A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ギターウルフ、BO NINGEN、N'夙川BOYS、TADZIO他@渋谷Club Asia 2012.1.29 (sun)

2012年01月31日 01時03分58秒 | ロッケンロール万歳!


2011年夏、初のコンピレーションアルバムを発売し4周年のアニバーサリー&コンピレーションリリースパーティを大盛況に終えたSTYLE BAND TOKYOのパーティー「STYLE BAND TOKYO 2012」。出演はSPECIAL GUEST ACT:ギターウルフ/BO NINGEN/N'夙川BOYS、LIVE:Psysalia psysalis psyche/6EYES/moja/TADZIOの7組。ロッケンロールの超ベテランから新進気鋭の若手バンドまで多彩な内容だ。

Club Asiaは20歳前後と思われる若い男女の熱気で溢れていた。そう、これはただのオムニバス・ライヴではなくロッケンロール・パーティーなのだ。「かりーぱみゅぱみゅ」というカレー屋台も出ていて心惹かれる。この日はきゃりーぱみゅぱみゅの誕生日で同じ渋谷のWWWでは彼女のバースデー・ライヴが開催されているのだ。

私が行ったときには1番手のmojaは終わっていてTADZIOがセッティングしているところだった。最前列まで進み部長とリーダーの艶姿を目に刻み込む。ふたりともこの日から販売の新作Tシャツを着ている。部長の髪は昨年12月に観たときよりも少し伸びておかっぱ風になっていた。リーダーのおみ足は相変わらず美しい。愛らしくも堂々としたステージで40分。先日NHK FMで放送されたときピー音が入りまくっていた部分が何を歌っていたのか、改めて意識して聴けてみると面白い。隣ではメンバーと同世代と思われる可愛い女の子が飛び跳ねてノッている。どんどん成長していくふたりを見ていると妙な親心が湧いてくる。“オヤジ殺しのTADZIO”である。



ホールとバーを抜け2階に上がると各バンドが物販のテーブルを出している。TADZIOのTシャツには心が動いた。バーでレッドアイを注文しホールへ戻ると3番手のPsysalia psysalis psycheが始まるところだった。かなりお客さんが一杯で前の方には行けず真ん中あたりで観る。バンド名からひねくれたサイケ・ポップを予想していたら思いのほかUKロック風なギター・サウンドが印象的なバンドだった。



そのままホールに残りステージ上手最前列を確保。4番手の6EYES。key,sax,g,b,dsの5人組の演奏は予想に反してNo New York風の捻じれたサウンドで思わず心を奪われてしまった。名古屋出身のバンドだけにソースかつ丼的な折衷主義が美味しい方向へ向かっている。機会があればまた観てみたい。



だんだんホールの熱気が高まっていく。大阪のハチャメチャ・ロッケンロール・トリオN’夙川BOYSが登場。派手な衣装のギターのシンノスケはセッティングの時にアンプの上にテーブル・クロスをかけている。理解不能の美意識だ。紅一点のリンダとリード・ヴォーカルのマーヤはいつも通りMCで漫才風のやり取りで笑わせる。3人ともしょっちゅう客席へダイブするノリノリのステージ。客席のテンションが急激に高まる。やはり大阪人は盛り上げるのが上手い。



続いて本物のロッケンロール・レジェンド、セイジ兄貴率いるギターウルフ!。彼らを観るのは2年ぶりだが最前列で観たのは初めて。立っているだけでロッケンロールが鳴り響くような兄貴の存在感は凄い。SGをガーンと鳴らすとロッケンロール・パーティーの始まりだ。手を伸ばせば届くところまでステージ前方に出てきて歌う、というより叫ぶ。腕を振り上げて観客を挑発する。最後はお約束、客をひとりステージに上げてギターを弾かせ、兄貴はハンド・マイクで歌う。ギターの子にジェスチャーでいろいろ指示を出しているが何を伝えていたんだろう。とにかく目茶苦茶盛り上がった。文字通り「ロッケンローッ!」と雄たけびを上げる兄貴には本物の漢(おとこ)を感じて惚れてしまう。



ギターウルフが盛り上げすぎたから最後のBO NINGENは少し客が引くかな、と思いステージ中央へ移動。ところが客は誰ひとりとして帰らない。寿司詰め状態の中BO NINGENの演奏を待っている。15日のO-Nestでもモッシュが起こり盛り上がったが、今回はそれよりずっとお客の密度が高い。彼らの人気がここまで高まったかと昨年2月から毎回観ている私にとっては感無量だ。しかし感傷に浸っている暇はない。演奏が始まったとたんに客席はモッシュの嵐。私は人の波に身を任せて潰されないように必死だった。Taigen君がいつもの丁寧な口調で参加バンドやスタッフそして来場者への感謝の言葉をMCする。15日よりもさらにワイルドさを増したステージには圧倒されるばかり。最後はドラムのMon-Chanが突然ドラムを乗り越え客席にダイブ。着ていたシャツとズボンをビリビリに引き千切りパンツ一丁で退場。破壊力抜群のステージだった。



ロッケンロー
パーティーアニマル
エレキテル

久々に心から楽しいロッケンロール・ショーだった。このお客さんのパワーを見ていると若さっていいなぁと実感する。
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不失者=灰野敬二+ナスノミツル+高橋幾郎@東高円寺 UFO CLUB 2012.1.27 (fri)

2012年01月29日 02時00分05秒 | 灰野敬二さんのこと


UFO CLUB 16周年記念 “不失者 ワンマン”。
昨年の1月は大阪まで不失者を観に行ったんだっけ。真夜中東名を飛ばして大阪へ行き、ライヴ終了後そのまま東京帰りという強行軍だったがそれだけの価値のあるライヴだった。その時はベースは工藤冬里さんだったが、昨年7月AKRON/FAMILYのサポートを務めた時にはナスノミツル氏に変わっていた。今回は灰野さん+ナスノ氏+高橋幾郎氏からなる不失者の初のワンマン。早くも私の2012年ライヴ観戦における最大の山場を迎えた。

開場の30分前に行ったらまだ5,6人しか並んでいなかった。ほぼ定刻に開場。中に入ると最前列だけ椅子が並べてある。運良く中央の椅子を確保出来た。ワンマンならではのお香とヴァイオリンのBGMにこれから始まる素晴らしき時間への期待が高まる。

50分押しでステージの幕が開くと楽器がセットしてあるだけで誰もいない。左からベース、ドラムス、ギターの極めてシンプルなセッティング。灰野さん側にはギブソンSGとグヤトーンのフレットレス・ギターが置いてある。おもむろにナスノ氏と幾郎氏が現れ、ふたりだけで演奏を始める。ベースは単音、ドラムは力強いスネアだけ。これが10分近く続き緊張感を高める。そこへ灰野さんがフルート片手に登場。アンプのスイッチを入れSGを構えるがじっとそのまま音を出さないで立ち尽くす。無音の存在感とでも呼ぼうか、そこに立っているだけで場の空気が張りつめていくのがわかる。マイクに近づき「ここからまだありえなかった"いみくずし"という何かを起こします」とひと言、不失者ワールドのスタートを宣言する。音数の少ない演奏が続き、灰野さんは譜面台のファイルをめくりながら深遠な内容の詩を歌う。ギターは時折ぐにゃりと空間を歪ませるノイズを発する以外はノンエフェクトでアブストラクトなフレーズを奏でる。時々リズム隊のふたりに向けて両腕を広げてサインを出す。かつて小沢靖さんにステッキを振って指示を出していたことを思い出す。リズム隊といっても定型のビートではなく呼吸をするように脈動し歌うような演奏である。相当丹念にリハーサル(鍛錬)を重ねたのだろう、無駄が全くない削ぎ落とされた音の破片が弾け飛ぶ。歌詞のひとつひとつが”曲”でありその連なりが意識の中に重層的に沈殿してゆく。気が付くと8ビートを完全に崩したとあとに産み出されるグルーヴに身を任せて身体を前後に揺り動かしていた。灰野さんの動きに逐一身体が反応する。3者3様のリズムがモアレのようにさざ波を立てて空間に拡散していく。いつの間にか会場は満員になっている。聴き手も灰野さんの操り人形のように揺れ続ける。次第に演奏が激しさを増し「あっち」「暗号」「お前」などの不失者往年のレパートリーが予想外のアレンジで演じられ意識を覚醒していく。まるで夢遊病者になったようなエクスタシーがずっと続く。3時間が長すぎるか短すぎるか、その判断も出来なくなるほどの緊迫した時間だった。この場所での時間の流れは他の場所の時間とは明らかに進み方が違っていた。最後は再び冒頭に歌われた「いみくずし」の歌に戻る。余りに見事に完結したステージだったからだろう、終わってもアンコールを求める拍手は起こらなかった。もの凄いものを観てしまったという畏怖に似た感情が心の中の暗闇に刻み込まれた。

観ているうちにこれこそ本当のハードコアだ、という確信が芽生えた。ジャンルやスタイルではない真のハードコア。灰野さんにそれを伝えたら、そう、これがロックだ、とのお言葉をいただいた。



亀川千代氏も観に来ていて帰りの電車が一緒だったので色々話をさせてもらった。昔吉祥寺ぎゃていでバイトしていたこととか、対バンをした思い出とか、いちろう氏のCDのこととか。いちろう氏の40分の曲「Fly Electric」の内容を話すと、ああ、やっちゃいましたか、との感想。短い時間だったがとても楽しかった。

これ以上
何を求める
音楽に

灰野さんの次のライヴは1/30(月)六本木Super Deluxeでジム・オルーク、オーレン・アンバーチとのトリオである。このトリオは3年連続のスーデラ出演。この日は昨年のスーデラでのライヴLP/CDの発売記念でもある。タイトルは何と「いみくずし」。当日スーデラの物販でも購入出来るが、灰野さん曰く「発売より後の、別の僕のライヴの時に、僕の物販から買ってもらえると嬉しいな」とのこと。その場合はサインもしてもらえるかも!

その先の灰野さんの予定は2/3(金)下北沢Shelter w/milkcow, AS MEIAS、3/24(土)秋葉原Club Goodman T.美川氏、ドラびでお氏とのトリオ、3/27(火)入谷なってるハウス 外山明氏とのデュオ。


PS.タイミング良くアメリカのAn Unofficial Keiji Haino Websiteの管理人Dave Keffer氏が自作のデレク・ベイリー&灰野さんのビデオを送ってきたので紹介します。いやー最高によく出来た面白いビデオ。でも灰野さんが観たらどう思うんだろ?

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電子音でビリビリ帝国!?~いちろう(柴田一郎)「Fly Electric」

2012年01月28日 01時33分39秒 | 素晴らしき変態音楽


2010年3月31日の解散表明以来、元ゆらゆら帝国のメンバー三人はそれぞれ独自の道を歩み始めた。坂本慎太郎氏はしばしの休息(隠遁)の後昨年7月に突然自主レーベル「zelone records」の設立とソロ活動の本格化を発表、11月にはソロ・デビュー・アルバム「幻とのつきあい方」をリリース、オリコンにもチャートインし、シーンへの復活を見事に印象付けた。亀川千代氏は灰野敬二さん、ヒロシNaさん、道下慎介氏(LSD-March)、ダモ鈴木さん等とのライヴ・セッションを行い神出鬼没の名ベーシストとして活動する。3月にはジャーマン・サイケの重鎮グル・グルのドラマーのマニ・ノイマイヤーさんとのセッションが予定されている。

さてドラマーの柴田一郎氏は「いちろう」名義でゆら帝時代から興味を示してきた電子音楽の世界に専念。Hair Stylistics=中原昌也氏やNUMB等と共演すると共にクラブ・イベントでソロ・パフォーマンスを展開、テクノ/アンビエント/エレクトロニカ/ノイズなどあらゆる側面を包括した音楽性に磨きをかけてきた。吉祥寺Jar-Beat Records主催のイベント「噛ます犬ナイト」で現場経験を積み、昨年2月にはEP「ジョイフル」でソロ・デビュー。そして1月27日アルバム「Fly Electric」で電子音楽家いちろうの本格デビューを飾った。

サウンドはすべてPowerBookで制作された純粋培養電子音楽でオウテカやパン・ソニックを髣髴させる異能エレクトロ・サウンド。ヘッドホンで聴くと左右を飛び交うエレクトロ・ノイズが脳髄を刺激して、ある意味ゆら帝やサイケ/アシッド・ロックよりもヤバい世界へ引きずり込まれそう。脳内マッサージと思えば深い快感に浸ることも可能だし、爆音でクラブで流してアブストラクト・テクノのシャワーに肉体を委ねることも可能。さすがドラマーだけあって複雑な非律動ビートの組み立て方はそこらのクラブDJの比ではない拘りに貫かれている。それにしても40分に及ぶタイトル・トラック「Fly Electric」には唖然とするしかない。まるでラ・モンテ・ヤングのような観念的アンビエント・ミニマル音響。ネタばれになるにので詳しくは書かないが分かる人には分かるよね。

とにかくかなりハイ・レベルな電子音楽である。エレクトロニカ初心者はまずEP「ジョイフル」を聴いてみた方がいいかもしれない。「Fly Electric」を購入するならamazonやタワレコよりもDisk Unionがおススメである。先着特典でライヴCDRとDVDRが付いてくるから、急いで注文した方が良い。





電子音
太鼓の世界と
違います

激ヤバでドラッギーな世界へようこそ!
このインタビュー最高です。
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見る、トラウマ~アーバンギャルド「プロパガンダヴィデオ2012」

2012年01月27日 01時02分47秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


今J-POP/J-ROCKの世界で最も独創的なバンド、アーバンギャルドのインディー時代からメジャー・デビュー後までのPV(プロパガンダヴィデオ)に撮り下しの作品も数多く加えた集大成DVDがリリースされた。彼らは2009年に「アーバンギャルド・天才馬鹿」というDVDをリリースしている(未見)が、PVを集めたDVDは初めてである。アーバンギャルドを象徴するテーマには「水玉」「セーラー服」「キューピー」「血飛沫」などがあるが、彼らの自主制作の初期PVが既にこれらが乱舞する一貫したコンセプトを持っていたことに驚く。

”見る、トラウマ”とはこのDVDのキャッチコピーだが、私はまさにその通りの体験をした。このDVDを観たあとの睡眠中の実況。真夜中、私がうなされて「キューピーが!キューピーが!」と寝言。家人「キューピーがどうしたの?」私「たくさんやってくる」家人「キューピーだったら可愛いじゃん」私「でっかいの。すごくでかいキューピーががたくさん。それと闘ってるの」。。。朝になって家人から聞かされたホントの話。いい歳をして余りに単純な自分に苦笑してしまったが、こんな悪夢を見たのは幼児か小学生の頃以来である。アーバンギャルドのプロパガンダが強烈に脳内に刻み込まれてしまった次第。

それにしてもひっきりなしに飛び散る鮮血、倖田來未なんかよりずっと生々しくエロ可愛いよこたんのミニスカート、繰り返し画面に現れる過激なスローガン、とレコ倫ならぬビデ倫(?)の検閲ギリギリの映像が110分も満載のDVDがメジャーなレコード会社からリリースされたこと自体が奇跡的かつセンセーショナルなプロパガンダである。日本の音楽業界はまだまだ捨てたものじゃない。



このDVDリリースに際してコンセプチュアル・プロデューサーを務めるリーダーの松永天馬氏の書いた檄文が秀逸なので転載しておきたい。
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見る欲望を、あなたに。

松永天馬

人の歴史は欲望の歴史である。速く走りたい欲望が自動車を開発し、遠くまで行きたい願望が月ロケットを完成させた。
それは快楽のきらめきだ。舌の欲望が料理を旨くさせ、耳の欲望が新しい音楽を求める。
視覚における欲望は、中でも原始的かつ根源的なものであると言えるだろう。
眼球は皮膚の上に露出した脳であるという。知性が極端に欲望を突き立て、皮膚をも突き破り、顔面を形成した。
そして我々は、見る。見る。見る。美しいもの醜いものを。花を、少女を、死体を、空を。
美術史を紐解けば、殊に視覚の欲望が芸術家の技を切り拓いてきたという過程が伺えるが
(聖書の絵画に描かれた裸体が当時のポルノグラフィだったと嘯けば、エヴァンジェリストたちに磔にされるだろうか)
映画の草創期にブルーフィルムが、ビデオの紀元にAVが、そしてインターネットの始まりにアダルトサイトが関与し、
その技術革新を導いてきたという事実は、しばしば忘れられがちだ(臭いものに蓋をしようとしているのかもしれない)。
では個人の記憶を振り返ろう。
我々はインターネットを手にした頃、猥褻な画像、醜悪な映像、それこそハメ撮りや死体の写真を検索しなかったか。
美しいものなのか醜いものなのかも分からぬまま、見る欲望にかられ、耽溺し、トラウマになるまでリピートしなかったか。

アーバンギャルドはYOUTUBEにおいて「発見」されたバンドである。
あなたがたの見る欲望によって検索された。
そしてそれは数々のトラウマをあなたがたの瞳孔に、鼓膜に、焼きつけてきた筈だ。
いま一度アーカイヴしよう。我々の見るトラウマ、ひいてはあなたがたの欲望を。
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ここまで自覚的に自分たちを分析出来るアーティストが現在どのくらいいるというのだろう? 文字通り天才馬鹿の率いるこの音楽煽情集団アーバンギャルドの世界は音だけ聴いているのでは100%理解出来ない。目から映像を、耳から音響を吸収し直接脳髄を刺激し、第六感を研ぎ澄ませてDVDプレイヤーの中で回転し続ける銀盤の生み出す観念の渦巻きを感じ取るとき、聴く者は初めてアーバンギャルド地獄の住人足りうるのである。あなたに幸多からん事を!って思わず天馬氏風の文章になってしまう私は間違いなく洗脳されてしまった人形につき。

トラウマに
身を任せれば
クモの糸

2012年のアーバンギャルド最大のステージ!! 3/20 東京 SHIBUYA-AX「アーバンギャルドのSHIBUYA-AXは、病気。」そして、それに続く初の全国ツアー!!「アーバンギャルドの日本は、病気。ツアー」。未知の世界の扉となるに違いない彼らのステージをぜひ体験してほしい。
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「金子寿徳/光束夜トリビュート kaneko jutok 1958-2007」@新宿JAM 2012.1.24 (tue)

2012年01月26日 01時25分18秒 | 灰野敬二さんのこと


1970年代後半から吉祥寺マイナーを拠点に灰野さんの不失者と共にアンダーグラウンド・ロックの暗黒の闇を蠢いてきたバンド、光束夜のギタリスト/ヴォーカリスト金子寿徳氏が急逝してから早5年。晩年に金子さんが入り浸っていた新宿ゴールデン街のバー裏窓の企画で毎年命日にトリビュート・ライヴが開催されてきた。今年は灰野敬二+高橋幾郎/割礼/宇宙エンジン/川口雅巳+諸橋茂樹+田畑満/マヘル・シャラル・ハシュ・バズという現在の地下ロック・シーンを代表する豪華な出演者で行われた。

開演前に金子さんの日常を撮影したフィルムが上映されていた。大雪の翌日ということもあり観客は最初はまばらだったが時間が経つにつれ徐々に増え最終的には満員に近い動員になった。私は最前列左手に座り込みレッドアイを飲みながらじっくり観戦。

最初はマヘル・シャラル・ハシュ・バズ。ドラムレスの5人編成でのステージ。左からtp,vln,basoon,gをバックに工藤冬里さんがパソコンに映された歌詞を見ながらギターを抱えて歌う。この日は各バンドが光束夜または金子さんの曲を1曲ずつカヴァーするという企画だった。冬里さんは金子さんとの共演歴も長く光束夜のメンバーを除いては一番親しい友人だった。この日も物販で二人の共演CDRが販売されていた。1曲目のカヴァーとラストの「休日出勤」以外は冬里さんが歌詞をマシンガンのようにしゃべり散らすという内容。いつもより少しだけ硬派なマヘルを聴くことができた。



2番目は川口雅巳+諸橋茂樹+田畑満のトリオ。私は川口氏の粘り気のあるギターと歌が大好きだ。田端氏のドライヴするベースに乗ってギターを弾きまくる曲、珍しく田端氏がヴォーカルを聴かせる曲の2曲だけだったが、独特のサイケデリックな世界をたっぷり楽しめた。



3番目にスペシャル・ゲストの田中トシさん&後飯塚遼さん。吉祥寺マイナーによく出演していたパフォーマー・デュオである。ピナコテカ・レコードの第1弾LP「愛欲人民十時劇場」にもふたりのパフォーマンスが収録されている。トシさんがバチと拍子木を鳴らしながら歌い、後飯塚さんがエレクトリック・ヴァイオリンを痙攣しながらプレイする。その迫力と緊張感は当時のマイナーの世界を髣髴させた。



4番目が宇宙エンジン。非常階段/インキャパシタンツのコサカイフミオ氏率いるロック・トリオである。コサカイ氏は非常階段でギターを弾くのを観たことがあるが、こうして自分のバンドで観るのは初めて。ギターはパワーコード中心で決して上手くはないのだが、その巨体で歌う声が予想以上に上手いのに驚く。



5番目に割礼。今年最初のライヴである。ひとバンド30分の持ち時間で彼らの長尺な曲が収まりきれるのか、と思ったが、オリジナル2曲と間に挟まれた光束夜のカヴァーの計3曲で割礼ならではの蕩ける空間を生み出したのは正にマジック。マイクスタンドに貼った歌詞を見ながら宍戸氏が歌ったカヴァーもそれと知らなければ彼らのオリジナルと思ってしまう独特の演奏。30分がとても長く感じられた幻惑的な割礼ワールド。



トリが灰野さんと高橋幾郎氏のデュオ、と思ったらもうひとり長髪長身の男性がベースを持って登場。あれは何と元ゆらゆら帝国の亀川千代氏!全く事前のインフォメーションのないサプライズ・ゲストの登場に観客がざわめきステージ前に押し掛ける。私は急いで全国のちよちよガールズへツイート(意地悪)。あとで聞いたら前日に灰野さんから誘われ急遽決まった出演だったそうだ。ゆら帝解散後、灰野さんと亀川氏が共演するのは昨年1月から数えて3回目。それだけ灰野さんが亀川氏を気に入っている証拠である。幾郎氏とは初共演だが、そうは思えぬ息の合ったグルーヴを生み出す。さすがにベテラン同士。その上に灰野さんの情念に満ちた歌とギターが重なれば怖いものなしの最強トリオの完成。恐らくリハの時に初めて音合わせをしたのだろうが、まるでレギュラー・トリオのような構成のしっかりした演奏だった。灰野さんはいつも以上に歌を聴かせる。金子さんの詩を前半に、後半は自分の詩を歌う。全2曲22分の短い演奏だったがこの貴重な時間をしっかり胸に刻み込んだ。灰野さんのライヴはいつも何が起こるか予測不能で面白い。27日(金)の不失者@UFO CLUBも必見。ちよちよガールズは見逃せませんね!



ライヴはこれで終了の予定だったが、最後に光束夜のb&voで金子さんの良きパートナーだったミックさんが工藤冬里さんと高橋幾郎氏をバックに1曲演奏。光束夜そのままの歌を披露。冬里氏は珍しくたがが外れたような凶暴なプレイを展開。追悼の夜に相応しい魂の籠った演奏だった。



光束夜
2度と開かぬ
暗闇よ

各バンドの演奏時間は短かったが、それが逆に緊張感を持続させ飽きることのない素晴らしいイベントだった。
裏窓の福岡さん、毎年本当にごくろうさまです。近々友人を連れて飲みに行きますのでよろしくお願いします。と最後は私信でライヴレポートは終了。
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スザンウ・ヴェガ@ビルボードライヴ東京 2012.1.23 (mon)

2012年01月25日 01時27分48秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


スザンヌ・ヴェガちゃん(3歳年上なんだけど何故かちゃん付けで呼んでしまう)のデビューは鮮烈だった。1980年代半ばエレポップ全盛の時代に突然フォーク・ギター片手に洗練に登場した彼女の存在は、イギリスのエヴリシング・バット・ザ・ガール、同じくアメリカのトレイシー・チャップマンなどと共に新世代アコースティック・サウンドの旗手としてミュージック・シーンに爽やかな風を送り込んだ。それと共に児童虐待を描いた「ルカ」の社会的なメッセージがセンセーショナルに取り上げられもした。「街角の詩」「孤独(ひとり)」「夢紡ぎ」「微熱」「欲望の9つの対象」という彼女の世界のイメージを膨らませる邦題も印象的だった。

私がヴェガちゃんのライヴを初めて観たのは1993年「微熱」ツアーで、オープンしたばかりの横浜ランドマーク・タワーのコンサート・ホールの杮落しだった。プロデュース&エンジニアにミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクを迎えエレクトロかつインダストリアルなサウンドで聴き手を驚かせたこのアルバムの曲をバンド編成で披露。彼女の清々しいイメージと斬新なサウンドが同居した素晴らしいライヴだった。フルーム&ブレイクはその後ロン・セクスミスやロス・ロボスの仕事で売れっ子になるが、その最初の記念碑が「微熱」だった。1997年には「欲望の9つの対象」ツアーで来日。ちょうど来日中だったリサ・ローブがステージに飛び入り出演したことを覚えている。

その後暫く彼女の音楽を聴かなくなってしまったのだが、最後に観てから15年後の今年来日公演があることを知り懐かしさも手伝って無性に観たくなり参戦した次第。ビルボードライヴ東京は何度か行ったことがあるが、こじんまりとしていてステージが観やすく音もいい。私はカジュアル席という一番上階の座席だったが、武道館やホールよりもずっとアーティストとの距離が近くチケット代も外タレにしては高くないのでおススメである。お客さんは20代~50代と年齢層が広く満員だった。

私が観たのは9:30PMからのセカンド・ステージ。時間通りにヴェガちゃんとサポート・ギタリストがステージに上がる。デビュー当時を想わせるショートカットに黒のスーツ。変わっていないのは外見だけでなく歌声も昔と全く同じだった。ホッと心が弛緩する。大半が80~90年代のアルバムの曲だが、最近手がけた60年代アメリカの女流作家カーソン・マッカラーズの伝記の劇中音楽から3曲ハンド・マイクで振り付きで披露したのは面白かった。サポート・ギタリストがサンプラーを使った多彩なプレイでバックアップする。個人的に大好きな「キャラメル」やインダストリアル・サウンドが衝撃的だった「ブラッド・メイクス・ノイズ」のアコギ・ヴァージョンが聴けたのが嬉しかった。現在彼女は自分の過去の作品をアコースティック弾き語りで再録音した「Close Up」というシリーズを自己のレーベルからリリースしている。Vol.1がLove Song、Vol.2がPeople, Places & Things、最新のVol.3がStates of Being、今春リリース予定のVol.4がSongs of Familyとテーマが分かれている。チャンスがあったらぜひ聴いてみてほしい。デビュー後25年たっても彼女の感性が時代を先取りしていることがわかるだろう。



1時間半のステージが終わると外は大雪。東京ミッドタウンから青山一丁目まで15分ほど歩いたのだが凍える寒さと雪で滑る路面にも拘わらず私の心は幸せと安らぎに満ちていた。

ヴェガちゃんの
笑顔に青春
取り戻す

ビルボードライヴ東京では2~3月にかけてハワード・ジョーンズ、ヨーマ・コーコネン、ドクター・ジョン、カーラ・ボノフ&J.D.サウザー、レオン・ラッセルなど私の世代には応えられない来日が続く。要チェック!
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TZITZIKI(ジジキ)@幡ヶ谷Forest Limit 2012.1.22 (sun)

2012年01月24日 01時31分26秒 | 素晴らしき変態音楽


新宿裏窓企画「ジジキ カセットテープ“tzitziki tapes”発売記念ライブ」member:西村卓也(bass),中尾勘二(sax/tb),工藤冬里(piano),久下恵生(drums)。

PUNGO、シェシズ、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、・コンポステラなど1980年代からアンダーグラウンド・シーンで活動してきた猛者4人によるインストゥルメンタル・ジャズ・カルテット、ジジキ(ギリシャ語で蝉の意)の私が知る限り3年ぶりのライヴ、しかもワンマン。先日、マヘルや蝉(偶然にも!)などのイベントで初めて行ったForest Limitだが、超満員だった前回に比べ、この日は椅子が並べてあり20人くらいの動員。後ろのソファでは工藤さんが居眠りしている。前日マヘルでオールナイト・イベントに出演し、昼間は新宿の書店・模索舎で一日店長を務め一睡もしていないとのこと。

ジジキは西村さんがリーダー、というか音頭取りのバンドだ。“70年代の邦人ジャズ”の香りを追求する真摯なスタイルのジャズを演奏する。多少フリ-キーな部分もあるがフリージャズではなく、かといって古色蒼然としたモダンジャズでもない。ちょうどコンポステラのように親しみやすいテーマを基調にアドリブを繰り広げる演奏は脱力ジャズというか天然フェイク・ジャズというか、その脱線具合が面白く観ていて飽きない。特に久下さんの時に狂ったように連打するドラムはバンド全体のグルーヴを見事に作り出していた。工藤さんはいつもの奇矯さは露見せず、立ちあがって鍵盤をなぶるように弾きまくる。中尾さんのテナーとトロンボーンは切ないフレーズでむせび泣き、西村さんのベースが自由に動き回る。ピットインで観るようなジャズとは一味違う燻すようなアングラな香りとリラックス感が心地いい60分だった。テクニックではなく感性の鋭さ・豊かさの重要性を実感した。



この日発売の新作カセット・テープを購入し、持参した2008年リリースのCDに4人のサインを貰った。


蝉(福岡)と蝉(ジジキ)
共演したら
面白い

工藤さんは24日には新宿JAMのやはり裏窓企画の「金子寿徳/光束夜トリビュート kaneko jutok 1958-2007」にマヘルで出演する。全く忙しいのが好きな人だ。
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土方巽命日~深遠なる舞踏の世界

2012年01月22日 00時43分28秒 | アート!アート!アート!


1/21は舞踏家の土方巽(ひじかたたつみ)氏の命日。それにちなんで暗黒舞踏やモダンダンスをご紹介したい。パフォーマンス面でロックやジャズにも影響を及ぼした身体芸術の世界をお楽しみいただければ幸いである。最初は土方巽氏出演の映画「江戸川乱歩全集~恐怖奇形人間」。



明治39年に生まれ100歳を過ぎても踊り続けた故・大野一雄氏は土方氏とともに暗黒舞踏の誕生に貢献した。



1972年麿赤兒氏を中心に結成された大駱駝艦は金粉ショーでセンセーションを巻き起こした。現在麿赤兒氏はテレビ・ドラマや映画で悪役俳優としてもお馴染みである。



1975年大駱駝艦のメンバーだった天児牛大(あまがつうしお)氏により結成された山海塾は、80年代から積極的に海外公演を行い、世界中に「Botoh」の存在を知らしめた。



土方氏、大野氏と共に前衛舞踏活動を推進してきた笠井叡氏も重要な舞踏家のひとり。密教、神道、古インド神秘思想、キリスト教神秘主義、グルジェフ、パタイユなど神秘主義にも造詣が深く「天使論」などの著作を発表している。



暗黒舞踏の流れとは別に登場した田中泯氏は80年代に舞塾を主宰し若手舞踏家/表現者を育成すると共に他ジャンルとの共演を積極的に行い舞踏表現の幅を広げた。山梨県の農村で農業と舞踊の同時実践を行いつつ、最近は「場踊り」と題する街頭パフォーマンスを行っている。俳優としても活躍中。映像は”即興の鬼”=故デレク・ベイリー氏との共演。



最近の舞踏の動き1:1989年に不破大輔氏を中心に結成された大所帯フリージャズバンド、渋さ知らズは舞踏ダンサーも帯同した祝祭的パフォーマンスでジャズを超えた超音楽バンドとして国内外で大きな人気を誇っている。



最近の舞踏の動き2:ダンスカンパニーBaby-Qを主宰する東野祥子嬢の踊りはスピード感と感情表現に満ちた新感覚派。Hair Stylistics、Doddodoなど日本の若手ミュージシャンとの共演も多く要注目。


(この記事は1/21 Facebookのコミュニティー「ロックっていいね!倶楽部」への筆者による投稿をまとめたものです。)

舞踏とは
意識の解放
目指してる

その他にも当ブログで紹介した元グンジョーガクレヨンの園田游氏、鼠派演踏艦Ωの宮下省死氏、工藤丈輝氏などユニークな舞踏家は数多い。その深遠な世界にぜひ触れてほしい。



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南紫音ヴァイオリン・リサイタル@紀尾井ホール 2012.1.17 (tue)

2012年01月20日 00時49分18秒 | こんな音楽も聴くんです


この日は今年2回目のクラシック・コンサート。2005年ロン=ティボー国際音楽コンクールで第2位を受賞し注目された若手美人ヴァイオリニスト南紫音嬢のリサイタル。紀尾井ホールはアコースティック音響が素晴らしいし、オペラシティやサントリーホールよりこじんまりしていてお気に入りのホールだが行くのは10年ぶりくらいか。赤坂見附の駅からホテルの中を通って行けば楽なのに、すっかり忘れて坂道を登って行ったので息切れしてしまった。

紫音嬢のリサイタルは初めてだが、清楚な佇まいが前から気になっていた。しかもこの日のプログラムはプーランク、ドビュッシー、フランクというフランス・ベルギー系の近代音楽。CDでもコンビを組むピアニスト江口玲氏との共演でどんな世界を聴かせてくれるのか興味があった。

このブログ読者にはクラシック・ファンは少ないと思うが、コンサートに行けばアンプを通さない生音でしか味わえない表情豊かな音響とロックのライヴでは味わえない凛とした緊張感があって独特の体験ができるので、ぜひ足を運んでもらいたいと思う。特に管弦楽のような大編成ではなく、弦楽四重奏やピアノ/ヴァイオリン・ソナタなどの室内楽は、演奏者の表情や動きが良く見えるし、音数の少ないストイックな空間はアンビエント・ミュージックに通じるものがあって親しみやすいと思う。

紫音嬢の優雅な動きで奏でられるヴァイオリンの響きとピアノと共にダイナミックな流れを持った曲調はまるでプログレ、それもチェンバー・ロックに通じる。演奏が盛り上がるとつい身体を揺らしてしまうロック・ファンの悲しい性。オールスタンディングで聴いてみたい、と思ってしまうのは私だけだろうか。それほど抒情的でドラマティックな演奏だった。来月のユニヴェル・ゼロのいい予行演習になった。



ヴァイオリン
エディ・ジョブソン
ダリル・ウェイ

会場には秋元康氏の姿も見受けられた。さすが格式のあるクラシックの世界。でも普通のラフな学生風の若者の姿もあってホッとした。
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やらずにいられない気持ち~ザ・クロマニヨンズ「ACE ROCKER」

2012年01月19日 01時10分37秒 | ロッケンロール万歳!


本当は17日に観たクラシック・コンサートのレポートを書いたのだが、amazonから届いたばかりのザ・クロマニヨンズの6枚目のニュー・アルバムが期待以上に最高だったので新たに記事を書き直すことにした。

ザ・クロマニヨンズ出現が2006年だから今年6年目、1年に1作のペースでアルバムをリリースしてきた訳だ。ブルハ時代から数えると26年間ヒロトとマーシーはロッケンロール道を転がり続けてきた。ひたすら走り続けるふたりの姿は同世代の私にとって常に励みであり手本だった。彼らのライヴに行くと全てを忘れて彼らのサウンドに身を委ね共に歌い共に踊りまくる。ハイロウズの「十四歳」という曲が大好きなのだがまさにロックを聴き始めた中学時代に戻ってしまう。

「ACE ROCKER」と題されたこのアルバムはここ数年彼らがこだわり続けるモノラル録音/アナログ仕様で制作されている。♪やらずにいられない事をやるだけなんだ/ただそれだけ/他には何も 他には何も♪という彼らのロッケンロール宣言たる「他には何も」から始まり♪お星様 お星様/逃げません 僕はもう♪と約束状を叩きつける「ハル」、♪LUST FOR ROCK'N ROLL!!♪と叫ぶ「欲望ジャック」、行進曲風の「シャイニング」、歌詞のテーマがデビュー・アルバムの「土星にやさしく」を思わせる「ボッチ」と「ゴー ゲバ ゴー」そして先行シングルの2曲「ナンバーワン野郎!」と「雷雨決行」でエクスタシーに達する。イッたあとも余韻を楽しむ「49cc」、スペイン語のコーラスがユニークなマリアッチ風の「メキシコの星」まで全12曲37分。ロッケンロールはこうじゃなくっちゃ、というお手本のようなアルバム。とりわけ新しい試みをしている訳じゃないが、まるでこれがデビュー・アルバムのような初々しさに溢れた作品だ。「私は寝るたびに死に、朝起きるたびに生まれ変わるのだ」とは誰か有名人の言葉だが、ザ・クロマニヨンズもアルバムを出すたびに、ライヴのたびに生まれ変わって真っ白な状態でロッケンロールを奏でる。ヒロトがMCで「今日は最高のロッケンロール・パーティにしようぜ!」と叫ぶがまさに本心そのままの言葉なのだ。2月と5月の東京公演のチケットは押さえた。最高のロッケンロール・パーティを再び体験するのが楽しみでならない。



駆け抜けろ
ナンバーワンの
エースロッカー

「ACE ROCKER」リリースを記念して「ロッケンロー祭り」を開催したFacebook最大のロック・コミュニティー「ロックっていいね!倶楽部」はロック好きには溜まらないコミュニティーだ。FBをやってる人は一度覗いてみてはいかが?
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