A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

部族の祭典~あふりらんぽ「スートブレイコー」

2008年09月30日 00時20分23秒 | 素晴らしき変態音楽
オニ(g,vo)とピカチュー(ds,vo)からなる女性デュオ、あふりらんぽのライヴを最初に観たのは2005年春のソニック・ユースの来日公演のサポート・アクトとしてだった。シャーマニックなメーキャップと奇抜な手作りの衣装に身を包んで姦しく歌い踊る30分ほどのステージは、如何にもサーストン・ムーア好みらしい日本的な土着性と放逸感に溢れていた。
その後も灰野さんとの共演を含み2度ほどライヴを観た。しかし私はあふりらんぽを含む"関西ゼロ世代"というのがいまひとつよく腑に落ちない。確かにアヴァンギャルドでアナーキー(滅茶苦茶)で面白いところへ行こうとしているのだが、まだまだ無責任な馬鹿騒ぎに留まっているという感じで、心に強烈な一撃は食らっていないのである。
この「スートブレイコー」は何枚目か判らないが現在のところ彼等の最新アルバムである。先日Perfumeや木村カエラと一緒にTSUTAYAで借りてきた。
「いち」から「なな」までトラックは分かれているが、メドレー形式の組曲になっている。アルバム・タイトルは多分「無礼講組曲」という意味であろう。全体的にトライバルなサウンドの上にふたりがユニークな言葉を紡いでいく。雰囲気的にはボアダムスの「Super Roots」シリーズやOOIOOにも似たミニマルな世界である。原始時代の部族の祭りはこういうものだったのではなかろうか。ライヴよりもこのアルバムの方が彼等の世界をコンパクトに体感できて良い。
あふりらんぽ HP

いまひとつ
判らぬ関西
ゼロ世代

オシリペンペンズもライヴは酷いがCDだといいのかも知れない。



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音楽好きにはたまらない~last.fm

2008年09月29日 00時20分42秒 | Weblog
何を今更と思う人も多いだろうが、last.fmというサイトが面白い。世界最大のソーシャル・ミュージック・プラットフォームということだが、MySpaceがアーティスト自らページを持って運営されているのに対してlast.fmは感覚的にはまさにラジオである。しかも面白いのは好きなアーティストを入力するとそのアーティストから始まってテイストの似たアーティストの曲が自動的に選択されて次々と再生されて行くところだ。ちなみにさっき灰野敬二から聴き始めたら→AUBE→Psychic TV→Merzbow→Boredomsと続いて行った。何が再生されるかは毎回違う。
よくラジオの分類でTOP40, Modern Rock, Classic Rock, Alternativeなどがあるが、last.fmは究極の個人志向を反映させた番組を作ってくれるのである。
2003年にイギリスで始まったSNSだが、日本語版もあるので聴いてみるといい。メンバー同士でグループを作ったりも出来るようなので色々試してみよう。mixiとMySpaceを合体させた感じだろうか。勿論無料。
last.fm HP

面白い
最後のFM
終わりなし

時々とんでもない曲が飛び出してきたりする。その意外性も楽しい。
↓last.fmによるYMOのインタビュー。他にもFaustやPortisheadなど癖のあるアーティストにインタビューしている。



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本当に当たった。ネット懸賞。

2008年09月28日 00時26分57秒 | Weblog
そのメールは突然来た。「ご当選おめでとうございます」というタイトルで。最初はよくある競馬予想のメルマガかジャンクメールの類いかと思った。
しかし読んでみると正真正銘、ネット懸賞のプレゼント当選の知らせだった。それも現金壱萬円!
まぐまぐでいくつかのメルマガに申し込んでいる。今回当たったのは「マネーのまぐまぐ!」日刊マーケット情報というもの。株式情報のメルマガで、毎週月曜日の日経平均株価の終値を予想する、というゲームだ。私は株のことなど全く判らないが、いつも適当な金額で応募していた。それが的中、私が当選したという訳だ。
それ以外にも色々な懸賞やプレゼントに応募しているが、正直言って当たる可能性なんて微々たるものだ。中には本当に当選者がいるのか、と思うものもある。しかしごく小さな可能性でも信じて応募し続けることで、今回のような幸運に当たるのである。
信念と継続の重要性を実感した瞬間だった。
マネーのまぐまぐ HP
懸賞以外にもポイントを貯めるメルマガもある。私はこれで貯めたポイントでamazonの500円クーポン券を貰った。ネットさまさまである。

メルマガを
バカにしては
いけません

みなさんもやってみてはいかがだろうか。元手ゼロですよ。

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ブロッツフェス2008@六本木 Super Deluxe 2008.9.25 (thu)

2008年09月27日 00時28分11秒 | 灰野敬二さんのこと
ヨーロッパのフリー・ミュージック・シーンの重鎮リード奏者、ペーター・ブロッツマンを囲んでのライヴ企画。
私は約25年前ICPオーケストラで来日した時と、その後近藤等則氏が招聘した法政学館と2度ブロッツマンのステージを観ているハズだ。あれから相当の年月が立ち、60歳を超えたブロッツマンの外見と激しいプレイが全く変わっていないのが驚きだ。
出演はマッツ・グスタフソン(reeds)、灰野敬二(guitar etc.)、ポール・ニルセン・ラヴ(ds)、ケン・ヴァンダーマーク(reeds)、八木美知依(琴)。先日のトニー・コンラッドの時同様、Super Deluxeは若いファンで満員だ。アヴァンギャルド・ミュージック愛好家が増えているのだろうか?
今回は3セット異なるメンバーを迎えてブロッツマンが吹きまくるという、"吉田達也叩きっぱなし"みたいなイベントだ。
最初が灰野さんとのデュオ。ジャズ系だから指弾きの演奏になるかと思ったら初っ端から鋭角的な音色で激しいコード弾きの嵐。吼えまくるブロッツマンに挑みかからんというほどの気迫の籠ったプレイ。途中ギターを置いてヴォーカル・パフォーマンスとパーカッションを聴かせる。ブロッツマンはテナー~アルト・クラリネット~アルトと持ち替える。アルト・サックスは人間の声に一番近い楽器と言われるが、灰野さんのヴォイスとの絡みを聴いて納得。最後は再びギターを持って対決。反駁という言葉が相応しい緊張感と迫力溢れる演奏だった。
続いて八木氏、ニルセン・ラヴとのトリオ。このトリオで来年ヨーロッパのジャズ・フェスに出演することが決まっているそうだ。こちらはうって変わって調和を大切にしたインプロを聴かせる。最近来日の多いニルセン・ラヴの達者なドラム、時にピアノ、時にベースを想わせる八木氏の琴(17弦と21弦のふたつを使用)、咆哮するブロッツマンのサックスが溶け合い起承転結のある演奏を展開。久々にまっとうなフリー・ジャズを聴いた気がする。
最後はグスタフソン、ヴァンダーマークとのサックス三重奏。即興ではあるが明らかな流れを持ったアンサンブルは流石インプロの猛者達。グスタフソンのバリトン・サックスがカッコいい。アンコールに坂田明氏がゲストで加わり四重奏になる。達人の技に舌を巻いた。
フリー・ジャズ/フリー・ミュージックの現在を実感できる有意義なイベントだった。

ブロッツマン
吼える姿は
ライオン丸

終演後灰野さんに挨拶に行くと、ジム・オルークの共演について書いた先日のこのブログの中で、"ディジリデュー"としたのは間違いで正確には"フヤラ"というスロバキアの楽器だと指摘された。
フヤラ
しかし本人が読んでいるとなると下手なことは書けないなぁ



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可愛いノイズ~Hair Stylistics「Wild Hair Style」

2008年09月26日 01時00分11秒 | 素晴らしき変態音楽
月刊ヘア・スタイリスティックスもVol.6。遂に半分まで来た。
今回のCDはヒップホップっぽいアートワークに目を奪われるが、内容は今までと変わらぬストレンジ・ノイズ。前作がスタジオ・ライヴで超過激なサウンドを聴かせていたのに対し、今回は再び宅録ノイズに戻り、凝った音響を展開している。
今までで一番長い全6曲収録。アッパーな電子阿波踊りあり、ダウナーなムードの中ピュルルルと可愛い電子音が蠢く曲あり、ホワイト・ノイズとヴォイスのフィードバックだけの曲あり、ミュージック・コンクレートあり、アンビエントあり、16分に亘るミニマル・ノイズの饗宴あり。様々なスタイル(ワイルド・ヘア・スタイル!)を含有し、非常に充実した作品だと思う。メルツバウ、非常階段、インキャパシタンツなど他の日本のノイズにはないドライなアイロニーとユーモアがヘアスタの身上だ。
「作業日誌2004-2007」が第18回Bunkamuraドゥマゴ賞を受賞し、作家としてもノッている中原氏の好調さが感じられる。

この秋の
ヘアスタイルは
モンド系

ある意味では秋の虫の声といってもいいような電子音だ。

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灰野敬二さんも共演~虫のオーケストラ

2008年09月25日 00時17分59秒 | 灰野敬二さんのこと
すっかり秋になって鳴く虫の種類も変わってきた。夏の蝉の五月蝿いジージー声から、秋の虫達の上品な合唱へと。時々音楽を止めて野原へ出て虫のオーケストラを鑑賞する。360度で奏でられるいろんな虫の鳴き声は極上のアンビエント・ミュージックだ。
灰野さんが2004年に原美術館でスズムシと共演したCDが「Homeogryllus japonicus Orchestra」としてリリースされている。Homegryllus japonicusはスズムシの学名。リーンリーンと鳴きまくるスズムシ軍団に対して灰野さんはエアシンセや発信器で呼応している。スズムシとコミュニケートした異色の作品である。
秋の虫の鳴き声は下記サイトで聴ける。
虫の鳴き声

キリギリス
エンマコオロギ
クツワムシ

秋の夜長の野外音楽フェスティヴァル。



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高所恐怖症は注意。画期的な宇宙旅行。

2008年09月24日 00時30分14秒 | Weblog
10万キロのケーブルを伝って、ロケットを使わずに宇宙へ繋がる「宇宙エレベーター」の研究団体が日本で結成された。静止衛星からケーブルを垂らして、それをガイドに宇宙まで昇降するというアーサー・C・クラークの描いたSFそのままの世界がそこまで来ている。
地球の重力を脱出する燃料がいらないので、宇宙旅行のコストが約100分の1になると見込まれている。総建設費は、約1兆円の予定というから日本の国家予算の200分の1で実現してしまうのだ。
♪3時間で月へ3回目のヴァケーション♪(byゆらゆら帝国)も夢ではない。
日本宇宙エレベーター協会 HP

宇宙旅行
エレベーターで
行ってきます

運賃はいくらくらいになるのだろう。



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MO'SOME TONEBENDER、ゆらゆら帝国@渋谷クアトロ 08.9.22(mon)

2008年09月23日 00時50分04秒 | ロッケンロール万歳!
渋谷クラブクアトロ20周年企画。素晴らしい組み合わせのイベントだ。
クアトロがリニューアルしたからどうなっているのか楽しみにして行ったら、クアトロビルが全部ブックオフになっていてたまげた。クラブクアトロはエントランスの4Fが迷路のように改装されていて、ホールの方は殆ど昔のまま。悪名高い柱も勿論そのまま。でも喫煙ルームが隔離してあるのはいい。
さて当然のようにSold Outのこのイベント。誰がどっちのファンなのか判らない、真面目なロック少年少女の集団である。
最初はモーサム。9月24日にニュー・アルバム「SING!」をリリースする彼らにとっては中途半端な時期のライヴだ。バンドとしては勿論新曲をやりたい。でもファンは誰もそれを聴いたことがない。それでもモーサムは新曲をやった。最初は呆然としていたファンも次第にヒートアップしてくる。所々にお馴染みのナンバーを挟み、テンションの高いステージを観せた。4月~6月に彼らは各メンバーの企画によるマンスリーライヴを行なった。そこで得られたものがはっきり実力に反映されている。黒のタンクトップのアスリート並に体格のいいベースの武井氏と、華奢なインテリ風のギターの百々氏。この対照的な二人が一緒にアッパー系のロッケンロールを奏でる様が面白い。個人的にはラストナンバーの新曲「流星群」の小細工なしのストレートなR&Rがモーサムらしくて気に入った。
普通ならこれで満足して終わるところだが今回は怪物ゆら帝が控えている。セットチェンジの間にオーディエンスもアリーナフロアへの入れ替えがある。それを見ると3:2でゆら帝のファンの方が多い様子。
坂本氏は赤のパンタロンに黒のハーフスリーヴTシャツ。いきなり「Sweet Spot」から久々の「ザ・コミュニケーション」、続いて「ゆらゆら帝国で考え中」のカップリング曲「針」。珍しい選曲で攻めて来た。「午前3時のファズギター」の破天荒なソロに昇天。「あえて抵抗はしない」はいつものマラカス・ヴァージョンで、続く「3x3x3」の導入部の語りの部分もマラカスでやった。後半のまったり路線もいい感じでラストの「EVIL CAR」へ突入。70分近いステージだった。
Set List:1.ザ・コミュニケーション 2.針 3.ハチとミツ 4.傷だらけのギター 5.午前3時のファズギター 6.あえて抵抗はしない 7. 3x3x3 8.恋がしたい 9.ひとりぼっちの人工衛星 10.2005年世界旅行 11.EVIL CAR

モーサムと
ゆら帝対決
引き分けか

今度観たいのはゆら帝とクロマニヨンズの2マンだな。私が好きなだけで共通点がないか。いずれにせよチケット取れなさそう。

MO'SOME TONEBENDER



ゆらゆら帝国



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ブッゲ・ヴェッセルトフト@恵比寿リキッドルーム 2008.9.21 (sun)

2008年09月22日 01時32分26秒 | 素晴らしき変態音楽
10年くらい前からヨーロッパを中心に"フューチャー・ジャズ"が流行した。これは従来のジャズにテクノやエレクトロニクスな要素を融合した近未来ジャズであった。その中心となったのが北欧ノルウェーのJAZZLANDレーベル。その創設者がプロデューサー/キーボード奏者のブッゲ・ヴェッセルトフトである。1997年、彼はNew Conception Of Jazz(ジャズの新しいコンセプト)というバンドを率い精力的に活動を始めた。
私は2001年作品の3rdアルバム「ムーヴィング」でブッゲを知り、軽快なテクノ・ジャズ・ビートに乗ったキーボードを中心とした電子楽器のインプロが心地よく気に入った。来日も2度ほどあり、ジャズならではの即興の見事さとグルーヴィーなビートに痺れた。
ブッゲは2000年代半ばNew Conception Of Jazzを解散し、ソロで活動を始めた。そして今回7年ぶりの来日かつ初のソロ公演が行なわれた。ピアノの弦を叩く音やパーカッションの音をループさせコンピューターやエフェクターで変形させていく方法論はジャンルこそ違え、灰野さんの一部に通じるものがある。そうして生まれるビートはグルーヴィーというよりはクール。ピアノ・プレイも北欧らしい透明感に溢れたリリカルなものだった。「テイク・ファイヴ」のカヴァーも含む90分のライヴは進化するフューチャー・ジャズの姿を見事に体感させてくれた。

未来ジャズ
クールな感性
漂わせ

JAZZLANDはワールドミュージックやフリー・ジャズ系のアーティストもいて注目のレーベルである。
JAZZLAND HP English



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壮絶な恋愛実話~鈴木いづみ「ハートに火をつけて!誰が消す」

2008年09月21日 02時27分38秒 | 書物について
もう没後22年になる。グループサウンズのメンバーとの交流、フリージャズ・アルトサックス奏者、阿部薫との壮絶な結婚生活を経て36歳で鈴木いづみが自ら命を絶ってから。
丁度彼女が亡くなった頃に古本屋で「恋のサイケデリック」という文庫本を手に入れた。ゴールデン・カップスを始めとするグループサウンズ、しかもB級、が実名で登場する小説に、当時のネオGSに熱を入れていた私は夢中になった。その頃は作者の鈴木いづみがどういう人か全く知らなかった。
その後稲葉真弓がいづみと阿部薫を主人公として二人の愛憎を赤裸々に描いた小説「エンドレス・ワルツ」に衝撃を受けた。残念ながら町田康主演の映画(灰野さんも出演している)の方は観れていない。
そして当事者の側から描かれた自叙伝的小説が鈴木いづみコレクション<1>として刊行された長編小説のこれである。ここには実在の人間が名前を変えて登場する。ジョエル=ルイズ・ルイス加部、ジュン=阿部薫、フウちゃん=キャロルのメンバー、という感じである。そして主人公いづみはジョエルへの憧れを持ったままでジュンとの無為な結婚生活に突入し次第に崩れて行く。それを冷静な視点で淡々と描いた覚めた視点が逆に情熱を秘めていて恐ろしい。GS、フリージャズ、クスリなど昭和のアングラ風俗が描かれていて興味深い。
何処の図書館にもあるので借りてみたらいい。

GSと
ジャズの狭間で
揺れる魂

今鈴木いづみコレクション<2>短編小説集「あたしは天使じゃない」を読んでいるがこちらは殆どエロ小説である。


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