極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

未来共有への合意形成

2014年02月07日 | 極東アジア経済構想

 

 








【国家の条件:未来共有と合意形成】


NHK会長に就任した籾井勝人の「(慰安婦は)戦争地域にはどこでもあった」「政府が
右ということを左というわけにはいかない」などと就任会見で発言し話題となっている。
かって、西部邁が保守論客に転向した、南京事件など一連の発言をそのまま踏襲した内容
で陳腐なもので、国家の現状維持ないしはより硬直反動に寄与するだけのもの。国家観に
ついては、このブログで掲載してきたが、この発言の背景を反復学習するために、12年
前に出版された吉本隆明著の『私の「戦争論」』を思い出してみた。この本の内容が「
戦争とは何なのだろう?国家と個人とはどちらが重い?「思想界の巨人」が素朴な疑問の
一つ一つに、ていねいに答えるように解り易い言葉で語った「戦争論」の決定版!自己の
戦争体験を冷静に語り、今日もなお繰り返される旧来の保守派と進歩派の不毛な論議を根
本からくつがえす。「戦争自体がダメだ」「エゴイズムは肯定されるべき」等々、ラジカ
ルかつ、明解な論理が展開される」と紹介されているが(紀伊国屋書店)、要約抽出する
と次のようになっている。

(1)第一章 小林よしのり『戦争論』を批判する:日本が「侵略」したことは否めない
/威張る軍人を見て、ホトホト嫌になった/他国の領土内で行う戦闘行為は「侵略」であ
る/戦争中は左翼も「戦争大肯定」だった/ウソから出発した共産党をはじめとする戦後
左翼/ウソではない「戦争の本当のくぐり抜け方」/「生き神様信仰」を見抜けない小林
よしのりの盲点/個人のほうが国家や公よりも大きい/「生き神様信仰」によって変形し
た日本の個人主義/エゴイズムは基本的に肯定されてよい/「自分を棚上げ」にする戦後
民主主義の欺瞞/日本の民主主義はいまだに付け焼刃である/小林よしのりには「新しい
事態」を見抜く視点がない

※明治から戦中にかけての国家体制を知るには、現在の北朝鮮をみれば理解しやすい(生
き仏様信仰)。

(2)第二章 「新しい歴史教科書をつくる会」を批判する:教科書をつくり直せば健全
な子供が育つというのは大間違いだ/
「東京裁判」は不公平なインチキ裁判である/GH
Qを見て、「鬼畜米英」もヘチマもなくなった/
敗戦のせいで日本人が無為無気力になっ
たというのはウソだ/
「廃藩置県」に武士たちの美しき自己犠牲を見るのは間違いだ/
本に謝罪を要求する中国も「侵略国家」にほかならない/
日本政府は元従軍慰安婦たちに
謝罪し、賠償すべきだ/
謝罪し、賠償することは逆に「国家としての名誉」になる/強制
連行の有無を問う議論の仕方は誤りだ/
南京大虐殺」における犠牲者の数は本質的な問
ではない
湾岸戦争で戦費だけ負担したのは「日本の分相応」である/司馬遼太郎の小
説に「本当の歴史」は描かれていない

(3)第三章 保守派の「思想」を批判する:西尾幹二のニーチェ読解にフーコーの凄み
はない/
「ドイツとナチスは別だ」というヴァイツゼッカーの論法は通用しない/「保守
主義とは感覚である」という江藤淳への批判点/
吉田茂が「悪い」のは”なしくずし”の
元凶だからだ/
イデオロギー不信を表明する司馬遼太郎は日本的である/保守主義の間違
いは現状を固定的に考えるところだ/
江藤淳が保守主義者に転じたきっかけとは?/西部
邁には“歴史は変化するものだ”という視点がない
国民国家を普遍的なもののように見
なす石原慎太郎の間違い/
石原慎太郎はアジアでブロック経済が成り立つと錯覚している
なぜ、石原慎太郎は都知事選で圧勝したか?”ゴミ処理”の手腕で決まる都知事の評価
「命にかけても」という福田和也の口先だけの力み/三島由紀夫の「切腹」に見る「知
行合一」の考え方を批判する

(4)第四章 私は「戦争」をこう体験した:開戦は解放感をもたらしてくれた/米沢高
等工業学校で遭遇した「嫌なこと」/
戦争中、世の中は明るく、気分は高揚していた/
争中は小林秀雄や保田輿重郎などにイカれていた/
天皇の「終戦の詔勅」を聞いて泣いた

(5)第五章 人類は「戦争」を克服できるか:「戦争自体がダメだ」という究極の戦争
観/
国家間の戦争は夫婦喧嘩とは違う/自衛隊を自警団的なものにすれば戦争をなくす方
向に近づく
日米安保条約の存続は国民の審判を仰ぐべきだ/社共とは画然と違う”独立
左翼”の「闘争の論理」/
「安保反対」をお題目のように唱えるだけでは意味がない/
核兵器が戦争の抑止力になる」というのは詭弁だ/
「北朝鮮の脅威」はタカ派たちの口実
にすぎない/
戦争を回避する道は一つだけあった/なぜ、「国家は解体すべき」なのか?
EU(欧州連合)に国民国家解体の兆しは出ている/歴史をさかのぼれば、違う「日本国」
や「日本人」が見えてくる/
過去を探求することは未来に通じる

※ここで問題となるのは中国政治体制の動向。米国の覇権主義(遅れてきた帝国主義?)
を踏襲するリスク(膨張すると内部崩壊する)。

以上、現実の局面では吉本の言う理想論とは異なる対応を余儀なくされる可能性は残るも
のの、現在起きている諸問題に対応するには「固定的国家観」を破棄し、関係国民が「未
来共有」できる「国家像」をみせ、関係国で合意形成を図ることが大切だと考える。

●併せて、アベノミクスの第三矢の成功のヒントはこの本に埋め込まれているぞ! 

 1999.09

 

 

   

【フード・ファントム・メナス(17)】 


 牛乳

 ●妊娠は北海道産を飲んでください 

  福島第一原発の事故直後は、福島県はもちろん、南は関東、北は岩手県まで、牛乳

 から高いレベルの放射能が検出されていた。
  2012年に入ると、放射能はほとんど検出されなくなったが、厚生労働省の検査
 結果を見ると、まれにだが1㎏当たり5ベクレル程度の放射性セシウムが検出される
 ので、油断はできない。だが、全体としては安全なレベルになっている。
  エサがほとんど輸入物なので、今後も牛乳の放射能が基準の50ベクレルを超える
 ことは考えられない。それでも、妊婦だけは「北海道産」を飲んでおくのが安心だ。
  問題が残るのは福島県産の牛乳で、トリチウム(三重水素)汚染を否定できない。
  福島県産の牛乳を、2012年6月から学校給食で飲ませている東京都世田谷区や
 府中市は、子どもの安全を軽視しすぎている。
  汚染水の蒸発処理をやめ、爆発した原発がシェルターで覆われるまでトリチウムは
 出続ける。消えてなくなるのは120年後だ。


 粉ミルク

 ●放射能の心配はなくなっている

  赤ちゃん用粉ミルクの原料乳をメーカーに聞いてみると「明治」「森永」「和光堂」
 「アイクレオ」「雪印メグミルク」は、北海道産か外国産の牛乳だけを使用していた。
 これらのメーカーの粉ミルクは、放射能は心配ない。
 「ビーンスターク」は、乳成分のごく一部に関東産の牛乳を使用していた。とはいえ、
 量が少ないから、この粉ミルクを赤ちゃんに飲ませていた方も心配ない。それに今は、
 関東産の牛乳もほぼ不検出になったから、放射能の心配はなくなっている。
  今は粉ミルクを溶く水や、赤ちゃんが飲む水の質を重視するのがいい。
  硝酸態窒素が、畜産廃棄物から流れ出て飲用水を汚染しているからだ。野菜中にも
 含まれる物質だが、離乳するまでの乳児は、硝酸態窒素に弱く、過去には外国で多数
 の赤ちゃんが亡くなったケースもある。活性炭とイオン交換樹脂を用いて、有害化学
 物質と硝酸態窒素を取り除ける浄水器「ラピュール」を用いるか、軟水のミネラル

 ウォーターを利用するのがいい。純水(RO水)製造装置は使わないでいただきたい。
 「やさしい赤ちゃんの水」や「ベビーのじかん赤ちゃんの純水」は、放射能だけでな
 く、ミネラルも一切含まないので、赤ちゃんの成長に悪影響が出る恐れがある。

                            -中略-

 アイスクリーム

 ●ミネラルを強化して食べている

  乳成分の多い高級アイスは、北海道産か輸入の乳製品を使用し、100円アイスは、
 輸入乳製品と、北海道産が主体の脱脂粉乳と、植物性脂肪を用いて製造している。だ
 から、最初から放射能のリスクはなかった。
  高級アイスと100円アイスとでは、本物のクリームを使っているか、植物油脂を
 使っているかの差が大きい。
  本物のクリームには皮膚や神経に必要なレシチンが含まれているが、植物油脂は精
 製されているのでレシチンが含まれていない。
  そこで、100円アイスを食べるときは、ミネラルを加えてレシチンを体内合成し
 やすいようにするのがいい。
  バニラアイスにはアーモンド、チョコアイスにはコーヒーやココア、イチゴアイス
 にはイチゴジャム、ヨーグルトアイスにはブルーベリージャム、マロンアイスにはマ
 ロンジャムを加える、というように味を強化して美味しくすれば、ミネラルも強化で
 きる。

                             -中略-


 バター

 ●エキストラバージン・オリーブ油で代用するのがおすすめ

  生乳からクリームを分離し、クリームを攪拌して脂肪球を凝集させ、バター粒にし
 て液体のバターミルクを取り除く。それから、バター粒を水で洗って塩を加えたもの
 をバターという。
  生乳にあったレシチンはクリームに集まり、そこからバターミルクに集まる。バ
 ター粒に少し残ったレシチンは、水洗いしたときに流れてしまう。バターの欠点はレ
 シチンがほとんど含まれていないことであり、これはマーガリンも同じだ。
  バターは、風味が豊かで満足感もあるので、食パンに塗るなら量が少なくてすみ、
 ムダな油を摂らなくてすむ。
  しかし、多くの人は、レシチンが不足している。レシチン不足を解消するには、朝
 食にパンを食べている人が、バターやマーガリンを付けるのをやめて、少し価格の高
 い生産者名がわかるようなエキストラバージン・オリーブ油に塩をふり、そこにパン
 を付けて食べればいい。
  これは、健康な人が世界でトップクラスに多いイタリアで、普通に行われているこ
 とだ。


 マーガリン

 ●トランス脂肪酸の問題はなくなったが

  10年ほど前まで、動脈硬化を起こしやすい飽和脂肪酸の多いバターより、植物性
 脂肪の不飽和脂肪酸の多いマーガリンが、健康にいいといわれていた。
  しかし、心臓に障害を起こすトランス脂肪酸がマーガリンに多い、とわかってきた。
 常温で液体の油を、水素添加して固体にするため、トランス脂肪酸が多く含まれてい
 たのである。
 「食品と暮らしの安全基金」が2005年に行ったトランス脂肪酸検査では、小岩井
 マーガリンだけがバターより低い値で、他社のマーガリンは高い値だった。ショック
 を受けた他社は、すぐにトランス脂肪酸を減らし始め、それから間もなく、常温で固
 体のパーム油を主成分として使ったマーガリンが主流になった。
  これで、日本のマーガリンはトランス脂肪酸の問題がほとんどなくなったのだが、
 パーム油の主成分は飽和脂肪酸なので、健康にいいという根拠もなくなった。

                  小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.186-194

 

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