大友良英 4デイズ 8連続公演
29日【夜】ノイズ電車 in PITINN
jojo広重、junko、美川俊治、広瀬淳二、大友良英
恒例年末大友良英8連続公演は、この1年にやったライブの中でも特に印象に残ったものをさらにパワーアップしての大特集です。(中略)3日目は福島市内を走る電車を占拠して行われた狂気の「ノイズ電車」をPIT INNに持ち込みます。この日ばかりは何が起こるか一切の保証はしません。
(PIT INN INFORMATION WEBより)
きゃりーも来年1月に20歳になる。彼女が昨年歌手デビューした時に書いたエッセー本「Oh! My God!! 原宿ガール」には彼女の生い立ち・素顔が克明に描かれている。先日のでんぱ組inc.もそうだがカリスマモデルやアイドルも普通に人生を歩むひとりの人間に過ぎない。そういう等身大の自分を歌うサイサイの曲は万人の共感を得る普遍性がある。アンコールのサプライズに嬉し泣きするすぅの姿にそんな思いを強くした。
彼女のことを知ったのは音楽サイト「Weekend In The City」掲載のBO NINGENのTaigen Kawabeの2012 Best Albumsだった。彼はももクロをブレイク前から大好きだと公言しており、当時アイドルにまったく興味のなかった私は「サイケとか言っても彼もやっぱりタダの男か」と醒めた目で見ていたのだが、ご存知のようにももクロは今年大ブレイク。自分自身もアイドルショックを経験し改めてTaigenの感性の鋭さに舌を巻いた。
ORANGE RANGE 主催の対バン企画ライブ<縁舞>の第 6 弾となる<縁舞 –vol.6->を、12月26 日(水)に渋谷 CLUB QUATTRO にて開催する事を発表した。
今回の対バンアーティストには、今夏、各地フェスに出演後、ニューアルバム『Strange Utopia Crazy Kitchen』を携えて行ったツアー「Strange Utopia Crazy Kitchen Tour」を終えたばかりの福岡発 3 ピースロックバンド「MO'SOME TONEBENDER」をゲストに招いて開催される。
(ORANGE RANGE OFFICIAL WEB SITE 縁舞特設ページより)
仕事で開演30分遅れでクアトロに着くとステージでは武井と藤田がサイリウム(蛍光ライト)を持って踊っていた。客席からも何本かライトが輝きアイドルヲタ芸がフラッシュバックする。打ち込みテクノビートはもろデジロック。次の曲では武井が電飾衣装でライトセーバー・ダンス。元々アッパーなロケンローバンドだがこの日は今まで以上にアゲアゲ。武井がベースを構えたと思ったら今度は百々がギターを置いてマイクアピール。定番のフリクションのカヴァー「Big-S」では武井がネオンプレート付ヘルメットを被り「モーサム絶賛演奏中......今年のギグ納め.....ORANGE RANGE 呼んでくれてありがとう.....みなさん良いお年を...」といった文字が流れる。これじゃ変態色物バンドじゃん、と思ったが年忘れライヴなのでまあいいか。
最後は「We are Lucky Friends」。5年前初めてこの曲を聴いた時モーサムにしてはポップな曲調とのんびりした歌詞に軽い違和感を覚え、さらに日比谷野音のレコ発ライヴで着ぐるみ動物と一緒にこの曲をやったのに唖然としたが、以来エンディングの定番になりモーサムの代表曲に収まった。思えば2007年の10thアルバム「SUPER NICE」からモーサムの躁状態が始まった気がする。現在ではJ-Rock界最高にハイパーでイケイケなロケンローバンドという確固たる地位を築いた。
重大発表!サイサイ2013年春全国ツアー決定!として「Silent Siren Live Tour 2013」の日程が発表されたが東京公演@渋谷AXが何と5月3日。灰野さんの誕生日で生誕記念ライヴの日である。2度あることは3度あるというが、ここまでスケジュールが重なるとは偶然ではなく神の悪意としか言いようがない。こうなったら灰野さんじゃないが「運命よ、かかって来い!」である。
<Set List>
M1.Sweet Pop!
M2.サイレン
M3.LOVEのしるし
M4.クリスマスソングメドレー:きよしこの夜~赤鼻のトナカイ~恋人はサンタクロース
M5.いつかのメリークリスマス
M6.セピア
M7.Crazy Lady
M8.stella☆
M9.ランジェリー
~アンコール~
M10.Sweet Pop!
M11.All Right ~”今”を懸ける~
静寂を初めて観た時、まだ不失者が再始動する前だったこともあり「静寂は新たな不失者か」という趣旨の記事を書いたら灰野さんから誤解だと諭されたことがある。その違いは実際に工藤冬里+高橋幾郎との新生不失者を観た時に明確に理解できた。静寂は本質的に「ブルース(=哀歌)バンド」であり、(これも誤解だと言われるかもしれないが)灰野さんのロックの理想型の実践としての不失者よりも演奏者の自由度が高いといえる。アルバート・キング、ザ・ドアーズ、ステッペンウルフに捧げられたアルバム「You Should Prepare To Survive Through Even Anything Happens」で判る通りレパートリーは多彩である。この日のライヴでも「青い眼の人形」「昭和ブルース」「若者たち」「ダイナマイトが百五十屯」「あっち側からこっちを見ろ(ザ・ドアーズ)」「始まりに還りたい(ステッペンウルフ)」が演奏された。かつての哀秘謡のようにカヴァーでもコピーでもない。元の歌詞がいわばジャズにおけるテーマのように「素材」として使われるだけである。特にザ・ドアーズ、ステッペンウルフに関してはオリジナル歌詞を灰野さんが咀嚼し独自に解釈した歌詩(歌"詞"ではなく)で唄われる完全なオリジナル楽曲である。
灰野さん関連資料でも送ってきたかと思ったら絵本だった。彼が主宰する出版社The Poison Pie Publishing Houseの発行である。「Tales of the Mushroom People(キノコ人間の物語)」「Tales of the Mushroom People II:Call of Cthulhushroom(キノコ人間の物語2:クトゥルフダケの呼び声)」の2冊。作者クレジットはケファー・ファミリーとなっている。デヴィッドと奥さんと二人のお子さんの共作である。ビデオに登場する指人形のキノコ人間キャラクターが第1巻では韓国、第2巻ではテネシーの風景の中で活躍するストーリーで平易な英語で読み易いし英語が判らなくても写真だけでも楽しめる。
▼紹介ビデオ。出演は彼の実の息子さん
デヴィッドの最新作は「The Sutra of Reverse Possession: A Novel of Non-Idiomatic Improvisation(所有逆転の教典:非イディオマティック・インプロヴィゼーション小説)」。簡単に記せば人生の意味を探す主人公が様々な体験を経て悟りに接近するというストーリーで、主人公の冒険の即興的展開と共に、ストーリー案を用意せず筆の向くまま書き連ねるという執筆方法にも非イディオマティックな即興性を取り入れたという。デレク・ベイリーの著書「インプロヴィゼーション」で論じられる非イディオマティック・インプロヴィゼーションの難解な概念を判り易く噛み砕いた画期的小説である。