2023年2月4日(土) 阿佐ヶ谷TABASA
盤魔殿 presents
第3回『輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~2022バンマーキング決定戦』
開場・開演18時
1000円+1ドリンク
予約はこちら
盤魔殿DJ総出演!
当日DJのプレゼン&試聴のあと、最後にお客さんとDJ&スタッフの投票で盤魔王(バンマーキング)を決定します。
出演:
DJ Bothis a.k.a.山田遼
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
【ノミネート作品】
●DJ Bothis a.k.a.山田遼
L’Acephale - Malefeasance 2×LP 2009 (Aurora Borealis)
アメリカはオレゴン州ポートランドを拠点とするエクスペリメンタル・ブラックメタルバンドによる2ndアルバム。バンド名のL’Acephale とはフランスの哲学者ジョルジュ・バタイユが1937年に結成したニーチェ哲学を核とした反キリスト教的秘密結社の名に由来すると思われる。この作品で特筆すべきは、なんと言っても1枚目のA面2曲目「Hitori Bon Odori」であろう。もちろんこれは日本のフォーク界の極北・友川カズキの「一人盆踊り」のカバーであり、一聴すると原曲の面影は感じられないかもしれない。しかしよく聴き込んでみると、暗黒の原野に吸い込まれるようなダークな世界観は、友川カズキが本質的に持っているある種の厭世観と静かに共鳴しているように思われる。
Zaliva-D - Forsaken LP 2019 (Knekelhuis)
前回のバンマーキング決定戦で、見事にバンマーキング=盤魔殿レコード大賞に輝いた北京のトライバル・インダストリアルアーティストZaliva-Dの作品を今回もピックアップ。前回は2020年出版の12インチEP『 Immorality』を取り上げたが、今回は2019年出版のLP『Forsaken 』を共有します。私がZaliva-Dを好きになったきっかけとなった曲である「Human Addict」を収録した本作は、トライバル・インダストリアル史に残る名盤だと思う。Zaliva-Dにしか作れない唯一無二の中国的土着感を多くの方に触れてほしい。
CHU ISHIKAWA & DER EISENROST - TOKYO FIST (ORIGINAL SOUNDTRACK) LP 2022 (We Release Whatever The Fuck We Want Records)
今回ご紹介する作品の中では最新の2022年リリースである、塚本晋也監督の映画『TOKYO FIST』(1995)のサウンドトラック。音楽担当はもちろん石川忠と、彼が率いるインダストリアルバンドDER EISENROST。映画はもちろん素晴らしいが、それを引き立てるのは「鉄男」(1989)時代から塚本晋也監督とタッグを組む石川忠による、圧倒的な速度感を演出する劇伴であることは疑う余地が無い。本作は元々CDとして1998年に出版されていたが、高田みどりや川井憲次による『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『機動警察パトレイバー2 the Movie』などの作品をリリースするスイスのレーベルWe Release Whatever The Fuck We Want RecordsよりLPとして再発されたものである。
●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
田畑満 / 退廃音楽
数々の伝説をまとい活動を続ける田畑満の最新録音ソロ作品。めくるめくサイケデリック!ジャケットアートは乾純。
DIAMANDA GALAS(with DANIEL NEUMANN) /BROKEN GARGOYLES
次元を越えたヴォイスパフォーマーの最新作。陰惨な物語を想起させるドラマチックな一枚。
JUSTICE / JUSTICE
ENDON名倉とJADOO阪本、アートワークに田巻裕一郎のユニットのデビューアルバム。ハードコアを越えた乾いた情緒の香りたつ一枚。
●DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
BOLSHIE / 1979 Unreleased Studio Tracks + Live (BASE 2022)
1979年『東京ロッカーズ』と並ぶ日本のパンク最初期のLP『東京New Wave』に収録された平均年齢16歳のパンクバンド「ボルシー」の未発表音源が1枚のアナログLPと6枚のCDとして世に出た奇跡。ほんの少しの勇気があったら自分がボルシーだったかもしれないと遠い目。
JUKE/19 (円盤 2022)
1980年若き日の現代美術家大竹伸朗を中心に短期間活動した日本のノイズ・アヴァンギャルド最前衛ユニット「JUKE/19」の全音源が40年の時を経てアナログ再発されるという因果。JUKEを聴かなかったら私が盤魔殿をやることはなかったかもと思うと胸熱。
Pefkin & Roxane Métayer / split lp (morctapes 2022)
元Adventures In Stereo、Electroscope、スコットランドのリチュアル系アンビエントおば・・もといお姉さん「Pefkin(ペフキン)」ことGayle Broganの最新作をリアルタイムで聴ける悦楽。エレクトロニクス、ヴァイオリン、ヴォイスによる幻想的なサウンドは英国のひとりMOGRE MOGRUといえるかも、いやいや逆にモグモグが日本のPefkinと呼ばれるかと夢想。
●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
ディー・クルップス / 全速前進 (Suezan Studio SSZ3090)
メジャー移 籍 第 1 弾 ( 1982 ) が 日 本 初 公 式 発 売 。新 メ ン バ ー に D.A.F. ( DEUTSCH AMERIKANISCHE FREUNDSCHAFT)にも参加したティナ・シュネッケンブルガーを迎えたラインナップでレコーディングされた本作は、シンセ・ビートに自作鋼鉄打楽器〈シュターロフォン〉が鳴り響く前作『真の労働・真の報酬』の方法論をさらに突き進めたもので、グループの音楽性を確立した作品。
血を吸うカメラ / 1st (迷宮入りレーベル)
進入禁止の別ユニット 血を吸うカメラ ユニット名はイギリスのホラー映画(マイク・パウエル監督)から由来。エレクトリック笙とジェンベ、シンギングボウルやブルースハープを駆使した即興演奏にキリシタンの鐘の音などの効果音を加えて収録された。インダストリアル・ノイズ・ブルース・アンビエント。
To-Tho / Freuziel (Suezan Studio SSZ3086/87)
1980年代前半にドイツ・ハンブルクで活動した知られざるジャーマン・ニューウェイブ男女デュオTi-Tho(ティ・トー)。Christina Maria CalcagnoのTiとThomas StelterのThoを取ったネーミングだ。ドイツの名門自主レーベルZickzack〈ツィックツァック〉から1982年にシングル「夢みるダンサー(Traumtänzer)」で鮮烈なデビューをとげた当時、クリスティーナはティーンエイジャーだった。その後1983年にTELDECから「象を狩る者(Elefantenjäger)」、1985年にPolydorから「L.C.B.A.P.(Love Can Be A Pain)(愛は痛みになりうる)」、1985年には同じくPolydorから「Walking in The Rain(雨に歩けば)」と都合4枚のシングルを発表したがアルバムを残すことなく7年間の活動にピリオドを打った。デュオ解散後マリアは女優として活動し、数多くの子供向けラジオドラマなどの音源を残している。一方トーマスは80年代までは音楽プロデューサーとして活動していたようだが、現在の活動は不明だ。
●DJ Vaby a.k.a.大場弘規
Gaji / Blowpipe (1999年リリース)
オリジナルは1995年に痛郎の井出氏のレーベル ZK Recordsよりリリースされましたが、こちらは1999年に曲順を変え、更にリマスターされた再発盤です。ノイズと変拍子を中心に練られた、トランシー+切れ味のあるループ系ビートなどストイックな構成と中性的な透明感のあるボーカルは聴く者を独特の世界に誘います。今回ご紹介しますNailsはこの作品の1曲目。な透明感のあるボーカルは控えておりますが、狂気を増幅しながら進み続けるベースを是非是非堪能して下さい。
犬、走る / O.S.T. (1998年リリース)
崔洋一監督が、松田優作主演で進んでいた幻の企画を映画化「犬、走る」のオリジナルサウンドトラックよりKim Duk Soo SamulNori の Things Changeをチョイス!Kim Duk Sooにより78年に結成された韓国の伝統パーカッショングループであるサムルノリ。80年および90年代のワールド・ミュージック興隆期にはビル・ラズウェルとも絡み、坂本龍一と共演するなど、単なる伝統音楽楽団に収まらない音楽性を見せ、現代ジャスと伝統音楽の自然な融合を果たした作品を多く残している中、こんな脱力系もお楽しみあれ。
Eyescream / The End - Complete Discography (2022年リリース)
2018~2019年と僅か1年の活動期間ながら、そのリリース作品が大きな注目を集めた仙台発女性フロントマンのEyescream 。The Comesのチトセを彷彿させるヴォーカルをはじめ80年代ハードコア好きには溜まらないテースト満載です。
●DJ Athmodeus a.k.a.持田保
Freakoutlet Morgue / Guitar Murderer Suicide (deverb)
90年代に石野卓球をも巻き込み、スカム・コラージュ旋風を繰り広げたダムダムTVによる変名作品。アシッドの食いすぎでギターの弾き方を忘れたジョン・フェイヒイが農場で動物たちとセッションを繰り広げたようなわくわく動物ランド。もしくは動物霊に憑依されたデレク・ベイリーの痙攣音響。
ヘンリー川原 / 電脳的反抗と絶頂2:その他のヘンリー川原 (EM Records)
2021年に発表された”電脳的反抗と絶頂”に続くヘンリー川原アンソロジー集第二弾3CD。あのオカルチャー出版社八幡書店を中心に90年代サイバーオカルトとメディア・アートを横断し、バーチャル・フォニックスというポスト・ズッカレリ的立体音響を確立した彼の功績はマジでもっと評価されるべき。サイキックTVとヴェイパーウェーブをつなぐ異教未来感覚に君もジャック・インしてほしい。
GRIM / Magnolia's Dream (Steinklang Industries)
盤魔殿ではおなじみグリムの2022年作品。リチュアル・フォークからエクスペリメンタル、ダンス・トラックまで様々な音楽形態を目まぐるしく展開させながらもしっかりグリムでしかない世界を構築する貫禄の一枚。これだけのベテランがコンスタントに作品を世に送り出し、そしてシーンの現場に立ち続ける姿はリスペクトしかない。
●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
Yoonkee Kim / Cust Must Dover TAPE
サンプリングやマシンビートが脈打次ロウファイの虜に…
Kayo Makino / Au contraire
コラージュや逆回転が印象深いMIX-CD。ヴァイオリンとピアノは工藤冬里氏によるもの。
灰野敬二 / 『親愛なる音楽様 申し訳ないけど あなたの中に 灰野敬二という種子を植えつけさせていただきます』
ハーディ・ガーディによるソロ演奏。透き通った音同士の重なりや起伏がこの上なく心地よい。
盤魔王
授賞作品
異端王
【これまでの盤魔殿レコード大賞の記録】
第1回(2019年度)⇒【決定!初代盤魔王は"脳BRAIN"】第1回『輝く、盤魔殿レコード大賞!!!』盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.31
第2回(2021年度)⇒【イベントレポート】決定!第2回 盤魔王(バンマーキング)は「長谷川時夫」と「Zaliva-D」!!!!~第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!@阿佐ヶ谷TABASA 2022.1.8(sat)