A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ニューロックの夕べ〜グンジョーガクレヨン+橋本孝之/PAK+招魂舎痴明/The Rocks/aka-jam@新大久保EARTHDOM 2019.3.29(fri)

2019年03月31日 12時04分53秒 | 素晴らしき変態音楽


EXHIBITIONISM-ザ・ローリング・ストーンズ展@TOC五反田メッセ 2019.3.28(thu)



前日TOC五反田メッセに『EXHIBITIONISM〜ザ・ローリング・ストーンズ展』を観に行った。平日なので混んでおらず、海外から空輸した膨大な楽器やスタジオ機器、アートワークや衣装や手書きのメモやノート等をゆっくり眺めることが出来た。特に実際に使用したギターの数々は壮観で、然程ストーンズ・マニアではない筆者の胸が熱くなった。見ると同年輩か少し上の世代の元ギター少年らしき男性が何人も目を輝かせてギターや機材に魅入っている。筆者も思わずギターを一台ずつスマホで写真に収めた。ロック少年の心はいくつになっても転がる石のままなのである。




aka presents
ニューロックの夕べVol.2

OPEN 19:00 / START19:30
前売 1,800円 / 当日 2,100円 (別途ドリンク代 500円)
PAK+招魂舎痴明/The Rocks/グンジョーガクレヨン+橋本孝之/aka-jam



一夜明けて訪れたのは最近もっぱらアイドルイベントばかりのライヴハウス新大久保アースダムであった。久々のグンジョーガクレヨン目当てで「ニューロックの夕べ」というタイトルから、若い世代のバンドがレトロなイメージに憧れて企画したイベントかと思っていたところ、出演者は殆どが還暦前後と思われる筋金入りのロック壮年ばかり。正真正銘のニューロック経験者、つまりリアルタイムでローリング・ストーンズと共に育った世代と言えるだろう。

■PAK+招魂舎痴明(Dance & Voice)
 長嶌BEM(sax.etc)川合AKA(Stick.etc)



サックスとスティックの男女デュオと暗黒舞踏家の共演。長嶌 BEM 宏は1955年5月1日静岡生まれ。80年代以降、AUTOMOD、グランギニョル、暗黒大陸じゃがたら、LIBID等に参加したという。抽象的なフリー・インプロヴィゼーションを聴かせた。白塗りの招魂舎痴明の風貌が元グンジョーガクレヨンの園田游を思わせた。

■The Rocks
 大和田ゲンタ(g.vo) 北澤孝一(dr.) 末広芳夫(b.)



インスト・ロック・トリオ。ジミ・ヘンドリックスの「アメリカ国歌」から始まり、クリームやジェフ・ベック風のハードロック〜ファンクロック〜ジャズロックを聴かせる。ストラトキャスターならではの艶のある音色と指で覚えたフレージングが素晴らしい。息のあったクロスプレイは現役感たっぷり。

■グンジョーガクレヨン+橋本孝之(sax.etc)
 宮川篤(dr.) 組原正(g.vo) 前田隆(bs)



日本前衛ロックの真髄を体現するグンジョーガクレヨンは今年で結成40周年を迎えた。殆どメンバーチェンジもなくこれほど長い歴史を持つ地下音楽のグループは他には非常階段と陰猟腐厭くらいだろう。気合いを込めた即興演奏という手法は変化していないが、観る度に感じる圧倒的なエネルギーは、メンバーの生の波動の証である。ひと回り年少の橋本の稲妻のようなサックスが不老長寿の薬になって染み渡る。

■aka-jam
 赤間哲彦 (b.) 中村清 (dr.) 小滝みつる (key.) Komatsu Bravo (g.) 
 Dance : Rumi・Eva・Melete



数年前国立地球屋で観たSPACE MANDALAのベーシストだったakaこと赤間哲彦、元CINEMA/ヤプーズの小滝みつる、東京ブラボーのブラボー小松、ジャングルズ/GODの中村清というJAPROCKレジェンドによるユニット。享楽的なフリー・ジャムセッションに3人のダンサーがエロティックに舞うステージは、ティーンエイジャーのロック少年が一度は夢見るパラダイスである。

「aka-jam」with RumiEva 2018 6.1 @新大久保アースダム

SPACE MANDALA/グンジョーガクレヨン/HIGO SESSION@国立 地球屋 2016.10.8(sat)

ローリング・ストーンズに負けず劣らず転がり続ける日本のベテランミュージシャンのロック愛に触れることが出来て自分の中のロックスピリットが刺激された夜だった。

ギター小僧
転がる石を
追いかける

宮川篤
橋本孝之
組原正
前田隆
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【私のB級サイケ蒐集癖】第22夜:デマと愛情〜清潔で神々しい仮面の略奪者『クリーンリネス&ゴッドリネス・スキッフル・バンド』『マスクト・マローダーズ』

2019年03月27日 02時24分30秒 | 素晴らしき変態音楽


音楽に限らず芸術の歴史にはデマ・贋作・捏造・なりすまし云々が常に存在する。有名な画家の名前や手法を騙った偽物は後を絶たず、逆に高名な芸術家が素性を隠して知られざる作品を残し、後世になって真価が明らかにされる場合も少なくない。しかしことポップ・ミュージックに於いてはヒット曲の模倣や剽窃は日常茶飯事であり、例え盗作問題が露呈したとしても、作家や作品の息の根が止まる訳ではない。逆にそれをネタに注目を集め怪我の功名となるケースも少なくない。さらに意図的に剽窃・模倣することで自己表現をs主張するパロディ/オマージュと呼ばれる手法が認められているポップ・ミュージック界には泥棒や盗人は犯罪者の範疇には入らないのかもしれない。

その中でも1981年に日本の自主制作レーベルの草分けピナコテカレコードからリリースされた7インチEP『Anode/Cathode ‎– Punkanachrock』はアメリカ西海岸の知られざるアンダーグラウンドロックバンドの未発表作品と偽って宣伝され、当時購入した筆者はその後40年余りその作り話を信じていたが、実は『第5列』と呼ばれる日本のアート集団によるでっち上げ作品であった。同じ頃に大阪のヴァニティ・レコードから正体不明のデモテープ音源と称してリリースされたRNA Organismは、実はEP-4の佐藤薫のユニットだった。

Anode/Cathode - punkanachrock A面


R.N.A. Organism - R.N.A.O Meets P.O.P.O (Japan, 1980) (Minimal, Synth-pop, Experimental)


それらのヒントになったのは70年代半ばからアメリカで活動するザ・レジデンツだったかもしれない。70年代末に日本でも紹介された彼らこそ正真正銘正体不明の覆面バンドで、素顔も名前も分からないミステリアスな存在が好事家の興味を倍増させたことは間違いない。正体はビートルズのメンバーだという誰も信じないデマをレジデンツ本人が流した逸話もあった。40年以上も前衛音楽シーンの第一線で活動する彼らのバイオグラフィーこそデマと贋作と捏造となりすましの歴史である。彼らに近いところで活動するLAFMS(Los Angeles Free Music Society)もまた匿名性を核に蠢く地下音楽コミュニティであった。

The Beatles Play The Residents & The Residents Play The Beatles


Le Forte Four - Bongo Madness (1975)


前置きが長くなったが、地下音楽に騙される度にマゾヒスティックな歓びに打ち震える筆者にとって、サイケデリック・エラにデマで一花咲かせた愛しのグループが今回の主役クリーンリネス&ゴッドリネス・スキッフル・バンドである。



Cleanliness and Godliness Skiffle Band:
Annie Johnston (guitar, mandolin, woodblocks, vocals)
Hank Bradley (fiddle, mandolin, harmonica, vocals)
Phil Marsh (vocals, guitar)
Brian Voorhees (harmonica, guitar, vocals)
Richard Sauders (bass)

1964,5年にサンフランシスコで活動していた大所帯のグループInstant Action Jug Bandに参加したフィル・マーシュ、アニー・ジョンストン、リチャード・ソーダーズを中心に66年末に結成される。Instant Action Jug Bandにはカントリー・ジョー&ザ・フィッシュのメンバーも所属しており、60年代後半のサンフランシスコ・サイケデリック・シーンで活動を共にしていた。数多くのメンバーチェンジを経て1968年にヴァンガード・レコードからアルバム『グレイテスト・ヒッツ(Greatest Hits)』をリリース。


Cleanliness And Godliness Skiffle Band ‎– Greatest Hits(Vanguard ‎– VSD 79285 / 1968)

”スキッフル・バンド”らしく、アコギとバンジョーを中心としたフォーク/カントリー調のサウンドを得意としており、ドラッグでラリったハチャメチャでコミカルな演奏は、アシッドロックともアシッドフォークとも異なるヒッピーミュージックとして異彩を放っている。アルバム中4曲にカントリー・ジョー&ザ・フィッシュのチキン・ハーシュがドラムで参加している。日本人にとっては脳天気すぎてサイケというより普通のカントリーフォークに聴こえてしまうが、偉大なる田舎の大国アメリカ合衆国民の体内に流れるカントリーウェスタンの血が騒ぎ、幻覚作用と涅槃への旅路をもたらすに違いない。

Goofus


とは言うもののこのアルバムだけだったら、彼らは忘れ去られたマイナー・サイケの墓場に葬られたままだったろう。しかしサイケの女神は彼らを放って置かなかった。1969年10月音楽雑誌『ローリング・ストーン』の記者グレイル・マーカスがT.M.クリスチャンの変名で実在しないスーパーグループのブートレグ・アルバムのレビューを掲載した。


The Masked Marauders ‎– The Masked Marauders(Deity ‎– RS 6378 / 1969)

レビュー抄訳
"『仮面の略奪者たち(Masked Marauders)』と名付けられたこのアルバムは、アル・クーパーのプロデュースで、カナダのハドソン湾に面した小さな街のスタジオで秘密裏にレコーディングされた。参加ミュージシャンはボブ・ディラン、ミック・ジャガー、ジョージ・ハリスン、ジョン・レノン、ポール・マッカートニーなど。ただし契約上の理由でジャケットにも何処にもクレジットされていない。。。。"

当時流行っていたスーパーグループ(CSN&Y、ブラインド・フェイス、レッド・ツェッペリン等)や、世界初のブートレグ・アルバムと呼ばれるボブ・ディランの未発表曲集『Great White Wonder』をパロディにした冗談記事だったが、読者やレコード店が本気に受け取って実物のアルバムを探しはじめた。そこでマーカスと『ローリング・ストーン』誌のスタッフが、実際にこのアルバムを制作するために雇ったのがクリーンリネス&ゴッドリネス・スキッフル・バンドだった。ディランやジャガーの歌い方を真似て、ロック・クラシックの曲調をパクったサウンドは、ラジオでオンエアされると本物だと思い込んだリスナーからリクエストが殺到し、アルバムは10万枚を超えるヒットになったという。リリース元はワーナー傘下のリプリーズ・レコードだったが、匿名性を保持するためにでっち上げたDeity(神)レーベルで発売された。ちなみにジャケットの女性は同年8月にチャールズ・マンソンの信者により殺害された女優のシャロン・テートの映画のスチール。

I cant get no nookie -The Masked Marauders


今聴けば本当のディランやジャガーじゃないことは分かると思うが、当時のラヴ&ピースに浮かれた空気の中でコロッと騙された音楽ファンが多かったに違いない。サウンド的にはクリーンリネス〜本来のスキッフルとはまったく異なるが、物まねでは終わらない創意と熱気が感じられる。

クリーンリネス&ゴッドリネス・スキッフル・バンドは70年春に解散。その後元メンバーたちはショービジネスの表舞台に出ることはなかったが、それぞれローカル・シーンで音楽活動を続けているようだ。
詳細なファミリーツリー⇒https://www.chickenonaunicycle.com/Cleanliness%20and%20Godliness.htm

史上最大の音楽デマ?/The greatest musical hoax of all time? The Fab4, Jagger & Dylan release record as Masked Marauders?


騙されて
嬉しいデマなら
大歓迎

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ロンドン/バーミンガム音楽愛好の旅:ジェイコブ・ガーチック/ピンク・フロイド/ライブラリー・ミュージック/SUMAC/セックス・ピストルズ/フレディ・マーキュリーetc.

2019年03月25日 01時29分51秒 | 素晴らしき変態音楽


3月18日(月)〜22日(金)3泊5日でイギリス旅行をした。観光メインの短い旅だったのであまり多くはないが、音楽関係の活動をまとめてみた。

3月18日(月)
羽田発英国航空便でロンドンへ約12時間半の空の旅。Spotifyでダウンロードしたネクロ魔とピエール・アンリとレント・ロムスを聴いたり、機内映画で『ボヘミアン・ラプソディ』吹替え版を観たりして過ごす。午後2時頃ヒースロー空港着。地下鉄でロンドン中心部ヘ向かいホテルにチェックイン。

ネットで検索し、その夜ニューヨークのトロンボーン奏者ジェイコブ・ガーチックのライヴがあることを発見し観に行くことにした。会場はCafe Otoの近くのVortex Jazz Club。OvergorundのDalton Kingslandからすぐ。住宅街の中のスケートパークに面した建物の2階。Cafe Otoよりも整っていてちょっと洒落たカフェ風の会場。ジャズ好きな年配者とミュージシャン風の若者が半々でテーブル席は満席。

●Vortex Jazz Club


ジェイコブ・ガーチックはメアリー・ハルヴァーソン、イングリッド・ロウブロック、ブレンドン・シーブロック等と共演するNY即興シーンの実力派トロンボーン奏者。この日はトロンボーン7人をフィーチャーしたプロジェクトJACOB GARCHIK UK GOSPEL TROMBONE CHOIR。第1部はTbふたり、P、B、Dsのクインテットの演奏。ニューオリンズ風のコンポジションを基本にして所々逸脱する風変わりな展開が面白かったが、流石に疲れで睡魔に襲われてしまい、肝心のトロンボーン軍団の演奏を観ずに離脱し、ホテルへ戻って翌日に備えることにした。

Jacob Garchik's the Heavens Live: Dialogue with My Great-Grandfather



3月19日(火)
午前中の列車でバーミンガムへ向かう。バーミンガムはイギリス第二の都市。産業革命時代に栄えたという工業都市である。ロンドンへの対抗意識があるようで、バーミンガム美術館のバーミンガムの歴史や文化の紹介コーナーが充実している。



バーミンガム出身のミュージシャンとしてはブラック・サバスやスティーヴ・ウィンウッドなどが有名だが、デュラン・デュランもそのひとつ。地元の誇りである。

Duran Duran Wild Boys 1984 HD 16:9





68年〜71年ハーミンガムにあったマザーズ・ナイトクラブは数多くの英国ロックレジェンドが出演しており、ピンク・フロイドのサードアルバム『ウマグマ』のライヴ・トラックの半分はマザーズでレコーディングされた。

Pink Floyd, Ummagumma (1969)


夕方にロンドンへ戻るので時間があまりなかったが、徒歩圏内にあった中古レコード店『The Diskery』を訪店。1952年開店のイギリスで最も古いレコード店と言われている。ジャンルのコーナー分けが大雑把でJazz/Classical/
Soundtrackとして棚に何列もレコードが並べてある。じっくり掘ろうと思ったら一日かかるかもしれない。

●The Diskery


普段見ることのない「Library Music」コーナーで何枚か試聴して面白そうなLPを2枚購入。どちらもチープなシンセサイザーによるBGM音源で内容は悪くない。

Trevor Duncan - weightless


Phil Famous - Electro Pop


夜19時過ぎの電車でロンドンへ戻る。前日にチェックしておいたSUMACのロンドン公演を観にカムデン・タウンのライヴハウス『The Undeground』へ向かう。会場の前でBO NINGENのTaigen Kawabeに遭遇。SUMACと一緒にヨーロッパ・ツアー中の日本のバンドENDONを観に来たと言う。中に入るとギターのKohheiとドラムのMon Changもいて、偶然の再開に驚きながらも旧交を温めあう。

●The Underworld Camden


SUMAC/BAPTISTS/ENDON @ The Underworld Camden


The Underworldは昨年ネクロ魔/絶叫する60度『Black winds over Albion UK tour』ロンドン公演が行われた会場。下北沢GARDENを大きくしたような感じ。メタラーを中心にぎゅうぎゅう詰めの満員。時間が遅くトリのSUMACの途中からだったが、2017年の来日公演で観た時以上の轟音の嵐で、時差惚けも吹っ飛んだ。

Sumac @ Freak Valley 2018



3月20日(水)
朝から観光/買い物で、午後に訪れたカムデン・ロックの小さなレコード店『Camden Lock Viny』を覗く。観光客の多い場所だが、品揃えはシングル盤を中心に悪くない。しかしゆっくり見ている時間がなく、目についた安めのシングル盤を購入。

●Camden Lock Vinyl


The Flys - Waikiki Beach Refugees


Public Image Ltd. Seattle


The B-52's - Hot Pants Explosion


Sex Pistols- The Great Rock 'n' Roll Swindle


Sex Pistols Soundcheck at Winterland, Jan. 1978


Freddie Mercury - I Was Born To Love You (Official Video)


この日の夜はもうひとつ、今回の旅行のメインの目的のコンサートを観戦した。詳細は別の機会に記すことにする。
翌日3月21日(木)午後の便でヒースロー空港を立ち、翌日3月22日(金)午後に無事成田空港に帰国した。

ロンドンと
バーミンガムの
小旅行

3月22日(金)HAMIDASYSTEM現体制ラストライヴを観に行けなかったことが悔やまれるが、24日(日)の・・・・・・・・・(ドッツ東京)のラストライヴを観に行けてよかった。

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【特報!開催決定】盤魔殿スペシャル【∵23∵盤魔殿】2019.4.12 in 幡ヶ谷フォレストリミット

2019年03月18日 23時15分11秒 | 素晴らしき変態音楽


23エニグマ!!!ドゴン~エジプト~ユダヤ~アジア~キリストと脈々と繋がる神秘数「23」。世界の混沌と厄災を支配し不和の女神エリスに捧げられたとされるこの数秘ウイルスをドープにキメまくる盤魔殿スペシャル【∵23∵盤魔殿】2019.4.12 in フォレストリミット!!!

出演は盤魔殿オールスターズに加えバンギ・アブドゥル(東京リチュアル)+小松成彰(キングコングジャパン、エレファント・ノイズ・カシマシ)よるリチュアルドローン・ユニットRiot In Chinese Restaurant、霊的即興集団の鬼籍、そしてドット・エスの橋本孝之がDJ Necronomiconとのコラボとして参戦!!!

カルトDJイベントとしてスタートした盤魔殿もおかげさまで回を重ねること「23」回!これを記念して今回のパーティーは盤魔殿シンギュラリティを目論み、これまでにない未知なる領域に突入いたします。アンダーコントロールとしての「23」をデコードせよ!TUNE IN!!!!



2019/4/12(金) 幡ヶ谷FORESTLIMIT
【∵23∵盤魔殿 】
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.23

Le dernier disque de Winter Demon
19:00 Open/Start  
Charge ¥1,500 + 1drink

23エニグマの一例
・フィリップ4世がフランス全土においてテンプル騎士団のメンバーたちを一斉に逮捕したのは、1307年10月13日(10+13=23)。
そして最後の騎士団長ジャック・ド・モレーは第23代目!
・ジュリアス・シーザーは暗殺時、23回刺された。
・ラテン語のアルファベットは、23文字で構成されている。
・ヒトの生殖細胞に含まれる染色体は、23本。また、人間の性を決定づける遺伝子は、第23番目遺伝子である。
・血液が体全体を巡るのに必要な時間は、23秒。
・古代エジプト・サマリア暦は、7月23日から始まる。
・地球の地軸は、公転面に垂直な方向から23.5度傾いている。
・タイタニック号の沈没 1912年4月15日(1+9+1+2+4+1+5=23)
・英・劇作家、詩人のウィリアム・シェイクスピアは、1564年4月23日に生まれ、1616年4月23日に他界した。
・ナチス・ドイツ初代総統、アドルフ・ヒトラー自殺 1945年4月(1+9+4+5+4=23)
・古代マヤ人が信じた世界の結末 2012年12月23日。
・カルト集団「The Family」のリーダー、チャールズ・ミルズ・マンソンの誕生日 11月12日(11+12=23)
・東京の特別区は23
・アメリカ同時多発テロ事件 2001年9月11日(2+0+0+1+9+11=23)
・持田が23SkidooのCDライナー執筆中、pcに飛び乗った猫が23の数字を打ち込む



【出演者・DJ紹介】
●Floating Brothers (バンギ・アブドゥル+小松成彰)

東京リチュアル主催、現代魔術研究、翻訳家バンギ・アブドゥルとキングコング・ジャパンの小松成彰による正統派リチュアルドローンを本気でやるユニット。

【新着】バンギ・アプドゥルからのメッセージ!


FLOATING BROTHERSは、フローティングタンクを所有し、フローティングタンクに浮かぶことで、フローティングのための音を創造するユニットである。現在はライブセットの前後にタンクインすることでパフォーマンスの方向性と品質を管理し、今後はフローティングタンクをスタジオに、さらには移動可能なパーティセットとすることを目標としている。

我々はこの惑星の全てのフローティングタンクと接続された海棲哺乳類ネットワーク、地球暗号管制局(E.C.C.O., Earth Coincidence Control Office)および銀河系暗号管制局(G.C.C.O., Galaxy Coincidence Control Office)から送信される「暗号」を受信し、解釈し得ない「できごと」として惑星心霊圏に展開する。近年、E.C.C.O.は抜本的な組織再編成が進行している。我々は新たな”キャンペーン23”のエージェントかつリクルーターとして、夢よりも深い覚醒を媒介する。ENJOY.(バンギ・アブドゥル)


●鬼籍

「鬼籍」2012年結成。即興演奏、舞踏、シャーマニズム、魔術儀式的な演出による霊的パフォーマンスアート集団。解散ライブ「七福神」

●DJ Necronomicon + 橋本孝之(.es)

・橋本孝之
アルトサックスをメインにギター、ハーモニカ等による圧倒的なパフォーマンスで注目を集める大阪出身の即興アーティスト。現代美術画廊ギャラリーノマルをホームとする「.es」(saraとのデュオ)をはじめ、ソロ、内田静男とのデュオ「UH」、前衛ロックバンド「kito-mizukumi rouber」「グンジョーガクレヨン」等、あらゆるジャンルを縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放っている。
・DJ Necronomicon(剛田武)
ブログ『A Challenge To Fate(運命への挑戦)』にてカムオルグ(ノイズ)からネクロ魔(地下アイドル)まで、地下音楽を妄想し続ける地下ブロガー。2016年秋『地下音楽への招待』出版を機に宇田川岳夫等と異端DJイベント『盤魔殿』を立ち上げる。橋本孝之とのコラボは2回目。初回はハプニングに近かったが、今回はイギリスでのフィールドレコーディング音源も使って、盤魔殿なりの環境音楽の創成を目論む。



●DJ Qliphoth(宇田川岳夫) 

盤魔殿主催。ネオフォーク、演歌、民族音楽、インダストリアルなどを中心に普段は聞けない音楽を短い時間に凝縮してプレイしながら映像と音楽のコラボレーションをTouchDesignerやResolumeとCrossなどを使って実験的に行います。

●DJ Athmodeus(持田保)

インダストリアル・ミュージック専門ディスクガイド誌"Industrial Music For Industrial People "著者にして、オカルティズムやドラッグと音楽の関わりを探求する企画"あなたの聴かない世界"代表者。いつもはダブやコラージュを主軸にDJしてるけど今回は自前のトラック(これから造る、多分)とポエトリーリーディングに挑戦。ピエール瀧に捧ぐ!



●DJ Paimon(Moppy)

日本の地下音楽からトルコまで、世界のサイケデリックミュージックを偏愛。歌舞伎町Be Waveで不定期開催の辺境ワールド系パーティSOI48のトルコ担当として活動の他、トルコのアーティストのライナー執筆など。

●DJ BEKATAROU(伊藤元)

最近はRalph Lundstenなどアナログシンセサイザーを用いた電子音楽をよく聴いておりますが、最も敬愛するミュージシャンは灰野敬二さんです。当日は音と宇宙とお集まりの皆様に敬意を表しつつ、地下音楽の中でもスタンダードな楽曲を廻させていただく予定であります。よろしくお願いいたします。

●DJ Vaby(大場弘規)

ジャップインディー、ハードコアパンク、ニューウェーブ、そして現代音楽からノイズ・アヴァンギャルドまで幅広く、でも浅く(笑)カヴァーしています。盤魔殿に参加させて頂くようになってから、他のDJの方々の影響で辺境サイケ等にも触手を伸ばしている今日この頃です。前回の盤魔殿ではスタートからラストまでDRONEオンリーで攻めましたが今回は恐らく真逆のマテリアルで挑んでみようと思っています。

Silverstar 23 (Twenty Three)
何かが起こる
盤魔殿

The Number 23 Enigma
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【特報】鼠派演踏鑑Ω公演決定! 宮下省死廃庭舞踏会『夢屍庭(むしにわ)』5月18,19,25,26日 各日10名限定

2019年03月16日 02時17分30秒 | アート!アート!アート!


鼠派演踏鑑Ω公演
宮下省死廃庭舞踏会
『夢屍庭(むしにわ)』

構成・演出・振付・出演:宮下省死
音響操作・受付:夜羽エマ

2019年5月
18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)雨天順延
各日10名限定
開場:各日午後2時45分 / 開演:午後3時
場所:東京・池袋西口・鼠派演踏鑑Ωの庭
料金:予約・当日 2,500円

予約・問い合せ*3月15日(金)より予約受付開始
TEL 090-1213-9884 [宮下]



暗黒の
地下演踏の
震源地

宮下省死舞踏ソロ公演「捨て身」

宮下省死舞踏ソロ公演「捨て身」@明大前キッド・アイラック・アート・ホール 2014.5.30(fri)

鼠派演踏鑑Ω公演-舞踏シリーズ・百八の煩悩ソノ弐- 「人間・魔苦辺主」

鼠派演踏艦Ω公演・宮下省死「人間・魔苦辺主」@目白庭園内・赤鳥庵 2012.5.6 (sun)

鼠派演踏艦Ω公演-舞踏シリーズ・百八の煩悩ソノ壱-「瓦礫の森のリア」


鼠派演踏艦Ω公演-舞踏シリーズ・百八の煩悩ソノ壱-「瓦礫の森のリア」2

宮下省死「瓦礫の森のリア」@目白庭園内・赤鳥庵 2011.12.9 (fri)
怪奇暗黒演劇~鼠派演踏館

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【特報】ニューヨークの先鋭的アヴァンギャルド・ユニット『タリバム!(Talibam!)』ジャパン・ツアー決定!4月3日〜15日

2019年03月15日 08時42分32秒 | 素晴らしき変態音楽


ケヴィン・シェイ(ds)とマシュー・モッテル(key)により2003年にニューヨークで結成され、即興ジャズ/テクノ/電子音楽/パンクロック/ノイズとジャンルを超えた多面的な活動で異彩を放つ二人組『タリバム!(Talibam!)』の初来日ツアーが決定。日本の個性派ミュージシャンと共演/対バンを繰り広げる。グローバリズムが進む世界をリアルなコラボレーションで問い直す最前衛のサウンドを体験できるだろう。

Talibam! On Tour in Japan - April 2019!
https://www.facebook.com/events/637695883333266

2019年
4月3日(水)東京・東高円寺UFO CLUB https://www.ufoclub.jp
OPEN 19:00~/ START 19:30~
ADV.¥2500(D別) / DOOR.¥3000(D別)

【ALIEN OWL CAFE presents #1】
LIVE;(Matt Mottelのみ)ALIEN OWL CAFE(Matt Mottel[key/Talibam!]×和田晋侍[dr/DMBQ]×田畑満[gt/ex.AMT]) feat.石井モタコ[オシリペンペンズ]/PHEW/吉兼聡[gt/ZAZEN BOYS]×亀川千代[ba/ex.ゆらゆら帝国]×山本達久[dr]トリオ
https://www.facebook.com/events/308443406690132


4月5日(金)東京・幡ヶ谷forestlimit http://forestlimit.com/
Door/\1,500+1D
Open/19:30 / Start/20:30

TALIBAM! (from NY): Matthew Mottel & Kevin Shea
パーティーキラーズ!: 原田 仁 (ROVO) + suppa micro pamchopp + 原口 承悟 (Gaiamamoo)
https://www.facebook.com/events/596491504106038/


4月6日(土)宮城・仙台Gallery TURNAROUND http://turn-around.jp/
開場/開演:17:30/18:00
入場料:1,800円

Talibam! from New York
Koji Shibuya's Eternal Calamity
菊地良博 Yoshihiro Kikuchi
https://www.facebook.com/events/301955150468349/


4月7日(日)京都SOCRATES https://t.co/CxkbwEYfz2
open 18:00 start 18:30
charge 1500yen+1drink order

Talibam!(NY)+KみかるMico from No Neck Blues Band
どくおんき
Spazma
Kim woohae 
氧化銀


4月10日(水)大阪 難波ベアーズ http://namba-bears.main.jp/schedule/2019/4.html
Open 19:00 / Start 19:30
Adv. ¥2000 / Door ¥2500

和田晋侍[DMBQ,kyozin yueni dekai]/Talibam! [NY]
guest: GAIAMAMOO[Tokyo]


4月11日(木)東京・飯田橋Ftarri Record Shop http://www.ftarri.com/suidobashi/index-e.html
open 7:30 p.m., concert start 8:00 p.m.
Admission: 2,000 yen

・Talibam! (from New York)
・網守将平 + 畠中実 / Shohei Amimori + Minoru Hatanaka
・梅沢英樹+ 上村洋一 / Hideki Umezawa + Yoichi Kamimura


4月12日(金)本八幡cooljojo https://www.cooljojo.tokyo/
19:30開場/20:00開演
予約/当日ともに2,500円

マット・モッテル(Matthew Mottel)(synthesizer)
ケヴィン・シェイ(Kevin Shea)(ds, electronics)
今西紅雪(Kohsetsu Imanishi)(箏)
https://www.facebook.com/events/536416706761899/


4月13日(土)東京・阿佐ヶ谷Yellow Vision http://www.yellowvision.jp/

freezone dynamic audio
Yume duo
Talibam!


4月13日(土)
19.00
Osmotic Imagination: photography by Syeus Mottel, live performance by Talibam!
https://fuyumimurata.com/mumei-event_gmc


4月14日(日)東京・落合Soup http://ochiaisoup.com/
open 18:00
Adv. 1,500yen +1 drink / Door. 2,000yen +1 drink

『下落合の魔法学校』
act:
TAlibam! (U.S.)
Fuelphonic
AKBK
Natsumi Geeker
T.美川 & Joe Talia
The Fists of Danny Pike
DJ: Evil Penguin、dj Vinyl (CDR)
https://www.facebook.com/events/2335672749995985/


4月15日(月)東京・立川AA Company https://www.livehouse-tachikawa-aacompany.com/
Daytime
Talibam!:Matthew Mottel (Fender Rhodes, synthesizer) Kevin Shea (drums)
川島誠(as)

TALIBAM! @ Friends & Lovers NYC (March 8, 2014)


4月16日(火)東京・千住 東京藝術大学千住キャンパス
14:40 – 17:50
Talibam! Musicology lecture: ‘The Process and the Purpose’


●関連記事
TALIBAM! (タリバム!)〜NY即興シーン発、人力ミニマルテクノイズデュオの全世界瞬時警報システム。
JazzTokyo #1445『Talibam! / Endgame of the Anthropocene』『Talibam! / Hard Vibe』

ニューヨーク
尖った奴らが
やってくる

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【アート現場の地下音楽】灰野敬二@TPAM国際舞台芸術ミーティングin横浜/.es@ART in PARK HOTEL TOKYO 2019

2019年03月14日 00時09分10秒 | 素晴らしき変態音楽


アートとミュージックの関係は?
音楽は芸術のいちジャンルだから上位と下部の概念ヒエラルキーに譬えられる。一方で絵画や彫刻などの物体としてのアートと、時間軸の中の身体の動きや行為によるパフォーマンス・アートには歴然とした違いがある。さらにパフォーマンス・アートを構成するパフォーミング・アート(舞台芸術)とは、演劇、歌舞伎、ミュージカルなど、舞台や空間上で行われるアートを指し、ミュージカル・パフォーマンス(音楽演奏)もその中に含まれるが、演劇やミュージカルのストーリー性は、音楽演奏には必ずしも付随しない。音楽の目的は物語を提示することではなく、鑑賞者の内観に何かしらの印象・表象を喚起させることだと考えれば、寧ろ絵画や彫刻に近いのかもしれない。翻って考えれば、聴覚器官に与える負担は、会話やナレーションなど音声を聞く場合と、音響・音楽を聴取する場合とで大きく異なるに違いない。何故なら音声を言語として認識するには思考回路にインプットされた記憶の検証機能がオートマティックに適用されるが、ミュージックという理解を伴わないない聴覚信号を処理する為には、思考回路非連動型イメージ生成機能を活性化する必要がある。聴いたことのない音楽刺激を過度に受容した為に処理しきれずに聴取機能障害をきたすことも想定できる。

これらはあくまで個体の生物学的環境の症例だが、社会的側面から検証すると、アート全般が「芸術」として公的(もしくは権力的)視点から擁護される方向にあるのに比して、ミュージックは「芸能」と名付けられ、権威的アカデミズムから冷遇・排除・無視される傾向にある現実に直面せざるを得ない。「術」とは「技術 art; technique」であり、「能」とは「技能 skill; ability」であるとすれば、「芸術」と「芸能」は同列に扱われて然るべきであるが、現実は権威筋からハラスメントを受けるのが「芸能者」の常である。<能ある鷹は爪を隠す>の諺は、元々は容赦ない差別を回避する為の処世術として生まれたのかもしれない。

このように同じようでいて大きな溝のあるアートとミュージックの関係性を検証できる現場を2ヶ月連続で体験した。ミュージックの中でも特にエクストリームな「地下音楽」が「アート」の現場でどのように自己表現しどのように受容されたか、筆者なりの印象を綴ってみよう。

2019年2月17日(日) 神奈川 Kosha33(神奈川県住宅供給公社)/ 日本大通り(Kosha33前)
TPAM(ティーパム、国際舞台芸術ミーティング in 横浜) 公式サイト


15:00 第1部 / 16:00 第2部
上演時間 第1部 50分 / 第2部 60分
第1部 前売・当日 ¥2,000 / 第2部 ¥0

GE14:ファーミ・ファジール + 山下残
演出/出演(第1部):山下残
弁士(第2部):ファーミ・ファジール
ゲスト弁士(第2部):灰野敬二

TPAM 芸術見本市(Tokyo Performing Arts Meeting)による舞台芸術の国際交流イベント「国際舞台芸術ミーティング in 横浜」。2月9日〜17日の8日間横浜市内各地、およびフリンジイベントとして東京を含み100公演を超えるイベントやショーケースが開催された。それにも関わらず、筆者の周りの音楽ファン/関係者からTPAMの話題を耳にすることは皆無に近かった。それこそ音楽側からのアートへの無関心を示す証拠と言える。かく言う筆者も灰野敬二が出演しなかったら足を運ぶことはなかっただろう。



灰野が出演したのは振付家・演出家の山下残による「GE14」というイベント。初の政権交代をもたらしたマレーシアの総選挙の報告と国会議員の講演会に、灰野がゲストとして出演するという。灰野は一体何をするのか、そもそもこのイベントはアート/舞台芸術なのか?という疑問が頭の中を駆け巡る。第1部は屋内の会場で山下がビデオや写真でマレーシアの総選挙での経験を語る。当地では選挙運動はひとつのフェスティバル(お祭り)であり、候補者の演説がエンターテイメントを伴ったパフォーマンスであることが山下の実直な語りで明らかにされる。メディアでは知り得ない他国の草の根の政治状況は興味深く、我々部外者にとっては確かに非日常的なアート/舞台芸術になり得る。



第2部は公社の建物の前の公道を封鎖して設置されたマレーシア政党集会を模したテントでスピーチが行われた。国会議員に初当選した作家ファーミ・ファジールは、自分たちで世の中を変えることが出来る、という持論を雄弁に語る。マレーシア選挙の再現ではなく、彼が今ここで語るべき生の演説だった。続いて灰野敬二が登壇。70年代から常に日本の地下音楽の象徴として国内のみならず海外で高い人気を誇る異形のミュージシャン灰野は、サズでふたつの音を提示した上で、どうしても受け入れられない音の存在を鍵に自らの思想を落ち着いた口調で語る。歌詞やインタビューで耳にしたことのあるテーマもあれば、初めて聞く話もあるが、ある程度灰野の音楽を経験したことがあれば、一貫した自らのフィロソフィーを音楽や歌を伴わずオーラルに表現したことを理解できる。集まった聴衆の多くは初めて灰野を観たと思われるが、音楽抜きのミュージシャンの口承パフォーマンスを舞台芸術として十分に楽んだに違いない。




2019年3月8日(金)汐留 パークホテル東京, TOKYO
ART in PARK HOTEL TOKYO 2019  公式サイト


Opening Reception Performance
THE MUSIC - .es + Yukio Fujimoto
*藤本由紀夫のオルゴール関連作品によるパフォーマンス(招待客のみ)
出演:.es (ドットエス:橋本孝之&sara)

現代美術のホテル型アートフェア「ART in PARK HOTEL TOKYO 2019」(略称 AiPHT 2019 / アイファット2019)が、3月9日(土)・3月10日(日) [プレビュー 3月8日(金)]の日程で、国内外から総勢42ギャラリー(東京:15軒、東京以外:21軒、台湾:3軒、韓国:3軒)を集めて開催された。出展している大阪Gallery Nomartをベースに活動するコンテンポラリーミュージックユニット.es(ドットエス)がオープニング・レセプションに出演。彼らから招待を受け、現代アートの見本市という音楽関係者は殆どいないアウェー環境に乗り込んだ。



ホテルの客室をブースにして各ギャラリーが作品を展示・販売している。この日は招待者・プレス関係者のみのプレビューなので、セレブでファッショナブルな雰囲気の来場者が多い。Gallery Nomartの部屋には見覚えのあるサウンドアート作品やオルゴールギターが展示してある。当然ながら販売価格は6桁を超えるハイプライス。アート・コレクターになるためには、それ相応の収入や資産が必要なのだろう。昼食を抜いてレア盤を買うレコード・コレクターのような訳にはいかないかも。



レセプション・パーティで筆者と同じくメンバーに招待されたベーシストの内田静男と出会う。知った顔がひとりいた安心感。偶然に内田の飲み友達がアート雑誌の取材で来場していたり、知り合い同士が繋がっていたり、アートと地下音楽の意外なリンクの存在が明らかにされた。主催者の挨拶の中で紹介された協賛企業の顔ぶれにアート(芸術)への企業メセナの威力を実感する。ケータリング待機列の長さから判断するに、実はアート・コレクターもレコード・コレクターと同じ節約処世術を実践しているのかもしれない。



あちこちで歓談が盛り上がる中、.esの音楽パフォーマンスがアナウンスされる。.esは橋本孝之(alto sax, guitar, harmonica)とsara(piano, cajon, dance)の二人組。2009年の結成以来、即興ジャズ/現代音楽/ノイズ/電子音楽等あらゆるジャンルを縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放っている。今回はアーティスト藤本由紀夫の映像アートとのコラボレーション。機材トラブルやPAの不備があったが、saraのエレクトリックピアノ、橋本のハーモニカ、そしてオルゴールギターによる完全即興演奏は、来場者の関心と無関心が混在して歪んだ空間の位相をほんの少し清浄化するアンビエント・ミュージック(環境音楽)として成立していた。持ち前の激烈な自己表現を封印して、絵画や彫刻に近い抽象性と物体性を詳らかにするパフォーマンスだった。初めて彼らの生演奏を観た時に感じた「場を演奏する音楽ユニット」という印象は変わらない。


.es公式サイト

芸術は
爆発なのか
地下なのか

<注目!地下音楽ライヴ情報>
【灰野敬二出演】


3月20日(水、祝前日) 東京 東高円寺U.F.O club
西邑卓哲(FOXPILL CULT)生誕祭
「ポトラッチデッドvol.31」

開場19時 開演19時30分
前売2900円当日3300円
出演
■FOXPILL CULT+special guest
・Közi
・チャックP(ex:FOXPILL CULT)
・GURI(ex:FOXPILL CULT)
■灰野敬二
■虚飾集団廻天百眼
※会場内禁煙


【橋本孝之(.es)出演】


3月29日(金)東京・新大久保EARTHDOM
aka presents
ニューロックの夕べVol.2

OPEN 19:00 / START19:30
前売 1,800円 / 当日 2,100円 (別途ドリンク代 500円)
■グンジョーガクレヨン+橋本孝之(sax.etc)
 宮川篤(dr.) 組原正(g.vo) 前田隆(b.) 中尾勘二(管/etc)
■PAK+招魂舎痴明(Dance & Voice)
 長嶌BEM(sax.etc)川合AKA(Stick.etc)
■The Rocks
 大和田ゲンタ(g.vo) 北澤孝一(dr.) 末広芳夫(b.)
■aka-jam
 赤間哲彦 (b.) 中村清 (dr.) 小滝みつる (key.) ブラボー小松 (g.)
Dance : Rumi・Eva


【DJ Necronomicon×橋本孝之(.es)出演】


4月12日(fri)東京・幡ヶ谷フォレストリミット 
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.23
盤魔殿∵23∵(Disque Daemonium Silverstar Twenty Three)

19:00 Open/Start  
Charge ¥1,500 + 1drink  

Live:鬼籍 / Floating Brothers (バンギ・アブドゥル+小松成彰) / DJ Necronomicon+橋本孝之(.es)
DJ :DJ Vaby / DJ BEKATAROU / DJ Paimon 
ポエトリーリーディング:持田保 / フォトマティックショー:Qliphoth


【灰野敬二出演】


HAINO/FUJIKAKE/MoE/RASMUSSEN
4月15日(月)荻窪Club Doctor
open 19:00 start 19:30
Adv. 2500 yen / Door 3000 yen
e-plus https://eplus.jp/sf/detail/2912140001-P0030001P021001

Keiji Haino  灰野敬二
Masataka Fujikake 藤掛正隆
MoE (from Norway)
Mette Rasmussen (from Denmark)


コメント (2)
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【セットリスト+音源公開】魔ヲタDJイベント:ネクロ盤魔殿 Disque Daemonium d’Necronomidol Vol.1 #ネクロ魔 #necronomidol

2019年03月11日 02時29分22秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿番外編
ネクロ盤魔殿 Disque Daemonium d’Necronomidol Vol.1

2019.3.9(sat)
渋谷DJ BAR EdgeEnd
18:00 Open/Start  
Charge ¥1,000 incl.1drink

魔ヲタDJ's:DJ Necronomicon / DJ 憑琉陀ケ / DJ TKD / DJ Minoloux! / DJ LUNA / DJ META-cheeee / DJせまし / DJなまず and more

TIME TABLE
18:00-18:30・・・DJ LUNA
18:30-19:00・・・DJ Minoloux!
19:00-19:30・・・DJ なまず
19:30-20:00・・・DJ PX
20:00-20:30・・・DJ META-cheeee
20:30-21:00・・・DJ 憑琉陀ケ
21:00-21:30・・・DJ TKD
21:30-22:00・・・DJ Necronomicon
22:00-22:30・・・DJ せまし


●DJ LUNA a.k.a. Lunatic Dawn @mooncastlesun


「俺のテーマは『月のない夜』。漆黒の闇の中宇宙に想いを馳せるような、シンセウェーブとポストブラックメタルを選曲しました」

1. Violet Cold - Contact
2. Skyharbor - Evolution
3. Astronoid - I Dream in Lines
4. Abstract Void - Back to Reality
5. Dan Terminus - Cherenkov Blue Overdriver
6. NECRONOMIDOL - In Black
7. Regal - Fenix (Amelie Lens Remix)
8. Myrkur - Må Du Brænde I Helvede


●DJ Minoloux! a.k.a. Mᵢₙₒₗₒᵤₓ! @iwamino


「沢山のご来場いただいたお客様、ありがとうございました。出演のDJ達おつかれさまでした。こんな趣味バラバラのDJ達を繋いでくれたネクロ魔に感謝します。」

01. FAUST / KRAUTROCK
02. GURU GURU / BO DIDDLEY
03. AMON DÜÜL II / DEUTSCH NEPAL
04. SPACEBOX / SING SUNG SONG
05. NEU! / Super
06. Klaus Schulze / SATZ GEWITTER
07. HAMIDASYSTEM / 水槽標本
08. NECRONOMIDOL / 'UMR AT-TAWIL
09. CAN / I WANT MORE
10. Ashra / 77 SLIGHTLY DELAYED


●DJなまず a.k.a. な? @satyriconcon


「ディスコ、AOR、ソウル、ニューウェーブな選曲。ブラックミュージックをかけようと思っていたけど、大好きなルー・リード先生は外せないな、と、流れに合わせ先生の黒歴史的なディスコ曲を追加。で、影響関係でストロークスのディスコ曲も。ルーなら、嫁のローリー・アンダーソン(ジュラシック5のリミックス)も絡めたら、偶然ケイルの誕生日だった」

1.saada bonaire「You Could Be More as You Are 」
2.Human League 「Love Action (I Believe In Love) 」
3.The Strokes 「tap out」
4.Lou Reed「No money down 」
5.間宮貴子「Love Trip」
6.Ray Parker Jr. And Raydio 「A Woman Needs Love(Just Like You Do)」
7.Sa -Ra Creative Partners「So. Special」
8. 西恵利香「Palette」
9.The Notions「Super people」
10.Eugene McDaniels 「Freedom Death Dance 」
11.Delta 5 「Singing the Praises」
12.Essential Logic「Music Is A Better Noise」
13.ネクロノマイドル「TAMAM SHUD」
14.Cut Chemist & Nu-Mark「Live At The Variety Arts Center」


●DJ PX a.k.a. japonica x @japanipoika


「当方こんな感じになりました。半分アメリカですね…ちなみにHalloweenは極初期ネクロ魔ちゃんがカヴァー🤔したことあり、Astro Zombiesはいつだかのネクロ魔ワンマンでアンコールまで全て終わったフロアで最初に流れた曲ってのでリッキーさんに捧ぐつもりでかけました」

1. GG ALLIN / Gimme Some Head
2. Urban Bandits / Manila Girl
3. Secret Prostitutes / Gadis Materialistik
4. Jack Tragic and The Unfortunates / I Kill Hippies
5. Misfits / Halloween
6. Strebers / Betongbarn
7. X(LA) / Soul Kitchen
8. Punk Lurex OK / Jorman Kanssa Kaljalla
9. Les Calamités / Toutes Les Nuits
10. Necronomidol / Nyx
11. Bad Omen / Manila Belongs To Me
12. Misfits / Astro Zombies


●DJ META-cheeee a.k.a. ちーめた @TWty78t



「初めてのDJはNWOBHM縛りでした。ネクロ魔の曲みたいーとの声も」

1. NECRONOMIDOL / Ithaqua
2. Helloween / I Want Out
3. Praying Mantis / Children Of The Earth
4. Saxon / Frozen Rainbow
5. White Spirit / High Upon High
6. NECRONOMIDOL / LAMINA MALEDICTUM KARAOKE
7. Angel Witch / Angel Witch
8. Enforcer / From Beyond




●DJ 憑琉陀ケ a.k.a. Keiichi Tsuruta ☬ 憑琉陀ケ @tsurutak


「瑳里ちゃんとノイズへの愛を盛り盛りでー。あと隠し味にイタリアンホラーを。1曲しばりのネクロ魔曲はpsychopompを選びました。」

1. Richard Ramirez, Emerson Murray, Matt Widener / Scream For Your Killer Theme
2. Am Not / Extremophilia II
3. The New Blockaders / Live At Morden Tower 12th Oct. 1983
4. NDE / II (United Through Iron And Blood - Track2)
5. Hastings Of Malawi / Untitled (Visceral Underskinnings - SideA)
6. 瑳里 / 瑳里様の宅録ノイズ
7. Trou Aux Rats / Amour Et Sepulcre, Pt. 1
8. NECRONOMIDOL / psychopomp (VOIDHYMN版)
9. Encephalophonic / Crazy
10. Slap Happy Humphrey / Tatoeba Bokuga Shindara
11. さり×りさ / すべて仄かに
12. Veprisuicida / Untitled (Vaginacentrism - Track1)
13. Bring Down The Sky / Miranda Sex Garden




●DJ TKD a.k.a. TKD @dj_tkd


「僕も参加したこくまろ君のアクビオタクDJイベントも盛り上がってますが、それのネクロ魔版といえば分かりやすいかも。さらにドミューンでも活躍した盤魔殿のコラボなので怪しい地下音楽ムードも漂ってます。」

1. Tom Morello Feat. Knife Party/Battle Sirens
2. Gojira/Stranded
3. Pantera/Walk
4. Halestorm/Skulls
5. Ministry/N.W.O.
6. The Prodigy/Firestarter
7. NECRONOMIDOL/4.7L (TKD ACID MIX)


●DJ Necronomicon a.k.a. ひろミサ✰剛田武 @mirokristel


「80年代日本のパンクをトリビュートするセットリスト。パンクスピリットは現代地下アイドルに受け継がれていますね」

1. バトルロッカーズ / セルナンバー8(第8病棟)
2. THE ROOSTERS / 恋をしようよ
3. THE STAR CLUB / THE PUNK
4. LAUGHIN' NOSE / Get The Glory
5. JAPAN-狂撃-SPECIAL / カミカゼ・ロード
6. 爆裂女子 / ナンシー
7. ロリータ18号 / 忍耐
8. THE STALIN / ロマンチスト -Naked Ver.-
9. ばちかぶり / 未成年
10. アナーキー / 東京イズバーニング -Live 1994-
11. NECRONOMIDOL / SKULLS IN THE STARS -VOIDHYMN Ver.-




●DJせまし a.k.a. ひろし/せまし @rocknroll_saiko


「久々のDJは超楽しかったので、雑感などnoteに書きました。自分がかけた曲のYouTubeリンクもあるので、興味あったらぜひ。普段ニット帽を被らない私が暑いのを我慢して被っていた理由も最後に書いてありますw⇒https://note.mu/teenageriot/n/n6ad37b6efa31

<アーティスト名|曲名|収録アルバム・シングル名>
1. Fishmans (mash-up)
・LONG SEASON[live]|'98.12.28男達の別れ
・Oh! Crime[DUB]|analog「Oh! Mountain」
2. Fishmans|なんてったの (HAKASE mix) (Unreleased Outtake 1992)|空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ
3. The Astronettes|I am Divine|The Astronettes Sessions
4. Coati Mundi|Que Pasa/Me No Pop I|Me No Pop I[12’ single]〜
5. Sean Smith & MC Edits|K-Pasa|Dradons Phenix[12’ single]
6. Georgia Anne Muldrow|Bobbie's Dittie|Overload
7. Silent Poets|To Come...|To Come...
8. NECRONOMIDOL|Psychopomp|From Chaos Born - EP
9. Sergio Mendes & Brazil ‘66|Pais Tropical|Pais Tropical
<後説BGM>
・CAN|Cascade Waltz(recorded at London - Sound Circus 23/3/1977)|BOX




音源DLリンク(GigaFileページ下部のダウンロード開始をクリックでDL出来ます。DL期限: 2019/4/9)
Part1: DJ LUNA〜DJ Minoloux!〜DJ なまず〜DJ PX〜DJ META-cheeee

DL LINK-1

Part2: DJ 憑琉陀ケ〜DJ TKD〜DJ Necronomicon〜DJ せまし

DL LINK-2

ネクロ魔の
世界の入口
盤魔殿



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【地下アイドルDisc Review】爆裂女子/NECRONOMIDOL×ネムレス/めろん畑 a go go/LiLii Kaona

2019年03月08日 01時43分28秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界




【地下アイドルへの招待】第16回:地下アイドル最新ディスク・レビュー〜めろん畑 a go go/LiLii Kaona/爆裂女子/NECRONOMIDOL×ネムレス
DJ Necronomicon ネクロノミコン(aka 剛田武)


●爆裂女子『ナンシー/ライアー』


最強で最狂、セルフプロデュース・パンクロックアイドル爆裂女子-BURSTGIRL-の2ndシングル。タワーレコード梅田NU茶屋町店と新宿店にて限定リリースされた。セックス・ピストルズのベーシスト,シド・ヴィシャスと恋人のナンシー・スパンゲンのパンクライフを描いた映画『シド&ナンシー』をテーマをした『ナンシー』はストレートな疾走パンクナンバーだが、ライヴではキラキラポップな振付けで萌えキュン要素全開のキラーチューン。カップリングの『ライアー』はダウナーなヘヴィロックで、世間の同調圧力への対抗心を掻き立てるプロテストソング。愛と怒り、ロマンティックとサディスティック、萌えと燃え、爆裂「女子」ならではの二面性を兼ね備えた作風を<最狂最悪のラブソング>という帯のキャッチコピーが見事に言い表している。

爆裂女子-BURST GIRL-/ナンシー【OFFICIAL MUSIC VIDEO】



●NECRONOMIDOL × NEMLESS『boundless wounds』


暗黒系アイドルユニット、ネクロ魔ことネクロノマイドルとネムレスことうてなゆき(通称うてにゃん)のコラボシングル。どちらも2014年春に活動開始(当時うてにゃんは細胞彼女名義)した同期であり公私ともに仲のよい両者が初コラボし2018年クリスマスにリリースされた。瑳里と夜露ひな在籍時の最後のレコーディング作品でもある。コラボ曲「boundless wounds」はメタリカ風のスラッシュナンバーだが、ネクロ魔・ネムレスの特徴であるクリスタルなヴォーカルが謎めいた北欧神話の世界に誘う幽玄なメタル曲。カップリングはお互いの曲をカバー。ネクロ魔による「Na stalgic」は薄明の邪神ゲームミュージックと化し、ネムレスの「psychopomp」はこの難曲をひとりで歌い尽くすうてにゃんの情念が眩しい狂躁の演歌に生まれ変わった。

Necronomidol X Nemlesss @Earthdom // Tokyo / 23 December 2018



●めろん畑 a go go『IKASUZE IDOL 1,2,3!!』


ロカビリー/サイコビリーをテーマにしたアイドルグループのメジャーデビューアルバム。50/60年代のB級ホラー映画のサントラを思わせる胡散臭いロック・ナンバー満載のサウンドは、キッチュなパロディ性を備え、戯画化されたSFワールドを描き出す。全編駆け抜けるディストーションギターとハンマービートは、ノイエドイチェヴェレのLost Gringosが80年代に描いたクラウト化されたニッポン・サンバに21世紀の精神異常ジャポニズムを注入し、フリンジの更にフリンジに位置させる、螺旋形のエイリアネイションである。アイマスクをしたメンバー写真に萌える向きには「SICK IDOL」、夜な夜な襲い来る吸血鬼の夢から身を守りたい方には「HORROR BILLY NIGHT」、ジュリアーノ・ジェンマに憧れた黒歴史のある方には「荒野のアイドル」をお勧めしたい。

めろん畑a go go『SICK IDOLS』MV



●LiLii Kaona『秘密の森+utanoha』


オーガニカ(=オーガニック・エレクトロニカ)を標榜する二人組ユニット「リリーカオナ」の2作のシングルをカップリングした1stミニアルバム。ウィンダムヒルのニューエイジ・ミュージックを思わせるリリカルなピアノ空間に電子音が浮遊するインスト曲から始まる。“アルファ波”“1/fゆらぎ”“癒し”といったフレーズが頭を過るが、2曲目の伸びやかなヴォーカルが始まると萌えの感情が一気に高まり、後半「オトダマ」の前衛ピアノに癒しの真逆の劣情を覚えるかもしれない。決して少女性を売りにする声ではなく、むしろ欲情を抑制する強い意思を感じるが、無表情の後ろに潜んだ燃える魂を幻視することは難しくはない。森の中に佇む二人の少女の視線の先にあるものに思いを馳せてみよう。精霊のメロディが暗闇に溶けていくをの感じるに違いない。

【MV】LiLii Kaona (リリイカオナ)「雨音」


地下からの
愛怒流ソング
胸を撃つ

【タイムテーブル公開!いよいよ3月9日(土)開催】


盤魔殿番外編
ネクロ盤魔殿 Disque Daemonium d’Necronomidol Vol.1

2019.3.9(sat)
渋谷DJ BAR EdgeEnd
http://www.edgeend.com/
18:00 Open/Start  
Charge ¥1,000 incl.1drink

魔ヲタDJ's:DJ Necronomicon / DJ 憑琉陀ケ / DJ TKD / DJ Minoloux! / DJ LUNA / DJ META-cheeee / DJせまし / DJなまず / DJ PX and more

暗黒系アイドル、ネクロ魔ことネクロノマイドルのヲタク(魔ヲタ)が盤魔殿にお邪魔してDJを繰り広げます。ネクロ魔楽曲はひとり1曲まで(かけなくても可)。メタル/パンク/100円フォーク/クラウトロック/ノイズ/レアグルーヴ/ニューウェーブなど音楽性の宝庫と言われる魔ヲタならではの、異端DJイベントになること間違いなし!!!!!

TIMETABLE
18:00-18:30・・・DJ LUNA
18:30-19:00・・・DJ Minoloux!
19:00-19:30・・・DJ なまず
19:30-20:00・・・DJ PX
20:00-20:30・・・DJ META-cheeee
20:30-21:00・・・DJ 憑琉陀ケ
21:00-21:30・・・DJ TKD
21:30-22:00・・・DJ Necronomicon
22:00-22:30・・・DJ せまし


詳細⇒【3/9開催 盤魔殿番外編】ネクロ盤魔殿 Disque Daemonium d’Necronomidol〜DJ紹介&聴きどころ
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【地下ジャズDisc Review】レント・ロムス・ライフス・ブラッド・アンサンブル&ヴィニー・ゴリア / サイド・スリー:ニュー・ワーク

2019年03月07日 08時37分48秒 | 素晴らしき変態音楽


Rent Romus' Life's Blood Ensemble with Vinny Golia / side three: New Work
CD/DL : Edgetone Records EDT4202

http://www.edgetonerecords.com/catalog/4202.html
https://edgetonerecords.bandcamp.com/album/side-three-new-work

Timothy Orr, drums, percussion
Safa Shokrai, double bass
Max Judelson, double bass
Mark Clifford, vibraphone
Rent Romus, alto saxophone
Heikki "Mike" Koskinen, e-trumpet
Joshua Marshall, tenor & soprano saxophone
featuring special guest Vinny Golia, baritone & sopranino saxophones, alto flute

1.The Humming of Trees
2.Cosmovision
3.Area 52
4.Three Rites of Recombinance, Movement I - Fred Moten
5.Three Rites of Recombinance, Movement II - Jamie Delano
6.Three Rites of Recombinance, Movement III - A.A. Attanasio
7.Downbeat for the Forgotten

Recorded: May 12, 2018 by John Finkbiener at New, Improved Recording Oakland California
Cover art: “Three” ink on canvas by Collette McCaslin
Photo: Ryan Pate
Special thanks to Suki O’Kane

伝統主義と前衛思想と奇妙イズムの三面体

2018年5月カリフォルニア州アルバニーのIvy Roomでドラマー/パーカッション奏者のSuki O’Kaneのキュレーションによるレジデンシー公演が開催された。その最後のライヴがレント・ロムスのライフス・ブラッド・アンサンブルにゲストとしてマルチ木管奏者のヴィニー・ゴリアを迎えた『三面:新作品』と題されたこのアルバムになった。60年代末~70年代の映画や市民権運動、映像ポエトリー、サイエンス・フィクションなど様々なものにインスパイアされたオリジナル楽曲が折衷的にクロスするこの録音にふさわしいタイトルである。

ヴィニー・ゴリアは1946年3月1日ニューヨーク・ブロンクス生まれ。作曲家として映画音楽を中心に活躍する一方、マルチ木管楽器奏者としてアヴァンギャルド・ジャズ・シーンで活動している。その活動は1982年に結成したヴィニー・ゴリア・ラージ・アンサンブルから、様々な混在五重奏曲、サックス四重奏団、デュオ、セクステット、そしてジャズとクラシックのオーケストラのアレンジまで幅広い。1977年に自分のレーベルNine Windsを設立し、自分のプロジェクトを中心にリリースしている。

近年はロサンゼルスのフリー・ミュージック・シーンのミュージシャンからなるヴィニー・ゴリア・セクステットVinny Golia(woodwinds)、Gavin Templeton(アルトサックス)、Daniel Rosenboom(トランペット)、Alexander Noice(ギター)、Andrew Lessman(ドラム)、Jon Armstrong(ベース)を率いて、サンフランシスコのOutsound New Music Summitやニューヨークのストーン等で活動している。

2010年10月にサンフランシスコのミュージシャンズ・ユニオン・ホールでレント・ロムス率いるローズ・オブ・アウトランドとヴィニー・ゴリアが共演した。その模様は2011年にEdgetoneレコードからRent Romus' Lords of Outland w/ Vinny Golia名義で『Edge Of Dark』としてリリースされた。ロムスのアルト、フルートに、CJ Borosqueのトランペットとエレクトロニクス、そこにゴリアのソプラノが絡むアンサンブルは、フリー・インプロヴィゼーションではあるが、イディオムの解体に執着することなく、音と音が呼吸を重寝るような、協調した自由旋律の遊び場であった。

フリー・インプロヴィゼーションを主眼とするローズ・オブ・アウトランドに比べ、オーソドックスなフォルムのコンポジションも演奏するライフス・ブラッド・アンサンブルは、作曲家でもあるゴリアにとってより親和性のある環境と言えるかもしれない。

冒頭の「The Humming of Trees(木々のハミング)」のロムスのアルト、ジョシュア・マーシャルのテナー、ヘイッキ・コスキネンのE-トランペットにゴリアのバリトンが加わった四管アンサンブルによる厚みのあるテーマは、モード・ジャズの伝統を引き継ぐオーセンティックな響きがある。

もちろん正統主義に留まらないのが「Weirdness(奇異さ)」を座右の銘とするロムスたち異端主義者の生命の血筋(Life’s Blood)である。前作『Rogue Star』で宇宙空間を拡張する効果を発揮したマーク・クリフォードの ヴィブラフォンの端正な響きに導かれて管楽器と二本のベースが淡々とソロを紡ぐ「Cosmovision(宇宙世界観)」、ロムスのラリって足元が覚束ないフレージングが渦巻く「Area 52(地域52)」は、サン・ラと彼の銀河研究団の『太陽中心世界』や『世紀の終焉』を進化させる逸脱スウィング・ジャズ。

「Three Rites of Recombinance(組換えの三つの儀式)」と題された三楽章のミニ組曲では、フレッド・モートン(黒人詩人)、ジェイミー・ディラーノ(イギリスの作家、アメリカン・コミックスHellblazerの原作者)、A・A・アタナシオ(米作家)の三人の文学者にインスパイアされた物語/映像/音響の三つの断章が提示され、アルバム・タイトルの『三面』性をミニマルな視点で再構築する。

追尾を飾る「Downbeat for the Forgotten(忘れられたものへのダウンビート)」では、ダウナーなファンクリズムに合わせて享楽的な管楽器のソロがあたかもドルフィーとコルトレーンとマリガンとマイルスの四頭コンボのようにくんずほぐれつの叫喚模様を描き出す。而して下品な技の張り合いにならないのは、コンポジションを形而上に置いた血の誓い故であろう。

70年代から続くアメリカ音楽の前衛性を継承するロムスたちの奇妙な音楽は、映画音楽を得意とするゴリアの才能との組換えにより、新たなる第三面へと発芽したのである。

西海岸
地下ジャズ進化
三面記事

Vinny Golia Large Ensemble 9-17-16 Finnish Kaleva Hall

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