極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境㊽

2024年11月12日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月13日】

        冬北斗気鬱と言えど心は昴 
                    高山 宇 (赤鬼)

※11月に台風が三つとは記録にないと報じる。
 やんぬるかな むべなり。
 





 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖⓷

リチウム二次電池の安全工学的考察⓷

1. 特開2024-159862 正極活物質およびこれを含むリチウム二次電池 
 エコプロ  ビーエム  カンパニー  リミテッド※
※掲載文字数が大きく、詳細に渡り考察したいので、分割掲載する

【要約】図1のごとく、正極活物質およびこれを含むリチウム二次電池
関し、より具体的に、所定の条件で充放電を行ったとき、3サイクル目の
電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、Y軸を、前記電
池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラフにおいて、
所定のピーク強度比および電圧比を示す正極活物質とこれを含むリチウム
二次電池
に関する。


【背景技術】リチウム二次電池は、リチウムイオンの可逆的なインターカ
レーション/デインターカレーションが可能な物質を正極と負極活物質と
して使用し、前記正極と負極との間に有機電解液またはポリマー電解液を
充填させて製造する。リチウム二次電池の正極活物質としては、リチウム
複合酸化物が使用されており、その例として、LiCoO、LiMn
、LiNiO、LiMnO等の複合酸化物が研究されている。
【0005】  前記正極活物質のうちLiCoOは、寿命特性および充放
電効率に優れていて、最も多く使用されているが、原料として使用される
コバルトの資源的限界によって高価なので、価格競争力に限界があるとい
う短所を有している。
LiMnO、LiMn等のリチウムマンガン酸化物は、熱的安全
に優れ、価格が安いという長所があるが、容量が小さくて、高温特性が悪
いという問題点がある。また、
LiNiO系正極活物質は、高い放電容量の電池特性を示しているが、
Liと遷移金属との間のカチオンミキシング(cation  mixing)
問題に起因して合成が難しく、これにより、レート(rate)特性に大
きな問題点がある。【0007】また、このようなカチオンミキシングの
深化程度に応じて多量のLi副産物が発生することとなり、これらのLi
副産物の大部分は、LiOHおよびLiCOの化合物からなるので、
正極ペーストの製造時にゲル(gel)化する問題点と電極の製造後に充
放電の進行によるガス発生の原因となる。残留のLiCOは、セルの
スウェリング現象を増加させて、サイクルを減少させると共に、バッテリ
ーが膨らむ原因となる。【0007】  また、このようなカチオンミキシン
グの深化程度に応じて多量のLi副産物が発生することとなり、これらの
Li副産物の大部分は、LiOHおよびLiCOの化合物からなるの
で、正極ペーストの製造時にゲル(gel)化する問題点と電極の製造後
に充放電の進行によるガス発生の原因となる。残留のLiCOは、セ
ルのスウェリング現象を増加させて、サイクルを減少させると共に、バッ
テリーが膨らむ原因となる。【0008】このような短所を補完するため
に、二次電池の正極活物質としてNi含量が50%以上のHigh-Ni
正極活物質の需要が増加し始めた。しかしながら、このようなHigh-
Ni正極活物質は、高容量特性を示すが、正極活物質中のNi含量が増加
するにつれて、Li/Ni  cation  mixingによる構造的不安
定性をもたらす問題点がある。このような正極活物質の構造的不安定性に
よって高温だけでなく常温でもリチウム二次電池が急激に劣化することが
ある。 したがって、このようなHigh-Ni正極活物質の問題点を補完
するための正極活物質の開発が必要である。

【発明の概要】【0014】特に、本出願人は、正極活物質中、Ni含量
が50%以上、好ましくは、80%以上のHigh-Ni正極活物質にお
いて、前記正極活物質を所定の条件で充放電を行ったとき、3サイクル目
の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、Y軸を前記電
池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラフにおいて前
記正極活物質が所定のピーク強度比および電圧比を満たす場合、前記正極
活物質の電気化学的特性および安定性がさらに向上することができること
を知見するに至った。【0015】これによって、本発明は、所定の条件
で充放電を行ったとき、3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、
X軸を前記電圧Vとし、Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値
dQ/dVで示したグラフにおいて、後述する所定のピーク強度比および
電圧比を示す正極活物質を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】【0018】本発明の一態様によれば、リ
チウムのインターカレーション/デインターカレーションが可能なリチウ
ム複合酸化物を含む正極活物質が提供される。前記正極活物質に含まれた
前記リチウム複合酸化物は、少なくともNiとCoを含むことができる。
また、前記リチウム複合酸化物は、NiおよびCoに加えて、Mnおよび
/またはAlをさらに含むことができる。一実施例において、前記正極活
物質は、前記正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とするリチウ
ム二次電池
において下記の充放電条件で充放電を行ったとき、

 [充放電条件]
  1サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  2サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  3サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.4V
  -充電:1C(CCCV)/放電:1C(CC)
【0022】サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電
圧Vとし、Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで
示したグラフにおいて、下記の式1によって定義されたピーク強度比(A)
を満たすことができる。  
[式1]
  I1/I2≧1.4
 (式1で、I1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間に現れるピークの
y軸値dQ/dVであり、I2は、充電領域で3.8V~4.1Vの間に
現れるピークのy軸値dQ/dVである)
また、前記正極活物質は、下記の化学式1で表されるリチウム複合酸化物
を含むことができる。
  [化学式1]
  LiNi1-(b+c+d+e)CoM1M2M3
【0027】
 (ここで、M1は、MnおよびAlから選ばれる少なくとも1つであり、
 M2およびM3は、それぞれ独立して、Al、Ba、B、Ce、Cr、Mg、
Mn、Mo、Na、K、P、Sr、Ti、W、NbおよびZrから選ばれ、
M1~M3は、互いに異なり  0.90≦a≦1.05、0≦b≦0.10、
0≦c≦0.10、0≦d≦0.025、0≦e≦0.025、1.0≦f≦
2.0である)
また、本発明の他の態様によれば、本願に定義された正極活物質を含む正
極が提供される。しかも、本発明のさらに他の態様によれば、本願に定義
された正極を使用するリチウム二次電池が提供される。

【発明の効果】【0030】 本発明による正極活物質は、所定の条件で充
放電を行ったとき、3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸
を前記電圧Vとし、Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ
/dVで示したグラフにおいて、所定のピーク強度比および電圧比を示し、
この場合、Ni含量が50%以上、好ましくは、80%以上のHigh-
Ni正極活物質の高容量特性を維持すると同時に、High-Ni正極活
物質の短所として指摘された構造的不安定性を改善することができる。
 また、本発明による正極活物質は、平均粒径が互いに異なる小粒子の第1
リチウム複合酸化物および大粒子である第2リチウム複合酸化物を含むバ
イモーダル(bimodal)形態の正極活物質であり、大粒子間の空隙
を相対的に平均粒径が小さい小粒子で充填することができるようになるこ
とによって、単位体積内リチウム複合酸化物の集積密度が向上して、単位
体積当たりのエネルギー密度を高めることができる
【0032】しかも、本発明による正極活物質は、前記正極活物質を構成
するリチウム複合酸化物の結晶粒界の密度を低くして、前記リチウム複合
酸化物の表面積および粒界面を減少させることができ、これを通じて、前
記正極活物質と電解液間の副反応の可能性を減らして、前記正極活物質の
高温安定性だけでなく、貯蔵安定性を向上させることができる。

【発明を実施するための形態】
【0034】本発明をさらに容易に理解するために便宜上特定の用語を本
願に定義する。本願において別途定義しない限り、本発明に使用される科
学用語および技術用語は、当該技術分野における通常の知識を有する者に
より一般的に理解される意味を有する。また、文脈上、特に別途指定しな
い限り、単数形態の用語は、それの複数形態も含むものであり、複数形態
の用語は、それの単数形態も含むものと理解すべきである。
以下、本発明による正極活物質および前記正極活物質を含むリチウム二次
電池についてより詳細に説明する。
【0036】  正極活物質
  本発明の一態様によれば、リチウムのインターカレーション/デインタ
ーカレーションが可能なリチウム複合酸化物を含む正極活物質が提供され
る。
【0037】前記正極活物質に含まれた前記リチウム複合酸化物は、少な
くともNiとCoを含むことができる。また、前記リチウム複合酸化物は、
NiおよびCoに加えて、Mnおよび/またはAlをさらに含むことがで
きる。
【0038】一実施例において、前記正極活物質は、小粒子の第1リチウ
ム複合酸化物と、大粒子の第2リチウム複合酸化物とを含むバイモーダル
(bimodal)形態の正極活物質でありうる。
【0039】この場合、大粒子間の空隙を相対的に平均粒径が小さい小粒
子で充填することができるようになることによって、単位体積内リチウム
複合酸化物の集積密度が向上して、単位体積当たりのエネルギー密度を高
めることができる。
【0040】本願において小粒子および大粒子の平均粒径D50の範囲は、
特に制限されものではないが、任意のリチウム複合酸化物が小粒子または
大粒子であるかを区分するために、下記のような小粒子および大粒子の平
均粒径D50の基準範囲が決定され得る。
【0041】小粒子は、平均粒径D50が8μm以下のリチウム複合酸化物
を意味し、大粒子は、平均粒径D50が8.5μm以上のリチウム複合酸化
物を意味する。前記大粒子の平均粒径D50の上限は制限がないが、例え
ば、前記大粒子は、8.5~23.0μmの平均粒径を有することができる。

【0042】本発明の多様な実施例によるバイモーダル形態の正極活物質
は、上記に定義された平均粒径D50を示す前記第1リチウム複合酸化物
および前記第2リチウム複合酸化物が5:95~50:50の重量比で混
合された状態で存在することができる。この際、前記第1リチウム複合酸
化物は、前記第2リチウム複合酸化物間の空隙内充填された形態で存在し
たり、前記第2リチウム複合酸化物の表面に付着したり、前記第1リチウ
ム複合酸化物どうし凝集した形態で存在することもできる。なお、前記正
極活物質中、前記第1リチウム複合酸化物および前記第2リチウム複合酸
化物は、5:95~50:50の重量比で存在することが好ましい
前記正極活物質中、前記第2リチウム複合酸化物に比べて前記第1リチウ
ム複合酸化物の割合が過度に多かったり過度に少ない場合、かえって前記
正極活物質のプレス密度が減少するにつれて、前記正極活物質の単位体積
当たりのエネルギー密度の向上効果が微小になり得る。なお、前記正極活
物質に含まれた前記リチウム複合酸化物は、下記の化学式1で表され得る。
もし前記正極活物質が、小粒子の第1リチウム複合酸化物および大粒子の
第2リチウム複合酸化物を含む場合、前記第1リチウム複合酸化物および
前記第2リチウム複合酸化物も、下記の化学式1で表され得る。
【0047】
  [化学式1]LiNi1-(b+c+d+e)CoM1M2M3
 (ここで、M1は、MnおよびAlから選ばれる少なくとも1つであり、
  M2およびM3は、それぞれ独立して、Al、Ba、B、Ce、Cr、
Mg、Mn、Mo、Na、K、P、Sr、Ti、W、NbおよびZrから
選ばれ、  M1~M3は、互いに異なり、0.90≦a≦1.05、0≦b
≦0.10、0≦c≦0.10、0≦d≦0.025、0≦e≦0.025、
1.0≦f≦2.0である)
また、前記第1リチウム複合酸化物と前記第2リチウム複合酸化物は、上
記化学式1で表され、同じ組成を有するリチウム複合酸化物でありうるが、
必ずこれに制限されるものではない。例えば、前記第1リチウム複合酸化
物と前記第2リチウム複合酸化物は、同じ組成を有し、かつ、平均粒径が
異なる前駆体の焼成により合成され得、または、前記第1リチウム複合酸
化物と前記第2リチウム複合酸化物は、異なる組成を有し、平均粒径が異
なる前駆体の焼成により合成
され得る。
【0050】なお、上記化学式1で表されるリチウム複合酸化物は、Ni
の含量(モル比)が80%以上のHigh-Niタイプのリチウム複合酸
化物でありうる。この際、前記リチウム複合酸化物中Niの含量は、下記
のように、下記の化学式1中、b+c+d+eの値によって決定され得る。
  Ni(mol%)/(Ni+Co+M1+M2+M3)(mol%)≧80
本発明による正極活物質は、所定の条件で充放電を行ったとき、3サイク
ル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記電圧Vとし、Y軸を前
記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで示したグラフにおい
て、所定のピーク強度比および電圧比を示し、この場合、Ni含量が50
%以上、好ましくは、80%以上のHigh-Ni正極活物質の高容量特
性を維持すると同時に、High-Ni正極活物質の短所として指摘され
た構造的不安定性を改善することができる。

 具体的に、前記正極活物質を正極とし、リチウムホイルを負極とするリチ
ウム二次電池において下記の充放電条件で充放電を行ったとき、
【0054】【充放電条件]
  1サイクル:
 -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  2サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.3V
  -充電:0.1C(CCCV)/放電:0.1C(CC)
  3サイクル:
  -Cut  off  voltage  3.0V~4.4V
  -充電:1C(CCCV)/放電:1C(CC)
【0055】3サイクル目の電圧Vおよび電池容量Qを有し、X軸を前記
電圧Vとし、Y軸を前記電池容量Qを前記電圧Vで微分した値dQ/dVで
示したグラフ(図1参照)において、前記正極活物質は、下記の式1によ
って定義されたピーク強度比(A)を満たすことができる。に説明するこ
ととする。
【0056】[式1] I1/I2≧1.4
【0057】  (式1で、I1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間に
現れるピークのy軸値dQ/dVであり、I2は、充電領域で3.8V~
4.1Vの間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
【0058】前記正極活物質は、充電時に結晶構造の変化(相変態;phase 
 transformation)が発生し得、I1は、H1(hexagonal  1)
からM(monoclinic)への相変態領域(H→M)に現れるピー
クのy軸値dQ/dVであり、I2は、M(monoclinic)から
H2(hexagonal  2)への相変態領域(M→H2)に現れるピー
クのy軸値dQ/dVである。
【0059】  この際、H1→M相変態領域に比べてM→H2相変態領域に
おいて結晶構造の変化によって前記正極活物質に加えられるダメージが相
対的にもっと大きいことがあり得、これによって、前記正極活物質の結晶
構造の崩壊が引き起こされ得る。したがって、I1/I2が1.4以上、
好ましくは1.4以上1.92以下の値を有する場合、前記正極活物質の
安定性を向上させるのに有利であり得る。
【0060】また、前記正極活物質は、下記の式2によって定義されたピ
ーク強度比(B)を満たすことができる。
【0061】  [式2]
  I1/I3≧0.7
【0062】(式2で、I1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間に現
れるピークのy軸値dQ/dVであり、I3は、充電領域で4.1V~
4.4Vの間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
【0063】 同様に、I3は、H2(hexagonal  2)からH3
(hexagonal  3)への相変態領域(H2→H3)に現れるピーク
のy軸値dQ/dVであり、式1と同様に、H1→M相変態領域に比べて
H2→H3相変態領域において結晶構造の変化によって前記正極活物質に
加えられるダメージが相対的にもっと大きいことがあり得る。 したがって、
I1/I3が0.7以上、好ましくは0.7以上1.41以下の値を有す
る場合、前記正極活物質の安定性を向上させるのに有利であり得る。
【0064】また、前記正極活物質は、下記の式3によって定義されたピ
ーク強度比(C)を満たすことができる。
【0065】 [式3]  I2/I3≧0.5
【0066】  (式3で、I2は、充電領域で3.8V~4.1Vの間に
現れるピークのy軸値dQ/dVであり、I3は、充電領域で4.1V~
4.4Vの間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
この際、M→H2相変態領域に比べてH2→H3相変態領域において結晶
構造の変化によって前記正極活物質に加えられるダメージが相対的にもっ
と大きいことがあり得る。したがって、前記I2に比べて前記I3が相対
的に小さいことによって、I2/I3が0.5以上の値を有する場合、前
記正極活物質の安定性の向上に寄与することができる。
また、前記正極活物質は、下記の式4によって定義されたピーク強度比
(D)を満たすことができる。
【0069】  [式4]  DI1/DI2≧1.25
(式4で、DI1は、放電領域で3.0V~3.8Vの間に現れるピーク
のy軸値dQ/dVであり、DI2は、放電領域で3.8V~4.1Vの
間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
前記正極活物質は、放電時にも、充電反応と同様に、結晶構造の変化が発
生し得、結晶構造の変化は、充電反応と逆順に起こり得る。
【0072】具体的に、DI1は、M(monoclinic)からH1
(hexagonal  1)への相変態領域(M→H1)に現れるピークの
y軸値dQ/dVであり、DI2は、H2(hexagonal  2)から
M(monoclinic)への相変態領域(H2→M)に現れるピーク
のy軸値dQ/dVである。
【0073】この際、M→H1相変態領域に比べてH2→M相変態領域に
おいて結晶構造の変化によって前記正極活物質に加えられるダメージが相
対的にもっと大きいことがあり得、これによって、前記正極活物質の結晶
構造の崩壊が引き起こされ得る。 したがって、DI1/DI2が1.25
以上、好ましくは1.25以上1.46以下の値を有する場合、前記正極
活物質の安定性を向上させるのに有利であり得る。
【0074】  また、前記正極活物質は、下記の式5によって定義されたピ
ーク強度比(E)を満たすことができる。
【0075】  [式5]  DI1/DI3≧0.41
【0076】  (式5で、DI1は、放電領域で3.0V~3.8Vの間
に現れるピークのy軸値dQ/dVであり、DI3は、放電領域で4.1
V~4.4Vの間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
【0077】同様に、DI3は、H3(hexagonal  3)からH2
(hexagonal  2)への相変態領域(H3→H2)に現れるピーク
のy軸値dQ/dVであり、式4と同様に、H2→M相変態領域に比べて
H3→H2相変態領域において結晶構造の変化によって前記正極活物質に
加えられるダメージが相対的にもっと大きいことがあり得るので、前記D
I3のピーク強度が前記DI1に比べて小さい値を有することによって
、DI1/DI3が0.41以上の値を有する場合、前記正極活物質の安
定性の観点から好ましい。
【0078】また、前記正極活物質は、下記の式6によって定義されたピ
ーク強度比(F)を満たすことができる。
【0079】  [式6]  DI2/DI3≧0.34
【0080】(式6で、DI2は、放電領域で3.8V~4.1Vの間に
現れるピークのy軸値dQ/dVであり、DI3は、放電領域で4.1V
~4.4Vの間に現れるピークのy軸値dQ/dVである)
【0081】この際、H2→M相変態領域に比べてH3→H2相変態領域
において結晶構造の変化によって前記正極活物質に加えられるダメージが
相対的にもっと大きいことがあり得る。 したがって、DI2/DI3が
0.34以上、好ましくは0.34以上0.58以下の値を有する場合、
前記正極活物質の安定性を向上させるのに有利であり得る。
【0082】しかも、前記正極活物質は、下記の式7によって定義された
電圧比(G)を満たすことができる。
【0083】[式7] |ΔV1=(V1-DV1)|≦0.05
 (式7で、V1は、充電領域で3.0V~3.8Vの間に現れるピークの
x軸値Vであり、DV1は、放電領域で3.0V~3.8Vの間に現れる
ピークのx軸値Vである)
V1は、充電時にI1ピークの電圧値であり、DV1は、放電時にDI1
ピークに対応する電圧値であり、理想的にI1ピークの電圧値とDI1ピ
ークの電圧値が同一でなければならないが、抵抗または速度論的問題によ
ってI1ピークの電圧値とDI1ピークの電圧値に差異が発生するしかな
い。ただし、少なくとも式1~式6を満たす正極活物質の場合、優れた抵
抗特性を示すことによって、式7で示すΔV1は、0.05以下、好まし
くは0.022以下 の値を有することが可能である。

【0086】 Niを含むリチウム複合酸化物の場合、LiとNiのカチオ
ンミキシングによって前記リチウム複合酸化物の表面に残留リチウム、す
なわちLiOHおよびLiCOのようなLi不純物が形成され得る。
このようなLi不純物は、前記Li不純物は、正極を製造するためのペー
ストの製造時にゲル(gel)化したり、セルのスウェリング現象を引き
起こす原因として作用することができる。
【0087】このようなLi不純物は、High-Niタイプの正極活物
質においてさらに多量で形成され得るが、後述するように、本発明による
正極活物質は、前記リチウム複合物の表面のうち少なくとも一部をカバー
し、金属酸化物を含むコーティング層を形成する過程で前記リチウム複合
酸化物の表面に存在するLi不純物を除去することができるというメリッ
トがある。
【0088】より具体的に、前記正極活物質は、前記リチウム複合酸化物
の表面のうち少なくとも一部をカバーし、金属酸化物を含むコーティング
層を含むことができる。また、前記コーティング層に含まれた前記金属酸
化物は、下記の化学式2で表され得る。この際、前記コーティング層は、
前記リチウム複合酸化物の表面のうち下記の化学式2で  表される金属酸
化物が存在する領域と定義され得る。
【0090】  [化学式2]  LiM4
  (ここで、M4は、Ni、Mn、Co、Fe、Cu、Nb、Mo、Ti、
Al、Cr、Zr、Zn、Na、K、Ca、Mg、Pt、Au、B、P、
Eu、Sm、W、Ce、V、Ba、Ta、Sn、Hf、Ce、Gdおよび
Ndから選ばれる少なくとも1つであり、0≦x≦10、0≦y≦8、2
≦z≦13である)
また、前記コーティング層は、1層内異種の金属酸化物が同時に存在した
り、上記の化学式2で表される異種の金属酸化物がそれぞれ別個の層に存
在する形態でありうる。
上記の化学式2で表される金属酸化物は、上記の化学式1で表される1次
粒子と物理的および/または化学的に結合した状態でありうる。また、前
記金属酸化物は、上記の化学式1で表される1次粒子と固溶体を形成した
状態で存在することもできる。
【0094】 本実施例による正極活物質は、前記第1リチウム複合酸化物
および前記第2リチウム複合酸化物の表面のうち少なくとも一部をカバー
するコーティング層を含むことによって、構造的な安定性が高くなりえる。
また、このような正極活物質をリチウム二次電池に使用する場合、正極活
物質の高温貯蔵安定性および寿命特性が向上することができる。また、前
記金属酸化物は、前記第1リチウム複合酸化物および前記第2リチウム複
合酸化物の表面のうち残留リチウムを低減させると同時に、リチウムイオ
ンの移動経路(pathway)として作用することによって、リチウム
二次電池の効率特性を向上させるのに影響を与えることができる。

【0095】また、前記金属酸化物は、リチウムとAで表される元素が複
合化した酸化物であるか、Aの酸化物であり、前記金属酸化物は、例えば、
Li、LiZr、LiTi、LiNi
Li、LiCo、LiAl、Co、Al
、W、Zr、TiまたはB等でありうるが、
上述した例は、理解を助けるために便宜上記載したものに過ぎず、本願に
定義された前記金属酸化物は上述した例に制限されない。

【0096】他の実施例において、前記金属酸化物は、リチウムとAで表
される少なくとも2種の元素が複合化した酸化物であるか、リチウムとA
で表される少なくとも2種の元素が複合化した金属酸化物をさらに含むこ
とができる。リチウムとAで表される少なくとも2種の元素が複合化した
金属酸化物は、例えば、Li(W/Ti)、Li(W/Zr)
、Li(W/Ti/Zr)、Li(W/Ti/B)
ありうるが、必ずこれらに制限されるものではない。
ここで、前記金属酸化物は、前記2次粒子の表面部から前記2次粒子の中
心部に向かって減少する濃度勾配を示すことができる。これによって、前
記金属酸化物の濃度は、前記2次粒子の最表面から前記2次粒子の中心部
に向かって減少することができる。

【0098】上述したように、前記金属酸化物が前記2次粒子の表面部か
ら前記2次粒子の中心部に向かって減少する濃度勾配を示すことによって、
前記正極活物質の表面に存在する残留リチウムを効果的に減少させて、未
反応の残留リチウムによる副反応をあらかじめ防止することができる。ま
た、前記金属酸化物によって前記正極活物質の表面の内側領域での結晶性
が低くなるのを防止することができる。また、電気化学反応中に前記金属
酸化物によって正極活物質の全体的な構造が崩壊されるのを防止すること
ができる。
しかも、前記コーティング層は、上記の化学式2で表される少なくとも1
つの金属酸化物を含む第1酸化物層と、上記の化学式2で表される少なく
とも1つの金属酸化物とを含み、かつ、前記第1酸化物層に含まれた金属
酸化物と異なる金属酸化物を含む第2酸化物層を含むことができる。

【0100】例えば、前記第1酸化物層は、前記2次粒子の最外郭に存在
する前記1次粒子の露出した表面のうち少なくとも一部をカバーするよう
に存在することができ、前記第2酸化物層は、前記第1酸化物層によって
カバーされていない前記1次粒子の露出した表面および前記第1酸化物層
の表面のうち少なくとも一部をカバーするように存在することができる。
なお、前記第1リチウム複合酸化物および前記第2リチウム複合酸化物が
少なくとも1つの1次粒子を含む複合粒子であると定義するとき、前記コ
ーティング層は、前記複合粒子の表面(例えば、2次粒子)のうち少なく
とも一部をカバーするだけでなく、前記複合粒子を構成する複数の1次粒
子の間の界面にも存在することができる。
また、前記コーティング層は、前記1次粒子および/または前記2次粒子
の表面を連続的または不連続的にコーティングする層として存在すること
ができる。前記コーティング層が不連続的に存在する場合、前記コーティ
ング層は、アイランド(island)形態で存在することができる。他
の場合において、前記コーティング層は、前記1次粒子および/または前
記1次粒子が凝集して形成された前記2次粒子と境界を形成しない固溶体
の形態で存在することもできる。

【0103】  なお、前記コーティング層は、前記リチウム複合酸化物の
前駆体と上記化学式2で表される金属酸化物の原料物質を混合した後に1
次焼成したり、前記リチウム複合酸化物の前駆体を1次焼成した後に、上
記化学式2で表される金属酸化物の原料物質を混合した後、2次焼成する
ことによって得られる。
【0104】また、リチウムのインターカレーション/デインターカレー
ションが可能な前記リチウム複合酸化物は、少なくとも1つの1次粒子を
含む複合粒子でありうる。もし、前記リチウム複合酸化物が複数の1次粒
子を含む場合、前記複数の1次粒子は、互いに凝集した凝集体である2次
粒子として存在することができる。
【0105】前記1次粒子は、1つの結晶粒(grain  or  crystal
lite)を意味し、2次粒子は、複数の1次粒子が凝集して形成された
凝集体を意味する。前記2次粒子を構成する前記1次粒子の間には、空隙
および/または結晶粒界(grain  boundary)が存在するこ
とができる。
【0106】特に、本発明によれば、リチウム複合酸化物の結晶粒界の密
度を低くして、前記リチウム複合酸化物の表面積および粒界面を減少させ
ることができ、これを通じて、前記正極活物質と電解液間の副反応の可能
性を減らして、前記正極活物質の高温安定性だけでなく、貯蔵安定性を向
上させることができる。
【0107】具体的に、前記リチウム複合酸化物は、断面SEMイメージ
で前記リチウム複合酸化物の中心を横切る仮想直線L上に配置された1次
粒子Pに対して下記の式8で計算される結晶粒界の密度が0.90以下で
ありうる。
【0108】[式8]  結晶粒界の密度=(前記仮想の直線L上に配置さ
れた1次粒子間の境界面Bの数/前記仮想の直線上に配置された1次粒子
Pの数)
  図2および図3は、本願に定義された結晶粒界の密度を算出するリチウ
ム複合酸化物の断面を概略的に示す図である。図2および図3を参照して
計算されたリチウム複合酸化物の結晶粒界の密度は、下記の表1に示した。

 

図2 本願に定義された結晶粒界の密度算 図3.本願に定義された結晶粒界の密度算
出するリチウム複合酸化物の断面概略図  出リチウム複合酸化物の断面の概略図

000003
【0111】この際、前記リチウム複合酸化物は、図2に示されたように、
仮想の直線上に配置された1次粒子間の境界面(結晶粒界)の数が1個で
あり、前記仮想の直線上に配置された1次粒子の数が2個であることによ
って、結晶粒界の密度が0.5の構造を有することができる。また、別途
図示してはいないが、前記リチウム複合酸化物は、単一の1次粒子で構成
された単結晶構造のリチウム複合酸化物でありうる。
【0112】前記式8で表される前記結晶粒界の密度が0.90以下の値
を有することによって、前記リチウム複合酸化物の表面積および粒界面を
減少させることができ、これを通じて、前記正極活物質と電解液間の副反
応の可能性を減らして、前記正極活物質の高温安定性だけでなく、貯蔵安
定性を向上させることができる。
【0113】また、前記正極活物質が、小粒子の第1リチウム複合酸化物
および大粒子の第2リチウム複合酸化物を含むバイモーダル(bimodal)
形態の正極活物質である場合、前記第1リチウム複合酸化物および前記第
2リチウム複合酸化物の結晶粒界の密度は、いずれも、0.90以下、好
ましくは、0.75以下でありうる。

【0114】  リチウム二次電池
 本発明のさらに他の態様によれば、正極集電体と、前記正極集電体上に形
成された正極活物質層とを含む正極が提供され得る。ここで、前記正極活
物質層は、本発明の多様な実施例による正極活物質を含むことができる。
したがって、正極活物質は、上記で説明したことと同一なので、便宜上、
具体的な説明を省略し、以下では、残りの前述しない構成のみについて説
明することとする。【0125】前記リチウム二次電池は、前記正極、前
記負極および前記分離膜の電極組立体を収納する電池容器および前記電池
容器を密封する密封部材を選択的にさらに含むことができる。【0126】
  前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体上に位置する負極活物質層と
を含むことができる。【0127】前記負極集電体は、電池に化学的変化
を誘発することなく、高い導電性を有するものであれば、特に制限される
ものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケ
ル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面に炭素、ニッケル、
チタン、銀等で表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金等が使
用され得る。また、前記負極集電体は、通常、3μm~500μmの厚みを
有し得、正極集電体と同様に、前記集電体の表面に微細な凹凸を形成して、
負極活物質の結合力を強化させることもできる。例えば、フィルム、シー
ト、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体等多様な形態で使用さ
れ得る。【0128】  前記負極活物質層は、前記負極活物質と共に、導
電材および必要に応じて選択的にバインダーを含む負極スラリー組成物を
前記負極集電体に塗布して製造され得る。【0129】
 前記負極活物質としては、リチウムの可逆的なインターカレーションおよ
びデインターカレーションが可能な化合物が使用され得る。具体的な例と
しては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素等の炭素質材
料;Si、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si
合金、Sn合金またはAl合金等リチウムと合金化が可能な金属質化合物
;SiOβ(0<β<2)、SnO、バナジウム酸化物、リチウムバナジ
ウム酸化物のようにリチウムをドープおよび脱ドープし得る金属酸化物;
またはSi-C複合体またはSn-C複合体のように、前記金属質化合物
と炭素質材料を含む複合物等が挙げられ、これらのうちいずれか一つまた
は二つ以上の混合物が使用され得る。また、前記負極活物質として金属リ
チウム薄膜が使用されることもできる。また、炭素材料は、低結晶性炭素
および高結晶性炭素等がすべて使用され得る。低結晶性炭素としては、軟
化炭素(soft  carbon)および硬化炭素(hard  carbon)
が代表的であり、高結晶性炭素としては、無定形、板状、鱗片状、球形状
または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish  
graphite)、熱分解炭素(pyrolytic  carbon)
、液晶ピッチ系炭素繊維(mesophase  pitch  based  
carbon  fiber)、炭素微小球体(meso-carbon
  microbeads)、液晶ピッチ(Mesophase  pitches)
および石油と石炭系コークス(petroleum  or  coal  
tarpitch  derived  cokes)等の高温焼成炭素が代表
的である。【0130】
  前記負極活物質は、負極活物質層の全体重量を基準として80~99wt
%で含まれ得る。
【0131】  前記バインダーは、導電材、活物質および集電体間の結合に
助力する成分であって、通常、負極活物質層の全体重量を基準として
0.1~10wt%で添加され得る。このようなバインダーの例としては、
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセル
ロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリ
マー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレン-ブタジエンゴム、
ニトリル-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、これらの多様な共重合体等が挙
げられる。【0132】 前記導電材は、負極活物質の導電性をさらに向上
させるための成分であって、負極活物質層の全体重量を基準として10w
t%以下、好ましくは5wt%以下で添加され得る。このような導電材は、
当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば、
特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛;ア
セチレンブラック、ケチェンブラック、チャネルブラック、ファーネスブ
ラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;炭素
繊維や金属繊維等の導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケ
ル粉末等の金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー;
酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体等の導電性素材
等が使用され得る。【0133】
 一実施例において、前記負極活物質層は、負極集電体上に負極活物質、お
よび選択的にバインダーおよび導電材を溶媒中に溶解または分散させて製
造した負極スラリー組成物を塗布し乾燥することによって製造されたり、
または前記負極スラリー組成物を別の支持体上にキャストした後、該支持
体から剥離して得られたフィルムを負極集電体上にラミネーションするこ
とによって製造され得る。
【0134】なお、前記リチウム二次電池において、分離膜は、負極と正
極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであって、通常、
リチウム二次電池において分離膜として使用されるものであれば、特別な
制限なしに使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗であ
りかつ電解液含浸能力に優れていることが好ましい。具体的には、多孔性
高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エ
チレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/
メタクリレート共重合体等のようなポリオレフィン系高分子で製造した多
孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体が使用され得る。
また、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテ
レフタレート繊維等からなる不織布が使用されることもできる。また、耐
熱性または機械的強度の確保のためにセラミック成分または高分子物質が
含まれたコートされた分離膜が使用されることもでき、選択的に単層また
は多層構造で使用され得る。【0135】また、本発明において使用され
る電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電
解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル状高分子電解質、固体
無機電解質、溶融型無機電解質等が挙げられ、これらに限定されるもので
はない。【0136】具体的に、前記電解質は、有機溶媒およびリチウム
塩を含むことができる。
                           この項つづく

 今日の楽曲 映画 『白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs)』
         予告編 trailer 1937年





※梅田は曽根崎小学校とあって、ウォルトディズニー映画とともに成長した。
 今日はできる限り楽しんでみた。
今日の言葉:NEXT NINE YEARS  さぁ、楽しもう!

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エネルギーと環境㊼

2024年11月11日 | ナトリウム二次電池開発

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。


【季語と短歌:11月12日】

        内風呂の檜ほのかに湯冷めかな   
                 高山 宇 (赤鬼)

※寒暖差大きければ大きいほど、湯上り感が名湯でのシーンが回想させる
 もの。内風呂文化と俳句の交差点は豊穣だ。この檜の香りと手触りを事
 業化できないものかと考えるのは私の個性。今夜はこれを推し活とする。

【今日の短歌研究:夏より秋に】

    裏紙に橋の略図を描きながらこのバスは南に向かふのだ
                          石川 美南※
※ 11月号でこの作品が一番印象的でした。
※ 1980年5月7日 - 歌人。橋目侑季(写真・活版印刷)とのユニット
  「山羊の木」でも活動。「体内飛行」石川美南 歌集(短歌研究社)他


ナトリウムイオンを機械学習 
次世代電池開発の高速化、低コスト化の実現に大きく貢献
【要点】
⓵これまでの実験データを用いて機械学習(ML)モデルをトレーニング
し、ナトリウムイオン電池(SIB)用正極材料の組成と電気化学特性を予
測した。
②MLの結果に基づき、Na[Mn0.36Ni0.44Ti0.15Fe0.05]O2 (MNTF)を合成し、
549 Wh/kgという高いエネルギー密度を示すことを実証した。
⓷本研究で確立した手法により、SIBの材料開発が効率化され、コスト削
減につながるとともに、今後の電池開発の進展に寄与することが期待され
ている。
【概要】
東京理科大学、名古屋工業大学 らの研究グループは、これまでに蓄積した
実験データを用いて機械学習(ML)モデルをトレーニングし、高エネルギ
ー密度を有するナトリウムイオン電池(SIB)用の遷移金属層状酸化物の
材料探索と電気化学特性の予測。また、MLで得られた結果に基づき、有
望な組成であるNa[Mn0.36Ni0.44Ti0.15Fe0.05]O2 (MNTF)を合成し、実際
の初期放電容量が169 mAh/g、平均放電電圧が3.22 V、エネルギー密度が
549 Wh/kgという優れた性能することを実証。これらの値がMLによる予
測値とほぼ一致していることも確認され、MLモデルの精度が裏付けられ
た。再生可能エネルギーの普及に伴い、リチウムイオン電池(LIB)に代
わる次世代の蓄電技術として、豊富な資源を活用できるSIBが注目されて
いる。SIBの正極材料であるナトリウム含有遷移金属層状酸化物は、結晶
構造や組成によって性能が大きく変わり、特にO3型と呼ばれる構造が優れ
た性能を示すことが知られています。現在、SIBの性能向上に向けた組成
最適化や特性評価に関する研究が広く進められている。本研究グループは、
長年にわたり蓄積されてきたSIB用層状酸化物100サンプルのデータベース
を構築し、これを基にSIB用正極材料の組成、初期放電容量、平均放電電圧、
容量維持率を予測するMLモデルを開発した。材料中の遷移金属が電気化
学特性に与える影響を解明し、MLによって提案された有望な組成であるNa[Mn0.36Ni0.44Ti0.15Fe0.05]O2(MNTF)を実際に合成。MNTF電極の定電
流充放電試験(2.0 ~ 4.2 V)により、初期放電容量169 mAh/g、平均放
電電圧3.22 V、エネルギー密度549 Wh/kgという結果が得られ、MLの予
測値とほぼ一致することが実証されました。一方で、20サイクル後の容量
維持率は83.0%と、予測値の92.3%と比較して低い結果が得られた。
この容量維持率の低下は、⓵充放電反応中に生じるMNTFの結晶構造の変
化や⓶粒子の亀裂が原因であると考えられ、測定の電圧範囲を調整すると、
これらの問題を改善できることがわかった。今後は、これらの現象を考慮
したMLモデルを確立することで、容量維持率の予測精度のさらなる向上が
期待され、本研究で確立した手法は、幅広い候補材料から有望な組成を効
率的に特定できるため、SIB電池開発の迅速化と低コスト化に大きく貢献
する成果となる。


掲載論文
Na[Mn0.36Ni0.44Ti0.15Fe0.05]O2 predicted via machine learning for highe-
 nergy Na-ion batteries 
・Journal of Materials Chemistry A
10.1039/D4TA04809A
【脚注】
*1 シンクロトロンXRD(SXRD):シンクロトロン光を用いた粉末X線
回折法。高輝度かつ高エネルギーのX線を用いることで、通常のX線回折で
は難しい詳細な結晶構造の解析や微小なサンプルの高精度な構造解析が可
能。
*2 ICP-AES:誘導結合プラズマ発光分光分析法。試料をプラズマに導入
したときに得られる各元素固有の発光を検出し、定性分析や定量分析を行
う方法。
*3 SEM:走査電子顕微鏡。真空中で電子線を試料表面に当てることで、
試料表面を高倍率で観察する方法。

「隙間だらけのナノワイヤ」がLiイオン電池の劣化防止に効くのか?
11月8日、東京科学大学は、高感度の水素ガスセンサーを開発した。従来に
比べ1桁低い濃度の水素を検出することが可能となるため、リチウムイオ
ン電池の劣化防止などに応用できるとみている



図1. 図は空隙を含む酸化銅ナノワイヤナノギャップガスセンサーの構成
要素とその構造。下図は大気中での電流の流れと水素検出時の電流の流れ[

◾空隙を含む酸化銅ナノワイヤをナノギャップ電極間に配置
東京科学大学総合研究院フロンティア材料研究所の真島豊教授らによる
研究グループは2024年11月、高感度の水素ガスセンサーを開発したと発
表した。従来に比べ1桁低い濃度の水素を検出できるようになるので、リ
チウムイオン電池の劣化防止などに応用できるとみている。水素ガスセン
サは、金属酸化物半導体型や接触燃焼型、気体熱伝導型などが開発され、
ガス警報器などに搭載されている。中でも金属酸化物半導体型は、反応に
よってキャリア濃度が変化すると、ガス検出材料の電気抵抗も変わる。こ
の抵抗値を測定してガス濃度を検出する。今回は、ガス検出材料として「
空隙を含むナノワイヤ構造」を検討した。研究グループはこれまで、電子
線リソグラフィ(EBL)を用いて、ギャップ長が33nmの白金ナノギャップ
電極を作製する技術を確立してきた。そして今回、この技術を活用しナノ
ギャップ間を跨ぐように銅ナノワイヤを形成。その後、2段階の加熱処理
を行って銅を酸化させ、酸化銅ナノワイヤに空隙を形成した。

z
図2. 上図は極めて低濃度の水素ガスにおける検出応答、下図は5ppbのガ

  ス導入時の抵抗変化

図3.センサー機能における応答速度および、回復速度のギャップ長および
印加電圧依存性
研究グループは、検出したいガスに適した材料を用いてナノギャップガス
センサーを開発すれば、さまざまなガスセンサーを高速化、高機能化する
ことが可能とみている。



⬛ 直流kV・kAの電力を高速遮断 小型軽量の電力機器
10月10日、埼玉大学や名古屋大学、東京工業大学、東京大学および、金
沢大学の研究グループは、直流kV・kAの電力を小型軽量の機器で高速遮
断できる、新方式の電力機器「限流遮断器」を開発した。

カーボンニュートラルの実現に必須となる電力システムや電化機器のイメージ

カーボンニュートラルの実現に必須となる電力システムや電化機器のイメ
ージ  出所:埼玉大学他

ヒューズ・半導体・メカトロニクス制御の協調動作を強化
再生可能エネルギーの大量導入や電力化率を向上させて、カーボンニュー
トラルを実現するためには、新しい電力システムや電化機器が必要となる。
これらのシステムや機器は、「直流」で運用されることが多い。このため、
経年劣化などによりシステムが異常状態になると、通常運用時に比べ数十
倍以上の大電力が発生し、大規模故障や火災の原因になるという。

こうした事態を避け、電力を安全に運用するためには、異常な大電力を速
やかに遮断する必要がある。ところが交流の遮断に比べ、直流を遮断する
のは極めて難しく、これまで汎用的な遮断器はなかったという。研究
グル
ープはこれまで、ヒューズと半導体が連係した新遮断方式の基礎原理を実
証してきた。その上で、メカトロニクス制御と組み合わせ、高速ヒューズ
転換による再閉路を実現してきた。ところが、この技術を適用できるのは
数百ボルト・数百アンペアという小電力に限定されていた。
そこで今回、
ヒューズ・半導体・メカトロニクス制御の協調動作を強化した。この結果、
流kV・kAの電力を約10ミリ秒で高速遮断することに成功した。しかも、
開発した限流遮断器の外形寸法は最大0.4×0.5×0.3mで、重さは最大10kg
である。現行機器(外形寸法は最大1×1×1m、重さは最大100kg)に比べ
大幅に小型軽量を実現した。

左はヒューズ・半導体・メカ制御が協創した限流遮断の原理と機器構成例。右は約10ミリ秒で直流kV・kAの電力を高速遮断したことを示す波形例

左はヒューズ・半導体・メカ制御が協創した限流遮断の原理と機器構成例。
右は約10ミリ秒で直流kV・kAの電力を高速遮断したことを示す波形例
 出所:埼玉大学他

左は現行機器、右は開発した限流遮断器の形状および重さ比較
左は現行機器、右は開発した限流遮断器の形状および重さ比較


 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖②
1.特開2024-155214 二次電池 日産自動車株式会社
【要約】下図4のごとく、本発明は、負極活物質層13、固体電解質層17、
正極活物質層15が順に積層され、かつ平面視した際に固体電解質層が負
極活物質層よりも面方向外方に突出している発電要素21と、負極活物質
層が表面に形成された負極集電体11aと、正極活物質層が表面に形成さ
れた正極集電体11bと、平面視において負極活物質層の外周を囲うよう
に配置される絶縁層12と、を備える単電池層19と、単電池層を格納す
る外装体29と、を有し、絶縁層は、負極活物質層、固体電解質層、およ
び負極集電体のいずれとも接着されずに絶縁層の内側の少なくとも一部が
負極集電体と固体電解質層の外側部分によって形成される間隙p1に配置
されることで、充放電の際等における二次電池の構成部材の破損を抑制す
る。
000002
図4、図2における絶縁層と隣接する部材との関係について示す断面図
【符号の説明】10a  二次電池、11a  負極集電体(第1集電体)、
11b  正極集電体(第2集電体)、12  絶縁層、13  負極活物質層(
第1電極層)、15  正極活物質層(第2電極層)、15a  非電子伝導部
(集電体とともに間隙を形成する部材)、17  固体電解質層(集電体とと
もに間隙を形成する部材)、19  単電池層(電池部)、21  発電要素、
29  外装体、p1、p2、p3  間隙。
 図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電池の外観を表した斜視図であ
る。図2は、図1に示す2-2線に沿う断面図である。積層型とすること
で、電池をコンパクトにかつ高容量化することができる。
 図1に示すように、積層型の二次電池10aは、長方形状の扁平な形状を
有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極集電板27、負
極集電板25が引き出されている。発電要素21は、積層型の二次電池10a
の外装体29(ラミネートフィルム)によって包まれ、その周囲は熱融着
されており、発電要素21は、正極集電板27および負極集電板25を外
部に引き出した状態で密封されている。


図1.実施形態に係る二次電池を示す斜視図

図2 図1の2-2線に沿う断面図
 ここで、現在一般に普及しているリチウムイオン二次電池は、電解質に可
燃性の有機電解液を用いている。このような液系リチウムイオン二次電池
では、液漏れ、短絡、過充電などに対する安全対策が他の電池よりも厳し
く求められる。
そこで近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体
チウム二次電池
等の全固体電池に関する研究開発が盛んに行われている。
固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能なイオン伝導体を主体として構
成される材料である。このため、全固体リチウム二次電池においては、従
来の液系リチウムイオン二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する
各種問題が原理的に発生しない。また一般に、高電位・大容量の正極材料、
大容量の負極材料を用いると電池の出力密度およびエネルギー密度の大幅
な向上が図れる。
【0006】
  全固体電池に関する従来の技術には絶縁性の材料を含む枠体が積層方向
において隣接する集電体と集電体の間であって電池素子の外方を包囲する
ように配置する事項が記載されている( 特開2015-076178号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】  本発明者は、特許文献1の枠体のような絶縁性部材等の配
置の仕方によっては全固体電池等の二次電池の充放電の際などに二次電池
の構成部材が破損し得る事項に着目し、このような破損を抑制し得る事項
について鋭意研究している。
【0009】  本発明は、充放電の際等における二次電池の構成部材の破
損を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】上記目的を達成する本発明の一態様は、発電要素、第1集電
体、第2集電体および絶縁層を備える電池部と、外装体と、を有する二次
電池である。発電要素は、第1電極層、固定電解質層、第2電極層が順に
積層され、かつ、平面視した際に固体電解質層が第1電極層よりも面方向
外方に突出している。第1集電体は、第1電極層を表面に形成している。
第2集電体は、第2電極層を表面に形成している。絶縁層は、平面視にお
いて第1電極層または第2電極層の外周を囲うように配置している。外装
体は、電池部を格納するように構成している。絶縁層は、第1電極層、固
体電解質層および第1集電体、または、第2電極層、固体電解質層および
第2集電体のいずれとも接着されずに、絶縁層の内側の少なくとも一部が
、第1集電体または第2集電体と、第1集電体または第2集電体以外の積
層方向に積層されるいずれかの部材の外側部分によって形成される間隙に
配置される。
【発明の効果】【0011】 本発明における二次電池によれば、二次電

の充放電等の際に二次電池の構成部材が破損することを抑制できる



 今日の楽曲 『FSO 2016 Oficial | The Great Escape』


   『大脱走マーチ ミッチ・ミラー合唱団 スティーブ・マックイーン』



今日の言葉:兎に角、情報量の多さに苦労する。

 「中高層耐火木造のプレファブ工法」の概要。上の図は構造の成り立ちを示す。1階とセンターコアを取り巻く形で木の柱を立て、床スラブとなるCLT合成床を載せていく。各パーツを工場生産するコンセプトとなる。下の図は生産工程におけるオフサイト施工の効果を示すグラフ。工場生産が先行することで全体の工期短縮につながるほか、現場工数が削減され、熟練者不足対策にもなる(出所:YKK不動産、竹中工務店)


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生命と非生命のあいだ ⓼

2024年11月11日 | リチウム二次電池高品位化

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月11日】

          秋雨や敷石濡らす青紅葉   
                 高山 宇 (赤鬼)
【特版:ウイルス解体新書】

◾米国はなぜ日本より豊かなのか?コロナワクチン開発の速さを見れば納 
 得するしかない。(ダイヤモンド・オンライン)

コロナワクチン開発で示されたアメリカの「強さ」の理由は、世界各国か
ら優秀な人材を受け入れ、能力を発揮できる機会を与えてきたことにある。
その背景のひとつに、ナチの劣等民族根絶政策を受け、優れた科学者がド
イツや近隣諸国から逃げ出した過去があったと野口悠紀雄『アメリカはな
ぜ日本より豊かなのか?』
(幻冬舎新書)は書く。
-----------------------------------------------------------------------------------
幻冬舎新書<br> アメリカはなぜ日本より豊かなのか?
アメリカと日本の国力の差は、縮まるどころか広がる一方だ。いまや一人
当たりGDPでは2倍以上の差が開き、専門家の報酬はアメリカが7.5
倍高いことも。国民の能力に差はないのに、国の豊かさとなると、なぜ雲
泥の差が生じるのか?その理由は「世界各国から優秀な人材を受け入れ、
能力を発揮できる機会を与えているかどうかだ」と著者は言う。実際、大
手IT企業の創業者には移民や移民2世が多く、2011年以降にアメリ
カで創設された企業の3分の1は移民によるものだ。日本が豊かさを取り
戻すためのヒントが満載の一冊。(ダイヤモンドオンライン)

目次
第1章 日米給与のあまりの格差
第2章 先端分野はアメリカが独占、日本の産業は古いまま
第3章 円安に安住して衰退した日本
第4章 春闘では解決できない。金融正常化が必要 
第5章 アメリカの強さの源泉は「異質」の容認 
第6章 強権化を進める中国 
第7章 トランプはアメリカの強さを捨て去ろうとする
【著者が略歴】野口悠紀雄 1940年、東京に生まれる。63年、東京
大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、エール大学Ph.D.
(経済学博士号)。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究セン
ター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス
研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻は日本経済論。近著に『
日本が先進国から脱落する日』(プレジデント社、岡倉天心賞)ほか多数
----------------------------------------------------------------------------------
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症は、COVID-19の正式名称で
呼ばれSARSコロナウイルス2[注釈 1]ヒト感染することによって発症
する気道感染症ウイルス性の広義感冒の一種)である2020年に入っ
てから世界中で感染が拡大し、2022年8月までに感染者数は累計6億人を超
]世界的流行パンデミック)をもたらした2023年5月5日世界保健
機関
(WHO)は、ワクチン普及や治療法の確立によって新規感染者数や死
者数が減少していることを踏まえ、2020年1月30日に宣言した「国際的に
懸念される公衆衛生上の緊急事態
(PHEIC)」を終了すると発表した。緊
急事態宣言に法的強制力はないが、各国に対して防疫体制の強化などを勧
告するものであり、緊急事態宣言が解除されたことで各国がウイルスへの
警戒度を下げた上で対策を緩和することとなる
2020年5月、アメリカのトランプ大統領は、2021年1月までに有効で安全
な新型コロナワクチンを開発する計画を発表した。これは「ワープ・スピ
ード作戦(Operation Warp Speed)」と命名された(「ワープ・スピード
」とは、映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する言葉で、「光速を
超えたスピード」の意味)。12月2日に、アメリカのファイザーがバイオテ
クノロジー企業ビオンテック(ドイツ・マインツ)と共同開発したワクチ
ンが、臨床試験の完了した最初の新型コロナワクチンとして、イギリスで
緊急使用の承認を受けた。(Wikipedia)
◾短期間で開発できた理由
⓵先行研究が進んでいた、②効率的な製造工程が考案された、⓷大な財政
的支援に複数の治験を並行し進められた、④規制当局が通常より迅速に審
査を行なった。
ニューアメリカン経済研究基金が2019年7月22日に公表したレポートによ
れば、移民がアメリカの総人口に占める割合はわずか14%であるにもかか
わらず、移民が創立した企業は、フォーチュン500企業のうち101社、移民
を親に持つ2世が立ち上げた企業が122社あった。また、2011年以降にアメ
リカで創設された企業のおよそ3分の1は、移民が立ち上げた企業だった(
ニューズウィーク、2019年7月23日)。
2020年11月に、いくつかのワクチン開発元が大規模試験での優れた成績を
発表。それ以外にも多くの有望なワクチン候補が登場。
12月2日に、アメリ
カのファイザーがバイオテクノロジー企業ビオンテック(ドイツ・マイン
ツ)と共同開発したワクチンが、臨床試験の完了した最初の新型コロナワ
クチンとして、イギリスで緊急使用の承認を受けた。12月から、アメリカ
やヨーロッパなどの多くの国が、ファイザーとモデルナのmRNA(メッセ
ンジャーRNA)ワクチンを承認し、接種を開始した(モデルナもアメリカ
企業)。また、イギリスのアストラゼネカのベクターワクチンも、イギリ
スなどが承認した。これによって世界の多くの人がコロナの病魔から救わ
れた。
⓵移民による研究者・企業の力、②AI(人工知能)の力の貢献が大
きい。したがって⓷米国の「開かれた社会風土」が大きい。それに比して
の日本は「閉塞した社会風土」が開発力に差がついたと言う。
※手前味噌だが、わたしは、「開けている」と自負しているが(自由放任
は子供たちには悪いと反省している)。           この項了


⬛ 日本のイワシがアメリカ西海岸で初めて発見

アメリカ海洋大気庁(NOAA)漁業局が、アメリカの西海岸沿いにあるカリ
フォルニア海流生態系において、これまで存在が確認されていなかった日
いる本のマイワシ(Sardinops melanosticta)を発見。カリフォルニアマイ
ワシ(Sardinops sagax)の集団遺伝構造を調べる目的で研究を始めたが、ゲ
ノム解析の過程で予想外の強い遺伝的分化が見られ、詳しい分析の結果、
日本のマイワシの存在が判明された。日本のマイワシとカリフォルニアマ
イワシは外見こそほぼ同じですが、NOAAの研究チームは最新のゲノムシ
ーケンス技術を活用し、数百万の遺伝マーカーとミトコンドリアゲノムの
完全配列を用いて、両種が遺伝的に異なる別種であることを確認している。
研究チームによると、日本のマイワシとカリフォルニアマイワシは約20万
~30万年前に分化したと推定されるとのこと。この時期は氷河期と重なっ
ており、北太平洋の寒冷化が両種を地理的に隔離し、種分化を促進したと
考えられている。研究チームは、日本のマイワシがカリフォルニア海流生
態系でみられるようになった原因について、過去10年間に北太平洋で観測
された異常な海洋熱波の影響で、日本のマイワシの移動を可能にする好適
な環境条件の回廊が形成された可能性を指摘する。


【掲載論文Molecular Ecology | Molecular Genetics Journal |
Wiley Online Library

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/mec.17561




⬛ 
TSMCが中国の全顧客に対し7nmプロセス以下のAIチップの供給停止

11月9日、台湾の半導体製造メーカー・TSMCが、中国本土のAIチップの全
顧客に対して「2024年11月11日(月)以降は7nmプロセスルール以下の高度
なチップを供給しない」と通告した。アメリカは中国への高度な半導体製
造技術や製品の輸出を制限していて、自国企業だけではなく「アメリカ製
の技術を用いて製造された品の外国企業による輸出」も対象としている。
しかし2024年10月、半導体に関する調査を行っているTechinsightの分析に
より、中国企業・HuaweiのAIチップ内にTSMCの製造した半導体が含まれ
ていることがわかっている。TSMCは「輸出規制のかかった2020年9月以降
、Huaweiに製品を供給していない」と反論し、Huaweiも「規制以来、TS
MCには製造を依頼していない」とコメント。のちに、中国のチップメーカ
SOPHGOの仲介によるものだったことが判明し、TSMCはSOPHGOへの製
品供給をただちに停止している。(ホワイトグローブ事件(White Glove
Incident))
【関連記事】台积电断供的更多细节:部分Wafer销毁,未来或需申请许可
流片 https://jiweipreview.laoyaoba.com/n/922301




⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖⓶
ここ数年、世界で急速に普及が進んだEV(電気自動車)。足元では欧米を
中心にその勢いに陰りが見え始めている。さらに火災事故が相次いでいる
ことで安全性に懸念が広がっている。これを受け、「リチウム二次電池の
高品位化」の課題解決法を考察する。(今回はシリーズの第2回目)

◾リチウムイオン電池保護IC
リチウムイオン電池保護ICは電池を安全に使うために必要不可欠なIC。
そこで、ミツミ電機株式会社のリチウムイオン電池保護ICを参考事例とし
特許事例を考察。同社は1セルから多セル用まで幅広いラインナップを揃
え、電池残量計ICは、残量予測の高精度、劣化判定機能により電池を安全
かつ有効に利用できます。リチウムイオン電池関連ICは主にグループ内で
内製しており、コスト対応力、納期スピード、高い品質管理のもと生産。

  • リチウムイオン/リチウムポリマ2次電池保護ICは、1セル用から多
    セル用までラインアップ。携帯機器から電動自転車まで幅広い機器
    に対応。
  • 高い検出精度と豊富な機能を備え電池の安全な充電と保護を可能に
    し。その他、電圧モニターIC、電池残量計IC、充電制御ICなどを提
    供している。

主要製品を内製対象は、電池1セルで使用されているスマートフォン、タブ
レット、スマートウオッチ、デジタルカメラなどに使用されており、安全
に使用できる点で貢献。リチウムイオン1セル電池のシェアはTOPクラス。
リチウムイオン電池多セル保護IC主要製品を内製本ICは電池が複数セルで
使用されているノートPC、電動工具、デジタル一眼レフカメラなどに使用
されており、安全に使用できる点で貢献していという。

◾特開2007-299696 二次電池装置 三洋電機株式会社
【要約】下図1のごとく、二次電池に対する充電路と放電路とを互いに独
立に設けると共に、上記二次電池に対する保護回路として、充電路に直列
に介挿されて溶断により該充電路を遮断する非復帰スイッチ(例えば内部
ヒータ付き温度ヒューズ)と、放電路に直列に介挿されて電気的に該放電
路を導通または遮断する半導体スイッチ(例えばMOS-FET)と、二
次電池の過放電を検出したときに前記半導体スイッチ素子を遮断制御する
と共に、前記二次電池の過充電および前記半導体スイッチ素子の異常の一
方を検出したときに前記非復帰スイッチを溶断するスイッチ制御回路とを
設け、二次電池の異常な過充電および過放電を防止すると共に、半導体ス
イッチ素子の故障時における不本意な継続使用を禁止してその安全性を確
保することのできる簡易な構成の二次電池装置を提供する。
また、
電池残量計IC独自の高精度のアルゴリズムを確立本ICはスマートフ
ォン、タブレット、スマートウオッチなどに使用され、また電池残量計IC
は独自の残量アルゴリズムを持っており電池の残量状態を正確に知る点で
強い競争力を持つという

図1. 本発明の一実施形態に係る二次電池装置の概略構成図
【符号の説明】  1  二次電池  2  電池セル  3  充電路  4  充電端子  5  
放電路  6  放電端子  8  共通端子  11  非復帰スイッチ  12  半導体ス
イッチ素子  13  温度センサ  14  温度検出部(スイッチ制御回路)
15  電圧検出部(スイッチ制御回路)  16  オア回路(スイッチ制御回
路)  17  スイッチ素子  18  シャント抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】二次電池と、この二次電池を過充電および過放電からそれぞ
れ保護する保護回路とを備えた二次電池装置であって、該二次電池装置は、
前記二次電池に対する充電路と放電路とを互いに独立に備え、前記保護回
路は、前記充電路に直列に介挿されて溶断により該充電路を遮断する非復
帰スイッチと、前記放電路に直列に介挿されて電気的に該放電路を導通ま
たは遮断する半導体スイッチと、前記二次電池の過放電を検出したときに
前記半導体スイッチ素子を遮断制御すると共に、前記二次電池装置の異常
を検出したときに前記非復帰スイッチを溶断するスイッチ制御回路とを具
備したことを特徴とする二次電池装置。
【請求項2】 前記二次電池装置の異常は、前記半導体スイッチ素子の異常
であって、前記半導体スイッチ素子に設けた温度センサを用いて求められ
る該半導体スイッチ素子の発熱温度を判定して検出されるものである請求
項1に記載の二次電池装置。
【請求項3】請求項1または2に記載の二次電池装置であって、その外部
接続端子として前記二次電池の一方の電極に前記充電路を介して接続され
た充電端子、前記二次電池の上記一方の電極に前記放電路に介して接続さ
れて上記充電端子とは独立に設けられた放電端子、および前記二次電池の
他方の電極に接続されて前記充電端子および放電端子とそれぞれ対をなす
共通端子だけを備えたことを特徴とする二次電池装置。

◾特開2024-122043 二次電池保護集積回路、電池保護回路及びバッテリ
 装置 ミツミ電機株式会社
【要約】下図1のごとく、二次電池に接続される電流経路に設けられるト
ランジスタを制御することで、前記二次電池を保護する二次電池保護集積
回路であって、前記トランジスタのゲートに接続される制御端子と、前記
トランジスタの異常を検知する異常検知回路と、前記異常が前記異常検知
回路により検知された場合、前記制御端子の電位を前記トランジスタがオ
フになるレベルに切り替える制御回路と、を備える、二次電池保護集積回
路。


図1. 二次電池保護集積回路を含むシステムの一例を示す回路ブロック図
【符号の説明】25  シャント抵抗   100,101,102,103,
104  保護IC  201  電源線 202  接地線  203  スイッチ回路
  210  二次電池  211  正極  212  負極  221  制御回路  222  
検出回路  223  異常検知回路  224  ロジック回路  225  タイマ回路
  226  チャージポンプ回路  227,228  論理積回路  229  コンパ
レータ  300  電子機器  400,401,402,403,404  バッ
テリ装置  500,501,502,503,504  システム  600,
601,602,603,604  電池保護回路  TR1  充電制御トラン
ジスタ  TR2  放電制御トランジスタ
【発明の効果】
  本開示によれば、二次電池に接続される電流経路に設けられるトランジ
スタの異常に対して保護機能を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二次電池に接続される電流経路に設けられるトランジスタを
制御することで、前記二次電池を保護する二次電池保護集積回路であって、
  前記トランジスタのゲートに接続される制御端子と、
  前記トランジスタの異常を検知する異常検知回路と、
  前記異常が前記異常検知回路により検知された場合、前記制御端子の電
位を前記トランジスタがオフになるレベルに切り替える制御回路と、を備
える、二次電池保護集積回路。
【請求項2】前記異常検知回路は、前記制御端子に流れる電流の増加を検
出することで、前記トランジスタの異常を検知する、請求項1に記載の二
次電池保護集積回路。
【請求項3】前記制御端子の電位は、前記制御端子に流れる電流の変化に
伴って変化し、前記異常検知回路は、前記制御端子の電位の低下を検出す
ることで、前記制御端子に流れる電流の増加を検出する、請求項2に記載
の二次電池保護集積回路。
【請求項4】前記制御回路に流れる電流は、前記制御端子に流れる電流の
変化に伴って変化し、前記異常検知回路は、前記制御回路に流れる電流の
増加を検出することで、前記制御端子に流れる電流の増加を検知する、請
求項2に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項5】前記異常検知回路は、前記トランジスタのゲート-ソース間
の異常を検知する、請求項2に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項6】前記制御回路は、前記制御端子に流れる所定電流値以上の電
流が所定時間以上継続して検知された場合、前記制御端子の電位を前記ト
ランジスタがオフになるレベルに切り替える、請求項2から5のいずれか
一項に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項7】前記二次電池の異常充電又は異常放電を検出する検出回路を
備え、前記制御回路は、前記異常充電又は前記異常放電が前記検出回路に
より検出されていて、且つ、前記トランジスタの異常が前記異常検知回路
により検知されている場合、前記制御端子の電位を前記トランジスタがオ
フになるレベルに低下させるとともに、前記異常検知回路による前記トラ
ンジスタの異常検知を無効とする、請求項2から5のいずれか一項に記載
の二次電池保護集積回路。
【請求項8】前記制御回路は、前記異常検知回路による前記トランジスタ
の異常検知を無効とされた場合、前記トランジスタの異常検知を表す信号
を前記二次電池保護集積回路の外部へ出力しない、請求項7に記載の二次
電池保護集積回路。
【請求項9】前記二次電池の異常充電又は異常放電を検出する検出回路を
備え、前記制御回路は、前記異常充電又は前記異常放電が前記検出回路に
より検出されている場合、前記トランジスタの異常検知を表す信号を前記
二次電池保護集積回路の外部へ出力せずに、前記制御端子の電位を前記ト
ランジスタがオフになるレベルに低下させ、前記異常充電又は前記異常放
電が前記検出回路により検出されていなく、且つ、前記トランジスタの異
常が前記異常検知回路により検知されている場合、前記トランジスタの異
常検知を表す信号を前記二次電池保護集積回路の外部へ出力する、請求項
2から5のいずれか一項に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項10】前記二次電池の異常充電を検出する異常充電検出回路を備
え、前記トランジスタは、前記二次電池に接続される充電経路に設けられ
る充電制御トランジスタと、前記二次電池に接続される放電経路に設けら
れる放電制御トランジスタと、を含み、前記制御端子は、前記充電制御ト
ランジスタのゲートが接続される充電制御端子と、前記放電制御トランジ
スタのゲートが接続される放電制御端子と、を含み、前記制御回路は、前
記異常充電が前記異常充電検出回路により検出されている場合、前記充電
制御端子の電位を前記充電制御トランジスタがオフになるレベルに切り替
え、前記放電制御トランジスタの異常が前記異常検知回路により検知され
ている場合、前記放電制御端子の電位を前記放電制御トランジスタがオフ
になるレベルに切り替える、請求項2から5のいずれか一項に記載の二次
電池保護集積回路。
【請求項11】前記二次電池の異常放電を検出する異常放電検出回路を備
え、前記トランジスタは、前記二次電池に接続される充電経路に設けられ
る充電制御トランジスタと、前記二次電池に接続される放電経路に設けら
れる放電制御トランジスタと、を含み、前記制御端子は、前記充電制御ト
ランジスタのゲートが接続される充電制御端子と、前記放電制御トランジ
スタのゲートが接続される放電制御端子と、を含み、
  前記制御回路は、
  前記異常放電が前記異常放電検出回路により検出されている場合、前記
放電制御端子の電位を前記放電制御トランジスタがオフになるレベルに切
り替え、前記充電制御トランジスタの異常が前記異常検知回路により検知
されている場合、前記充電制御端子の電位を前記充電制御トランジスタが
オフになるレベルに切り替える、請求項2から5のいずれか一項に記載の
二次電池保護集積回路。
【請求項12】前記トランジスタに対して前記二次電池とは反対側で前記
電流経路に接続される検出端子を備え、前記異常検知回路は、前記検出端
子の電位の変化を検出することで、前記トランジスタの異常を検知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項13】前記異常検知回路は、前記トランジスタがオンになるレベ
ルの電位が前記制御端子において検出されていて、且つ、前記検出端子の
電位が第1閾値よりも高く検出されている場合、前記トランジスタの異常
と検知する、請求項12に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項14】前記異常検知回路は、前記トランジスタのソース-ドレイ
ン間のオープンを検知する、請求項13に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項15】前記制御回路は、前記トランジスタがオンになるレベルの
電位が前記制御端子において検出されている状態と、前記検出端子の電位
が前記第1閾値よりも高く検出されている状態とが、所定時間以上継続し
て検知された場合、前記トランジスタの異常検知を表す信号を前記二次電
池保護集積回路の外部へ出力する、請求項13に記載の二次電池保護集積
回路。
【請求項16】前記異常検知回路は、前記トランジスタがオフになるレベ
ルの電位が前記制御端子において検出されていて、且つ、前記検出端子の
電位が第2閾値よりも低く検出されている場合、前記トランジスタの異常
と検知する、請求項12に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項17】前記異常検知回路は、前記トランジスタのソース-ドレイ
ン間のショートを検知する、請求項16に記載の二次電池保護集積回路。
【請求項18】前記制御回路は、前記トランジスタがオフになるレベルの
電位が前記制御端子において検出されている状態と、前記検出端子の電位
が前記第2閾値よりも低く検出されている状態とが、所定時間以上継続し
て検知された場合、前記トランジスタの異常検知を表す信号を前記二次電
池保護集積回路の外部へ出力する、請求項16に記載の二次電池保護集積
回路。
【請求項19】請求項1から5のいずれか一項に記載の二次電池保護集積
回路及び前記トランジスタを備える、電池保護回路。
【請求項20】請求項1から5のいずれか一項に記載の二次電池保護集積
回路、前記トランジスタ及び前記二次電池を備えるバッテリ装置。

以上、異常を検出し回路を溶断する二次電池保護集積回路、前記トランジ
スタ及び前記二次電池を備えるバッテリ装置の構造とその信頼性を担保す
る機器の考察の考察の一助とするとともに、「発電と充電」の「分散化」
と「ダウンサイジング」も進展していくと考える。次回は、電池の材料・
システム・構造の「安全・信頼性、高品位化
」を第一回に続き考察を続け
る予定。

 今日の楽曲 『BAR MUSIC 高級ジャズで優しい時間を




今日の言葉:言葉を失うほどの脳疲労だ。 


 

 

 

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生命と非生命のあいだ ⓻

2024年11月09日 | 近江歴史回廊

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。


新板近江八景 石山の秋月 葛飾北斎

【季語と短歌:11月10日】

         立冬や近江八景北斎画   
                高山 宇 (赤鬼)

国際的な枠組みを崩すトラ対応
米ニュースサイト「アクシオス」は8日、トランプ次期米大統領とロシア
の侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が6日に電話協議した際、
トランプ氏の支援者で実業家のイーロン・マスク氏も参加していたと報じ
た。
アクシオスは「トランプ政権でマスク氏が影響力を持つ可能性に加え、
トランプ氏のウクライナへの対応の在り方の不確実性が浮き彫りになった」
との見方を示した。
マスク氏は2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した際、自らが創業し
た米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」をウクライナ側に
無償で提供。一方、スターリンクの通信網を切断するよう命じたり、クリ
ミア半島で使いたいとするウクライナの要請に応じなかったりしたことも
あった。またロシア寄りの和平案を独自に提案したほか、プーチン露大統
領とも定期的に連絡を取っていたと報じられている。

トランプは敵対人物は決して忘れないと報じられている。(米国のプーチ
ン?)早速、欧州・英国の政府要人は国際的な枠組みを崩すトラ対応に苦
慮することになるだろう。先ずはお手並み拝見。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※ イーロン・リーヴ・マスク(英語Elon Reeve Musk1971年6月28日
- )は、南アフリカ共和国出身の起業家。南アフリカ共和国、カナダ
メリカ合衆国
国籍を持つ。PayPalスペースXテスラボーリング・
カンパニー
OpenAIxAI等を共同設立]スペースXテスラCEOX
(旧:Twitter)の執行会長CTOを務めている。

1998年にPayPalをつくり、現在では当たり前となっている電子決済という
新たな決済サービスを作り出した。また、電気自動車宇宙開発太陽光
発電
などのビジネスで成功を収め、当時没落していたそれらの業界を再興
させた。「影の米大統領」の異名を持つピーター・ティールYouTube
業者のチャド・ハーリーなどと共にペイパルマフィアの一人としても語ら
れる。2012年にはスペースXが国際宇宙ステーションに宇宙船を打ち上げ、
テスラはEV 「モデルS」 を発売した。これによってマスクは宇宙と自動車と
いうまったく別の業界で偉業を成し遂げ、スティーブ・ジョブズに例えら
れる存在になった。映画アイアンマンのモデルでもある
フォーブスの長
者番付によると2021年時点で3200億ドル (約41兆円) の資産を有する。ま
た、世界で初めて資産が3000億ドル (約34兆円) を超えた人物でもある。
via Wikipedia


出所:バイオマス資源化センターみとよ

広域ごみ施設 候補地再び白紙 稼働遅れの懸念
 「トンネルコンポスト方式」採用
 彦愛犬の新しいごみ処理施設の方式を検討している彦根愛知犬上広域行
政組合(管理者・
和田裕行市長)は5日、処理方法を「好気性発酵乾燥(
トンネルコンポスト)」方式決
定したと発表。施設の建設候補地はこれま
西清崎地区だったが、処理方法の変更によって再び白紙に戻る。稼働開
始時期も当初から
6年遅れる見込み。同組合は当初、ごみの心理方式につ
いて従来の匹一回収方式で進め、西清『地区を施設の建設候補tに選定し
た。しかし一作年10月に、環境負荷が少ないコンポスト方式へ転換できる
かの調査の検討を開始。昨年6月の調査結果では娘毀傷費や20年間の運営
費などの事業費が547億7800万円と、熱回収の事業費の459億
1、1OO万円より高額になることが判明、コンサルタント業者が1年かけ
て再調査してきた。調査は「トンネル・コンポスト」「熱回収」のほか処
理で発生するメタンガスをエネルギーに代替させる「メタン発酵施設」ご
みを外部へ搬出する「中継施設」など、いずれもリサイクル施設を併設す
る形の7パターンで実施。各パターンについて稼働実績、温室効果ガスの
排出量、事業費など12項目で評価。


「フラフ」化で事業費減 固形の前段階「需要見込める」
その結果、トンネルコンポストと、固形燃料の前段階のジラフ」と呼ばれ
る原材料を発生させるパターンが最高点て、温室効果ガスの排出量も最小
だった。
トンネルコンポスト方式を採用した地域はすでに供用を開始している香川
県三豊市や、導入を決めている徳島県小松島市など四国の4ヵ所のみ。ほ
かでは実績がないが、同組合によると、フラフを使って固形燃料を作る産
廃業者は県内に6社あり、うち数社が関心を示しているといい「脱炭素社
会に向けて石炭から固形燃料に切り替えたい企業が多いため、フラフの需
要が中期的に見込める」と強調。
懸案の一つだったトンネルコンポストの事業費については、固形燃料化せ
ずにフラフ化にランクを落とす方法を採用することに伴い、基幹施設のバ
イオトンネルを当初の10基から8基に削減、固形燃料(フラフ)を作る機
械の運転時間を24時間から8時間に縮減、職員数を53人から29人に減少さ
せるなどして、456億5000万円まで抑制できるとしている。可燃ご
みの処理施設とリサイクル施設に国の交付金があった場合の康楽費は37
8億IOOO万円になるとしている可可燃ごみ処理施設としての交付金は
「想定」段階のため、同組合ではヱ父付金の要件拡充を要望する」として
いる。
トンネルコンポストに必要な敷地面積は7万3896平万口で、これまで
の熱回収方式で必要な面積の5万2000平方びより、広い敷地が必要に
なる。そのため同組合はこれまでの建設候補地だった西清崎地区を白紙化
し、2025年度に新たな建設候補地を選定する。
 今後のスケジュールについては、これまでの熱回収方式の供用開始予定
年度は2029年度だったが、方式の変更によって6年遅れの35年度にな
る予定。
※トンネルコンポスト:生ごみや紙、プラスチックなどが混在したごみを
密閉の槽「バイオトンネル」で発酵させ、その際に発生する熱と通気を利
用しながら乾燥処理させる方式。発酵して乾燥させたごみは異物を除いて
固形燃料となり、搬送された工場で活用される。(しが彦根新聞、10月9日)
※「彦根市民の飲み水を守る会」のブログ掲載テーマであったが諸事情で
掲載を中断していた。このため、ネットワーク環境が変わり急遽、このブ
ログへの掲載となった。「本方式のデメリット」はエビス紙料株式会社の
「好気性発酵乾燥方式による可燃ごみのリサイクル」の「デメリット」に
⓵広い用地が必要、②エネルギー需要家との協議(高塩素対応ボイラー・
全量固形燃料の引き取り 課題:ケミカルリサイクルの開発)などが掲載
されている。




⬛ 日本で魚が獲れない理由」を知った小学生の驚愕


イベントで子供たちが見学した釧路港では9割以上が丸のままフィッシュ
ミールになっています。大きくなれば、鮮魚・缶詰・加工品などさまざま
な用途に使えます。大きくなったマイワシから、可食部を取って、頭・骨・
内臓などをフィッシュミールに回す。ノルウェーのニシン漁業で行われて
いる例を基にした説明に子供たちは高い関心を示していた。次のグラフは
世界と日本の漁業と養殖の合計生産量の傾向を示す。違いが一目でわかる。
世界全体では、過去最大の更新が続くのに対し、日本では2023年に372万
トンとさらに生産量(漁獲量と養殖量の合計)は過去最低を更新している。



光で動くプラスチックの多彩な変形を実現
中央大学の研究グループは,光で変形するプラスチック(光運動材料)の
駆動方式として二光子吸収プロセスを適用し,変形の三次元化に成功


図1 従来の光運動材料の変形メカニズム
 従来の光運動材料では、上述のように試料表面近傍において光吸収や
変形が起こります。もし、試料の表面だけではなく、任意の位置において
局所的な変形を引き起こすことができれば、より自由度の高い、多彩な変
形の発現が期待できる。二光子吸収は、光子の密度が高いときに生じ得る
現象であり、これを適用することにより光の焦点近傍で選択的に光吸収を
起こすことができます。従って、光運動材料に二光子吸収を適用できれば、
試料中の任意の位置で変形を引き起こすことが可能になる。
【展望】
  本研究は、光運動材料の駆動の精密さや多彩さを格段に向上させるもので
あり、ロボット分野等への応用が見込まれます。特に、二光子吸収プロセ
スにより微小な材料においても精密な駆動が可能になるため、マイクロロ
ボットと呼ばれる、極めて小さいロボットとしての利用が期待できる。ま
た、材料形状をカメラで取り込みつつ、レーザー照射位置をコンピュータ
ーで制御することにより、駆動のさらなる精密化を図ることができる。今
後、ロボット分野や情報分野等との連携を深めることにより、光運動材料
の実用化に向けた取り組みを推進する。



 ⬛ 
失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖
ここ数年、世界で急速に普及が進んだEV(電気自動車)。足元では欧米を
中心にその勢いに陰りが見え始めている。さらに火災事故が相次いでいる
ことで安全性に懸念が広がっている。

8月1日、韓国は
第3の都市・仁川(インチョン)広域市内のマンション地
下駐車場でEVの火災事故が発生。煙を吸い込むなどして住民ら約20人が
負傷し、100台以上の車両が燃えるなど損傷した。
火災の原因となったの
はドイツ、メルセデス・ベンツの「EQE」。同モデルは寧徳時代新能源科
技(CATL)と孚能科技(ファラシス・エナジー)といずれも中国メーカー
製電池を採用しており、今回燃えたのはファラシス製電池を搭載したEV。
韓国政府は2025年2月から実施する予定だったEV用電池の情報公開などを
求める認証制度を、今年11月までに前倒しで実施することを決めるなど対
応に追われている。韓国メディアによると、10月には韓国のEQEオーナー
約20人がメルセデスの本社や韓国法人、販売会社を相手取った損害賠償請
求訴訟を起こした。

安全性に課題残るリチウムイオン電池
ポルトガルのリスボンでも、8月に空港近くのレンタカー会社の駐車場で
火災が発生。海外メディアは200台以上が全焼したこと、火元がテスラ車
である可能性を報じている。英国ではロンドンのEVバスで火災が発生し、
地元当局は中国BYD製電池を搭載したバス約2000台をリコールした。

9月2日にはドイツBMWがEV「ミニ・クーパーSE」について電池の不具合
を理由にグローバルで約14万台リコールすると明らかにした。搭載してい
た電池はCATL製とみられ、電池の制御システムに問題があり、オーバーヒ
ートによって火災につながる恐れもあるという。
現在、EV用電池として主
に使われているリチウムイオン電池には、エネルギー密度が高く、航続距
離を延ばしやすいというメリットがある。反面、過充電や過放電、大きな
衝撃が加わった場合などに出火リスクが高いなど安全性に課題が残る。火
災時に水をかけると化学反応を起こしてさらに火が強まる性質があること
も対応を難しくさせている(大量の放水でなら消火可能)。

⬛ 電池トップメーカーの危機感             
「安全性に関わる問題を解決しなければ、いずれ破滅的な結果を招きかね
ない」9月1日に中国四川省で開かれた電池産業フォーラムの講演でCATLの
曾毓群(ズン・ユーチュン)董事長はそう訴え、業界全体で安全対策の強
化を呼びかけた。韓国・仁川でのマンション火災など市民に不安を与える
事故が相次いだことを受けた発言と見られる。中韓電池メーカーはここ数
年、巨額の投資と積極的な国家支援と受注の獲得を背景に大きく市場シェ
アを伸ばしてきた。調査会社テクノ・システム・リサーチによると、2023
年の車載リチウムイオン電池の世界シェアで、1位CATL、2位BYD、3位韓
国のLGエナジーソリューションと続く。中韓大手5社では世界シェアの8割
弱を握っているが、社会からの信頼を失えば、その地位は一気に崩れかね
ないため危機感は強い。
ただでさえ、ヨーロッパやアメリカではEVの成
速度は鈍化している。車両価格の高止まりや充電時間の長さが敬遠されて
いると見られ、補助金の打ち切りや減額をきっかけに販売が急減する事例
が頻発。ドイツのフォルクスワーゲンやアメリカのゼネラル・モーターズ
(GM)、スウェーデンのボルボなどEVに積極的だったメーカーも次々と
EVの開発計画や移行時期の目標の見直しを打ち出している。
そのうえ、安
全性への疑念が深まれば、EV失速に一層拍車をかけることになる

 「品質と安全性の高い製品に裏打ちされた日本勢にとってチャンスとな
る」。日系の大手自動車メーカーや電池メーカー幹部からはこうした声が
多く聞かれる。
日本の電池メーカーは安全性に自信を持つものの、コスト
最優先の風潮の中でシェアを落としてきた。車載電池のグローバル市場で
のシェアはパナソニックが6%にとどまるなど、日本勢を合計しても10%
に届かない。改めて安全性がより重視されるようになれば、日本製電池が
巻き返す余地が出てくる。
もっとも、安全性を強みとしてきた日本勢でも
火災事故はゼロではない。

◾安全自慢のリーフも火災とは無縁ではない
2010年にEV「リーフ」を投入した日産自動車。販売開始から10年以上も
の間、電池に起因する火災事故を起こしていないことをアピールしていた。
だが、最近になってこうしたアピールを控えるようになっている。
実は、
2019-20年モデルイヤーのリーフに関して、電池火災の報告がアメリカで
9件確認され、今年9月に現地当局へリコールの届けを出している。急速充
電中に電池内の電気抵抗が増加する可能性があり、電池が急激に加熱され
発熱や火災が発生する可能性があるという。
日産によると「原因を調査中で、詳細についてはコメントを控えるが人的
被害は報告されていない」という。日産側は電池内の異常の予兆を検知す
るソフトウェアを開発中で、対策が完了するまでは急速充電しないよう顧
客に呼びかけている。

一方、2009年に世界で初めて量産型EV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を投入
した三菱自動車は、これまで投入したアイ・ミーブ、軽自動車「eKクロス
EV」、商用軽「ミニキャブEV(旧ミニキャブ・ミーブ)」のEV3車種では
電池に起因する火災事故は発生していないという。
リーフに関しては、日
産が言うように詳細がはっきりしない以上、電池に欠陥があると断言でき
ない。約70万台というリーフの累計販売台数を考えれば、海外勢のEVと比
べても安全性は高いのかもしれない。
いずれにしろ安全重視は日本勢にと
っては望むところだ。

日本メーカーの車載用電池。中韓勢に対し劣勢が続いてきたが巻き返しな
るか

パナソニックは和歌山工場で、安全性を維持したうえで従来品と比較し容
量を5倍に向上させたEV向け円筒形電池「4680」の量産準備を今年9月に
完了。東芝はホームページで自社のチタン酸リチウム電池「SCiB」に釘を
刺し、30分間破裂・発火しないという動画を掲載し安全性をアピールする。
SCiBは安全性や長寿命では評価が高いが、採用実績はHVがメインだった。
改めてEV向けに拡販を狙う。

トヨタ自動車、日産、ホンダは、大容量かつ発火の可能性が低いとされる
全固体電池の開発を進めると同時に、電池の内製化にも動き出している。
伊藤忠総研エグゼクティブ・フェローの深尾三四郎氏は「発火事故をこれ
までほとんど起こしていない日本勢の電池ニーズが高まる可能性がある。
中国勢の安値競争に追随しなくても戦えるよう、日本は官民をあげて電池
安全に関する標準規格のルールメイキングで主導権を握るべきだ」と指摘
する。

◾EVでも日本勢巻き返しのチャンスに
日本勢が電池の安全性で業界をリードできれば、電池メーカーだけでなく
自動車メーカーにとっても武器になる。
EVではテスラやBYDに先行を許し
てきた日本の自動車メーカー。遅れた理由として、EVが収益性で厳しく、
製品としてまだ欠点も多く、市場動向を見極める意向が強かったことがあ
る。電池のエネルギーマネジメントでも安全性を重視する考えから冗長性
を持たせれば、航続距離や充電時間といったEVの商品性は一定程度犠牲に
なる。

EVの安全性に対する消費者の疑念が高まっているからこそ、「日本勢のEV
なら安全」というブランドを構築できれば、テスラやBYDを追撃するうえ
で大きな意味を持つ。
商品性や安全性に疑問符がつき始めたEV。このピン
チをチャンスにできるか、新たな勝負が始まっている。
(via 東洋経済 )

特開2024-045691 電池パックおよびこれを含むデバイス エルジー  エ
ナジー  ソリューション  リミテッド
【要約】下図6のごとく、本発明の一実施形態による電池パックは、複数
の電池セルが積層された電池セル積層体を含む複数の電池モジュール、前
記電池モジュールを収納するパックフレーム、前記電池モジュールの端子
バスバーと連結されたHVライン、前記電池モジュールのセンシングアセ
ンブリーと連結されたLVライン、および前記電池モジュールに冷媒を供
給するパック冷媒管を含む。前記端子バスバーは前記電池セルと連結され、
前記センシングアセンブリーは電池セルの温度と電圧を測定し、前記HV
ラインと前記LVラインは前記パック冷媒管より上部に位置することで安
全性が向上した電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。


図6 図2の電池パックをxy平面上から見た平面図
【符号の説明】  100:電池モジュール  600:パック冷媒管  710:
端子バスバー  730:センシングアセンブリー  800:HVライン 
900:LVライン  1200:BDUモジュール  1300:BMSモジ
ュール
【発明の効果】  本発明の実施形態によれば、HVラインおよびLVライ
ンの配置を単純化し、安定的な位置に配置することによって、電池パック
の安全性を向上させることができる。
※これは基本課題。紙面の都合で継続掲載する(ただし、製造技術として
まとめる)。

 今日の楽曲 『ヴィヴァルディ 「四季」より「秋」』



        『夕陽の丘  石原裕次郎・浅丘ルリ子』 



 今日の言葉:国土開発は慎重に!⓵ 先ず、議論の枠組みが大切

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生命と非生命のあいだ ⑥

2024年11月09日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

 

【季語と短歌:11月9日】

         突然の打ち上げ花火秋深む 

                高山 宇 (赤鬼)        

 

⬛ デブリ、初の取り出し成分分析し廃炉工程検討・福島第一
7日、東京電力は福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)
の試験的な取り出しを完了したと公表。燃料デブリを取り出したのは、
2011年の原発事故後初めて。成分や構造を分析し、今後の取り出しや
保管方法の検討に生かすという。
東電はこの日、原子炉格納容器の外側に
設けた「隔離箱」から、燃料デブリが入った容器を出した。現場で、この
容器をさらにバケツ型の専用容器に収め、取り出し作業が完了。
採取した
燃料デブリの大きさは5ミリ以下。5日の測定では、20センチの距離で放射
線量
は毎時約0.2ミリシーベルトだった。今後、茨城県大洗町にある日本
原子力研究開発機構
の施設に運び、成分などを分析する。(朝日新聞)
福島第一原発2号機では、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざ
り合った核燃料デブリの試験的な取り出し作業がことし9月から行われた。
福島第一原発の1号機から3号機の格納容器の内部にはあわせておよそ880
トンの核燃料デブリがあると推定されていて、その取り出しは「廃炉最大
の難関」とされ、東京電力は、今後の分析で得られるデータは本格的な取
り出し工法の検討に欠かせないとしていて、廃炉を新たな段階に進めるこ
とができるか注目されている。(NHK)




⬛ 立民 独自経済対策 総額7兆4,000円規模
7日、政府・与党が新たな経済対策を検討する中、立憲民主党は独自の対
案として、能登半島の復旧・復興支援や、社会保険料の負担に関わる「年
収130万円の壁」の見直しなどを盛り込んだ、総額7兆4000億円規模の経
済対策をまとめた。衆議院選挙で議席を大幅に増やした立憲民主党は、政
権担当能力を示すためにも政策の実現性を高めていく必要があるとして、
独自の経済対策をまとめた。(NHK)

この中では、能登半島の復旧・復興を加速するため最大300万円が支給さ
れる「被災者生活再建支援金」を増額するとともに、公費解体の対象とな
る建物を、全壊や半壊だけでなく、準半壊や一部損壊にも拡大するなどと
している。

また、厚生年金が適用されていない企業などで働く人が、年収130万円を
超えると扶養を外れて国民年金などの保険料負担が生じる「130万円の壁」
を見直し、年収200万円までの人を対象に、保険料負担を穴埋めする給付
を行うとしています。さらに、公立小中学校の給食費の無償化なども盛り
込んでいて、対策の規模は総額で7兆4000億円程度になるとしている。
卵が先か鶏が先か?|pyama@KBI48

「卵が先かニワトリが先か」問題の答えが判明?!
古来から哲学的な問いとして、原因と結果が循環してしまうような状況を
「卵が先かニワトリが先か」と呼ばれ、これはあくまでも例えなのだが、
生物学の世界では実際にどっちが先なのかについて昔から議論が重ねられ
ている。そんな中、ジュネーブ大学の研究チームが「卵が先である可能性
が高い」と主張する論文が提出された。「卵が先かニワトリが先か」問題
は2000年以上にわたる人類を悩ませてきた難問、2024年にはこの問題の
議論で白熱し、殺人事件が発生するほど。古くは紀元前4世紀頃に哲学者
のアリストテレスが「この問題は無限の連続である」と論じ、1世紀頃に
ギリシアの哲学者プルタルコスが哲学的な問いとして自著に記し、「世界
には始まりがあったかどうかという重大な問題である」という。

ジュネーブ大学の研究チームは、2017年にハワイ周辺の海底堆積物から発
見された単細胞生物のChromosphaera perkinsiiを研究。この生物は10億
年以上前に動物の進化系統から分岐し、単細胞生物から多細胞生物に移行
した謎の答えが眠っているのではと考えられていた。
研究チームは、Chromosphaera perkinsiiの細胞が最大サイズに達すると、
それ以上成長せず分裂し、動物の初期胚発生段階に類似した多細胞コロニ
ーを形成するとした。このコロニーはライフサイクルの約3分の1にわたっ
て持続し、少なくとも2つの異なる細胞タイプを含むという特徴を示した。
以下はChromosphaera perkinsiiが多細胞コロニーを形成し。赤い部分が
細胞膜で、青い部分はDNAを含む核に当たる。

Chromosphaera perkinsiiは単細胞生物ですが、この特徴は地球上に最初
の動物が出現するずっと前から多細胞の調整と分化のプロセスがすでに存
在することを示すとジュネーブ大学のオマヤ・ドゥディン准教授が話し、
さらに遺伝子活性の分析により、これらのコロニーは動物の胚で観察され
るものと興味深い類似性を持っていることが明らかなった。結果、胚発生
の原理が動物の出現以前から存在していたか、あるいはChromosphaera
perkinsiiが独立し多細胞発生のメカニズムを進化させた可能性を示唆、研
究チームは「複雑な多細胞発生を制御する遺伝的プログラムがすでに10億
年前から存在していたかもしれない」と話し、今回の結果にしたがうと、
自然は『ニワトリを発明する』よりはるか前に『卵を作る遺伝的ツールを
持っていた』ことになり、「卵が先」である可能性が高いという。
【掲載誌】
1.The egg or the chicken? An ancient unicellular says egg! - Medias - UNIGE
https://www.unige.ch/medias/en/2024/loeuf-ou-la-poule-un-unicellulaire
-ancestral-dit-loeuf

2.A multicellular developmental program in a close animal relative | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08115-3 (via Gigazine

 

新方式の量子コンピュータを実現
~世界に先駆けて汎用型光量子計算プラットフォームが始動~
11月8日、理化学研究所らの研究グループは、新方式の量子コンピュータ
の開発に成功した。これは世界に先駆けた汎用型光量子計算のためのプラ
ットフォームとなる。
量子コンピュータは量子力学の原理を計算に利用す
ることで、さまざまな問題が超高速で解けると期待され、世界中で激し
い開発競争が行われています。理研量子コンピュータ研究センタでも2023
年に超伝導方式の量子コンピュータを公開。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


日本発、世界初となる驚異の量子コンピューターの実現が、秒読み段階に
入った。光を使った独自の方式により、量子コンピューター開発のトップ
を走る著者が、その仕組みと理論を徹底解説。スーパーコンピューターを
はるかに凌ぐ高速計算と低消費電力を両立させる量子コンピューターの実
現へ向けて、現在、さまざまな方式が模索されている。世界中で競争が激
化する中、圧倒的な勢いを見せるのが、光を使った量子コンピューターの
研究だ。革新的な光量子コンピューターが完成する日は、もう間近に迫っ
ている。

目次
第1章 量子の不可思議な現象
第2章 量子コンピューターは実現不可能か
第3章 光の可能性と優位性
第4章 量子テレポーテーションを制する
第5章 難題打開への布石
第6章 実現へのカウントダウン

著者等紹介
古澤明[フルサワアキラ]物理学者。1961年、埼玉県生まれ。1984
年、東京大学工学部物理工学科卒業。1986年、同大学大学院工学系研
究科物理工学専攻修士課程修了、株式会社ニコン入社。東京大学先端科学
技術研究センター研究員、カリフォルニア工科大学客員研究員、東京大学
大学院工学系研究科助教授を経て、2007年から東京大学大学院工学系
研究科教授



量子コンピュータが本当にわかる!
第一線開発者がやさしく明かすしくみと可能性
Googleが「量子超越性」の実証を発表するなど、量子コンピュータ周辺の
ニュースが世間を騒がせるようになってきた。一方で、華々しい話を強調
しすぎるあまり、量子コンピュータに得体のしれないひみつ道具のような
イメージが広がり、実体をきちんと知りたい人にとって必要な情報はあま
り提供されていません。
本書は現場を知り尽くした開発者が、詳しく知りたい読者に向けて、量子
コンピュータもあくまで現代のコンピュータの考え方をベースに発展させ
たコンピュータの一種であることや、どこにどう量子の性質が使われてど
ういう場合に計算が速くなるのかなどを、かみくだいて解説。また、現在
実際に開発が進められている量子コンピュータについて、その種類や長所・
短所、将来の展望などを述べます。量子コンピュータに興味を持たれた方
の、最初の1冊としておすすめ。

目次
第1章 量子コンピュータとは?
第2章 量子力学の最も美しい実験から探る量子コンピュータの正体
第3章 量子コンピュータの計算の仕組み
第4章 量子コンピュータはなぜ計算が速いか?
第5章 量子コンピュータの実現方法
第6章 光量子コンピュータ開発現場の最前線

著者概歴:武田 俊太郎
1987年東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科准教授。専門は量子
光学・量子情報科学。日本における数少ない量子コンピュータの開発者。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、分子科学研究所での職を経
て、2019年より現職
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回、共同研究グループは、光方式による新型量子コンピューを開発。光
方式では、従来の量子コンピュータと比べて高速かつ大規模な量子計算が
可能になると期待、これまで困難であった計算課題の解決など、量子コン
ピュータ研究を新たなステージに進める。
今回開発した光量子コンピュー
タは、インターネットを介したクラウドシステムから利用可能となってい
る。当面は共同研究契約を通じた利用となるが、今後、国内の量子計算プ
ラットフォームの利用拡大、量子コンピュータのユースケース(活用法)
の創出、国内量子産業の発展と国際競争力の向上に寄与すると期待される。

量子コンピュータの実現方式には、超伝導、中性原子、イオン、シリコン、
光など、多様な候補があり熾烈(しれつ)な競争が行われています。この
中で、光方式の量子コンピュータは、以下のことから非常に有望な候補の
一つと考えられています。
(1) 計算のクロック周波数(動作周波数)を数百テラヘルツ(THz、1THz
  は1兆ヘルツ)という光の周波数まで原理的には高められる
(2)他方式と違いほぼ室温動作が可能
(3)光多重化技術[4]によりコンパクトなセットアップで大規模計算が可能
(4)光通信と親和性が高く量子コンピュータネットワークの構築が容易と考
    えられる
✳️特に光通信で培われた超高速光技術が、光量子コンピュータにとって非
   常に有用なアセット(資源)であり大きなアドバンテージになる

【方法と成果】
今回整備された光量子コンピュータは、時間分割多重化手
法を用いた測定誘起型[5]のアナログタイプの量子コンピュータ。ここで
アナログタイプの量子コンピュータとは、ビットではなく連続的な量で
表される量子を基にした連続量(アナログ)量子コンピュータ[6]を指しま
す。具体的には光波の振幅値[7]が情報のキャリア(搬送媒体)となる。
これに時間分割多重と測定誘起型の手法を組み合わせることにより、大規
模かつ効率的な量子コンピュータが実現します。
測定誘起型量子コンピュ
ータでは、量子テレポーテーションの繰り返しによって計算が実行される。
これは2013年に古澤チームリーダーらのグループにより明らかにされる。
量子テレポーテーションは、量子の情報を量子もつれと呼ばれる量子的な
相関を介し遠隔地に転送する手法であり、1998年に古澤チームリーダーら
によって世界で初めて条件なしで実験的に実証。

この量子テレポーテーションの概念図が図1です。量子テレポーテーション
は、量子操作として考えると一つの量子状態を入力しそのまま出力される
恒等操作でしかありませんが、測定の部分に変更を加える(測定基底の変
[8]
を行う)ことで、恒等操作ではないさまざまな量子操作を実現するこ
とができる。測定誘起型の手法では、まず大規模な量子もつれを生成し、
それに対して測定を介して量子テレポーテーションを繰り返し実行し、マ
ルチステップの量子操作を実現する。

量子テレポーテーションの図

図1  量子テレポーテーション
量子テレポーテーションは、入力の量子が持つ情報を、量子もつれを介し
出力へと伝送する手法。入力と量子もつれは50:50(50%反射、50%透過)
のビームスプリッター(青の長方形)で重ね合わされ、その後測定される
測定値は電気信号として出力側に伝送され、量子操作D^が実行されること
で、量子テレポーテーションが完了する。ここで、測定基底(θ1およびθ2
の変更を行うことで、入力に対して多様な量子操作を実現できる。測定誘
起型量子コンピュータでは、量子もつれを大規模に生成して、その測定を
介して量子テレポーテーションを繰り返し実行する。

測定誘起型量子コンピュータでは、大規模な量子もつれの生成が重要。
光の進行波としての性質と時間分割多重化手法を活用する。図2は光量子
コンピュータ実機の光学装置の概略図。この構成は2016年のAlexander
とMenicucciによる提案に基づく。
まず四つの量子リソースデバイスA~D
がある。これは光パラメトリック増幅器と呼ばれるデバイスで、量子的性
質を持つ光、スクイーズド光[9]を生成する。スクイーズド光とは、光の持
つ量子揺らぎが圧搾(スクイーズ)された光で、量子もつれを生成するた
めに必要。このスクイーズド光が連続的に進行波として生成されますが、
これを時間的に区切って光パルスとして扱う。

二つのスクイーズド光パルスが50%反射ビームスプリッター[10]で重ね合
わされることによって、A-B間およびC-D間にそれぞれ2者間量子もつれが
連続的に生成されます。次に、B、Dの光路にそれぞれ光パルス一つ分、
光パルスN個分の遅延を与えます。これにより、2者間量子もつれが異な
る時間に分配されます。同時刻に存在する四つの光パルスをワンセットと
してマクロノードと呼ぶ。


図2 光量子コンピュータ光学装置概略図

A、B、C、Dは光パラメトリック増幅器を表す。このデバイスから、量子
揺らぎが圧搾された光(スクイーズド光)が出射される。これを時間Δt
で区切り、光パルスとして扱う。二つの光パルスが50%反射ビームスプリ
ッター(青の長方形)で重ね合わされると、A-B間、C-D間にそれぞれ2者
間量子もつれが次々と生成される。その後、Bの光路では光パルス一つ分
(Δt)、Dの光路では光パルスN個分(NΔt)をそれぞれ遅延させる。そ
の結果、2者間量子もつれが異なる時間に分配される。これを複数の50%
反射ビームスプリッターで重ね合わせてから測定することで、テレポーテ
ーションベースの量子操作が実行される。量子操作に応じて、光パルスご
と(kはパルスの番号)に測定基底(θakbkckdk)を変更する。光遅
延がパルスN個分であることからマクロノードが周期Nの構造を持つ。

並べ替えを行うと図3(a)のように量子もつれが時間的に格子上の広がり
を持つ構造であることが分かる。この格子状に広がった量子もつれが光量
子コンピュータの計算リソースとなる。特に、この量子もつれのサイズは、
光遅延路で決まるNと経過時間で決まるため、時間をかけることでいくら
でも大きな量子リソースが利用できる。


図3 時間領域で多重化された量子もつれとそれを用いた量子計算

  • (a)マクロノードを並び替えると、量子もつれが時間的に格子状に広
    がっている(多重化されている)ことが分かる。これが量子コンピ
    ュータの計算のリソースになる。量子もつれのサイズ、すなわち計
    算のリソースは、時間をかければかけるほど大きくなる。
  • 各マクロノードに対してテレポーテーションベースの量子操作を行
    うことで、多入力に対して多段階の量子操作を実行する

図4左は基幹部であるNTT先端集積デバイス研究所作製の光パラメトリッ
ク増幅器です。周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路であり、極めて広い
帯域(約6THz)と、高いスクイージングレベル(最大8デシベル(dB)程
度)を両立しています。光のパルス幅は時間的には10ナノ秒(1ナノ秒は
10億分の1秒)、空間的には3m相当に設定され、これは100メガヘルツ(
MHz、1MHzは100万ヘルツ)のクロック周波数に対応します。このパル
ス幅は、現状の光測定器とそれにつながる電子機器の帯域で決定される。


図4 光パラメトリック増幅器とプログラマブルロジックデバイス

  • (左)NTT先端集積デバイス研究所作製の光パラメトリック増幅器。
  • (右)光測定器のコントロールと測定値のデータ収集を行うプログラ
    マブルロジックデバイス。

図4右は光測定器のコントロールと測定値のデータ収集を行うプログラマ
ブルロジックデバイス[11]
です。このデバイスは100MHzの周期で電気パ
ルスを生成し光の測定基底を高速で操作します。これにより所定の量子操
作を各マクロノードに行うことになる。

図5. クラウドシステムの構成

ユーザーは量子回路をデザインしクラウドへ送信する。クラウド上で量子
回路は実機パラメータへ変換され、光量子コンピュータ実機へと送られ、
量子操作を実行する。ユーザーは実行結果をクラウド経由で受け取る。本
光量子コンピュータでは、連続変数の線形変換が可能であることにより連
続量の最適化問題などへの応用や、非線形変換の機能を導入すとでニ
ューラルネットワークなどへの応用も期待されます。
【展望】
今回、光量子コンピュータとそのクラウドシステムを実現しました。これ
により、光量子コンピュータの開発と、金融・医療・材料科学・機械学習・
最適化問題などのユースケース探索が大きく進展することが期待されてい
る。
今後、光量子コンピュータを真に実用的なものとするため、⓵多入力
化、②超高速化、⓷非線形操作の導入、④アプリケーションの探索、とい
った課題を解決する予定とか、将来的には誤り耐性のある大規模汎用量子
計算機の実現を探求である。
【脚注】
1. 量子コンピュータ:量子力学の原理を利用した、現在の(古典)コンピ
ュータとは異なる方式で動くコンピュータ。古典コンピュータとは動作原
理が異なるため、特定の問題を超高速で解けることが知られている。例え
ば、量子系の効率的なシミュレーションや素因数分解などの問題が高速に
解けると期待されている。
2.光方式:従来の古典コンピュータでは、電気信号によって表される情報
が半導体プロセッサによって処理される。光方式では、光が情報の担い手
となる。光の光子数、偏光、振幅などさまざまな光の物理量を用いる方式
がある。
3.量子もつれ、量子重ね合わせ:量子力学の特徴的な現象の中でも、特
に量子コンピュータで重要になるもの。量子もつれとは、量子の間に存在
得る非局所的な相関であり、量子重ね合わせとは、量子が、異なる状態
同時に取ることを指す。どちらも日常感覚とは相いれない量子の世界特
有の現象である。
4.光多重化技術:複数の光信号を一つの伝送路で同時に送信する技術。
異なる波長の光に異なるデータを割り当てる波長分割多重、時間を分割し
て異なる時間に異なるデータを割り当てる時間分割多重などがある。
5. 測定誘起型:測定誘起型の量子コンピュータは2001年にRaussendorf
らによって提案され、2006年にMenicucciらによってアナログ量子コンピ
ュータ
へ拡張された。2013年には、古澤チームリーダーらのグループが、
測定誘起型量子コンピュータに向けた大規模量子もつれの生成に成功し、
さらに2019年に汎用性を持つ大規模量子もつれの生成、2021年に簡単な
量子計算のデモンストレーションにそれぞれ成功。今回の光量子コンピュ
ータはそれらの成果に基づいたものであり、より汎用的かつ大規模な量子
計算が可能となっている。(今日はこのぐらいで切り上げ) 
                          この項つづく

 今日の楽曲 『
Autumn Leave with Breeze

              violin,cello ,piano&jazz drum

  今日の言葉:国土開発は慎重に!⓵ 先ず、議論の枠組みが大切
   大阪のギャンブル都市計画、千葉の「みんなで大家さん」など
   「金を集めることが一番」でないことは米国大統領選挙が記憶に
   新しい。


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生命と非生命のあいだ ⑤

2024年11月08日 | ネオコンバーテック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月8日】

         秋深し公孫樹青立ち敏満寺   
                高山 宇 (赤鬼)

✳️ 朝からドライブ。お目当てのカフェは駐車できず反転。「鶴亀そば」
 でランチ。玄宮園の紅葉も青立ちという。「異常が正常の季節なり」と
 詠嘆し千四百年前を偲ぶ。また、同期の企業戦士であり、「サニー・ボ
 ーイズ倶楽部会員」の今井博氏並びに神鳥武文氏を悼む。


 高分子ネットワークで人工光合成
11月1日、北陸先端科学技術大らの研究グループは、人工光合成ゲルの研
究について特集論文を発表。人工光合成[の研究では、有機/無機にかかわ
らず様々な物質群の探索と電子移動の向上に注力されてきた。しかし、そ
の反応が起こる液相では、分子集団としての振る舞いが無秩序のため、拡
散律速によるエネルギー損失が問題。一方、実際の光合成を行う葉緑体で
は、その内部に在るチラコイド膜によって区画されたナノ空間がある。こ
の膜上では複数の分子団の位置関係が絶妙に制御されており、化学反応場
として必要不可欠。このような空間制御を可能とするシステムとしてゲル
相は有用であり、ハイドロゲルの網目構造は高いポテンシャルを持つ(図)。

事実、光エネルギー捕集分子、電子伝達分子、触媒分子など複数の機能団
高分子の網目構造を精密に導入することで、能動的な電子輸送が可能と
なる
。例えば、光エネルギーによる水の分解には、同時に複数の電子が輸
送される必要があり、多数の酸化還元反応が伴います。この化学反応が起
こる場に、刺激応答性高分子の網目を導入することで、反応に伴った高分
子の伸び縮みを利用することができます。これによって電子の能動輸送が
実現する。実際、光エネルギーによって水を分解して酸素発生や水素発生
するゲルシステムが提案された。

この人工光合成ゲルは、外界からのエネルギーや物質の授受が可能な開放
系マテリアルで、生物に倣った物質システムです。今後も、高分子ネット
ワークを活用した機能性材料の設計は、様々なエネルギー変換システムの
構築など、持続可能な社会の実現に資するものと考えられる。

pr20241106-11.jpg

図 葉緑体にヒントを得た人工光合成ゲルの概念図。A. 葉緑体の内部では
チラコイド膜に4つのタンパク質が連携して酸化還元反応を起こし、電子
伝達が達成されている。B. 水の可視光分解に必要な4つの機能団を高分子
ネットワークに組み込んだ概念図。
【掲載論文】
・Chemical Communications (The Royal Society of Chemistry)
・Bioinspired hydrogels: polymeric designs towards artificial photosynthesis
10.1039/d4cc04033C


⬛  新素材がCO2回収効率を向上

11月3日、高弾性の高弾性の多孔質構造を持つ画期的な材料は、ネガティ
ブエミッションを達成するための取り組みを加速させる可能性がある。


人間の活動から発生する二酸化炭素(CO2)を回収・貯留することは、大気
中の温室効果ガスを削減し、気候変動を安定化するための鍵しかし、今日
の炭素回収技術は、発電所の排気ガスなど、炭素の濃縮源には適している
が、周囲空気からCO2を回収する効率は低く、濃度は煙道ガスよりも数百
倍低くなっている。
しかし、直接空気回収(DAC)は、CO2レベルの上昇を逆転させると期待さ
れており、CO2レベルは現在426ppmに達し、産業革命前よりも約50%高
くなっています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、それが
なければ、世界の平均気温上昇を2°C(3.6°F)に抑えることは事実上不可能。
有望な道筋と思われるものとして、カリフォルニア大学バークレー校の
研究グループは、DACの新たなブレークスルーを報告。権威あるジャーナ
Natureに掲載された彼らの研究は、共有有機フレームワーク(COF)とし
て知られる多孔質材料について説明しており、既存のDAC技術の大きな制
限の1つである水やその他の汚染物質による劣化なしに、周囲の空気から
CO2を吸収する。

この材料の粉末を取り、チューブに入れ、バークレーの空気、つまり屋外
の空気だけを材料に通して、どのように機能するかを確認したと、カリフ
ォルニア大学バークレー校のオマール・ヤギは説明する。それは美しく、
空気中のCO2を完全除去した。パフォーマンスの面では他に類を見ないか
ら、ワクワクしている。これは、気候問題に取り組むための私たちの取り
組みに新たな地平を切り開くものだと。



前出のYaghi氏によると、新しい材料は、すでに展開されている、または
試験的に導入されている炭素回収システムに簡単に置き換えることができ
この材料は効率的で、わずか200グラム(0.4ポンド)で、1年間に20キログ
ラム(44ポンド)の木全体と同じくらいのCO2を隔離できる。
排ガス回収は、
CO2を大気中に放出しないようにするため、気候変動を遅らせる方法。ダ
イレクトエアキャプチャは、私たちを100年以上前の状態に戻す方法だと。
現在、大気中のCO2濃度は420ppmを超えだが、煙道ガス回収を完全に開
発して採用する前に、500~または550に増加。濃度を下げて300ppm~
300ppmに戻したい場合は、直接空気回収を使わなければならない。
世界
中の数十の観測所でCO2レベルを監視している米国海洋大気庁(NOAA)は
2024年までのデータで「pumphandle」アニメーションを更新。産業革命
以降の集中化は急速に進んでいるように見えるが、80万年前の地質学的な
長い時間スケールで見ると、垂直線になる。大気中のCO2のこのような急
激な変化は、地球の近年の歴史では前例がなく、通常、大規模な火山噴火
や小惑星の衝突などの壊滅的な出来事に関連しており。前回、CO2濃度が
420ppmに達したとき、海面は数メートル高く、生態系は今日私たちが知
っているものとは大きく異なっていた。


写真:Gigazine(11月3日)

ヤギ教授は、COFとMOF(金属有機構造体)の発明者であり、どちらも内部
に等間隔の細孔を持つ硬い結晶構造であり、ガスが付着または吸着するた
めの大きな表面積を提供。彼の研究室が開発したMOFの中には、乾燥し
た条件下でも空気中の水を吸着し、加熱すると水を放出して飲むことがで
きるものがあり、DACという言葉を耳にするずっと前の1990年代から、
CO2回収にMOFに取り入れている。

2年前、同チームは、CO2を吸着する非常に有望な材料であるMOF-808を
作製。しかし、研究者たちは、何百回もの吸着と脱着のサイクルの後、
MOFが破壊する。DACアプリケーションで劣化する理由を発見し、COF
-999と呼ばれるより強力な材料の設計を開始。

COF-999の細孔は、MOF-808と同様に、内部にNH2基(窒素原子が2つの
水素原子に結合した原子)であるアミンで装飾され、より多くのCO2分子を
取り込むが、MOFが金属原子により結合されているのに対し、COFは、自
然界で最も強い化学結合である炭素-炭素結合と炭素-窒素二重結合によっ
て結合されている。
空気中のCO2を捕捉することは非常に難しく。エネル
ギー的に要求が厳しく、二酸化炭素容量が高く、選択性が高く、水に安定
し、酸化に安定し、リサイクル可能な材料が必要。再生温度を低くする必
要があり、スケーラブルである必要がある。このCOFは、化学的および熱
的に安定した強力な骨格を持っている。必要なエネルギーが少なくて済み、
容量を損なうことなく100サイクルに耐えることができることを示す。そ
のような性能を発揮する材料は他にない。基本的には、直接空気捕捉する
のに最適な素材である。
人工知能が炭素回収やその他の目的で、特に結晶
構造の合成に必要な化学条件を特定することにより、さらに優れたCOFや
MOFの設計をスピードアップできる。


【掲載記事】
.
◾Carbon dioxide capture from open air using covalent organic frameworks.
 Nature635
, 96–101 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-08080-x
◾Capturing carbon from the air just got easier - Berkeley News
https://news.berkeley.edu/2024/10/23/capturing-carbon-from-the-air-just-got-easier/
This powder removes as much CO₂ from the air as a tree - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/environment/story/2024-10-23/this-powder-can-remove-as-much-co2-from-the-air-as-a-tree

⬛ 最新 特許技術情報

【鍵語】二酸化炭素 吸着 吸収炭素 吸着 吸収/金属有機構造体

1. 特開2024-150184 二酸化炭素吸着材、二酸化炭素の吸着・分離・回
 収用モジュール及び直接空気回収方法 旭化成
2. 特開2024-101951 二酸化炭素吸着材二酸化炭素吸着材の担持体及
 び二酸化炭素吸着材の製造方法 株式会社エフ・シー・シー他
3. 特開2024-118877 二酸化炭素吸着材および二酸化炭素吸収放出デバ
 イス

 今日の楽曲『チューリップス 心にしみるベスト曲

        ❤️『サボテンの花(歌詞付き)財津和夫』



    お・ま・け『ぼくがつくった愛のうた ~いとしのEmily~』



今日の言葉:
 アメリカで 聴くジョン・レノン 海のごとし民族は さびしい船である 
                           小島ゆかり
マイ・ブログ「72歳のジョン・レノン」2012年5月21日
  そういえば、トランプもドイツ系移民の子だったけ?!

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生命と非生命のあいだ ④

2024年11月07日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月7日】

          秋深し天霧小雨木枯らしか 
                 高山 宇 (赤鬼)

 

【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 ⓷】

⬛ 高性能を維持できる光触媒のシート
11月5日、産総研は,グリーン水素を安価に製造できる可能性を秘めた光触
媒-電解ハイブリッドシステムの流通型装置を開発し,水分解の理論電解電
圧(1.23V)よりも小さい0.9V以下の電解電圧で水素と酸素を分離製造でき
ることを実証。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーから製造されるグリーン水素は,
脱炭素化への大きな貢献が期待されているが,主に電解で製造されるグリ
ーン水素は他の手法より製造コストが高くなる。

概要図
✳️光触媒―電解ハイブリッドシステムによる水分解反応の概要出所:産総研

【要点】
・高性能を維持できる光触媒のシート化手法を開発
・本手法に用いた可視光応答性光触媒が10000時間以上の疑似太陽光照射
 でも劣化しないことを確認
光触媒と電解を組み合わせた、水素と酸素を分離製造可能な水分解用小
 型流通型装置の屋外実証に成功

【概要】産総研は、グリーン水素の製造コストを削減するための候補技術
として、“光触媒-電解ハイブリッドシステムによる水分解法”を研究。こ
の手法では、水を酸素へ酸化しながらFe3+イオンをFe2+イオンへ還元する
光触媒反応と、Fe2+イオンをFe3+イオンへ酸化しながら水を水素へ還元電
解反応とを組み合わせることで、全体反応として水素と酸素を別々に製造
できる水分解が進行。前段の光触媒反応では、光エネルギーが鉄塩水溶液
中に化学エネルギーとして貯蔵される。後段の電解では、その貯蔵された
化学エネルギーを水素製造のためのエネルギーとして利用でき、必要電
電圧
が、通常の水分解で必要となる値(1.23 V)と比較して小さくなる。
結果、水素製造に必要な電力消費量を削減できるのが特徴。

産総研は以前に、可視光応答性のWO3光触媒の反応速度を向上できる表面
処理手法を開発、前段の光触媒反応の効率を10倍以上に向上させている(
2010年3月11日 産総研プレス発表)。しかし、光触媒反応は光触媒粉末
を懸濁させた反応溶液へ光照射評価し、実際に後段の電解と組み合わせ、
光触媒で製造したFe2+イオンを効率よく消費しながら水素を低電圧で製造
する全体システムのイメージ
がなかった。

図1
図1 光触媒シート(25 cm2)を内包した反応槽の(A)外観写真および詳
細構成、(B)PEMセルと組み合わせた流通型反応装置、および(C)0.9 V
印加した条件での水素生成由来の電流値の試験結果。

次に、先ほどの光触媒シートを13倍程度に大型化(25 cm2 ⇒ 330 cm2)し、
水素および酸素ガスを水上置換で捕集しました。ここではまず、光触媒シ
ートに光照射のみを行い、光触媒反応の速度をFe2+イオンの生成速度で評
価。その結果、図2左側に示されたグラフの通りFe2+イオンが効率よく生
成し、それに対応する化学量論量の酸素ガスが発生した。

この時の光エネルギーの化学エネルギーへの変換効率は0.31%と従来の懸
濁状態での評価に匹敵する効率が得られました。続いて光照射を停止し、
200 mAの定電流モードで電解反応を実施した結果、0.9 Vよりも低い印加
電圧で電流が流れ始め(図2右側)、消費された電気量に対応して化学量論
量の水素が捕集できました。このように、光触媒反応と電解反応を別々に
駆動させた場合であっても、高い光触媒性能が保たれ、かつ電力消費量を
削減して水素を製造できました。光触媒反応で鉄塩水溶液中に貯蔵された
化学エネルギーは2カ月程度大気下で放置しても減少しないことが確認され
ている。そのため、需要に合わせた水素発生のタイムシフトにも対応でき
る。

図2
図2 光触媒シート(330 cm2)を内包した反応槽を用いた実証実験の評価
結果。(原論文の図を引用・改変したものを使用)。

図3には、光触媒の長期耐久性試験の結果について示します。図3(A)のよ
うに、ウォーターバスを用いて液温を35℃に制御した環境下で、10000 µmol
のFe3+イオンが含まれる鉄塩水溶液中に沈降させた光触媒へ疑似太陽光を
照射した。その結果、240時間の光照射後に、Fe3+イオンの約8割が光触媒
反応によりFe2+イオンへ変換された。このFe2+イオンの生成量を基準とし
触媒を再利用、再度同様の光触媒反応を評価し続けた。42サイクル繰り返
した際のFe2+イオンの生成量を比較した結果が図3(B)の、計10080時間
の光照射実験の間、Fe2+イオン生成量が保たれていた(劣化確認できず)。
この総照射光量は日本の屋外太陽光照射の約7年分に相当する。


図4は、実際の太陽光を利用した野外実験の評価結果を示す。今回の野外試
験では、電解と光触媒反応を同時駆動させた。その結果、試験当日の日射量
の推移(図4(A))に応じて水素生成の電流値が観測されました(図4(B)
)。生成した水素量は、通電量から見積もられる理論量と良い相関が確認
され(図4(C))、投入電力はほぼ全て水素生成のために利用されている。
このように光量が変動する実際の太陽光を利用した場合にも、照射された
光量に応じて理論量の水素が生成することを確認できる。

図4
図4. 光触媒―電解ハイブリッドシステムによる水分解の野外実証試験。
(A)日射量の推移、(B)水素生成電流の推移、(C)水素生成量の推移。
※原論文の図を引用・改変したものを使用している。
【掲載論文】
掲載誌:ACS Applied Materials & Interfaces
論文タイトル:Demonstration of Scalable Water Splitting into H2 and O2 by a Flow-Type Photocatalysis-Electrolysis Hybrid System Using a Highly Stable Photocatalyst
DOI:https://doi.org/10.1021/acsami.4c12781


最新二酸化炭素処理装置・二酸化炭素処理方法
1.  特開2024-144824  二酸化炭素処理装置、二酸化炭素処理方法 本田技研
    工業株式会社
【要約】図1のごとく、二酸化炭素を回収する際のエネルギー消費量を低減
するとともに、二酸化炭素を電気化学的に還元する際の反応効率を向上する
ことを目的とする。
【解決手段】二酸化炭素を吸収する吸収装置2と、吸収装置2で吸収された
二酸化炭素を含む電解液から空気成分を除去する除去装置3と、吸収装置
2で吸収された二酸化炭素を電気化学的に一酸化炭素に還元する電解セル
41を有する電気化学反応部4と、電気化学反応部4に電力を供給する太
陽光発電装置5と、を備える、二酸化炭素処理装置100。

図1 本発明の実施形態に係る二酸化炭素処理装置を示す模式図

【符号の説明】1  CO回収設備 2  吸収装置 3  除去装置 4  電気
化学反応部 5  太陽光発電装置 6  気液分離部 7  酸素分離部 5  第
2気液分離部 21  CO吸収部 31  負圧チャンバー 32  減圧装置
41  電解セル 100  二酸化炭素処理装置

【発明の効果】本発明によれば、二酸化炭素を回収する際のエネルギー消
費量を低減するとともに、二酸化炭素を電気化学的に還元する際の反応効
率を向上することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 二酸化炭素を吸収する吸収装置と、前記吸収装置で吸収され
二酸化炭素を含む電解液から空気成分を除去する除去装置と、前記吸収
装置で吸収された二酸化炭素を電気化学的に一酸化炭素に還元する電解セル
を有する電気化学反応部と、前記電気化学反応部に電力を供給する太陽光
発電装置と、を備える、二酸化炭素処理装置。
【請求項2】前記吸収装置は、二酸化炭素を強アルカリの電解液に溶解さ
せて吸収する二酸化炭素吸収部を備え、前記電気化学反応部には、前記
酸化炭素
吸収部で電解液に溶解された二酸化炭素が供給される、請求項1
に記載の二酸化炭素処理装置。
【請求項3】前記電解セルは、カソードと、アノードと、前記カソードと
前記アノードの間に設けられたイオン交換膜と、前記カソードに隣接して
設けられ、二酸化炭素が溶解した電解液が流れるカソード側液流路と、前
記アノードに隣接して設けられ、電解液が流れるアノード側液流路と、を
備える、請求項1に記載の二酸化炭素処理装置。
【請求項4】二酸化炭素を電気化学的に還元する二酸化炭素処理方法であっ
て、夜間電力も含めた発電所から送電される電力を用いて常時、二酸化炭素
を回収する第1工程と、前記第1工程で回収された二酸化炭素を強アルカ
リ水溶液からなる電解液に接触させ、二酸化炭素を電解液に溶解させて吸
収させる第2工程と、前記第2工程で吸収された二酸化炭素を含む電解液
に含まれる空気成分を除去する第3工程と、昼間電力および太陽光発電装
置で発生した電力を用いて、電解セルにより二酸化炭素を電気化学的に一
酸化炭素に還元する第4工程と、を含む、二酸化炭素処理方法。

2. 特開2024-144805 一酸化炭素の除去方法及び除去装置 国立研究開
 発法人産業技術総合研究所 他
【要約】前記方法は、一酸化炭素を含有する被処理気体と、オゾンとを触
媒部で接触させることによる、一酸化炭素の除去方法であって、前記触媒部
が、少なくともゼオライトを含む担体に対して、銀およびOMS-2型マン
ガン酸化物を担持させているものであることを特徴とする。前記装置は、オ
ゾン発生部、及び一酸化炭素を含有する被処理気体と、前記オゾン発生部で
発生させたオゾンとを触媒で処理する触媒部を含む、一酸化炭素の除去装置
であって、前記触媒部が、少なくともゼオライトを含む担体に対して、銀
およびOMS-2型マンガン酸化物を担持させているものであることを特
徴とする。

3. 特開2024-138056 エタノール 積水化学工業株式会社
【概要】現在、日本国内で廃棄されている可燃性ごみは約6,000万トン
/年にも及ぶ。そのエネルギー量は約200兆キロカロリーに相当し、日
本国内のプラスチック原料用ナフサの持つエネルギー量を大きく上回って
おり、これらのゴミも重量な資源であるといえる。これらごみ資源を石油
化学製品に転換できれば、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現
することが可能となる。上記観点から、特許文献1および2等には、廃棄
物から合成ガス(CO及びHを主成分とするガス)を製造し、その合成
ガスから発酵法によりエタノールを製造する技術が開示されている。

特許文献3においても指摘されているように、廃棄物から製造した合成ガ
ス中には、解明されていない多種多様な不純物が含まれており、そのなか
には微生物にとって毒性をもつものも存在するため、合成ガスから微生物
発酵によりアルコールを生産する上でその生産性が大きな課題となってい
た。また、合成ガスを微生物発酵して得られたアルコールにも、合成ガス
中の不純物に起因した種々の成分が含まれており、これらの成分は蒸留等
の精製処理によっても完全には除去できない。そのため、合成ガスの微生
物発酵により得られたアルコールからの誘導品開発が大きな技術課題であ
った。

 
図 
200㎜対応ウエハー洗浄装置    図 基板向けAI検査計測ソリューション

◾SCREENホールディングスは  今年1月29日に半導体ウエハーやプリント
基板向けの最新AI検査計測ソリューションを,新ブランド「SCRAIS」とし
て立ち上げ,2024年6月から販売を開始(右図)しているが、11月06日、
200mm対応ウエハー洗浄装置の発売を公表。
近年,EV・自動運転関連の
車載デバイスや電力制御用機器を中心に,次世代のパワーデバイスへの需
要が急速に高まっている。また,半導体製造装置メーカーにおい
ては,デ
バイスの製造プロセスにおける省エネルギー化をはじめ,環境負荷の低減
が責務となっている。
このような動向を背景に同社は,200mmウエハーに
対応したスピンスクラバ「SS-3200 for 200mm」を開発した。この装置は,
スピンスクラバのデファクトスタンダード「SS-3200」で評価の高いウエ
ハー洗浄技術,チャンバー設計,搬送システム,プラットフォームなどを,
200mm対応装置として継承し,最適化したとのこと。

 今日の楽曲『アリス 心にしみるベスト二曲』

     ❤️  「遠くで汽笛を聞きながら」
     ❤️  「秋止符」




今日の言葉肩関節唇断裂
肩関節は、上腕骨の上部先端にある上腕骨頭(じょうわんこっとう)とい
うボール状の部分と、肩甲骨の関節窩(かんせつか)と呼ばれるくぼみで
構成されている。小さな皿に大きなボールが載っているイメージだ。他の
関節と比べると不安定なため、前後や上下に動かないよう支えて安定させ
る役目を、筋肉や靱帯(じんたい)、さらに軟骨状組織の「関節唇」が担
っている。肩関節唇の役割は、この前後上下に肩がずれないように止めて
おく車止めのような役割で、肩の受け皿に当たる肩甲骨関節窩の輪郭を覆
う繊維状の組織。野球選手の投手に多い怪我。
        

 


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生命と非生命のあいだ ⓷

2024年11月06日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月6日】



       秋深し異常気象だね 
                  高山 宇 (赤鬼) 

気温・気象は「あらゆる生命の基本」。30℃越えの夜はホルモン異常分泌・
脳内神経が狂わせたであろう。このような体験は初めて、今朝は清々しい
朝となり、お気に入りのオーデコロンを振りかける。



◾渦巻銀河「M74(Messier 74)」

【今日の短歌研究:それぞれの民主主義】

不快だが面白いねえアメリカは運命はモシトラ次第
不快だが面白いねえアメリカは有刺鉄線の投票場
接戦七州鍵ぞペンシルベニアが天王山(下馬評)
わが国は団体政治献金が政権維持を担保する国
三回目日本シリーズ優勝の歓喜小さきはDeNA(御免なさい)

産総研ペロブスカイト太陽電池成果報告会2024
開催日時 2024年11月19日(火)13:00-18:00
会場 東京ミッドタウン日比谷6F BASE Q HALL

東京都千代田区有楽町1-1-2開催方式対面定員200名参加費無料(要・参加
登録)
主催 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)

   エネルギー・環境領域ゼロエミッション国際共同研究センター (GZR)
   再生可能エネルギー研究センター (RENRC)

参加登録フォーム
登録締切:2024年11月12日 (火)

⬛ 国内初 超高層ビル屋上でサボニウス式風車による風力発電の実証実験
10月23日、愛誠建設と三井不動産株式会社とチャレナジーは、、2025年4
月より超高層ビル屋上においては国内初となる、垂直軸型サボニウス式風
車以下「サボニウス式風車」、写真1参照)による、風力発電の実証実験
に着手する。実証実験で用いるサボニウス式風車は、市街地に適した特長
を有しており、本実証実験では、風量や発電量などの取得データを更なる
技術発展に活かすとともに、設置時における課題・要件を明確化すること
を目的としています。大成建設、チャレナジー、三井不動産の 3 社は、新
たな創エネルギー技術としてサボニウス式風車の技術開発を通じて、市街
地での建物のZEB化、災害時のBCP対応などに貢献。

■ サボニウス式風車の特長
(1)装置の設置に必要な面積が小さく、軽量、設置場所の選定や組立が容易
(2)全方位からの風を受けて24時間連続で悪天候時でも発電が可能。
(3)低騒音・低振動で、バードストライクを回避可能
※太陽光発電ではパネル設置のため広い屋上、外壁面積が必要となる。ま
た、従来のプロペラ式風車では翼の回転半径が大きく、人や動物などへの
接触を避けるため広い設置面積が必要となる。 

Longi Green Energyは、ソーラーモジュール効率25.4%で世界記録

10月28日、ドイツのFraunhofer Institute for Solar Energy Systems(フラ
ウンホーファーISE)の認証報告書によると、中国のLongi Green Energyは、
独自に開発したハイブリッドパッシベーションバックコンタクト(HPBC)2.0
モジュールで結晶シリコンソーラーモジュールの効率で世界新記録を樹立、
25.4%の変換効率を達成した。(中国に完敗?!ですね)



◾ 電流を流して金属を「ひずませる」 新たな振動センサーへの応用も
フレキソエレクトリック効果を観測

大阪大学の研究グループは名古屋大学と共同で、電気伝導性材料の「トポ
ロジカル半金属」において、「フレキソエレクトリック効果」を観測した。
新しい振動発電や振動センサーの材料として期待される。

大きな応答は特殊なバンド構造に由来するベリー位相が関与
大阪大学・名古屋大学の共同で、電気伝導性材料の「トポロジカル半金属
」において、「フレキソエレクトリック効果」を観測したと発表した。新
しい振動発電や振動センサーの材料として期待されている。特定物質に機
械的圧力を加えると正電荷と負電荷が発生する圧電効果は、一般的に空間
反転対称性の破れた絶縁体で観測される。これと似た現象のフレキソエレ
クトリック効果は、結晶の振動を電気的に制御したり、結晶をひずませる
ことで電圧を発生させたりすることができる。しかも空間反転対称性の有
無に関係なく観測されるという。ただ、こうした電気機械応答は、絶縁体
材料を用いた場合で、電気伝導性を持つ材料の場合には電子の遮蔽効果に
より、観測するのは極めて難しかった。

今回は、2次元層状化合物(Ti、V、Mo)Te2を用い、電流印加によるひず
み応答を計測した。実験では板状結晶の上下に、電極を非対称に取り付け
た。そこに交流電流を流し、局所的なひずみ振動をレーザードップラー振
動計で計測し、逆フレキソエレクトリック効果を観測した。この結果、普
通の半金属であるTiTe2だと、印加した電流周波数に対し2倍の周波数で振
動するジュール発熱効果がみられた。これに対し、トポロジカル半金属で
あるMoTe2やVTe2では、印加した電流周波数と同じ周波数で振動する逆フ
レキソエレクトリック効果が観測できた。
【掲載論文】
タイトル:“Observation of converse flexoelectric effect in topological semimetal”
DOI:https://doi.org/10.1038/s43246-024-00677-z


⬛ 
プレンティ・リッチモンド農場
世界初の屋内垂直型農園が、農業に革命をもたらす可能性のあるAI技術を使
って、一年中イチゴを栽培する計画を立てている。バージニア州で9月24日
にオープンした「プレンティ・リッチモンド農場」では高さ9.1メートルの
栽培タワーを使い、AIが1,000万以上のデータポイントを分析し成長を最適
化することで、1エーカー(約4,047平方メートル)未満の土地で年間2,000
トン以上のイチゴを生産する予定(異常気象対応の未来志向農法?!)


Inside a New Vertical Farm Full of Robots

 今日の楽曲『心にしみる日本の歌謡曲』



今日の言葉:共に願い共に生きる
        Let us support each other for a better and happier life.

 

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生命と非生命のあいだ ②

2024年11月02日 | 時事書評

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井
伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月4日】

       文化の日少くなれど増す豊穣 
                  高山 宇 (赤鬼)                             

【今日の短歌研究:続・MLB2024】

デコピンに映るファンの歓喜の渦を問うも楽しかな
バーコード六ポイントでマイボトルお茶で世界を美しくする
木の衛星宇宙で持続可能よと世に先駆けて打ち上げ準備
再稼働またも停止す女川は不安掻き立て連動する
世の中の民主主義に覆う暗黒危うし人類





眼精疲労・血流改善対策はじめる
ω(オメガ)-3とは、魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻種子
などの植物油に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称をいう。
養学では健康のために意識して摂るべき必須脂肪酸として位置づけられて
いる。
血流改善やコレステロール値の低下、アレルギー抑制など幅広い効
果が期待されている。最近、何気なく右親指付近の手のひらの付け根の血
管に黒い班状のものがあり、害虫でも侵入している様に見え右の親指で指
先に押し込む様に圧迫し出血させ、消毒し、二日間症状の異変を観察し、
その間、DHAやEPAとアリナミンを服用する。いまのところ異変なく鎮静
化した。以降、経過報告していく。

脳や神経に対する効果
ω(オメガ)-3のひとつであるDHAには、脳や神経に密接に関係しており、
不足することで異常が現れる。軽度から中程度のアルツハイマー患者にω
(オメガ)-3を24週間(1.8g/日)摂取させたところ、症状の改善が認め
られた、という報告がある。神経細胞を活性化し、情報伝達をスムーズに
したり、脳機能を活性化させ記憶力や学習能力を高める効果があり、それ
以外に、皮膚のしわやたるみ予防、アンチエイジング効果・うつ症状の軽
減効果、
アレルギー抑制効果あり、ω-3を含む食材には、いわしさば
どの青魚・亜麻仁油
エゴマ油がある(これは以前に掲載している)。
【関連論文
・Hatzitolios A, Savopoulos C, Lazaraki G, Sidiropoulos I, Haritanti P,
Lefkopoulos A, Karagiannopoulou G, Tzioufa V, Dimitrios K. 2004
“Efficacy of omega-3 fatty acids, atorvastatin and orlistat in non-alcoholic
fatty liver disease with dyslipidemia.” Indian J Gastroenterol. 2004 Jul
-Aug;23(4):131-4
マルハニチロは、消費者庁の定める機能性表示食品制度で、DHA/EPA
の血中中性脂肪低下作用、DHAの情報記憶サポート作用、効果効能が表示
できるようになり、DHAの有用性について、特設サイト「DHA Lab.」を
開設している。

DHA 30日分【機能性表示食品】

 わざと空に「汚染物質」をまいて地球を強制冷却するという恐るべ
  期き計画を真剣に議論する時が来ていると気候学者

1991年に起きたフィリピンのピナトゥボ山噴火では、1700万トンもの二
酸化硫黄が成層圏に放出され、北半球の平均気温が約0.5度下がった。
この現象に触発されて気候変動の研究に生涯をささげることを決めたとい
うシカゴ大学のデビッド・キース氏と、同氏が提唱するジオエンジニアリ
ング(気候工学)
にまつわる議論について、The New York Timesがまとめ
ている。
※David Keith Has an Idea to Slow Global Warming: Geoengineering -
The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/08/01/climate/david-keith-solar-
geoengineering.html


毎年のように観測史上最高気温が塗り替えられ、気候変動による異常気象
や災害がますます激化するにつれ、人為的に地球環境を操作するジオエン
ジニアリングへの関心が高まっている。こうした議論には、炭素の回収や
雲の太陽光反射率の改善、海洋や植物の炭素吸収能の向上などさまざまな
方法が含まれているが、その中で最も物議を醸しているのが成層圏に二酸
化硫黄を散布するソーラー・ジオエンジニアリング、あるいは太陽放射管
理(SRM)
と呼ばれる手法。
例えば、2024年5月には海運業界の排ガス規制強化が「大気汚染物質の減
少」と「海温の上昇」を招いたとの研究結果が報告されたことがある。
キース氏をはじめとするソーラー・ジオエンジニアリングの推進派は、大
気汚染により太陽光が遮られる現象を逆手に取ることで、地球を冷却して
気候変動の影響を相殺することが可能だと主張。キース氏によると、この
技術によって今後100年間の地球温暖化のペースを1度でも鈍化させること
ができれば、10年ごとに数百万人が熱中症で命を落とすのを防げるとのこ
と。また、日照が減少する影響や大気汚染による目や呼吸器の疾患の増加
も、気候変動による健康被害の増加に比べれば軽微であるとキース氏は考
えている。
一方、懐疑派の専門家は気象パターンの乱れによる予測不能な影響や、大
気汚染による健康被害、一度始めたら止めることも引き返すこともできな
いソーラー・ジオエンジニアリングの危険性を理由に、強く反対している。

気候工学が議論されるようになったのは、省エネや再エネなどの「ふつう
の対策」だけでは危険な温暖化を避けられない可能性があるから、とされ
えいる。
確かに、現在の各国の排出削減目標はパリ協定の1.5〜2℃目標に
遠く足りず、このままでは気候危機は避けられないという現実は重く受け
止める必要がある。
他方、気候工学がうまくいく見通しも立っていない。IPCC第5次評価報告
書には「…提案されているジオエンジニアリング手法の全てにはリスクと
副作用が伴う。SRMとCDRはともに科学的理解の水準が低いため、これ以
上の結果はまだ予想できない。」とある。

さらに、気候工学の熱心な推進者は米国やサウジアラビアに多く、過去に
地球温暖化の懐疑論を唱えてきた論者と重なる部分もあるとされ、「本当
は化石燃料を使い続ける口実がほしいだけではないか」との不信感を招い
ている。
なお、日本国内では、経済産業省や環境省などが気候工学のひと
つに分類されうるCCUSなどを推進している(気候工学に含まない分類の
考え方もある)。政府は、このような技術のイノベーションによって将来
の経済成長につなげたいとの思惑がある。

他方、研究者や環境NGOなどから、数多くの批判や懸念が提起されている。
第1に、そもそも実現不可能という指摘。現時点では、気候工学は、実施
できる段階にありませ、そうなる見込みもたっていない。
第2に、地球・周辺の環境への悪影響です。気候工学によって、生態系や
人類社会に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、SAIは、将来的に何らか
の理由で実施できなくなった場合、10〜20年という短期間に急激で破滅
的な気温上昇を招くリスクがある(終端問題と呼ばれる)。

第3に、民主的なガバナンスが困難という点。ごく一部の先進国のごく一
部の科学者や企業の手に地球の気候全体をコントロールしうる気候工学
の実施を委ねてよいのか、仮に委ねるとしてもどうやるのか、という問
題。

第4に、費用の問題。省エネや再エネは投資回収が見込まれるが、気候工
学は持ち出しであって投資回収は不可能。安価な手法もあるとの見解もあ
るが、比較対象や割引率次第で、一概に安価とは言えないとの指摘もある。
また、外部費用(気候工学の実施によって発生する環境への悪影響及びそ
れに起因する被害への対処の費用等)を考慮に入れれば、費用が想定より
も膨れ上がる恐れもある。

第5に、国際平和への脅威です。天候パターンを改変できるようなある種
の気候工学は兵器に転用されるリスクがあるとされる。この観点からは、
研究を進めること自体にも問題がある。

⬛ 気候工学をめぐる国際社会の対応

気候変動枠組条約(UNFCCC)のCOPのサイドイベントなどで気候工学の
リスクについて議論されてきたが、排出削減の具体策について各国の裁量
に任せているUNFCCCのプロセスでは、現時点では気候工学の実施を奨励
したり禁じたりする決定はない。
他方、2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10名古屋会議)
は、科学的知見の不足などを理由に、海洋肥沃化を念頭に、気候工学の一
時凍結(モラトリアム)を求める決定を出している。
2019年3月にケニアで開催された国連環境総会(UNEA)でも気候工学に
関する議論があった。全く国際管理やルールのない状態で気候工学の実験
が進められていることを問題視したスイスなど10ヶ国以上が、気候工学の
科学的知見やリスク、不確実性等について評価し、国際管理のやり方につ
いて検討することを求める提案をしたが、ガーディアンの報道によれば、
日本、米国とサウジアラビア、その他の国々が反対し、合意が得られなか
つた。

⬛ 気候工学の議論にどう向き合うか?

気候工学の実施や研究には賛否両論ある。気候工学の研究に補助金を充て
ることや、実際の自然環境で実験することを禁止すべきという主張もある。
ギャンブルのような気候工学よりも、脱化石燃料と再エネ100%への転換
という「ふつうの対策」にこそ限られた資源を割り当てるべきという考え
もある。
気候ネットワークを含む世界の気候変動NGOは、特効薬になる保障もなく、
劇薬となるリスクが大きい気候工学には重大な懸念を持っている。他方、
日本政府は、すでに商業運転されている再エネには抑制的である一方、リ
スクの大きい未知の技術には積極的。危険な賭け事よりも、堅実な再エネ
にこそ税金を使って支援すべきではないか?!
手段に過ぎないはずの技術が目的化し、逆に技術のために人々が犠牲にな
ることは避けなければならない


 温室効果ガスを微細な気孔に閉じ込める粉末「COF-999」が開発さ
   れた。大気中の二酸化炭素を削減し、気候変動を押さえる効果が期待
     されている。

 MITのエンジニアが太陽光発電で1日最大5000リットルのきれいな
  水を生成する淡水化システムを開発

【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論 ②】

 日立評論にみる「水素社会貢献事業」への意気込み
1. 再生可能エネルギーを活用した低コストグリーン水素供給
風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用したグリーン水素
の普及をめざし,電力系統と連
携させた水素製造技術の開発を進めている。
電力系統と連携する再生可能エネルギーの変動や余剰電力で高効率に水素
を製造に,電力制御設備構成や水電気分解装置の接続構成の最適化と階層
制御に基づいた運転制御方法を開発するとともに,風力などの発電設備の
挙動,電気分解の物理モデルなどから構成される仮想プラントにより検証
を行い,分散サイトから大電力サイトまで適用可能なスケーラブルグリー
ン水素製造システムの開発を行っている

「水素を活用したグリーンエネルギーシステムについて,産学官と連携し
た実証実験などを通じて,30円/m3以下の低価格なグリーン水素を製造し
国内外の水素普及に貢献していく」と明言。


[01]系統に連系した水電解の階層制御とスケーラブルデザイン
[01]系統に連系した水電解の階層制御とスケーラブルデザイン

2. 循環型社会実現に向けた人工光合成の開発
地球環境再生・循環型社会実現に向けて,水と大気と太陽光からクリーン
な燃料を直接製造可能な人工光合成の開発を行っている。人工光合成反応
の中でも光触媒・光電極を用いた水分解水素製造(ソーラー水素)ソー
ラー燃料は,簡易な構造で実現できるため有望な技術。従来の光触媒は紫
外光を利用しているため,太陽光に含まれるわずかなエネルギーしか活用
できない。
これに対して日立は,太陽エネルギー変換効率の向上をめざし
可視光応答材料の開発を行っており,シミュレーションやマテリアルズ
インフォマティクスを活用し,酸硫化物・酸窒化物などの最適な材料・構
造の開発を進めている。
将来的には,無機材料デバイス技術とバイオ技術の融合により大気中のCO2
を利用
し,従来の化学合成では製造困難な医薬品や繊維などの高付加価値
物質を,環境負荷ゼロで再資源化する人工光合成技術にも取り組み,技術を
通して社会課題の解決をめざすとのこと。

[02]人工光合成の概要

【関連特許事例】
◾特開2024-095341
 光触媒装置 株式会社日立製作所
要約
下図1のごとく、光起電力作用を両極で利用すると共に、光触媒作用と光起
電力作用を共役させて、光エネルギを利用した電極上の酸化還元反応によ
って効率的に物質変換を行う光触媒装置1は、アノードとして機能する第
1電極10と、カソードとして機能する第2電極20とを備え、第1電極
10は、光透過性および導電性を有する第1透明導電基板(11,12)
と、第1透明導電基板(11,12)上に配置されており、光を吸収して
電子と正孔を生じる第1光発電層14と、第1光発電層14上に配置され
ており、光を照射されて酸化反応を触媒する光触媒層15とを有し、第2
電極20は、光透過性および導電性を有する第2透明導電基板(21,22)
と、第2透明導電基板(21,22)上に配置されており、光を吸収して
電子と正孔を生じる第2光発電層24と、第2光発電層24上に配置され
ており、還元反応を触媒する触媒層27とを有する。


図1.光触媒装置を模式的に示す図

【符号の説明】1,2,3,4,5 光触媒装置 10 第1電極 11 第
1透明基板(透明導電基板) 12 第1導電層(透明導電基板)13 第
1電子輸送層 14 第1光発電層 15 光触媒層 16 助触媒 17 助
触媒層 18 絶縁体 19 細線構造 20 第2電極 21 第2透明基板
(透明導電基板)22 第2導電層(透明導電基板) 23 電荷輸送層 
24 第2光発電層 25 第2電子輸送層 26 導電反射層 27 触媒層
28 導電密着層 29 絶縁体 30 隔膜 50 外部電源 60 電圧計
61 基準電極 100 第1電解槽 101 第1ガス供給装置 102 第
1ガス排出装置 103 第1電解液供給装置 104 第1電解液排出装置
110 第1電解液 120 第2電解液 200 第2電解槽 201 第2
ガス供給装置 202 第2ガス排出装置 203 第2電解液供給装置
204 第2電解液排出装置

【発明の効果】本発明によると、光起電力作用を両極で利用すると共に、
光触媒作用と光起電力作用を共役させて、光エネルギを利用した電極上の
酸化還元反応によって効率的に物質変換を行う光触媒装置を提供すること
ができる。


図2 本発明の第2実施形態に係る光触媒装置を模式的に示す図

第2実施形態に係る光触媒装置2は、前記の光触媒装置1と同様に、アノ
ードとして機能する第1電極10や、カソードとして機能する第2電極20
や、電解槽100,200等を備えている。
本実施形態に係る光触媒装置
2が、前記の光触媒装置1と異なる点は、第1電極10の光触媒層15の
表面に、助触媒16に代えて、助触媒層17が形成されている点である。


図3.第3実施形態に係る光触媒装置を模式的に示す図
本実施形態に係る光触媒装置3が、前記の光触媒装置1と異なる点は、第
1電極10に絶縁体18が埋設されており、
第1電極10の電極要素が絶
縁体18によってセル構造に
細分化されている点である。光触媒装置3の
他の主要な構成は、前記の光触媒装置1と同様である。


図4.  第4実施形態に係る光触媒装置を模式的に示す図
る光触媒装置4は、前記の光触媒装置1と同様に、アノードとして機能す
る第1電極10や、カソードとして機能する第2電極20や、電解槽100,
200等を備えている。
本実施形態に係る光触媒装置4が、前記の光触媒
装置1と
異なる点は、第1電子輸送層13の第1光発電層14側の表面に
細線構造19が形成されている点である
。光触媒装置4の他の主要な構成
は、前記の光触媒装置1と同様。


第5実施形態に係る光触媒装置を模式的に示す図
本実施形態に係る光触媒装置5が、前記の光触媒装置1と異なる点は、導
電反射層26と触媒層27との間に導電密
着層28が形成されており、第
2電極20に絶縁体29が
埋設されている点である。光触媒装置5の他の
主要な構成は、前記の光触媒装置1と同様である。


図6. 従来の光触媒電極の電極電位と電流密度との関係の一例を示す図
図6に示すように、光照射を行わなかった場合、光触媒電極の電極電位は
上昇せず、光電流が流れない結果となった。
一方、光照射を行った場合、
光触媒電極の電極電位が光触
媒作用によって上昇し、電極電位に応じた光
電流が流れた
図6では、光触媒作用によって1.5V以上の電極電位が
発生した。

図7】従来の光触媒電極の出力時間と電流密度との関係の一例を示す図


図8 光触媒電極の電極電位と電流密度との関係の一例を 示す図


図9. 光触媒電極の電極面積毎の出力時間と電流密度との関
       係の一例を示す

9. 日立北大ラボ:持続可能な地域社会の実現に向けた地産地
 消自立型エネルギーシステムの開発

日立北大ラボでは,北海道大学や他のステークホルダーと連携して,北海
道における過疎化,少子高齢化などの社会課題解決と持続可能な地域社会
の実現に向け,健康・農食・エネルギーが連携した共生のまちづくりを推
進。
地域における地産地消低炭素な電力供給と災害時も供給可能な電力網の構
築をめざして,岩見沢市と連携して,地産地消自立型エネルギーシステム
の実証設備を構築した。本設備は地域の未利用資源や太陽電池で発電した
電力を自動操縦ドローンなどに活用することで,農業の低炭素化に貢献す
る。さらに,本設備は既存の電力系統に頼らない自立運転が可能であり,
災害時は自立した電力供給によって地域の防災機能強化に貢献できる。
今後,産学官地域連携を通じて本設備のフィールド実証と技術開発を加速
し,地産地消エネルギーを活用した地域産業の持続的な発展に寄与すると
ともに,地域に安心・安全な生活基盤の提供をめざす

[09]地産地消自立型エネルギーシステムの構成
 

 ⬛ 温度差発電システムと技術現状
非原子力・ゼロカーボン発電及び蓄電リサイクルシステム構想で遅れてい
事業分野で「温度差発電」。今回、その分野の現状を調べてみる。

◾海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion:OTEC) 
表層の温かい海水(表層水)と深海の冷たい海水(深層水)との温度差を
利用する発電技術。海洋の表層 100m 程度までの海水には、太陽エネルギ
ーの一部が熱として蓄えられており、低緯度地方ではほぼ年間を通じて26
~30℃程度に保たれている。一方、極地方で冷却された海水は海洋大循環
に従って低緯度地方へ移動する。移動に従い、周辺の海水との間に温度差
が生じ密度が相対的に大きい極地方からの冷たい海水は深層へと沈み込ん
でいく。この表層水と深層 600~1,000m に存在する1~7℃程度の深層水
を取水し、温度差を利用して発電する。海洋温度差エネルギーは、昼夜の
変動がなく比較的安定したエネルギー源であり、季節変動が予測可能であ
るため、ベース電源として使え、計画的な発電が可能となる。


(1)発電方式1
海洋温度差発電のシステムは、蒸発器、タービン、発電機、凝縮器、作動
流体ポンプ、表層
水ポンプ、深層水ポンプで構成され、各機器はパイプで
連結されている。主な発電方式として、⓵
オープンサイクル、②クローズ
ドサイクル、⓷ハイブリッドサイクルの3種類がある。


【ポテンシャル】IEA-OES4の資料によると、世界の海洋温度差エネルギー
の理論的な年間発電量は、10,000TWhとされている。
(2)日本
図表 7.12に日本の経済水域内におけるポテンシャル試算例を示す。日本の
経済水域内の熱エネルギーの総量は106,000TWhと試算されており、この
うち1%を電力として取り出した場合でも発電電力量は1,060TWhとなり、
日本の年間電力需要をまかなえる規模となる5。また、これは約1億トンの
石油に相当するエネルギー量である。なお、海洋温度差発電のポテンシャ
ルをさらに正確に見積もるためには、海象条件、気象条件等の詳細な調査
が必要であり、今後の課題の一つに挙げられる。

発電と蓄電の機能を併せ持つ熱電蓄電池システム
◾ IoT用センサーのバッテリーフリーを可能に

東北大学マイクロシステム融合研究開発センターおよび大学院工学研究科
機械機能創成専攻の小野崇人教授らによる研究グループは2019年1月、温
度差で発電し蓄電機能も併せ持つ、新たな原理の「熱電バッテリー」を開
発したと発表した。IoT(モノのインターネット)用センサーなどのバッテ
リーフリーを可能とする技術として期待される。(EE Times Japan)
新たに
開発した熱電バッテリーは、ナノメートルサイズのチャネル(貫通穴)に
おける熱浸透流を活用して発電する。蓄電は、温度差がないと電解液中の
イオンによりナノチャネルが閉じてしまうことを利用するという。


熱電バッテリー素子の模式図とその原理図 出典:東北大学

一般的に、ナノチャネル内部では、イオンが移動することにより電気二重
層と呼ばれるイオン層が形成される。チャネルの寸法が小さいと、電気二
重層により電気は流れない。一方、素子の両端に温度差が生じると、ナノ
チャネル内の電気二重層の厚さ分布が変わる。そして圧力(熱キャピラリ
ー力)により、低温側から高温側へとプラスイオンによる熱浸透流が生じ
る。
今回試作した熱電バッテリーは、電解液を入れた容器(セル)の両端
に金属電極を設けた。セル内部は、直径10nmのナノチャネルが高密度に
形成された薄膜で2つに分割された構造となっている。


研究グループは、この素子の両端に温度差を与え、その時の温度差と出力
電圧あるいは出力密度を測定した。この結果、30℃の温度差において、250
μW/cm2の出力密度を得られることが分かった。また、出力を開放にして
電荷の保持特性も評価した。そうしたところ、電荷は48時間以上経過した
後で6割以上も保持されることが判明した。

これらの実験結果から、発電性能と発電容量は既存の固体熱電素子と同等

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生命と非生命のあいだ ⓵

2024年11月01日 | 時事書評

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井
伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月1日】

     秋雨や拍子木打ちて夜回り
かな 
                   高山 宇 (赤鬼)

物騒な世の中になり、ご近所の安念祈り消火栓点検。いつもより声に力籠
りて、午後九時、ペアで巡回を終える。



青緑は細胞核、黄緑は膜構造を持った細胞内小器官、赤紫は葉緑体を示す。
中央の青い細胞核近傍や細胞質に2個から6個の赤紫色の葉緑体が存在して
いる。葉緑体中央部分は青い葉緑体DNAも観察される。

⬛ 
光合成活性を持つ葉緑体を動物細胞移植に成功

植物が光をあびて、酸素や糖分をつくりだす光合成。この反応の一部を動
物の細胞でも再現できることを、東京大や理化学研究所などの研究チーム
がハムスター由来の細胞を使った実験で証明した。植物の特徴を持った動
物細胞をつくり、ミニ臓器(オルガノイド)の作製などに役立てたいとい
う。東大の松永幸大(さちひろ)教授(分子遺伝学)らは、藻類を食べて
葉緑体を取りこみ、光合成による糖などの栄養を得ているウミウシの仲間
に着目。哺乳類の細胞に葉緑体を取り込ませて同様の働きを再現できるか
実験した。東大の松永幸大(さちひろ)教授らは、藻類を食べて葉緑体を
取りこみ、光合成による糖などの栄養を得ているウミウシの仲間に着目。
哺乳類の細胞に葉緑体を取り込ませて同様の働きを再現できるか実験した。


【要点】
・類から光合成活性を持つ葉緑体を取り出し、ハムスターの培養細胞内に
移植することに成功した。移植した葉緑体は、少なくとも 2 日間はハムス
ター培養細胞内で光合成活性を保持した。
・今回開発した葉緑体移植法は、従来の導入機械や物理的手法を用いずに、
動物細胞内に葉緑体を導入できる利点がある。
・今回開発した葉緑体移植法は、光合成能を持たない動物細胞に一時的に
光合成能を付与できる技術であり、光合成可能な動物細胞を作製するため
の重要な基盤技術になります。 
【掲載論文】
雑誌名:Proceedings of the Japan Academy, Series B, Physical and Bioー
logical Sciences 
題 名:Incorporation of photosynthetically active algal chloroplasts in
cultured mammalian cells towards photosynthesis in animals 

DOI: 10.2183/pjab.100.035 
URL: https://doi.org/10.2183/pjab.100.035 
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分社新書
新書 
ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?
―進化の仕組みを基礎から学ぶ
 河田 雅圭【著】
NDC分類 467.5

Cコード C0240
内容説明】
それは宇宙でたった一度の奇跡だったのか?―地球最初の生命はRNAワ
ールドから生まれた―圧倒的人気を誇るこのシナリオには、困った問題が
ある。RNAの材料が正しくつながり「完成品」となる確率は、かぎりな
くゼロに近いのだ。ならば生命はなぜできたのか?この難題を「神の仕業」
とせず合理的に考えるために、著者が提唱する「生命起源」のセカンド・
オピニオン。それは「ダーウィン進化」の正しい理解から導かれた!
ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?専門家がイチから徹底解説

河田雅圭:東北大学教養教育院総長特命教授、名誉教授
ダーウィンの『種の起源』が刊行されてから一五〇年以上が経った今、進
化論のエッセンスは日常にも浸透しています。「常に進化し続ける」「変
化できるものだけが生き残る」。こんな言葉を一度は耳にしたことがある
かもしれません。しかし、実際の生物の進化はそんなにシンプルなのでし
ょうか。すべての進化は生存に役立つもの?否、偶然による生存に役立た
ない進化もあります。生存競争に敗れれば絶滅しかない?否、そもそも生
存競争から逃れ、別の地で生き続けることもあります。生物の進化は私た
ちの想像以上に多種多様なものなのです。本書では、そんな複雑だけども
面白い進化の仕組みを、最新研究も交えて丁寧に解説していきます。はた
して、ダーウィンの時代から人類はどこまで進化の実態を明らかにしてき
たのでしょうか!?
目次
第1章 進化とは何か(そもそも進化とはなんだろうか?;有害な進化も
起こりうる;ダーウィン進化論は時代遅れ?)

第2章 変異・多様性とは何か(突然変異はランダムなのか?;多様性は
高ければいいってもんじゃない;受け継がれるのは遺伝子だけか?)

第3章 自然選択とは何か(種の保存のために生物は進化する?;生物は
利己的な遺伝子に操られている?;生き残るためには常に進化しないとい
けない?)

第4章 種・大進化とは何か(進化=種の誕生か?;大進化は小進化で説
明できないのか?)
河田雅圭[カワタマサカド]
1958年、香川県生まれ。帯広畜産大学畜産学部獣医学科卒業、北海道
大学大学院農学研究科修了(農学博士)。2023年から東北大学教養教
育院総長特命教授、名誉教授。専門は進化学、生態学。ヒトを含め様々な
生物を対象に、ゲノムレベルから集団などのマクロレベルをつなぐ進化研
究を行ってきた。’17年に日本進化学会学会賞および木村資生記念学術賞
受賞。’20年に日本生態学会賞受賞。進化についての解説記事をnote
で公開。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?専門家がイチから徹底解説!
集団に存在する遺伝的多様性が大きければ、環境が変化した際に個体の適
応度を上昇させる有利なアレル(対立遺伝子)が含まれる可能性が高まる
という。進化学の第一人者の著者が、遺伝的多様性のメカニズムを徹底考
察する。
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(2)突然変異と負の自然選択のバランス
集団のなかに突然変異によって新しく出現したアレルがそれまで存在して
いたアレルよりも有害な(適応度が低い)場合、新しいアレルは自然選択
によって頻度を低下させるが、出現した当初は致死的な効果がない限りす
ぐには消失しない。
このような場合、負の自然選択によって消失する遺伝
的変異の量と、突然変異によって新たに生じる変異の量がつり合ったとこ
ろで、集団中に存在する変異が維持される。※編集部注:自然選択=生物
個体の生存や繁殖に有利な性質と関係する遺伝子が、頻度を変化させるこ
と。負の自然選択=生物個体の生存や繁殖に不利な性質と関係する遺伝子
が頻度を減少させること。

(3)平衡選択
自然選択が積極的に変異を維持する例である。これは、変異が消失しない
ように自然選択が働いている場合である。この仕組みと例は次項で説明し

よう。

変異を保つため自然選択が働く仕組み
  ヘテロ接合型の個体がもっとも有利に

変異が維持されるように働く自然選択が平衡選択(balancing selection)。
そのメカニズムの1つが、ヘテロ接合の遺伝型が自然選択で有利になる場
合である。これは超顕性(超優性)と呼ばれる。超顕性によって、遺伝的
変異が維持される例を見てみよう。GアレルとAアレルの一塩基変異サイ
トがあるとする。※編集部注:変異サイト=集団内で変異(異なるアレル
が存在する)のあるゲノム上の位置

環境Aで、それぞれの遺伝型の適応度は、図表2-5のようにGG>GA>AAで
ある。一方、環境BではGG

図表2-5:顕性逆転による限定的超顕性の例

「環境AではGGが有利で、環境BではAAが有利である」という条件だけで
は、GアレルとAアレルは、集団中で維持されない。
「それぞれ別の利点
をもっているという理由だけで、異なるタイプが維持されているというこ
とはない」ということだ。
GアレルとAアレルが維持されるためには、ヘ
テロ接合の遺伝型の個体の平均適応度が最も高くなる必要がある。
ここで、個体は一生の間に環境Aと環境Bを経験し、それぞれの環境で繁
殖し子どもを残すとしよう。この場合、その個体の適応度は両者を平均し
たものとなる。
つまり、適応度の大小関係がGG<GA>AAとなり、ヘテロ接合の遺伝型
が最も高くなるだろう(図表2-5)。超顕性と同じように、GとAという
アレルは、集団中に維持されることになる。
このように、異なる状況で、
平均するとヘテロ接合の遺伝型の適応度が最も高くなる場合を限定的超顕
性(marginal overdominance)と呼ぶ。

さらに、平均的な適応度がヘテロ接合で高くなるという限定的超顕性は、
生物個体が異なる環境を経験する場合だけではない。オスとメスで、遺伝
型が及ぼす影響が異なる場合も当てはまる。 た
とえば、遺伝型GGの個体
は体が小さく、AAの個体は大きいとしよう。このとき、オスの適応度は
小さいほうが高く、逆にメスの適応度は大きいほうが高くなっている場合
がある(図表2-5)。
タイセイヨウサケの生き物の製図イラストの 3 つの描画スタイル ベクターイラスト画像とPNGフリー素材透過の無料ダウンロード - Pngtree 図 タイセイヨウサケ

タイセイヨウサケの例が分かりやすい。このサケは、体サイズが大きいほ
ど卵を多く作れるので、メスは遅く成熟して、体サイズを大きくする遺伝
型の適応度が高い。一方のオスは、速く成熟し、体サイズを小さくする
遺伝型の適応度が高い。
そして、この体サイズの違いには成熟年齢に影響するVGLL3という遺伝子
が関与しているが、この遺伝子のヘテロ接合の遺伝型の適応度は、オスと
メスを平均すると最も高くなる。
それによって、この遺伝子のアレル変異
が維持され、オスとメスとで体サイズの多型が維持されるのだ。
このよう
なヘテロ接合の遺伝型の適応度が高くなるという超顕性は、遺伝的変異を
維持する強力な要因である。

頻度の低いアレルが有利なケースも 
       淡水魚の口の曲がり方で証明

タイセイヨウサケの例が分かりやすい。このサケは、体サイズが大きいほ
ど卵を多く作れるので、メスは遅く成熟して、体サイズを大きくする遺伝
型の適応度が高い。一方のオスは、速く成熟し、体サイズを小さくする遺
伝型の適応度が高い。そして、この体サイズの違いには成熟年齢に影響す
るVGLL3という遺伝子が関与しているが、この遺伝子のヘテロ接合の遺伝
型の適応度は、オスとメスを平均すると最も高くなる。
それによって、こ
の遺伝子のアレル変異が維持され、オスとメスとで体サイズの多型が維持
されるのだ。
このようなヘテロ接合の遺伝型の適応度が高くなるという超
顕性は、遺伝的変異を維持する強力な要因である。

これとは別に、自然選択によって変異が維持されるもう1つの重要なプロ
セスは、頻度の低い稀なほうのアレル(あるいは遺伝型)が自然選択で有
利になる場合だ。
つまり、頻度が低下すると、頻度を増大させる方向に自
然選択が働くということである。稀なほうのアレルが頻度を増大させメジ
ャーになってくると、今度は、一方の頻度の少ないほうのアレルが自然選
択で有利になる。

これは、アレルの頻度に依存して自然選択の働き方が変化するので、負の
頻度依存選択と呼ぶ。
この説明だけだとイメージしにくいかもしれない。
そこで実際の例を見てみよう。
アフリカのタンガーニカ湖に生息するカワ
スズメ科の魚(シクリッド)のなかに、泳いでいる魚の鱗を剥ぎ取って食
べるスケールイーター(Perissodus microlepis)という魚がいる(図表2-6)。

図表2-6:スケールイーター

この魚では口が右に曲がっている個体と、左に曲がっている個体がおおよ
そ1:1の割合で存在している。右に曲がるか左に曲がるかは、1つの遺伝
子の遺伝型によって決まっている。
口が右に曲がっている個体(左利き)
は、泳いでいる魚(獲物となる別の種の魚)の後方から左側の鱗を剥ぎ取
って食べようとするのに対し、左に曲がっている個体(右利き)は右側の
鱗を狙う。
そして、集団のなかで左利き個体が増えてくると、鱗を取られ
る魚は左側をより警戒するので、右利き個体に対しての防御が弱くなる。
そのため、今度は右利き個体が、より多くの餌にありつけることになる。
つまり頻度の少ないほうの個体がより多く餌を採ることができるために、
負の頻度依存選択が働くのである。

◾生息環境が異なる場合の遺伝的変異
     空
間的な差以外に交配の様式も深く関係

ある個体が経験する異なる環境での適応度を平均したとき、ヘテロ接合の
遺伝型の適応度が最も高くなる場合、遺伝的変異は維持される。
しかし、
実際にはうまい具合に平均適応度が最も高くなる(超顕性)とは限らない。
アブラムシの例で考えてみよう。アブラムシは植物に寄生して、師管液を
吸って生活する。
ある限られた時期には、翅をもった個体が出現し、飛ん
で移動することが
できる。

なかでも、エンドウヒゲナガアブラムシには寄生できる植物として、アル
ファルファ、レッドクローバー、エンドウなどがある。そ
して、異なる植
物に寄生するエンドウヒゲナガアブラムシを比べてみると、ゲノム上の複
数の位置にある異なるアレルが、寄生先の植物の違いに関係していること
が示されている。エ
ンドウヒゲナガアブラムシという集団のなかで、異な
るアレルが寄主植物の違いと関連して遺伝的変異が維持されているという
ことである。

つまり、生息地内の空間的な違いが、遺伝的変異の維持に寄与していると
いえる。
しかし、このエンドウヒゲナガアブラムシの例は注意が必要だ。
生息地内の空間的な違いだけで遺伝的変異が維持されるわけではなく、交
配の様式も関係している。

アブラムシが、レッドクローバーとアルファルファのある環境で生息し、
アルファルファで育ったときに有利な遺伝型(AA)、レッドクローバー
で育ったときに有利な遺伝型(RR)があると、
このとき、どの寄主植物
で育ったかと関係なくランダムに交配し、遺伝型RRの個体の平均適応度が、
遺伝型RAや遺伝型AAに比べて、集団のなかで最も高くなってしまうと、
遺伝型AAの個体がアルファルファの環境でたとえ有利であっても、Aアレ
ルは集団から消失する。

アブラムシが、どの植物で育ったかに関わりなく、自然選択によって有利
なRアレルが増加し、やがて遺伝的変異がなくなってしまうのだ。
つまり、
生息地のなかに異なる環境があったとしても、個体がランダムに交配して
いる場合、遺伝型RAの平均適応度が高くならない限り、それぞれの環境
の適応に貢献するアレルが集団内で維持されることはないのである。
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光文社新書
死は存在しない―最先端量子科学が示す新たな仮説
これまでの「科学」は、「死後の世界」の存在を、否定してきた。それゆ
え、「死後の世界」を肯定する「宗教」とは、決して交わることが無かっ
た。しかし、近年、最先端量子科学が、一つの興味深い「仮説」を提示し
ている。その「新たな仮説」は、「死後の世界」が存在する可能性を、示
唆している。では、その「仮説」とは、どのようなものか、どのような科
学的理論か。もし、その「仮説」が正しければ、「死後の世界」とは、ど
のようなものか。この「死後の世界」において、「我々の意識」は、どう
なっていくのか。もし、その「仮説」が正しければ、それは、この人生を
生きる我々に、何を教えるのか。もし、この「仮説」が正しければ、「科
学」と「宗教」は、融合していくのか。
目次
この本を手に取られた、あなたへ
あなたは、「死後の世界」を信じるか
現代の科学は「三つの限界」に直面している
誰もが日常的に体験している「不思議な出来事」
筆者の人生で与えられた「不思議な体験」
なぜ、人生で「不思議な出来事」が起こるのか
なぜ、我々の意識は「フィールド」と繋がるのか
フィールド仮説が説明する「意識の不思議な現象」
フィールド仮説によれば「死後」に何が起こるのか
フィールド内で我々の「自我」(エゴ)は消えていく
フィールドに移行した「我々の意識」は、どうなるのか
死後、「我々の意識」は、どこまでも拡大していく
あなたが「夢」から覚めるとき
二一世紀、「科学」と「宗教」は一つになる
田坂広志[タサカヒロシ]
1951年生まれ。1974年東京大学卒業。工学博士(原子力工学)。
1987年米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員。1990年
日本総合研究所の設立に参画。取締役等を歴任。2000年多摩大学大学
院教授に就任。現名誉教授。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立。
代表に就任。2005年米国ジャパン・ソサエティより、日米イノベータ
ーに選ばれる。2008年世界経済フォーラム(ダボス会議)の
Global 
Agenda Council
のメンバーに就任。2010年世界賢人会議ブダ
ペスト・クラブの日本代表に就任。2011年東日本大震災に伴い内閣官
房参与に就任。2013年全国から7300名の経営者やリーダーが集ま
り「二一世紀の変革リーダー」への成長をめざす場「田坂塾」を開塾。
 



※『瀕死論』以来のぶっ飛びである。仏教の『唯識論』の外延であるが、
 脱宗教である。


【海水有価物回収水素製造並びに炭素化合物製造事業論⓵】
◾特許 7525096 電極触媒及びその製造方法、並びに水素の製造方法
     時空化学株式会社 他
【発明の効果】
本発明に係る電極触媒は、水素製造用に電極触媒として使
用することができ、水素製造時の過電圧が低く、ターフェル勾配も小さく、
かつ、電荷移動抵抗も小さい。
表1. 

図2(a)、(b)及び(c)の結果に基づいて導き出した各電極触媒の
10mAcm-2における過電圧、ターフェル勾配及び電荷移動抵抗(Rc
t)の結果を示している。この結果から、実施例1で得られた電極触媒は、
過電圧が最も低く、ターフェル勾配も最高の性能を示し、また、電荷移動
抵抗も最小であった。従って、実施例1で得られた電極触媒は、良好な触
媒反応速度を示すものであって、ラメラナノシート構造が水素発生速度を
高めるだけではなく電子伝導性の向上にも有利であるといえる。

図1は、実施例1及び各比較例で得られた電極触媒表面のSEM画像を示
している。具体的に、図1中のAは、触媒が形成されていないCP表面の
SEM画像であり、Bは比較例1、Cは比較例3、Dは比較例2、Eは比
較例4、F及びGは実施例1の電極触媒のSEM画像である。図1のH及
びIは、実施例1で得られた電極触媒のEDX元素マッピングの画像であ
り、Hは、Ni,V,Cu,O元素の分布状態を、Iはこれらの元素毎の
分布状態を示す。
時空化学株式会社は次の特許の都特許権者の株式会社関兵参加の企業(事
業開発管理会社?)であるり、「製造工程」のみ参考(つまり、前実用段
階)。
◾特開2024-139228 水電解の酸素発生電極用触媒及びその製造方法並
 びに水の電気分解方法
 
株式会社関兵 他(※後日掲載予定)

尚、下記特許は、上記開発グループのリチウム金属電池用電解質添加剤は、
リチウム金属電池に優れた高電圧安定性及びサイクル性能をもたらすこと
ができる電解質を形成することができる添加剤の発明例を参考掲載してお
く。
特許7539646リチウム金属電池用電解質添加剤、ゲル状高分子電解質及
     びその製造方法


図1.、試験例1-1の結果を示し、実施例1で製作した電解質を備える電
池の電圧推移を示すグラフである。なお、図1には対照として、比較例1
で得られた液体電解質を用いて作製した電池の測定結果(試験方法は試験
例1-1と同様)もあわせて表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1リチウム金属電池用電解質添加剤と、電解質塩と、ポリマー成
分とを含む、ゲル状高分子電解質
であって、下記一般式(1)CX
―A―R (1)(式(1)中、Rは―(CH―CXを表し、
、X、X、X、X及びXはハロゲン原子又は水素原子を表し、
、X及びXのうちの少なくとも一つはハロゲン原子であり、
、X及びXの少なくとも一つはハロゲン原子であり、
Aは―COO―、―C(=O)―、―SO―、―SO―、又は、―Si
(=O)―を表す。nは1~5の数である。)で表されるハロゲン含有化合
物を含み、
前記ポリマー成分が、カーボネート化合物、環状エーテル化合
物及び鎖状
エーテル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合
性化合物の
重合体を含む、ゲル状高分子電解質。
【請求項2】前記電解質添加剤が前記重合性化合物に対して、0.1~70
体積%含まれる、請求項に記載のゲル状高分子電解質。
【請求項3】請求項1又は2に記載のゲル状高分子電解質を備える、リチウ
ム金属電池。
【請求項4】ゲル状高分子電解質の製造方法であって、解質添加剤と、電
解質塩と、溶媒とを用いてゲル状高分子電解質を得る工程を含み、
前記電解質添加剤は、
下記一般式(1)
CX      ―A―R (1)
(式(1)中、
Rは―(CH    ―CX      を表し、
  、X  、X  、X  、X  及びX  はハロゲン原子又は水素原子
を表し、

  、X  及びX  のうちの少なくとも一つはハロゲン原子であり、
  、X  及びX  の少なくとも一つはハロゲン原子であり、
Aは―COO―、―C(=O)―、―SO  ―、―SO  ―、又は、―
Si(=O)―を表す。nは1~5の数である。)
で表されるハロゲン含
有化合物を含み、

前記溶媒がカーボネート化合物、環状エーテル化合物及び鎖状エーテル化
合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性化合物を含む、ゲ
ル状高分子電解質の製造方法。

◾特開2024-095341 光触媒装置 株式会社日立製作所(後日掲載

 今日のカバー曲集 『クリス・ハート|ラブ・ストーリは突然に』 

 今夜の寸評 :韻律に導かれる(横山未来子)

      旅はむかし樫の木 樫はそのむかし旅人 旅人はただかぜ
            
                   小島ゆかり『はるかなる虹』

 

 

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