2011年夏、初のコンピレーションアルバムを発売し4周年のアニバーサリー&コンピレーションリリースパーティを大盛況に終えたSTYLE BAND TOKYOのパーティー「STYLE BAND TOKYO 2012」。出演はSPECIAL GUEST ACT:ギターウルフ/BO NINGEN/N'夙川BOYS、LIVE:Psysalia psysalis psyche/6EYES/moja/TADZIOの7組。ロッケンロールの超ベテランから新進気鋭の若手バンドまで多彩な内容だ。
Club Asiaは20歳前後と思われる若い男女の熱気で溢れていた。そう、これはただのオムニバス・ライヴではなくロッケンロール・パーティーなのだ。「かりーぱみゅぱみゅ」というカレー屋台も出ていて心惹かれる。この日はきゃりーぱみゅぱみゅの誕生日で同じ渋谷のWWWでは彼女のバースデー・ライヴが開催されているのだ。
私が行ったときには1番手のmojaは終わっていてTADZIOがセッティングしているところだった。最前列まで進み部長とリーダーの艶姿を目に刻み込む。ふたりともこの日から販売の新作Tシャツを着ている。部長の髪は昨年12月に観たときよりも少し伸びておかっぱ風になっていた。リーダーのおみ足は相変わらず美しい。愛らしくも堂々としたステージで40分。先日NHK FMで放送されたときピー音が入りまくっていた部分が何を歌っていたのか、改めて意識して聴けてみると面白い。隣ではメンバーと同世代と思われる可愛い女の子が飛び跳ねてノッている。どんどん成長していくふたりを見ていると妙な親心が湧いてくる。“オヤジ殺しのTADZIO”である。
ホールとバーを抜け2階に上がると各バンドが物販のテーブルを出している。TADZIOのTシャツには心が動いた。バーでレッドアイを注文しホールへ戻ると3番手のPsysalia psysalis psycheが始まるところだった。かなりお客さんが一杯で前の方には行けず真ん中あたりで観る。バンド名からひねくれたサイケ・ポップを予想していたら思いのほかUKロック風なギター・サウンドが印象的なバンドだった。
そのままホールに残りステージ上手最前列を確保。4番手の6EYES。key,sax,g,b,dsの5人組の演奏は予想に反してNo New York風の捻じれたサウンドで思わず心を奪われてしまった。名古屋出身のバンドだけにソースかつ丼的な折衷主義が美味しい方向へ向かっている。機会があればまた観てみたい。
だんだんホールの熱気が高まっていく。大阪のハチャメチャ・ロッケンロール・トリオN’夙川BOYSが登場。派手な衣装のギターのシンノスケはセッティングの時にアンプの上にテーブル・クロスをかけている。理解不能の美意識だ。紅一点のリンダとリード・ヴォーカルのマーヤはいつも通りMCで漫才風のやり取りで笑わせる。3人ともしょっちゅう客席へダイブするノリノリのステージ。客席のテンションが急激に高まる。やはり大阪人は盛り上げるのが上手い。
続いて本物のロッケンロール・レジェンド、セイジ兄貴率いるギターウルフ!。彼らを観るのは2年ぶりだが最前列で観たのは初めて。立っているだけでロッケンロールが鳴り響くような兄貴の存在感は凄い。SGをガーンと鳴らすとロッケンロール・パーティーの始まりだ。手を伸ばせば届くところまでステージ前方に出てきて歌う、というより叫ぶ。腕を振り上げて観客を挑発する。最後はお約束、客をひとりステージに上げてギターを弾かせ、兄貴はハンド・マイクで歌う。ギターの子にジェスチャーでいろいろ指示を出しているが何を伝えていたんだろう。とにかく目茶苦茶盛り上がった。文字通り「ロッケンローッ!」と雄たけびを上げる兄貴には本物の漢(おとこ)を感じて惚れてしまう。
ギターウルフが盛り上げすぎたから最後のBO NINGENは少し客が引くかな、と思いステージ中央へ移動。ところが客は誰ひとりとして帰らない。寿司詰め状態の中BO NINGENの演奏を待っている。15日のO-Nestでもモッシュが起こり盛り上がったが、今回はそれよりずっとお客の密度が高い。彼らの人気がここまで高まったかと昨年2月から毎回観ている私にとっては感無量だ。しかし感傷に浸っている暇はない。演奏が始まったとたんに客席はモッシュの嵐。私は人の波に身を任せて潰されないように必死だった。Taigen君がいつもの丁寧な口調で参加バンドやスタッフそして来場者への感謝の言葉をMCする。15日よりもさらにワイルドさを増したステージには圧倒されるばかり。最後はドラムのMon-Chanが突然ドラムを乗り越え客席にダイブ。着ていたシャツとズボンをビリビリに引き千切りパンツ一丁で退場。破壊力抜群のステージだった。
ロッケンロー
パーティーアニマル
エレキテル
久々に心から楽しいロッケンロール・ショーだった。このお客さんのパワーを見ていると若さっていいなぁと実感する。