A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

幻惑の果てに広がる風景~BO NINGEN「Line The Wall」

2012年10月31日 00時24分07秒 | 素晴らしき変態音楽


BO NINGENのことを知ったのは「ノーディスク・ミュージックガイド~iTunes Music Storeですぐ聞ける1000曲案内」「NYLON100% 80年代渋谷発ポップカルチャーの源流」などの著作で知られるサブカル研究家ばるぼらさんのツイートがきっかけだった。ロンドン在住の日本人サイケデリック・ロック・バンドの来日という情報に興味を惹かれ、対バンがメルツバウとルインズ・アローンだったのもその気にさせた。しかし彼らについての情報は少なく、当日まで行くかどうか迷っていた。ばるぼらさんに「迷っている」とツイートしたら「生で観る貴重なチャンスを逃さないで」との返事だったので意を決して雨の中UFO CLUBへ向かったと記憶している。「Style Band Tokyo+BO NINGEN presents Far East Electric Psychedelic」というイベントで会場は満員。ガガキライズ、ルインズ・アローンに続いてBO NINGENが登場。全員腰までの長髪のヒッピー・ファッションでかなり雰囲気がある。驚いたのはその演奏。90年代関西サイケ界の帝王サバート・ブレイズを彷彿させるヘヴィ・ロックにぶっ飛んだ。その場でデビュー・アルバム「BO NINGEN」を入手。イギリスのStolen RecordingsリリースのCDには日本向けに歌詞カードが付いていて、新人とは思えない堂々としたサウンドに再度衝撃を受けた。

以来3度の来日ツアーに通い、観る度に濃度を増して行く幻惑的な世界に陶酔した。2011年度最大の衝撃と言って間違いない。灰野さんとも2度対バンし共通する世界観を描き出した。灰野さんのロンドン公演に世話人として同行したエピソードにも親しみを感じた。ヴォーカル兼ベースのTaigen Kawabe氏はこのブログを読んでくれてツイートをくれ、今年1月の来日時に直に会って話したが実に礼儀正しい好青年だった。この夏の来日時には曲名の決まっていない新曲を何曲か披露し新作への期待が高まった。

10月半ば1年半ぶりの2ndアルバム「Line The Wall」がリリースされた。同時にイギリス/ヨーロッパのメディアでは高く評価されセンセーションを巻き起こしている。amazonにオーダーしたら品切れ続きで、リリースから2週間経ってやっと届いた。ギターのKohhei Matsuda氏デザインの羽模様のジャケットに包まれた羽模様のCD盤をプレイヤーにセットしヘッドホンの音量を上げる。飛び出した1曲目「Soko(そこ)」の骨太のビートと左右で自由気ままに飛び回るギターに聴覚が喜びの叫びを上げる。クラウトロック風のハンマービートが心臓の鼓動と同期する。2曲目は1月のツアー時に出た来日記念EP収録の「Henkan(変換)」。やはりビートが強調され四つ打のバスドラはテクノを思わせるダンス風味を感じさせる。彼らは来日の度に物販用に「MG」シリーズCDRを持って来るのだが、その内容は自らの曲をメンバー4人がそれぞれリミックスしたもので、彼らのダンスビートやクラブミュージックへの関心の高さを示している。ヘヴィに這いずり回るだけではなくアッパーに踊れるサイケデリック・トランス。Taigen氏のハイトーンでパラノイアックなヴォーカルが聴き手をトンネル天国ならぬサイケデリック・ヘヴンへと誘う。

どの曲も秀逸で甲乙付け難いが、個人的には「Henkan(変換)」、2つのパートに分かれたスーパーヘヴィな「Daikaisei(大快晴)」、異国に住む彼らの心情が描かれた歌詞が印象的な「Nichijyou(日常)」、壮大なアンビエント・ナンバー「Ten To Sen(点と線)」が特に印象に残った。特筆すべきは日本人離れしたサウンド・プロダクションと演奏力の凄まじさである。太文字の「ROCK」をそのまま真空パックしたアルバム。ブルー・チアーやMC5のデビュー作と同じく、録音がいいとか演奏が上手いといった次元を超えた正真正銘の"生の"ROCKアルバムなのである。

メンバーが読んでいるかもしれないので書くのが恥ずかしいが、仕事中iPodで聴いていたら突然涙が溢れ出て来た。異国で頑張る彼らへの想いでも、童謡風ノスタルジアのある旋律のせいでもない。そもそも激しいビートとトリップしまくるギターは決して感傷を誘うものではない。ただこのサウンドの素晴らしさに素直に感動した涙である。音楽を聴いて涙を流すなんていつ以来だろう。BO NINGENのサウンドが私の琴線に触れた。



注)何度聴いてもまだまだ聴き足りない中毒性の高い世界にご注意のこと。

壁に線
描けと言った
棒人間

現在問い合わせ中だが本作の日本盤が発売されるかどうかは定かではない。もしリリースされるなら1st同様日本だけの特別仕様に違いない。そしたらまた買ってしまうだろう。

BO NINGENの来日ツアーが予定されている。詳細を待て。

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OUTRAGE@目黒 鹿鳴館 2012.10.27 (sat)

2012年10月30日 01時07分30秒 | ロッケンロール万歳!


Live At The Rock May Kan ~King Of Garage Metal Returns~

ちょうど5年前2007年9月に川崎クラブチッタでデビュー25周年記念ライヴを観た名古屋のヘヴィメタル・バンド、アウトレイジが25周年記念ライヴを行った。しかも目黒鹿鳴館というメタルの聖地に20数年ぶりに出演。デビュー当時、まさにガレージバンドのノリでまだ珍しかったスラッシュ・メタルをがむしゃらに奏でていた頃の初心に還り四半世紀の活動の総決算をするという意図。前日にさいたまスーパーアリーナで開催されたLOUDPARK12に出演し15000人の観客の前で演奏したバンドがキャパ350人のライヴハウスに出演するのだから当然チケットは即日ソールドアウト。大物バンドが小さなクラブでシークレット・ギグをやる感覚である。「ガレージ・メタルの王者」とは言い得て妙。


権之助坂を通るたびに「まだ鹿鳴館はやってるかな」と気にとめていたが、ココでライヴを観るのは20数年ぶり。というかアウトレイジを観るために通っていたので、彼らと全く同じである。入口にはアルバム・ジャケットを年代順に並べた大きなパネルが設置してある。階段を地下へ降りると20年前と全く同じ馴染みある光景が広がり感動する。HPには"新装オープン"と書いてあるが、以前あった椅子席を撤去し内壁をペイントし直しただけでこの会場ならではの独特の雰囲気は変わっていない。20年前もいつも満員だったが、この日は肝入りのアウトレイジ・ファンが集結しており開演前からむせ返るような熱気が渦巻いている。大半がアウトレイジのTシャツを着ているが面白いのがそれぞれデザインが違っていることである。長い歴史を誇るバンドだから物販Tシャツにも歴史ありである。筋金入りの年配ファンもいるが予想以上に若いファン、しかも女性客が目につく。浮き沈みがありつつも現役で活動し続けてきたことの証である。

開演時間が近づくと客席から自然にアウトレイジ・コールが沸き起こる。客電が落ちるとステージ前のカーテンにアルバム・ジャケットの映像が投射されそれぞれの収録曲が流れる。曲に合わせて掛け声が上がり、拳が突き上げられる。スペシャルな夜の始まりだ。カーテンが上がると神々しい4人の姿。ギターの阿部氏がスリムになっていて驚く。"ウオーッ"という大歓声に迎えられて2ndアルバムのタイトル曲「ブラインド・トゥ・リアリティ」からスタート。ひたすら過激でへヴィなサウンドという印象だったが、改めて聴くと練り上げた複雑な構成としっかりしたメロディの曲ばかりなのに気づく。どの曲にも掛け声やシンガロングしやすい部分があり、否応にもオーディエンスの興奮を高めるように出来ている。客席はモッシュの嵐で人間サーフィンも連発。キレイで華奢な女の子が躊躇いなく男性客の頭の上に飛び乗るのが面白い。構成が複雑なので必然的に長尺曲が多い。「今日はタップリやるから楽しんでね」とドラムの丹下氏がMC。その通り最初期の曲から「始めて俺達らしい歌詞が書けた」とヴォーカルの橋本氏が語った新曲、さらに大好きなラモーンズ「電撃バップ」のカヴァーまでこれ以上ない名曲のオンパレード。90年代後半に橋本氏が脱退し3人で活動していた時期があった。その頃の曲も「俺らの大切な曲だから」と演奏。ベースの安井氏がヴォーカルを取る。昔から安井氏はハードコアやドゥーム系やグラインド系が好きだったので王道のスラッシュ・メタルというより叩きつけるようなパンク・ナンバーでこれまたカッコいい。

90分ほど経過したところで橋本氏が「初老に入った方に悲しいお知らせがあります。実はまだ半分しか終わっていません」とMC。観客が大歓声で迎え撃つ。演奏する側も40代半ばなので20年前に比べれてかなりキツイはず。しかも全曲全力疾走のエネルギーの塊だから普通のロック・バンドのようにバラードでひと休みという訳にはいかない。演る側も観る側も真剣勝負の密度の高い濃厚な空間である。本編のラスト3曲は彼らの最初の海外レコーディングであり初期の最高傑作「ザ・ファイナル・デイ」収録曲で締め。個人的にも思い入れの深いアルバムだから大興奮。本編2時間。


しかしこれで終わる訳がない。アウトレイジ・コールの鳴り止まぬ中、バックドロップが1987年の自主制作デビュー・ミニ・アルバム「OUTRAGE」のロゴに変わる。アンコールはミニ・アルバム収録の4曲を演奏。25年前から恐ろしく完成度の高い楽曲を作っていたことに驚愕する。メタルばかりじゃなく日本のロック界の別格的存在であることを実感。2度目のアンコールも披露して計25曲2時間45分に亘るロング・セットにバンドも観客も燃え尽きた。去り際に橋本氏が「またやろうな!」とひと言。そう、これはアウトレイジの最初の25年の節目に過ぎない。噂によれば来年メジャー・レーベルから新作をリリースするらしいし、再び世界を股にかけたスケールの大きな活躍を期待したい。






胸をはれ
名前の通り
無法者

90年代に鹿鳴館でよく対バンしていたUnitedも現役で活動しているし「ガレージ・メタル」の再来に祝杯を挙げよう!
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ポール・ウェラー@Zepp DiverCity Tokyo 2012.10.27 (sat)

2012年10月29日 02時19分15秒 | ロッケンロール万歳!


11作目の最新アルバム「ソニック・キックス」で持ち前のロック&ソウル魂にクラウトロックを加えたニューウェイヴ的サウンドを展開したポール・ウェラー兄貴の3年ぶりの来日公演。ジャム時代から日本贔屓の兄貴は来日公演は15回を超える。私が前回観たのは90年代だから10数年ぶりのご対面である。

Zepp DiverCityはZepp東京が改名したのかと思っていたら、今年4月にオープンしたばかりの商業施設ダイバーシティ東京プラザの地下に出来た真新しいホールだった。キャパは約2500人。Zepp東京と似た作りだが、より広く開放的で気持ちがいい。ポール兄貴のツアーは東京3日間、大阪、名古屋の5公演でこの日が最終公演。土曜日なので真っ先にソールドアウトになった。



海外ではオアシスのギャラガー兄弟を始め若手バンドをゲストにツアーをしており、ジャパン・ツアーでもthe HIATUS、OKAMOTO'S、The Birthdayなど日本のバンドがゲスト出演。この日はくるりがゲスト。会場を埋める比較的年齢の高い客層にはピンと来ないかもしれないが、ヴォーカル&ギターの岸田繁氏をリーダーに1995年に結成され若者から大きな支持を集める京都出身のバンドである。渋谷系とブリットポップとエレクトロを混ぜ合わせたサウンドはUKロック・ファンに高く評価されている。ライヴを観るのは初めてだがCDは聴いていて当時スピッツ、ホフディラン、サニーデイサービスに次いで気になる存在だった。メンバーチェンジが激しいバンドで、現在はドラムレスの4人組。ライヴではヘルプのドラマーが参加。トランペットとエレクトリック・チェロを取り入れているのが面白い。ELOの様なポップなメロディ、室内楽風のアンサンブル、タイトなギターロックとバラエティのある演奏。観客も温かく迎えて30分という短いステージだったが、オープニングに相応しかった。「美容院でポール・ウェラーの写真を見せて『こんな風にして下さい』と言うと、いつも全然違う髪型に仕上がった」と岸田氏がMC。私も同じ経験があるので微笑ましくなった。



30分間の休憩とアナウンスがあり、ずいぶん長いな、と思ったらトラブルで天井の照明を下ろして交換していた。交換が終わり直った照明が光ると会場から歓声があがる。

いよいよポール兄貴の登場。ブルーのシャツにエピフォンのギター。相変わらず細身でカッコいい。タイトなロケンローを連発。新作の曲もジャムやスタイル・カウンシルも含む昔の曲も全く同じように魂を込めて歌う姿は、額に青筋を立ててジャンプしまくっていたデビュー当時のジャム時代と変わらないテンション。兄貴は年を経てもオヤジではなくアニキのままだぜ! スタイル・カウンシル時代はオシャレ路線で軟派になったと思い離れていたが、今回演奏された「コスト・オブ・ラヴィング」「マイ・エヴァー・チェンジング・ムード」を聴くとソロになってからの曲と変わらぬソウルフルR&Rで、モッズ魂が貫かれていたことを実感する。ギターをSGに持ち替えシャウトする姿は30年前以上に円熟した味があり憧れてしまう。エレピを弾く曲には特にモータウン・ソウルの影響が濃い。2度のアンコールを含め2時間超えの力演。ジャム時代血気盛んな頃イギリスの音楽紙で憧れのピート・タウンゼンドと対談し「同じ曲(マイ・ジェネレーション)を10年以上演奏し続けてるなんて信じられないよ」と噛み付いていたポールだが、その頃のピートの年齢を過ぎてもパンク精神を失わず現役で歌い続けているのは素晴らしい。



オープニングを含めて3時間スタンディングのライヴ、客層的には辛い世代も多かっただろうが、ぎゅう詰めになって階段を登る観客の顔はみんな満足感で輝いていた。出口ではフライヤーの配布はなし。先日の八八のクアトロでもなかったし、プロモーターはフライヤーを配らないのが流行なのだろうか?確かに大量のゴミが散らかることを考えればコスト削減にはなる。


お台場に
溢れるかつての
モッズ少年たち

ポール兄貴は12月下旬にヨーロッパ・ツアーを行う。

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ファンシーナムナム レコ発@東高円寺 UFO CLUB 2012.10.26 (fri)

2012年10月28日 02時24分09秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


[fancynumnum second album「no now」release party!!!!!]
ファンシーナムナム, BUDDY GIRL and MECHANIC, Fat Fox Fanclub, フリーダム(名古屋)
DJ何?(カブキレコーズ)

この日は仕事が時短の日だったので早めに会社を出てちょうど中野で開催されている高岡洋介個展に寄ってから東高円寺へ向かうことにした。高岡氏は9/29八丁堀・七針でグンジョーガクレヨンとライヴ・ペインティングで共演した画家である。グンジョーの演奏とのセッションで生まれた作品はエネルギーに溢れた爆発する絵だったが、本職は子供向けの絵本画家。中野ブロードウェイと線路を挟んで反対側の南口から歩いて3分の元小学校の校舎をそのままギャラリーにした中野マンガアートコートの一室で開催されている。高岡氏が友人と談笑しているところへお邪魔したので恐縮されてしまい却って申し訳なかった。3メートル四方の大判の絵画からハガキサイズのイラストまで50点余りの作品が飾ってある。看板で判るようにメルヘンチックな中にちょっとした非日常を描いたユニークな作風で子供は勿論、大人でも楽しめる。グンジョーとの共演の時はサウンドの強烈さに刺激されて思わずアクション・ペインティングになったと言う。音楽もそうだが絵画も一人部屋の中で制作するのと観客の前で生で描くのは全然違うのだろう。とても素敵な作品展なのまんだらけに行くついでに寄ってみては如何?


「高岡洋介個展 こぼれ落ちた気持ち達」
日時 10月22日(月)~11月4日(日)13:00~19:00
場所  J3 gallery (中野マンガアートコート1F)
<入場無料>

久々のUFO CLUB。ファンナムのレコ発は彼女達のお気に入りの女性バンドを集めた"女の子祭り"。聞いたことのないバンドばかりだがファンナム推薦だから期待できる。普段だと会場の外のエレベーター・ホールにある物販席がこの日はホールの中に設置してあり、ファンナムのメンバー自ら手売りしている。それだけでホームパーティを思わせる暖かみが感じられる。最初はお客さんは少なかったが、時間が経つにつれ増えてトリのファンナムの時にはいい感じのオーディエンスになった。

DJ何?氏がディスコやソウル、ファンクをプレイしパーティ気分を盛り上げる。突然アース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」が大音量でかかりステージのカーテンが開き客電が落ちる。ステージに楽器がセットしてあるがバンドはいない。と、ホールの後ろから賑やかに声を上げながら4人の女子が登場、踊りながらステージへ。一番手のFat Fox Fanclubの始まりだ。ヴォーカルはロリータ18号のマサヨ嬢風の茶髪とハート形のサングラス。ヘイ!という掛け声で演奏スタート。"唯一無二のファンキー・ポップ・ディスコ・パンク・ガールズバンド!!"というキャッチの彼女達は2010年結成というからまだ10代か。キャッチ通りディスコ風の四つ打ちビートにファンキーなギターとベース、お祭り好きなヴォーカルというパーティ・バンド。スリッツやBow Wow Wowを思い起こすダンサブルなビートが楽しい。トップバッターにピッタリ。



続いて名古屋のガールズ・トリオ、フリーダム。BO NINGENをリリースするKnew Noise Recordingsがこの夏リリースした名古屋新世代ロックバンドコンピCDに世界的なバンド、6EYESなどと共に参加している注目バンドである。ヴォーカルをとるギターのロミー嬢がシンセでノイズを鳴らしてアイドル風の手振りをしたりハッチャケていてこれまた楽しいバンド。サウンドの方はギャング・オブ・フォーっぽかったりフリクション風だったり水玉消防団を思わせたり(例えが古くて申し訳ない)結構硬派なもの。タイトなファンクビートを叩き出すベースとドラムもいい。東海地区では盛んにライヴをやっているようだから近くの方は観る価値あり。



3番目はBUDDY GIRL and MECHANIC。このバンドだけ男性入りで男性gx2,ds+女性vo&keyのベースレス4人組。ドラムはUFO CLUBのPA担当とのこと。1曲目がいきなりもろノイ!の人力テクノビートにリバーブをかけた歌が浮遊するトランス・サウンドで驚く。紅一点のXiroh嬢がスタイルのいい細身に艶かしいミニ+肩出し衣装でため息混じりのヴォーカルを聴かせるのが実に魅力的。2本のギターの絶妙な絡み合いもモワレ効果を持っていて素晴らしい。もしギター二人が女子だったら一目惚れ間違いないだろう。表情の豊かなサウンドもいいがXiroh嬢の健全なエロスに目が釘付けのエロ親父と化してしまった。



DJ何?氏はディスコ/ソウル系専門なのかと思っていたらヒュー・ホッパーや芸能山城組などレアなLPもプレイしアンダーグラウンド・ロックの総本山UFO CLUBらしい空間を演出する。まだ若そうだが「幻の名盤解放同盟」的な嗜好に嬉しくなった。


トリにお待ちかねのファンシーナムナム。他の出演バンドのメンバーも繰り出しフロアが混み合う。やはりレコード店の蛍光灯の下よりもUFO CLUBの淫美なライティングの方がずっとファンナムに似合う。エキゾチックな衣装がトランシーでノスタルジックなサウンドを引き立てる。ヴォーカルの蓜島美沙嬢はテルミンも演奏。前3バンドがいずれも明るいメロディを打ち出していたので、ファンナムの無機的な昭和歌謡メロディがやけにアングラ感を醸し出す。チャカポコいうドラムマシーン・ビートの繰り返しが酩酊感を産み蓜島嬢の歌の中に意識が溺れそうになる。物販の新作CD購入特典のファンシーナムナムフリーペーパーにはロング・インタビューが掲載されており結成の経緯からCD制作秘話、音楽的影響など読み応えたっぷり。彼女達の好きなレコードのジャケットが載っており、内田裕也とフラワーズ、フラワー・トラヴェリン・バンド、クラフトワーク、カルメン・マキという平成娘とは思えない通な選盤に思わずニヤリとしてしまう。このフリーペーパーはタワーレコードの40名限定先着特典なので興味のある方はタワレコでの早めの購入をお勧めする。本編はニューアルバム「no now」からの選曲だったが、アンコールで1stアルバム収録の「グレングールドひっくり返る」を演奏、古くからのファンの喝采を浴びた。



4日連続でガールズ・アーティストを特集して来たが、このイベントを観てアイドルやメジャーロックだけではなくライヴハウスでも女性主体のシーンが生まれていることを実感した。女性のしなやかな感性と怖いもの知らずの冒険精神が新たな音楽を切り開いているのは事実である。

キミたち
おんなのこ
ボクたち
おにょこにょこ


サイケなグルーヴに乗っかるボーカルは80年代アイドルのような…明菜ちゃんのような、なんだ!?これがファンナムか!なんとも言えない怪しげな雰囲気。かっこイイ!!
ゆっこ(おにんこ!)
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血文字系魔法少女の生存宣言~アーバンギャルド「ガイガーカウンターカルチャー」

2012年10月27日 00時48分42秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


「生き残るための音楽」
サブカルチャーからカウンターカルチャーへ。
アーバンギャルドが創る、新しい音楽の基準値。

女性アーティストの記事が続いているが、正直言って今面白いのは去勢され従順な草食動物と堕した男子諸君ではなく、100%アイデンティティを取り戻しつつある女の子達なのは間違いない。心の檻から自由になり、偶像=アイドルは病み死に絶え、ここに新たなる対抗文化の扉が開かれた。アーバンギャルドの頭脳は思考過激論者=松永天馬氏だが、その福音をポップ色に磨き上げる伝道師は水玉姫様=浜崎容子嬢(よこたん)に間違いない。よこたんのきゃりーぱみゅぱみゅのお姉さん風萌えヴォイスがなければ、残るは片翼をもがれ墜落する堕天使のようなキモ系男子集団と言っても良かろう(って言い過ぎ?)。メジャー2作目となる「ガイガーカウンターカルチャー」には前作「メンタルヘルズ」で若干モザイクがかかっていた"前衛都市哲学"の神髄が剥き出しにされ直裁的な言葉と音響が如実に提示されている。

いつものように天馬氏のプロパガンダを引用しよう。

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新しい、音楽の基準値   松永天馬

世界は絶えず壊れ、創られ、変化する。この国だって変わった。
表面的には何も変わっていないように見えるが、実際は違う。
旧来のメディアとの"絆"は断ち切られ、傷となった。
それに応じて、カルチャーの在り方も生まれ変わろうとしいる。

我々にいま必要なのは、サブカルチャーではない。
怒りの、抵抗の文化。すなわちカウンターカルチャーだ。
『ガイガーカウンターカルチャー』は、この国いま、
そしてこれからを十一の歌に活写した作品だ。
ニュースといっても構わない。報道かもしれない。
この国いま…しかしそこには"音楽"だけがない。
"音楽"が旧来のメディアとなったからだ。

ロックンロールは死んだと言われて久しい。
対抗文化の象徴であったロックに代わって、
アーバンギャルドが新しい音楽の基準値を創ろう。
新しい文化のために。

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この新作には「生まれてみたい」(歌は死なない。 聴くたび、あなたは生まれるだろう。)、「病めるアイドル」(我々はバンドなのか。アイドルになりたいのか。どちらでもあり、どちらでもない、音楽そのものであり続けたいのか。)、「さよならサブカルチャー」(僕だけのサブカルチャー。 それからの決別は、即ち、これまでのアーバンギャルドからの決別を意味する。)<かっこ内は各曲の天馬氏によるプロパガンダから抜粋>の3曲の先行シングル曲が収録されている。どの曲もそれぞれ重要な意味を付加された独立したナンバーであるが、アルバムにパズルのように納まり「魔法少女」「処女」「ILL」「眼帯」「血文字」「天使」「ガイガーカウンター」「ノンフィクション」というアーバンギャル&ギャルソンに馴染み深い暗号が附された楽曲に挟まれると一瞬にして壮大な宣言文、例えば「アメリカ独立宣言」、マルクス「資本論」、フロイト「夢判断」、毛沢東「実践論」、サルトル「弁証法的理性批判」など歴史的な著作を思わせる革命的文脈の一章に変わってしまう。しかし小難しい理論/思想が微塵も感じられず紛れも無いポップ・ソングとして成立しているのがアーバン・マジック="血文字系魔法少女"よこたんの魅力故なのである。









ヴィレッジヴァンガードやまんだらけに通い詰める現代の少年少女への啓示。共に旗を振り唱和することで創出される連帯感。時代は流れ政治は不安定で日常に倦んでも変わり得ないのはすべての人間に赤い血が流れているということである。ジャケットの街の上にべっとり印されたキスマークを見ながら「血文字系」で警告するように何度も鳴るピー音を聴きつつ、そんな当たり前のことに思い至った。またしても天馬氏とよこたんと3人の手練音楽戦士の術中に絡み摂られてしまった私である。

音楽の
新たな基準の
測定値

アーバンギャルドが音楽・主題歌を担当した映画「恋に至る病」が絶賛公開中!

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BiS @ 下北沢 Disk Union 2012.10.24 (wed)

2012年10月26日 00時35分10秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


BiS メジャー1stアルバム「IDOL is DEAD」リリース記念フリーライブ開催!
CD特典は感謝を込めてのハグ&チェキ会!

アーバンギャルドのアイドル五番勝負!!!、ディアフーフvs.私立恵比寿中学、そして11/18のBiS階段と熱く燃え上がる最近のアイドル・シーン。初めて観たテン世代アイドルはでんぱ組.inc。そこで目の当たりにした80年代のハードコア・パンクを髣髴させるアイドル・ヲタのノリに驚愕して以来いくつかアイドルのライヴを体験するにつれ、次第に深みにハマる自分を感じる。ミュージック・マガジン社から発刊された「アイドル・ソング・クロニクル2002-2012」を見るとモーニング娘。~AKB48、Perfume、ももいろクローバーZ~現在のアイドル戦国時代、という流れが分かり面白い。星の数ほど存在するアイドルの数々は、80年代バンド・ブーム時代を凌駕するほどだ。それぞれのアイドルのライヴ現場ででんぱ組.incのようなエキサイティングな熱気溢れる光景が夜な夜な繰り広げられていると思うと気が遠くなる。


何気なくDisk Unionのサイトを見ていたら、非常階段と共演するアイドル・グループBiSが下北沢店でインストア・ライヴを行うという告知を発見。前日にファンシーナムナムを観た時は店内に何の告知もなかったが、この日がBiSのメジャー・デビュー・アルバムの発売日。その記念すべき日によりによって下北ユニオンでイベント???何とも不可解なアイドルだ。以前衝撃の全裸PVを紹介したが、BiSは自ら”アイドルの常識をぶち破る””すでにアイドルなのかどうなのか疑問視されてはいますが...”と言ってしまう非アイドル的異端の存在。彼女たちのPVはどれもぶっ飛んだ問題作ばかりでそれだけ観るととてもAKB48やももクロと同じ土俵で勝負しているとは信じがたい。似た存在にジェイソンマスクでステージダイヴする「ヘビメタアイドル」アリス十番がいるが、そのドキュメンタリー映像には必死に練習する姿やファンとの絆が描かれていて逆に現在のアイドル界の構造が分かりやすい。ヤフオクで落札された一人ライヴの映像には思わずもらい泣き。

BiSは写真やPVではかなりのキワモノ路線だが実際の現場がどうなのか確認する機会が早くも訪れた。リキッドルーム・ワンマンをソールドアウトするBiSはファンナムとは知名度が圧倒的に違う。ユニオンの店内が目茶苦茶になるんじゃないか?という好奇心もあり見物に行くことにした。店の中央のCD棚を全部どかせて広いスペースが作ってある。そこへユニオンに似合わぬ普通の高校生風女子が数人「おはようございまーす」と入ってきた。これがメンバーか、と思ったが客は誰も騒がない。

閉店後21時スタートとのことで蛍の光が流れるまで店内をうろついたがファンらしき姿は無い。さてはと思い外へ出ると入口から茶沢通り沿いに200mくらい列が出来ていた。圧倒的に20代男子だがちらほら女性の姿も。シモキタという土地柄なのか、余りヲタっぽい雰囲気ではなく普通に街にいる今風の若者が多い。騒ぐ訳でもなく友人同士で世間話をしながら大人しく並んでいる。時間になると店内へ誘導される。狭いスペースに100人以上の観客が入れるのかと思ったが、意外に丁度良く収まった。スタンディングだと何も見えないので「前の方は中腰でお願いします」とスタッフが言うと全員すんなり座り込む。おかげでステージは良く見えるが立膝はかなり辛かった。

メンバーが登場すると拍手と歓声に混じって何故か笑いが起こる。この状況は確かに可笑しい。動画撮影・録音は禁止だが写真はOK。昔のアイドルのイベントでは大勢のカメラ小僧が音楽そっちのけで写真を撮りまくっていたが、それが皆無。時折スマホで写真を撮る人がいるが、大多数は写真を撮ることもなく時折掛け声や手拍子でパフォーマンスを楽しんでいる。立ち上がって音頭を取るお調子者(たぶん名物ヲタ)がいる程度で、騒ぐ時は大声で叫びあとは静かに聴いている。う~んこれまた謎が深まった。余りに素直すぎないかキミたち?ライヴハウスではモッシュ状態で盛り上がるんだろうけど。


肝心のパフォーマンスは殆ど口パクで"一糸乱れぬ"とは言えぬゆるいダンスとお決まりのトーク、曲はメタルやパンク調だが明らかにアイドル然としたスタイルにちょっと拍子抜け。まあPVでは裸や流血があっても普通の可愛い女の子だからなぁ~。30分のパフォーマンスの後はお楽しみのファンとの交流会=ハグ&チェキ会。CD購入者しか参加できないし時間もかかるのでそのまま退散。「直接ふれあえる」というのが現代アイドルの必須条件なのである。

様々なアイドルが様々な個性をアピールしてしのぎを削る戦国時代、BiSの立ち位置はひと際ユニークで面白い。例えばこのインタビューなんかアイドルの常識では有り得ないと思うのは年寄りの証拠だろうか?

▼完全にデスメタル



▼グロ過ぎね?



アイドルの
意味が昔と
変わってる

先に紹介したアイドル本ではPerfumeは載っているが我らがきゃりーぱみゅぱみゅは掲載されていない。原宿/青文字系はアイドルじゃないということだろうか?




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ファンシーナムナム@下北沢 Disk Union 2012.10.23 (tue)

2012年10月25日 00時16分09秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


メロウな歌声が誘い込む、白昼夢サイケデリア………。
女子3人組バンド“ファンシーナムナム”待望の2ndアルバム「no now」完成。

この妖艶なガールズ・トリオに興味を持ったのは昨年夏に朝日新聞夕刊エンターテイメント欄に掲載された近藤康太郎記者の紹介記事だった。それ以前からUFO CLUBやペンギンハウスなど高円寺界隈のライヴハウスのスケジュールに名前を見て「空想的南無南無」と解釈し気になっていた。近藤氏の記事では「昭和歌謡とジャーマントランスの融合」という感じで形容されていたと記憶する。インド風の60’ヒッピー・ファッションに身を包んだ3人の写真がとても誘惑的でコレは観なけりゃと思っていた時、タイミングよくUFO CLUBで蛸地蔵・倫敦水槽・ファンシーナムナムの3バンドが主催するイベント「明星音楽祭」が開催され、シャロウズと壊れかけのテープレコーダーズも出演するので絶好のチャンスとばかり観に行った。スタイルは違うがどのバンドも独特のサイケデリック感を放っておりイベント自体UFO CLUBに相応しいストレンジでエキゾチックな異空間を産み出していて面白かった。ワウファズ乱れ打ちの蛸地蔵のうえのひる子氏もカッコ良かったが、ファンシーナムナムの異次元世界は聴いてるうちにジワジワ効いてきて1stアルバムのタイトル通り「迷宮としての世界」そのものだった。

以来数回彼女たちのライヴに通い物販でライヴCDRを購入。1stアルバムが置いて無かったので直談判して後日サイン入で郵送してもらった。「もう2年前の音源なので現在とはだいぶ違いますが。。。」との手紙入りで届いた1stは確かに昭和歌謡メロディ満載のユニークな出来だったが、麻薬のようなトランス的浮遊感は余り反映されていない。ライヴハウスのサイケな照明で観るステージは70年代のATG映画(日本アート・シアター・ギルド:1960~70年代他の映画会社と一線を画す非商業主義的な芸術作品を製作・配給していたアート系映画会社)を髣髴させるアングラ感と隠微なエロチシズムを漂わせていて、音楽性も併せ大人の女性っぽい雰囲気だが、ステージを降りると予想外に若くハキハキした現代っ娘なのに驚いた。2007年結成当時大学生だったとすればまだ20代半ばの花も恥じらうお年頃である。

彼女たちが3年ぶりの2ndアルバム「no now」リリースを記念して下北沢のディスク・ユニオンでインストア・ライヴをやるというので、先日のモノクローム・セットに続くユニオン無料イベント参戦と相成った。入って右手のJ-POPコーナーに機材が設置されている。ドラムレスなのでインストアでも普段通りの演奏が出来る訳だ。たぶん大学時代の同級生と思われる若い女性グループが来店し、メンバーと賑やかにしゃべっている。明るい蛍光灯の下で同年代の友達と談笑する3人はホントに普通の女の子。観客の7割が若い女性というディスク・ユニオンらしからぬ雰囲気の中ライヴがスタート。Roland MC-303のチープな反復リズムに乗ってローファイなギター、ベース、キーボードが奏でられ、蓜島嬢が無表情な声でゆらりゆらりとしたメロディを歌う。目をつぶればミニUFO CLUBだが、明るいレコード店で演奏するミスマッチが面白い。「インストアは初めてなので緊張しています」とMC。ライヴではMCは殆どやらないのでかなり照れている様子。幸運にもお客さんの半分が知り合いだから次第に緊張も解けていく。ニュー・アルバムの曲はこの数年間のライヴで披露されてきた曲ばかりなので聴き覚えがある。まさに"今のファンシーナムナム"を真空パックしたアルバムである。瞑想的なリズムのリピートの長尺の曲が多く4曲で30分のステージ。終演後メンバーに挨拶。初体験のインストアが上手くいってリラックスしていた。



今週の26日金曜日UFO CLUBにてレコ発ライヴが開催される。対バンに彼女たちお気に入りのガールズ・バンドを集めたというので楽しみ。レコ発の物販で新作「no now」を購入したらディスク・ユニオン特典DVDRとタワレコ特典サイン入フリーペーパーがもらえるので、早く聴きたい気持ちを抑えこの日は我慢。

fancynumnum「no now」Release Party!!!!
adv 1500/door 1800
open 18:30/start 19:00
w/Fat Fox Fanclub
BUDDY GIRL and MECHANIC
フリーダム
DJ何?(カブキレコーズ)

ファンシーに
南無阿弥陀仏
夢の国

新作には様々なミュージシャンからのコメントが寄せられている。詳細はコチラ

「あっ、男なのにシンデレラコンプレックスにかかってしまった様な気分。この、おとぎ話の世界に誘う様なこのグルーブ感は、みんなを絶対に幸せにする。正に、Fancy Num Num!!Yummy Yummy Yummy!!という大まかな印象はさて置き、Fancy Num Numの最新作は、蓜島さんのボーカルに特徴があると思う。サウンドは基本的にサイケデリックで、ミクスチャー・ロックで、それだけでも素敵だが、蓜島さんの良い意味で、ちょっと浮いた感じのちょっとしたズレ感のある歌が、より不思議なグルーブを生み出しているとこが魅力的だ。」
蔦木俊二 (日本カセット・テープ・レコーヂング・突然段ボール)


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山本精一@渋谷 Bar Isshee 2012.10.22 (mon)

2012年10月24日 00時34分36秒 | 素晴らしき変態音楽


先週から銀座線と丸の内線にきゃりーぱみゅぱみゅトレインが走っていて、通勤が銀座線なので毎日車両を変えたり時間をずらしたりして探しているのだがなかなか巡り合えない。この朝寝ぼけ頭で銀座線のホームの人波に揉まれ、ふと見上げると発車間際の車両の中にきゃりーの姿が!アッと思った時にはドアが閉まってしまった。次の電車は普通の車両で朝から落ち込む。めざましテレビの今日の占いでは2位だったのに。。。

しかしTwitterをチェックして「クレヨンしんちゃん」の主題歌のきゃりーの新曲「キミに100パーセント」の動画を発見し機嫌が直る。残念ながら現在はYouTubeから削除されているがテレビ・アニメで流れているので観ればあ~?。

仕事を終え渋谷へ向かう。と、乗った車両にきゃりーのポスターが。見渡す限りきゃりーだらけ。体温が5℃上がる。満員のサラリーマンやOLは全く無関心。ひとりで興奮してキョロキョロして明らかに挙動不審者。このままずっと乗っていたいと思うが銀座線は無情にも終点渋谷で車庫に入ってしまう。たった3駅の間だったが子供の頃「ウルトラランド」に行った時以来のトキメキ体験だった。iPodで「ファッションモンスター」を聴きながらBar Issheeへ向かう。個人的には1年分の幸運を使い果たしたのでこのまま帰宅しても悔いはなかったが。。。






山本精一 presents PNP(パノラマ・ノイズ・パラダイス)

精一さんのBar Issheeソロ・ライヴ第4回。このシリーズは皆勤賞である。今回は「爆音覚悟で来てください」と告知されており、ライヴ3日前にBar Issheeから以下のようなメールが届いた。

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今回は御予約ありがとうございます。
おかげさまで46名もの予約をいただきました。

このライブに関しましては、
山本精一さんは「できうる限りの音量でライブをやる」ということで、
皆様の体調に影響する可能性もありますが、
そのことをご了承の上、御参加いただければと思います。

なお当日特に誓約書に書き込んでいただく予定はありませんが、
参加されて万が一、体調に変化をきたしたりしましても、
出演者及び店としては責任を取りかねますので、御自身での判断の上ご来店ください。

なお、会場に関しましてはBar Issheeより若干広いスペースに変更することも検討しております。
変更になりましてもBar Issheeから至近の距離ですので、開場開演時間の変更はございません。

それでは明日のライブを楽しみにお待ちください。

Bar Isshee店主 石田俊一

P.S.同行者のいる方は、その方に以上のことをお伝えくださり、了承を得ていただければと思います。
よろしくお願いします。

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「誓約書」とはまるで昔のハナタラシのライヴみたいだ。了承も何もこんな面白そうなライヴは久々なのでワクワクする。それよりもこの人数がBar Issheeの狭いスペースに入るとは思えないので「広いスペースに変更」の方に興味がある。実は先日のノイズ大学で会った常連のT嬢からBar Issheeと同じフロアにある使われていない広い部屋を使う予定だと聞いていた。

開場30分前に着くと10人くらい並んでいた。毎回来てるTAKE's Home Pageのタケダさんを始めいつも見かける皆勤賞の人が多い。待つ人数の割に妙に静かで友人と世間話をするのも憚られる雰囲気。TwitterをチェックするとIssheeさんがリハ風景の写真を投稿していた。場所はいつものBar Isshee。あれ、会場変更の筈だったのでは?と思ったが、開場時間になるとIssheeさんが「お待たせしました」と客をBar Issheeに呼び込む。前回同様椅子もテーブルも取り払って"体育座りで精一さん"状態だが果たして46人も入るのだろうか。長時間の体育座りはきついので壁際の座席を確保。いつも照明は真っ暗なので何処で観ても違いは無かろう。小型のアンプ2個、中型のアンプ、エフェクター類とミキサーがセットしてある。


お客さんが入り切ったところで精一さんが登場。「今日は普段は演奏しない"ノイズ"をやる。"ノイズ・ミュージック"ではなく単なる"ノイズ"。本当に大音量なので何が起こるか分からない。最初は別の部屋でやる予定だったが、サウンドチェックで音を出した途端に苦情が来てダメになった。本番も苦情が来たら即中止するので覚悟の上で聴いて欲しい。気分が悪くなったら耳を塞ぐなり自己責任で頼みます」と語る。なるほど"広いスペース構想"は余りの大音量のために脆くも崩れた訳だ。灰野さんやノイズ系のライヴで大音量には慣れているが、精一さんの言う"単なるノイズ"とはどういうものか、期待が高まる。

カウンターのスタンド・ライト以外真っ暗になり演奏スタート。最初はアルペジオでフレーズを弾く。音量は大きいがタンジェリン・ドリームのような宇宙的なサウンド。エフェクターのスイッチを入れるとドーンという重低音が響きスピーカーがビリビリ震動音を出す。同時に金属が焦げるような臭いが漂う。精一さんはギターをフィードバックさせたままエフェクターやミキサーを弄っている。ドローン音響が徐々にゴーッピィーッと爆音ノイズ化。確かにこれは「ミュージック=音楽」ではなく「サウンド=音響」だ。それでも身体を揺らして聴いている人もいて精一さんが如何に"単なるノイズ"をやっても聴き手は"音楽"として認識してしまうんだな、と思った。空間を満たす轟音の中に時々精一さんらしいメロディの断片が聴き取れるが全くギターの音には聴こえない。行き場をなくし渦巻く大音響で次第に意識が遠のいてきた頃、いきなり演奏が終わる。「アンプが燃えちゃった。これ以上出来ないので終わります。」室内は焦げついた異臭が充満している。そういうわけで30分強で演奏終了。「こんな演奏二度としないよ」と精一さん。確かにこの轟音が何時間も続いたら体調がおかしくなる人もいたかもしれないので丁度良かったのかも。貴重な演奏だったことは間違いない。



ノイズ・ミュージックと単なるノイズの違いは何なのか、それは演奏者よりも聴き手の受け取り方次第かもしれない。

精一さん
ノイズって何?
なぞなぞだ

Bar Issheeは12/31で閉店決定とのこと。面白いスペースだったので残念だがIssheeさんの次なる構想に期待したい。

▼精一さんも出演するイベント「自家発電」の新フライヤー。BiSの出演が追加に。


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モノクローム・セット@新宿 Disk Union 2012.10.21 (sun)

2012年10月23日 00時27分09秒 | ロッケンロール万歳!


モノクローム・セットが17年ぶりのニュー・アルバム「プラチナム・コイルズ」をリリースし来日ツアーを開催中である。彼らの名前はEarly 80’s UK Rockシーンを象徴する「ネオ・アコースティック」の流れの中に燻し銀のように輝いている。「ネオアコ」とは1980年代初頭のポスト・パンク・ムーヴメントの流れのひとつで、新感覚のアコースティック・ロックを奏でる一連のバンド群にメディアが与えた名称である。”アコースティック”といってもアコギではなくエレキギターを使っていたし、シンセ音やダンス・ビートを取り入れたバンドもいるので、あくまでサウンドの感触がアコースティックだったという訳だ。当時は「ニュー・ウェイヴ」に始まり「ネオ・サイケ」「ニュー・ロマンティックス」「ネオ・モッズ」「「ネオGS(コレは日本だけだが)」など何でも「ネオ」とか「ニュー」をつけるのが音楽メディアの流行りだった。「ネオアコ」の代表バンドといえばザ・スミス、アズテック・カメラ、プレファブ・スプラウトの御三家(?)に加え、オレンジ・ジュース、ブルーベルズ、フェルト、トラッシュ・キャン・シナトラズなどがいて、モノクローム・セットもその一翼を担っていた。

「白黒テレビ」を意味する名前の彼らは1978年に結成され、1979年に新興ラフ・トレードの第1弾としてデビュー。アンディ・ウォーホールは彼等のサウンドについて「ベンチャーズとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを足して2で割った様」だと高く評価したという。ラフ・トレード傘下のDin Discから出た芸術的なジャケットが印象的な1stアルバム「ストレンジ・ブティック」と2nd「ラヴ・ゾンビーズ」は日本盤もリリースされ、「Fool’s Mate」をはじめとするニュー・ウェイヴ系音楽誌で大きく紹介された。サウンドも英国らしい憂いのあるメロディと瑞々しいギター・サウンドが際立っていたが、不幸なことにレーベルを何度も移籍したためにメディアやファンの好評価に反して継続的なサポートが得られず、知る人ぞ知るマニアックな存在に陥ってしまった。その点はフェルトと似ている気がする。

ザ・スミスやアズカメがブレイクし人気が高まるのに反比例してネオアコというジャンル自体が下火になり1985年に一旦解散。しかし1989年フリッパーズ・ギターをはじめとする渋谷系が盛り上がった日本でそのルーツとしてネオアコ再評価が高まり、モノクロもVinyl Japanから5年ぶりのアルバムをリリース、初来日も果たす。以来1998年まで過去の作品の再発も含め継続して活動した。その頃日本のスペース・シャワーTVに出演した写真がオフィシャル・サイトに掲載されておりStudio WAVEと書いてあるのが時代を感じさせる。2000年代は活動が途絶えていたが、2010年に再々結成、翌年全英ツアーを行い見事に復活、来日ツアーも行った。今年冒頭で紹介した17年ぶりのニュー・アルバムを自分たちのレーベル「Disquo Bleu」からリリースし再来日となった次第。都合で本公演には行けないが、新宿ディスク・ユニオン本館で開催された限定アコースティック・ライヴに参戦した。店頭には新作に加え再発アルバムやTシャツが展示販売されさしづめモノクロ祭り。


3~40代中心に如何にも音楽好きそうなお客さんが集まる。新宿店本館8Fの普段は倉庫兼休憩所らしき部屋にリーダーのビドとギターのレスター・スクエアの2人がアコギを抱えて座っている。”写真もビデオも撮影OK”とのことで一斉に携帯やデジカメで撮影会開始。ステージ横で見ていた他のメンバーも出て来て記念撮影に応じる。


演奏曲は決まっておらず、その場でリクエストを募り「その曲は二人じゃ出来ない」「その曲は忘れたかも」と呟くビド。スタッフに何度も「そろそろやっていい?」と時間を確認、予定通りに始まる。アコギ2本のシンプルな演奏でモノクロならではの哀感たっぷりの歌に聴き入る。脇に控えるメンバーが合いの手を入れたり、観客が手拍子して一緒に歌ったり、和気あいあいとしたいい雰囲気。曲を忘れて中断したり指が痛くて弾けないと漏らしたりするシーンもあったが、アンコールを含み35分の演奏を堪能した。10曲位やったのではないだろうか。演奏終了後にはサイン&握手会。夜の新代田FEVERでライヴのサウンドチェックの時間が迫っていたが、お客さん一人一人に丁寧に笑顔で対応するメンバーはとても素敵だった。大型CDショップのインストアとは違って小さなお店でのイベントは親密感があっていいものだ。




いい気持ちでユニオンでCDを見ていたら偶然中原昌也氏に遭遇。暫く会っていなかったので一緒にお茶に。最近ライヴ活動は控えているそうだ。機材もかなり売り払ったらしい。お金にならないライヴはやりたくない→だけど家賃を払うために仕事=文筆業をしなきゃいけない→しかし文章は書きたくない、といつもの堂々巡りの話になる。ヴィレッジ・ヴァンガードと組めば?とかアイドルに詞を提供しては?などとアドバイスしたが今ひとつピンと来ない様子。しかし40歳を過ぎて気持ち的には一皮剥けた気がすると言う。確かに愚痴っていても昔より晴れやかな顔をしている。来年CDをリリース予定でその制作作業を楽しんでいるとのこと。これまた楽しみが増えた。

モノクロと
ももクロ共演
どうでしょう

モノクロの新作は今まで通りの哀愁メロに年季が加わり懐かしくも新鮮なハイセンス王道ブリティッシュ・ロックが満載。元ネオアコ/渋谷系ファンも最近のギターロック好きもライヴに足を運ぶ価値がある。
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ノイズ大学~JOJO広重+コサカイフミオ@渋谷UPLINK FACTORY 2012.10.20 (sat)

2012年10月22日 00時44分19秒 | 素晴らしき変態音楽


JOJO広重「ノイズ大学」Vol.7(ゲスト:コサカイフミオ)

ノイズバンド非常階段のリーダー、JOJO広重が「ノイズ」という音楽表現についてゲストとのトークや実演を通して詳らかにし、その魅力を紹介するシリーズ講義「ノイズ大学 /渋谷分校」(本校は大阪なんばベアーズ!)。今回は非常階段のメンバーであり、インキャパシタンツのメンバーでもあるコサカイフミオさんが遂に登場。このレアなトーク&演奏にどうぞご期待ください!(UPLINK FACTORY HPより)
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前回の坂田明さんに続く「ノイズ大学 渋谷分校」のゲストは「非常階段で一番謎の多い男」(by 広重さん)コサカイフミオ氏(非常階段/インキャパシタンツ/宇宙エンジン)。知る限りではコサカイ氏は1980年代から後タコに参加、1989年にはASTRO=長谷川洋氏が結成したノイズ・バンドC.C.C.C.に参加し、日野繭子さん、長久保隆氏と共に活動。C.C.C.C.は非常階段やメルツバウやNORDが切り開いた日本のノイズを"ジャパノイズ"として世界に知らしめた重要バンドだった。同時期にT.美川さんのソロ・プロジェクト、インキャパシタンツに参加、そのまま非常階段のメンバーになる。「ノイズ界の格闘技王」の異名通りに巨体で激しいアクションで演奏し最後は機材をひっくり返し客席へダイブする、というのが非常階段/インキャパシタンツでのパブリック・イメージだろう。

以前も書いたと思うが、私が吉祥寺ぎゃてい中心に活動していたOTHER ROOMというユニットで一度だけコサカイ氏と共演したことがある。もちろんコサカイ氏は覚えていないと思うが、相方の高島君が知り合い一緒にやることになったと記憶する。コチラはギターとサックス、コサカイ氏は主にベースを弾いたが、ツボを突くような的確な演奏に「この人は本物だ」と舌を巻いた覚えがある。その演奏を録音していなかったが悔やまれる。

コサカイ氏は小堺雄三の名(恐らく本名)でミュージックマガジンにパンク、オルタナティヴからプログレ、ハードロックまで幅広い知識を活かした記事を書いていた。印象に残っているのは"ノイズ・アーティストが聴くJ-Rock"として書いたミシェルガン・エレファントの記事である。ノイズやアヴァンギャルドを愛聴しつつミッシェルガンやハイロウズなどロケンローも好きだったので目から鱗の記事でとても嬉しかった。

Twitterでのツイートが面白く、たまにこのブログにもコメントをいただく。特に80年代アングラ音楽界への造形が深く、ぼんやりした記憶を頼りに書いた記事に補足追加を下さる。先日アースダムでのイベントで園田佐登志さんと80年代吉祥寺マイナー周辺の音源や映像を解説したのも面白かった。


コサカイ氏は高校の頃に吉祥寺マイナーに出入りしていた。門限があったために十時劇場は観れず、昼間のイベントを観ていたそうだ。初めて行った時にイベントが終わっても誰もドリンクの注文どころか入場料も取りにこないので店番をしていたオーナーの佐藤隆史さんの奥さんに「チケット代払いたいんですけど」と言ったら「えっ払うの?払いたければどうぞ」と言われ驚いたとのこと。その後山崎春美さんと知り合い、楽器が出来なくてもいいと言われタコに参加。それからライヴ活動を始めた。非常階段との接点は1981年6月慶應大学・日吉校舎でタコで対バンした時。そのライヴでは広重氏が消化器を巻き散らし観客は窒息寸前、PAはお釈迦になり、非常階段の次の出演だったスターリンはPAを使えず遠藤ミチロウ氏が拡声器で歌ったという。灰野さんが非常階段のメンバーに対して「コレが君たちの表現行為か!」激怒したのもこの日だった。コサカイ氏は会場から避難したそうだが、それに懲りず同年8月新宿ロフトの「Flight 7 Days」でも非常階段を観に行ったそうだ。彼らが極悪非道なパフォーマンスで悪名高かった頃に観ていた訳だ。コサカイ氏はタコ消滅後は荻窪グッドマンを中心に演奏していたそうだが、その頃に様々なミュージシャンを知り合い人脈を広げて行ったのだろう。その後、美川さんと知り合いインキャパシタンツとしてライヴ出演依頼が来たため誘われて一緒にやるようになったとのこと。

中学の時NHKラジオで黛敏郎の電子音楽を聴き「楽器が出来なくてもコレなら自分でも出来る」と思い親にねだって英会話用にLL テープレコーダー(今でいえば2チャンネルMTR)を買ってもらい多重録音で作品作りを始めたこと、金持ちの友人が買ったプログレやハードロックのレコードを聴いて音楽の幅を広げたこと、パンクに衝撃を受け人前で演奏したいと思ったこと、など音楽への関わり方が私と良く似ている。コサカイ氏の方が少し年上だと思うが境遇が似ていてとても親近感が沸く。

ただの音楽好きというよりジャケットや解説など音楽に関わるもの全般が好きだという広重とのトークだから色んなバンドやミュージシャンの逸話や動向が披露されるが、私がペンギン・カフェのことを書いた時に思い出し色々調べても正体どころか存在自体確認できなかった「ペンギンカメオーケストラ」にコサカイ氏が言及したので驚いた。陰猟腐厭の増田直行さんや元不失者の臼井さんなどがやっていた冗談バンドでライヴでは「もしもしカメよ」を延々と歌うだけだったという。長年の疑問が解けて個人的にはこの話がこの日のハイライトだった。

その後コサカイ氏の使用機材の紹介。機材を自作するのが好きだがステージで倒したり投げたりするのでしょっちゅう壊れてしまうので出来るだけ安上がりにしているとのこと。今メインで使っているギターのピックアップに缶を貼付けた楽器?が面白い。最近は自作しなくても安くて欲しい音が出る機材で売っているのでそれで充分だという。その拘りの無さが美川さんとの違いかもしれない。
[10/22追記:補足すると決して拘りが「無い」という訳ではなく、拘りの「ポイント」が美川さんと違うということです]



「ずっと訊きたいと思ってたんだけど、何で壊すの?」と広重さん。「どこかで(演奏に)ケリをつけないと思って」とコサカイ氏。丁度リリースされる「蔵六の奇病」30周年記念盤に触れて、「殺気が凄過ぎて普通じゃない」と言うと「何であんなことやってたのかねぇ。邪悪な妖気が漂っている」と広重さん。時代と若さのせいじゃないでしょうかね~。

その後二人のセッション。非常階段では自分の音がどれか判らなくなることもある、と言うがこの日はコサカイ氏のチープな機材から溢れ出す電子雑音に広重さんのノイズ・ギターが重なってお互いの音を確認しあっている様子が伝わって来た。この二人だけのセッションは史上初だろう。
[10/22追記:コサカイ氏直々のご指摘によると二人だけのセッションは4回目だが、今まではギターでの共演だったので、ギター+エレクトロのセッションは初めてとのこと]



音楽が
好きで溜まらぬ
この二人

10/23(火)コサカイ氏が六本木スーパーデラックスのRubber-O-Cement 来日公演のサポートでソロ演奏を行う。何でもハーシュノイズを封印したエレクトロアコースティック・パフォーマンスだというから興味深い。


もうひとつビッグ・ニュース。11/18(日)第1部がノイズ大学・四谷分校の四谷アウトブレイクでのイベント「自家発電」の第2部に人気アイドル・グループBiSの出演が決定!非常階段との合体ユニット"BiS階段"もやるという。最近もっぱらアイドルづいてる当ブログだが、広重さんも同じことを考えていたとは流石!変態音楽好きの皆様もアイドル・ライヴの凄まじさを是非体験していただきたい。

▼このアイドル、タダ者ではない!


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