定義された超結晶を使用し、触媒増強に対するプでラズモニ
ックの寄与を区別できた。この研究結果は、PtNP の性能は主にホットスポット
での電磁場の強度によって決まるのに対し、熱の寄与や AuNP から触媒中心への
電荷注入は反応促進に与える影響が小さいことを明らかにした。



図2: 超結晶の光学的特性評価
a、b、純粋なAu超結晶(a)とバイメタルAuPt超結晶(b)の実験層依存の反射率
透過率、吸収スペクトル。 c、d、異なる層番号の組成の分析から得られた、純粋
なAu超結晶(c)およびバイメタルAuPt超結晶(d)の重み付けされた反射率、透
過率および吸光度スペクトル。 上で述べたように、透過モードの光学顕微鏡で画
像化された超結晶層の色のコントラストにより、ドメインのサイズを推定するこ
とが可能になった。 したがって、個々の層の実験応答を異なる領域で重み付けに
より、サンプル全体的光学応答が計算が可能となる。触媒実験では、異なる数の
層を含むサンプルの広い領域が照明され、さまざまな層の比率を知ることができ
る。対照サンプルの被覆率が約 80%、AuPt 超結晶の被覆率が約 60% の単層がサ
ンプルの主要部分を構成が明らかした。バイメタルサンプルには顕著な量の三層
および多層(約 30%)が含まれるが、モノメタルサンプルは約 3% の多層のみで
構成される。


図 3: ギ酸条件における光触媒性能 a、Au および AuPt 超結晶の、暗所と明所
の両方の条件における触媒の総質量によって正規化された H2 生成速度。
b、AuPt超結晶のアレニウスプロット。 白色光照射により、Ea は 33.4 kJ mol−1
から 29.8 kJ mol−1 に減少。 すべての実験で使用される放射照度、〜110 mW
cm−2、T = 25 °C。 データは、少なくとも 3 つの独立した測定の平均値として
表示。エラーバーは標準偏差を表す。
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【技術用語脚】
1.バイタルナノ粒子:触媒活性と選択性を高めるための2つの異なる金属の組
み合わせ(Bimetallic Nanoparticles A Combination Of Two Different Metals For Enhanced
Catalytic Activity And Selectivity


 風蕭々と碧い時




今夜の寸評: 

 


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