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A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ソウル・フラワー・ユニオン/BiS/非常階段/ソウルフラワーBiS階段@渋谷O-West 2014.3.22(sat)

2014年03月24日 00時29分20秒 | 素晴らしき変態音楽


『ソウル・フラワー・ユニオン「闇鍋音楽祭2014」』
出演:ソウル・フラワー・ユニオン
ゲスト:BiS、非常階段、BiS階段

80年代末から90年代前半ニューエスト・モデルに夢中だった。よくミクスチャーロックの先駆けと言われるが、筆者にとってはヴィジュアルを含めたサイケデリック感覚が魅力だった。特に中川敬の太いヴォーカルと奥野真哉のオルガンに惚れていた。自分のバンドではどうやってもブルース+プログレ風味のヘヴィ・サイケしか出来なかったので、ニューエストのパンキッシュでキレの良いサウンドに憧れた。中川の硬派な歌詞も素晴らしかった。妹バンドのメスカリン・ドライヴも悪くなかったが、歌詞が英語なのがイマイチに感じた。

1993年に両バンドは合体してソウル・フラワー・ユニオン(以下SFU)となる。最初の3枚は購入したが、徐々に疎遠になり聴かなくなった。今思えば、サバート・ブレイズやゆらゆら帝国、スピッツやサニーデイ・サービスといった若干若いバンドに心移りしたのだろう。阪神・淡路大震災以降、社会的な活動で話題になるが、個人的には別れた恋人みたいな気分で忘却を決め込んでいた。

だから、JOJO広重がツイッターでしきりにSFUと合体すると呟いても余りピンと来なかったのが事実だった。しかし、昨年10月の京都ボロフェスタ2013で実現したソウルフラワーBiS階段のライヴ動画を観て心が動いた。ニューエスト時代の代表曲「こたつ内紛争」を演奏しているのである。SFUから心が離れた理由のひとつは彼らが沖縄音楽に接近したことがある。いつからか「ロックにとって南方志向は敗北」という信念めいた気持ちがある。真の芸術は極北を目指すべきであり、温暖で過ごし易い南にはロックが歌うべき苦悩が存在しない、ということ。たいへん歪(いびつ)で差別的な考え方なので、直さなければと思うのだが、いまだに心の何処かに偏見意識が残っていてどうにもならない。しかし南方かぶれのハズのSFUが、BiSと非常階段を迎えて初期のストイック(筆者にはそう聴こえる)なビートナンバーを演奏したことに感動し、焼け木杭に火がついたように東京での「闇鍋音楽祭2014」のチケットを購入した次第。



BiSの解散公演が発表になり、残り少ないBiS階段のライヴなのでBiS研究員が殺到、例年は余裕のある「闇鍋音楽祭」のチケットがSOLD OUT。会場ステージ前は「IDOL」Tシャツが占拠。狭い会場だとモッシュに巻き込まれるので前方は避けるが、O-Westは広いので右端前から3列目に座を定める。

●BiS~BiS階段~非常階段


BiSは内臓白セーラー服で登場。力一杯のステージと呼応してブチ上げる研究員を見るにつけ、アイドルとファンの理想的な関係が結ばれていることを感じる。「アイドルを愛でるのはポケモン育成ゲームのようなもの」という考察が正しければ、先のないアイドルに忠誠を尽くす必要はないハズだが、BiSの場合は「死ぬまで一緒」なのである。ひとつの法則で説明出来る程人間は単純じゃない。



「eat it」でJOJO広重、T.美川、Junkoが加わりBiS階段に。ノイズが鳴るとメンバーと研究員のテンションが過激化する。「好き好き大好き」の途中でファーストサマーウイカがドラムを叩き、ヒラノノゾミが美川の隣で電子楽器を操作。曲が終わると他のメンバーは引っ込み非常階段に雪崩れ込む。ういぽんのドラムは派手でなかなかいい。のぞしゃんも健闘する。このふたりは4月のJAZZBiS階段に参加するので、その顔見せを兼ねていたのかもしれない。



BiSのふたりが退場すると岡野太がドラムに加わり、レギュラーメンバーでの非常階段。会場の雰囲気を一変させるハードコアなノイズ演奏。コレを聴くと、さっきまでアイドルがステージに立っていたことが嘘のようだ。「KING OF NOISE」の地位が35年経っても揺るぎないことを如実に証明した。研究員も判ってきたのだろう、演奏の聴かせ処でコブシを挙げて歓声を発する。



Set List
1. Give Me Your Love全部
2. nerve
3. primal.
4. Hide Out Cut
5. My Ixxx
6. idol
-以上BiS
7. eat it
8. DiE
9. 好き好き大好き
-以上BiS階段

●ソウル・フラワー・ユニオン


キーボードの奥野真哉は大森靖子ワンマンに参加したし、ベースのJIGENは頭脳警察のサポートメンバー。知らず知らずにSFUのメンバーと接触していた訳だ。この日は伊丹英子の代わりにうつみようこがチンドン太鼓で参加。コーラスの上村美保子とふたりで合いの手を入れて盛り上げる。中川敬のヴォーカルは相変わらずパワフル。「人生は祭りだ!」と言う通り、陽性のパワーに溢れた演奏だが、歌の内容はかなり硬派。阿波踊りやハイサイ音頭が入っているが、芯にあるロケンロー魂が不滅であることを感じさせた。



●ソウルフラワーBiS階段


中川によるところの今日4番目のバンドが登場。いきなりジャックスの「堕天使ロック」。中川~うつみ~広重とリードヴォーカルを分け合う。1983年のスターリンとの合体ライヴ、スター階段でもジャックスの「マリアンヌ」が演奏された。日本地下音楽の背骨はジャックスで出来ているのかもしれない。2曲目はバンド演奏で「nerve」。研究員はもちろん会場中がヒートアップ。美川がBiSの振付けで踊っている。3曲目はSFUの「海行かば 山行かば 踊るかばね」。「原発反対!」のコール&レスポンスはバリケードの中の頭脳警察か70年代イタリア共産党大会のアレアを想わせた。アンコールの「こたつ内紛争」では蒲鉾1000個がステージや2階席から会場に撒かれ、アッパーな曲調が火に油を注ぎ完全なカオス状態。BiSメンバーが会場中あちこちに散って何が何だか判らないけどこりゃあめでたいお祭り気分に酔った。



★世の中何が起こっても不思議じゃないんだ ソウルフラワーBiS階段出演「ボロフェスタ2013」レポート⇒コチラ






闇鍋の
中は混沌
おめでたい

同じくボロフェスタ2013で対バンした「わっほい?お祭り.inc」ことでんぱ組.incは3月22日に一般発売した5/6日本武道館公演チケットが完売。こちらもめでたいヽ(*´∀`*)ノ!!!☆



★いざ武道館!でんぱ組.inc、伝説のライブ目指し心境明かす⇒コチラ
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