前述した通り灰野と石橋の共演は2007年以来何度かあるが、ナスノミツルを含むトリオなどが多く、デュオ共演は2010年5月の下北沢Lady Jane以来。その時の演奏は、灰野のギターと石橋のピアノの激しいインプロ中心だった。4年半ぶりのガチ対決は灰野が最近よく演奏する円盤状のパーカッションでスタート。今回初めて目の前でじっくり演奏風景を見た。10個近く並べたパーカッションをハンマーで叩き手で覆いミュートして、音波の形を変化させる。音の出る仕組みはまったく異なるが、演奏スタイルはエアシンセと似たものがある。終演後確認したところ、これは「OTO」と呼ばれる創作楽器で、生物学的理論に基づいて製作されたという。最初クラシックの打楽器奏者に依頼したが制作者の意図通りの演奏が出来なかったらしいが、縁があって灰野が試奏したところ、理想的なプレイが出来たので、制作者の意向で灰野が専用に使う、世界に唯ひとつのユニークな楽器である。
⇒灰野敬二×石橋英子@下北沢 Lady Jane 2010.5.30 (sun)
何と何と!『えいたそ文化論』はもちろん、その後の考察でも何度もえいたその血の繋がらない祖父として登場した木星生まれの太陽神=サン・ラ SUN RAのジャケが、イラストながらまさに「宇宙に立ち」「太陽(発光体)をバックに自らの姿がハッキリ見える」状態。色もえいたそカラーのイエローで同じ。その他のジャケでも逆光でも姿が見えて宇宙が背景。となると、新たに「サン・ラ&えいたそ同一人物説」を唱えるべきかもしれない。
Set List
1. Strange Fruit
2. Don't Think Twice, It's All Right
3. Lucille
4. I've Got Dreams To Remember
5. Five To One
6. Out Of Focus
7. 骨まで愛して
8. Boom Boom
9. All Or Nothing
10. Code(暗号)
Encore
11. Don't Think Twice, It's All Right
今年のSound Live Tokyoの目玉として灰野とコナーズの20年来の共演ライヴが日本で実現することになったのは、インターネットという文明の利器による奇跡である。また、一週間前にWWWに出演したケイス・ブルームが80年代初期にコナーズとの共演で"幻"の作品を続々リリースした事実を思えば、SLTのブレのない企画力を証明する公演とも言えるだろう。