「日本のロック史上最も謎の存在として最高のサイケデリック・ノイズ・バンド」という枕詞で今でも紹介され続けている裸のラリーズの10枚組CD+DVD BOXが発売された。昨年の1990年代のライヴを収めた13枚組、正規作品3作をリマスターした5枚組に続くBOX Setのリリースである。1970~80年代のライヴやデモ音源を集めたもの。DVDは1994年京大西部講堂で行われた『首吊りの舞踏会』のライヴを収録。
2000年代に入ってからの裸のラリーズのブートレッグ音源の乱発にははっきり言って食傷気味である。輸入盤も含めて近年これほど多くの音源が世に出たバンドは他にはない。今更何が「謎の存在」なのだろう。今や何処のCDショップにもラリーズ・コーナーが出来、amazonなどネット通販で通常の値段で購入出来る。伝説は地に落ちた、といっていいだろう。
さらに呆れるのは3月に同じくignitasから「THE ARCHIVES OF DIZASTAR SOURCES」として現在のラリーズのブートレッグ乱発の元音源となったいわゆるD-音源のCDが2枚組で10セット限定発売されるということだ。ここまで白日の下に晒す必要があるのだろうか。余りに無惨ではあるまいか。伝説の存在は伝説のままで密かにマニアの間で語られるのが相応しい。
かくいう私もラリーズの音源は相当数コレクションしてきた。その結果いえるのは、ラリーズは「夜、暗殺者の夜」「黒い悲しみのロマンセ」「白い目覚め」「夜よりも深く」「造花の原野」「The Last One」など数曲のレパートリーをメンバーを替えて30数年繰り返してきただけのバンドであるということ。何十枚、何年代の音源を聴いても曲は一緒。水谷孝氏の歌とギターも変化無し。はっきり言おう。これは退屈でマンネリ極まりないバンドである。一部マスコミや評論家が「日本ロック史上最大の謎」などと煽るものだからそれに踊らされてしょうもない音源を次々手に入れ続けるのが哀しきマニアの性なのである。
数年前に水谷孝氏に会ったという雑誌編集者に聞くと、その時の水谷氏は異様に痩せていてまるで幽霊のような存在だったという。社会復帰の不可能な頭でっかちな不具者といった具合か。死期も近いのかも知れない。この話を聞いて以来、私はラリーズの音源を聴くと実社会に生きることの出来ない空想主義者の産み出した壮大な出鱈目の物語に聴こえてしまってかなりキツい。誰かがこのでっち上げられた伝説に終止符を打たなければならないのではないか。
灰野さん、PANTAさん、三上さん、洋輔さん、坂田さんなど生きる伝説が精力的に活動する現在、もうとっくに活動を終えた過去のバンドに固執することはない。私たちには過ぎ去った影を追いかける暇も必要性もないのである。
ラリーズの
死肉に群がる
亡者たち
さよならラリーズ、さよなら水谷孝。
紛失するのが怖くてすぐダビングして当日で返した記憶があります(小心者なので・・・)
いまやYTですぐ映像や音源出てくるし、沖縄のタワレコにも置いてますからね。映像でいえば山下達郎のほうが全くないですし(笑)
ラリーズ嫌いではないですが、それよりも灰野さんの音源をガンガン出したり再発してほしいですね。不失者の「THE CAUTION APPERS」(超名盤!!!)や徳間ジャパンの音源(名盤!!)が常時置いてないなんて・・・。
何回か直接メールはしたんですが、徳間ジャパンはperfumeで稼いだ分還元してほしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=YM1EAJ7gXrw
Perfume移籍ですから徳間ジャパンの再発は厳しいんじゃないですかね。灰野さん自身も過去を振り返るよりも先のことしか考えていない節がありますので、あまり再発には前向きではない気もします。
還暦の今年、灰野さんに関するプロジェクトがいくつか進行中のようです。発表出来るようになったらブログでお知らせしますのでお楽しみに!
寝室に貼っていた灰野さんのポスターを嫁に剥がされたばかりの傷心者より。
コメントありがとうございました。
ラリーズを正面切って批判することがタブーになっている風潮への不満から言いたいことを勝手に書きましたが、かなり多くの方に興味を持っていただけたようで、多分皆さんが感じていることを代弁出来たような気がします。
私も家で灰野さんや阿部薫さんや洋輔さんのCDを聴いていると嫁と娘に「うるさい」と怒られ肩身の狭い思いをしています(笑)。今後ともよろしくお願いします。
不失者のポスターは断腸の思いで捨てました(・∀・)
流石にやりすぎですよね(笑)
永遠の夜の暗殺者にも朝がやって来たのかも知れません。
ラリーズはCDでしか体験したことがないですが当投稿には全く同感です。
マニアックな音楽を紹介しているブログでこのような思想(?)を展開していらっしゃる方に初めて巡りあえてちょっとした感動です笑
特に>この話を聞いて以来~からのくだりは本当に同感です。こと311以降は。
同じような思いに出会えて嬉しいです
コメントどうもありがとうございました。レスが遅れて申し訳ありませんでした。今読み返すと一時の激情に駆られて書いたことがありありの文章でお恥ずかしい限りです。しかし同じような思いを持たれていた方が多いことが分かりちょっと安心しました。気まぐれな不意打ちの多いブログですが、今後ともなにとぞよろしくお願いします。
ちょっと気になったので。
> 数曲のレパートリーをメンバーを替えて30数年繰り返してきただけのバンド
> であるということ。
> 何十枚、何年代の音源を聴いても曲は一緒。
> 水谷孝氏の歌とギターも変化無し。
これが、なぜ、
> はっきり言おう。これは退屈でマンネリ極まりないバンドである。
などと短絡的に片付けられてしまうのか。
曲数が多ければそれで良いのですか。一曲でも普遍性を持つ楽曲が作れて何年も風化
せずに聴かれることは偉大ではないですか?「変化無し」と仰るが、「変化の必要無し」
のケースだってあるのではないでしょうか。最初から完成されていればわざわざ変化
する必要もないというスタンスのバンドがあっても良いと私は思うし、それを「マンネリ
極まりない」と断ずるのは軽率な気がします。「退屈」なのは個人の主観なのでそれは
相性が悪かったと諦めればよいことで、「はっきり言おう。」などと大上段に振りかざして
言うほどのことでもないように思います。変化の多いバンドを聴いておけばいい話ですから。ただの好みの問題です。
> その時の水谷氏は異様に痩せていてまるで幽霊のような存在だったという。
という話が、
> 社会復帰の不可能な頭でっかちな不具者といった具合か。
と、これまた短絡的な飛躍に至るのでしょう。
私が水谷さんと会っていたのは20年近く前のことでしたが、確かにその頃からすでに
(いや、おそらくもっと以前から)人前では食べ物を口にしないという噂があったし、
実際に痩せ細って幽霊のようで、ラリーズ・ファンが望んでいる水谷像そのものと
いった風情でした。思うに、水谷さんは肉体が疎ましかったんじゃないでしょうか。
その考え方の善し悪しがどうこうという話には興味が無いので特に突っ込んだ
コメントは避けますが、水谷さんは肉体の呪縛から逃れたいがためにクスリやバンド
をしてたんじゃないかと勝手に想像しています。
裸のラリーズは、自他共に「闘い」という言葉をよく使いますが、水谷さんの闘いの
一つがもう一度引用しますが、
> 社会復帰の不可能な頭でっかちな不具者
というありがちな世評への抗いなんじゃないでしょうか。社会復帰そのものに、そもそも興味が無いのだと思われます。繰り返しになりますが、この手の話には興味が薄いので
私的見解を述べることは遠慮させていただきます。
あと、先ほどの「不具者」もそうなんですが、
> 死期も近いのかも知れない。
大変失礼なことを言っている自覚はありますか?意識的に書かれているのであれば、
なぜ唐突にこのような悪意を持った言葉が出てくるのか前後の文脈からは推測でき
ません。
真意を知りたいです。
> もうとっくに活動を終えた過去のバンドに固執することはない。
それならばなぜ、スピード・グルー&シンキやフラワートラヴェリンバンドなどは
今でもCDが再発され続けるのでしょう。生きる伝説とやらが重要なのも分かりますが、
過ぎ去った歴史に敬意を払うことも大事なんじゃないでしょうか。好きなバンドならば
昔のだろうと今のだろうと固執すればいいじゃないですか。人に指図されるようなこと
じゃない。この「過去のバンド」というのがラリーズに特化されて使っている場合でも
同様に。