A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

剛田武今週のライヴ:11/22(水)MOGRE MOGRU@三軒茶屋Heaven's Door/11/25(土)CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE@公園通りクラシックス

2023年11月20日 22時24分37秒 | ネコ動画


11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「Japanese Folklore 2」
open/start 18:30/19:00
前売/当日 ¥2,500/¥2,800

DIVE DEEP vol.8で対バンしたロックバンドたたらの目のベーシストTakosukeが参加する4人組nannou(ナノウ)とヘヴンズドアの共催イベントの第2回目。耽美的な女性ヴォーカルとダイナミックなオルタナ/シューゲサウンドが4ADを思わせるnannou、ミニマルなトラックとタイトな生ドラムと変幻自在なチェロによるツーピース音楽ユニット NA/DA (ナーダ ) 、元DMBQの吉村由加と元ネイルズオブハワイアンの天野によるドラム&ギター2人組で名前がそそるニューロマンティックス、そしてdoors In doorsというスタイルを超えたバンドの饗宴は、まさに日本の新たなるフォルクローレ。MOGRE MOGRU 初のヘヴンズドア出演ということで楽しさ倍増。

19:00~19:30 doors In doors
19:40~20:10 NA/DA 
20:20~20:50 ニューロマンティックス  
21:00~21:30 MOGRE MOGRU
21:40~22:10 nannou  




11月25日(土) 公園通りクラシックス
さよなら 「悠々自適」悠雅彦さん コンサート
13:30開場 / 14:00開演
前売り:3,500円 当日:4,000円

10月14日他界したジャズ評論家で、後年は web-journal JazzTokyoの主幹としてジャンルを越境してジャズはもとよりクラシックからシャンソン、純邦楽にまで評論の対象を拡大していった悠雅彦さんを追悼するコンサート。悠主幹の暖かい眼差しを浴びたミュージシャン、悠さんの主戦場となった Jazz Tokyoのコントリビュータとしても健筆をふるうミュージシャンたちとファンが一緒になって追悼するコンサート。
剛田武はJazzTokyoコントリビュータの一人として、サックスの山澤輝人とベースのルイス稲毛とのドラムレス・トリオ編成のCANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(砲弾爆発合奏団)としてトッパーで出演。70年代ロフトジャズやAACMなどシカゴ派のミュージシャンを積極的に日本に紹介した悠さんへ捧げる鎮魂フリージャズを奏でる。

1st set
1. Cannonball Explosion Ensemble(砲弾爆発合奏団)
山澤輝人 (tenor saxophone, flute) 剛田武 (violin, flute) ルイス稲毛 (electric-bass)
2. 藤本昭子(地歌)
3. 矢沢朋子 (piano)

2nd set
1. 仲野麻紀 (alto saxophone, metal clarinet)
2. ギラ・ジルカ (vocal) 深井克則 (piano)
3. 田村夏樹 (trumpet) 藤井郷子 (piano) 福本佳仁 (trumpet)八木美知依 (electric 21絃箏)
アンコール

司会:稲岡邦彌 (JazzTokyo編集長)
企画・制作:web-journal JazzTokyo since 2004
問合せ&予約申込み:jazztokyo.editor@jazztokyo.org

爆発だ!
アンビエントと
フリージャズ




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【ライヴレポート】DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy:MOGRE MOGRU/Aural Fit/ben isei/gloptin@NEPO 23.11.15 wed 

2023年11月18日 00時38分59秒 | ネコ動画


11月15日(水) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy
open 18:30 start 19:00
adv/door 2500yen + 1 order
streaming 1000yen
配信アーカイヴ購入できます⇒https://nepo.co.jp/schedules/view/2098

出演:
Aural Fit
gloptin
isei ben
MOGRE MOGRU

2022年4月10日渋谷EdgeEndでVol.1を開催してから1年半、MOGRE MOGRU主催イベント『DIVE DEEP 』が記念すべき10回目を迎えた。毎回濃い出演者ばかりのユニークなイベントを続けて来れたのは、モグモグのメンバーだけでなく会場のスタッフや共演アーティストやお客さんのお陰である。心より感謝したい。今回は「ガラクティック・ギャラクシー」ななてちょっと失礼なタイトルをつけたが、我々にとって「ガラクタ」は最高の誉め言葉である。常識に収まらないエクストリームな表現を追求する真のアーティストは、規範社会における我楽多とならざるを得ない。非常識極まりない我楽多/ジャンク道を貫く表現者が集まり、主催者冥利に尽きる「神イベント」となった。

●MOGRE MOGRU


いつもステージの後ろにいるギターのTanaoを最前に配した新機軸のセッティングで臨む。剛田は空き缶と雑貨によるガラクタ楽器を使い心持ちノイズ味増量の演奏。瞳は複数の詩を語り分けて、音風景に起伏をつける。後半のノイズギター+ヴァイオリン+シンセ三つ巴のダイナミズムが、モグモグの新たな方向性を示唆したように思える。



●isei ben


高円寺の前衛喫茶マッチングモールのオーナーでもあるisei benのエレクトロニクス演奏を始めて体験。いわゆるノイズやモジュラーシンセとは一味も二味も違う、ストーリー性のある電子音楽は、クラウス・シュルツやヴァンゲリスと同じ香りがするエレクトロ・プログレ。モグモグの世界観との親和性を強く感じた。いつかコラボをしてみたい。



●Aural Fit


豪快なファズギターが炸裂する即興サイケデリックロックトリオAural FitをNEPOで観れる幸せ。天井が高いこともあり、いつもの地を這うようなダークネスが、天に舞い上がるような高揚感に転じて聴こえる。情け容赦のないベースの低音と暴れまくるパワードラムが相まったロックの原初的なエネルギーを全身に浴びて精神が吹き飛ぶ快感に震えた。



●gloptin


究極のガラクタ楽器演奏家gloptinと1週間に2度対バンするとは自分でも驚くが、耳馴染みのある曲が増えて初めて観たときよりも楽しめる気がする。平易な言葉を絶叫するメロディーのポップさはまるでひとりブルーハーツのようだ。最後にフライパンとドラムスティックをばら撒いて観客参加のお祭り大会。やはりgloptinはトリで観るに限る。一生一度の神イベントの締めに相応しいパフォーマンスだった。





鍋叩き
踊りまくろう
腰が抜けるまで

【MOGRE MOGRU 次回のライヴ】


11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「japanese folklore 2」
open/start 18:30/19:00
前売/当日 ¥2,500/¥2,800

19:00~19:30 doors In doors
19:40~20:10 NA/DA 
20:20~20:50 ニューロマンティックス  
21:00~21:30 MOGRE MOGRU
21:40~22:10 nannou  
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【フリージャズ・ライブレポート】Machine Gun Explosion Ensemble 機関銃爆発合奏団/Kiyasu Orchestra@大久保ひかりのうま 2023.4.23 sun

2023年04月27日 01時32分19秒 | ネコ動画


The Phase Of Free Jazz To Come~フリージャズ来るべき位相
MACHINE GUN EXPLOSION ENSEMBLE
KIYASU ORCHETRA

即興演奏のライヴやワークショップが各地で開催されている。ジャズに限らずロックやノイズ、実験音楽など様々なスタイルのミュージシャンが即興演奏に興味を持っているようだ。しかしながらそういった場ではメンバーが入れ替わりのセッションやにわかユニットによるその場限りの演奏が多く、メンバーが定まった集合体として即興演奏を追求するグループはあまり多くない気がする。特にジャズ(フリージャズを含む)ではメンバーが固定されないのが基本とされている。そんな中で、現代フリージャズを追求する二つのジャズグループが大久保で共演する今回の企画をオーネット・コールマンの『The Shape Of Jaz To Come~ジャズ来るべきもの』に準えて『The Phase Of Free Jazz To Come~フリージャズ来るべき位相』とタイトルしたことは、この日のライヴを体験した人なら大いに納得いただけたと思う。フリージャズは過去の遺物ではなく今なお進化し続ける現象であることを明らかにする、その礎となる一夜であった。



●Kiyasu Orchestra / キヤスオーケストラ

Ryosuke Kiyasu (drums)
tsubatics (bass)
Koichi Kidoura (guitar)

ドラム、ベース、ギターという最小限のトリオ編成で即興演奏の粋を極めたストイックな演奏を繰り広げる。それぞれのソロを挟む構成はジャズの流儀に従ったスタイルだが、ありがちな芸のお披露目とは次元の異なる自己鍛錬の積み重ねと無限大の探求心に溢れた理想的な演奏精神を感じさせた。60年代後半、新しいジャズを求めて異端の道を選んだ日本のフリージャズメンの精神が継承されているのだろうか。このトリオの進化・深化から目を離せない。




●Machine Gun Explosion Ensemble / 機関銃爆発合奏団

山澤輝人 (sax, flute) 
ルイス稲毛 (bass)
剛田武 (violin, flute)
佐伯武昇 (trombone, percussion)
南部輝久 (drums)

海外在住のドラマー、キカンジュ・バクに代わって佐伯武昇(パーカッション)と南部輝久(ドラム)を迎えたJapanese Version Machine Gun Explosion Ensemble(日本版機関銃爆発合奏団)のデビューライヴ。Aural Fitやバラナンブといったロックバンドでのロックドラムで知られる南部はフリースタイルのドラミングも得意。筆者とは初共演だったが、サウンドチェックで既に旧知の仲のようなシンパシーを感じた。前半は佐伯抜きのカルテット編成で、コア・アンサンブルのフリージャズ。基本スタイルといえるドラム、ベース、サックス、ヴァイオリンのカルテット編成から、山澤のピッコロと剛田のアルトフルートの二管のスピリチュアルな演奏。途中から佐伯が加わり一気に混沌とした集団即興へ突入。ステージが狭いひかりのうまでも客席まで巻き込んで暴れまわる佐伯のパフォーマンスと、ジャズに拘らないボーダーレスなプレイをみせるカルテットが生み出すカオスは、"日本版"ならではの機関銃一斉放射であった。



キカンジュ・バクが来日した暁にはまた一味も二味も違う演奏を披露できるだろう。一つのかたちに収まらない冒険心と実験精神がMachine Gun Explosion Ensembleの核心にあるのだから。

新たなる
自由なジャズの
冒険者たち

▼Machine Gun Explosion Ensembleの音源発売中!


Roscoe Mitchell & Kikanju Baku / Machine Gun Explosion Ensemble – Split Cassette
Cassette Tape / Ethnicity Against the Error 05 / 定価1,500円(税込)

フリージャズのオリジネーター、ロスコー・ミッチェル(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)とイギリスの覆面ドラマー、キカンジュ・バクのデュオと、キカンジュ・バクと日本のミュージシャンによるフリージャズバンド、マシンガン・エクスプロージョン・アンサンブル(機関銃爆発合奏団)をカップリングした異色のスプリット・カセット・アルバム。

お求めは以下のショップにて
Los Apson?
https://losapson.shop-pro.jp/?pid=173741029

Bandcamp
https://lesdisquesdudaemonium.bandcamp.com/album/congo-river-basin-split-cassette

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【本日の剛田武ライブ】4/14(金)高円寺Oriental Force『鏡』vol.4~CoQu (Uzl x GodA) /YUTASTAR/MOTCHAN/ザジ x ウチダヨシノブ

2023年04月14日 01時27分34秒 | ネコ動画


4月14日(金)高円寺Oriental Force
「鏡」vol.4

18:30 OPEN 19:00 START
¥1,500 + 1 Drink

19:00〜19:30 CoQu (Uzl x GodA)
19:45〜20:15 YUTASTAR
20:30〜21:00 MOTCHAN
21:15〜21:45 ザジ x ウチダヨシノブ

2023年2月28日にOriental Forceで初共演した熱血シンセ奏者Uzl君と剛田武が新ユニット「CoQu(コクウ)」を結成!クラウトロック+フリーインプロ+アンビエントの新世代(年齢ではない)の登場を目撃せよ!

CoQu:
Uzl:Key, Synth
GodA:Flute, Violin Bass, Rhythm Box

▼初デュオ共演動画
剛田武 x Uzl 2023.02.28 tue 高円寺Oriental Force 「織部」
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【盤魔殿アマルガム vol.44】あなたの聴かない世界/Eyescream/機関銃爆発合奏団/ダンスリー/Ghouls Overcome/Imperial Black Unit

2023年03月14日 00時13分12秒 | ネコ動画


●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保


「あなたの聴かない世界 スピリチュアル・ミュージックの歴史とガイドブック」持田保著 DU BOOKS 2023年3月24日発売予定
パブです!!!!!!!!見えないものを見ようとし聴けないものを聴こうとする精神運動「あなたの聴かない世界」ついに書籍化。エリック・サティからサイキックTV、ヴェイパーウェイヴまで、音楽表現の地下水脈に流れる霊的領域の秘密解読を試みる世界初の一冊。と同時に日本の霊的運動史~(ニューエイジではなく)精神世界史を紐解き、なぜ日本にカウンターカルチャーが育まれなかったか、オウム真理教や秋元康などに骨抜きにされたシャバい「サブカル」しか育たなかったかも(多分)納得できるはず。また音楽書としてのディスクガイドもマジで充実しまくりだし、盤魔殿的には宇田川岳夫氏にも超ヤバい寄稿いただいていてガチ無敵すぎる内容。スピリチュアリズム、オカルティズム、サイケデリック、パンクマギック、テクノシャーマニズム・・・・・etc非衛生的精神文化をキメまくるための「人間革命」ガイドブック。ぜひ一家に一冊!!!!!!!!。


●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規


Eyescream / The End - Complete Discography (CD or LP)
先月開催された第3回『輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~2022バンマーキング決定戦』に於いて、数多の強豪を差し置いて準バンマーキングに選ばれた作品をご紹介。2022年リリース。 2018~2019 年 と僅か 1 年の活動期間ながら、そのリリース作品が大きな注目を集めた仙台発女性フ ロントマンの Eyescream 。ほぼ無名状態でリリースされた1stカセットテープが口コミレベルから大きく全国、そして世界へと波及。The Comes のチトセを彷彿させるヴォーカルをはじめ 80年代ハードコアのテイストを自然と感じるのは、同じく仙台を拠点に活動していたDisarray(ADKからリリース有り。ココバットの初代Vo.在籍)のメンバーが楽器隊に居るからだろう。本作は単独音源としての2本のカセットテープ、そして3WAYスプリットの音源全てと、惜しくも解散ライブとなってしまった2019年8月11日、西横浜EL PUENTEでのライブ音源をほぼ全曲収録した、コンプリートディスコグラフィーとなっている。しかも今ならCD、アナログどちらも購入可能なので是非是非このサウンドを体感してみて下さいまし。




●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


ロスコー・ミッチェル&キカンジュ・バク『コンゴ盆地』+機関銃爆発合奏団『悲歌慷慨』(Cassette 2023)
昨年末にイギリスの覆面ドラマー、キカンジュ・バクと日本の地下ミュージシャンが国境を越えて結成したフリージャズユニットMachine Gun Explosion Ensemble(機関銃爆発合奏団)待望のカセットテープアルバム、限定183本。カップリングはなんとフリージャズの生きる伝説ロスコー・ミッチェル(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)という胸熱すぎるコラボ!80歳を過ぎてなお変態サックスを聴かせるロスコーにキカンジュのブラストビートが絡むA面、キカンジュの爆裂ドラムを上回る奔放さで多種管弦打楽器と電子機器の生コラージュが暴発するB面。どちらも完全即興ではあるが、通底する人間味と異物感あふれる遊び心が、単なるフリージャズやフリーインプロヴィゼーションを超えたヒューマン・アンサンブルを生み出した。サイケデリック/ノイズ/インダストリアル/プログレ/現代音楽のファンにも聴いてほしい最高に激ヤバな作品です。

▼Machine Gun Explosion Ensembleデビューライヴが決定。歴史的瞬間を見逃すな!


2023年4月23日(日) 東京・大久保ひかりのうま
The Phase Of Free Jazz To Come~フリージャズ来るべき位相

MACHINE GUN EXPLOSION ENSEMBLE vs KIYASU ORCHETRA
open 19:00 / start 19:30 /
door ¥2000 + 1 drink


●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫


ダンスリー『よき人に逢っての帰り Retour』 ミサワクラシックス CSD-6 (1989年)
神保町にある良質な音楽をセレクトして販売するVasistas Recordはモダーンミュージックの在庫を引き継ぎ、そのスピリットを継承する稀有なレコード店である。土日しか開店しない店ではあるが、階段を上って2階に上がり、踊り場の向こうに別の店(古書店であるが…美容院ではない…)があり、その前を通って店に入るあたりは、かつてのモダーンミュージック旧店舗にたたずまいが似ていて、何か新しい音楽に出会えるような高揚した気持ちになれる。Vasistasには80年代のパンク・ニューウェーブの日本版在庫やSuper Natural Organisationのリリースの在庫も大量にあったのだが、円安の昨今、海外の目ざといコレクターが来店し、爆買いされてしまったのは先月の話だ。それでも棚をよく見ると良い音楽がまだまだある。その中の一つ、未開封新品で購入できたのがこの盤だ。リュート奏者の岡本洋一氏(2022年没)が1972年に結成して以来、ダンスリーは中世西洋音楽・ルネッサンス音楽をレパートリーとして数多くの作品を残しているが、現在そのほとんどが廃盤である。有名なところでは1982年に坂本龍一とコラボして作品『エンド・オブ・エイシア』を残している。この作品『よき人に逢っての帰り Retour』はバブル華やかなりしころ、ミサワホームの音楽部門としての古楽レーベルから発売されたもので、中世ヨーロッパの吟遊詩人の楽曲をたぐいまれなる技巧で当時そうであったように再現しようとしたものである。楽曲のすばらしさと演奏のすばらしさを30数年もの後に知ることができたのは私にとって大きな喜びである。注目すべき音盤との出会い…これは生悦住さんのお導きだと思う…


●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元


Ghouls Overcome / Hell Raiser Backyard No 2
Ghouls Overcome氏による本作はフランスの地下音楽レーベルMid-day massage parlorより2021年にリリースされたカセットテープ作品である。
怪光放つコラージュ、雲がかった音の輪郭と魔獣の咆哮のように太い低音に全神経が音に集中している間に逆立ち、 実際には自分が音の一部であり、音の中を泳いでいるに過ぎないのではないのかと錯覚を起こしてしまう。後半では波動が地下深くにまで及び、地層を破壊し、生まれた暗黒の沼に聴くものを引きずりこむ…現れた亜空間では正に一筋縄ではいかない地下音楽の展開が…!呪術的なビート、そして明滅するゴングの狂乱舞があまりにトランシーな挙句更には低音ノイズ地獄!!!全てが圧巻なので可能なら全編廻したいほどだ…!
Mid-day massage parlorは他にも面白いコラージュ、ノイズ、インダストリアル等のフランスの現行地下音楽作品を多数リリースしているので是非チェックしていただきたい。


●DJ Bothis a.k.a. 山田遼


Imperial Black Unit - Murder Under Establishment 12"EP 2019 (aufnahme + wiedergabe)
ここのところ、またいつのまにかぶり返してきた個人的インダストリアル・テクノ熱。自分でも分からない不定の周期でやってくる、「めちゃくちゃ暗くて重いテクノで静かにアガリたい」欲求。そんな私のわがままな欲求に二つ返事で応えてくれるのが、共にフランス出身で、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動する二人組インダストリアル・テクノ、EBM、DJユニットのImperial Black Unitである。
このユニットの存在を知ったのは確か二年ほど前、ベルリンに存在する、DJのストリーミングをYouTubeで配信するスタジオ兼YouTubeチャンネル「hör berlin」を視聴していた時のこと。キャリアのあるベテランから新進気鋭の若手まで、分け隔てなくフィーチャーしてストイックにダンスミュージックを配信するこの番組に突如現れた黒ずくめの男二人組のダークかつストロングスタイルな選曲と世界観に魅了されてしまった。調べていくうちにimperial Black UnitことPablo BozziとThomas Chalandonの二人はDJとしてだけではなく、オリジナルの作品の発表も行うアーティストであることがわかり、既発の4枚のEPを一枚ずつ聴いていたところ、今回紹介する12"EP『Murder Under Establishment』の3曲目「God, Ceinture & Miséricorde (Club Edit)」に度肝を抜かれてしまった。音割れ寸前のピークアウトラインのギリギリを攻める爆撃のような重低音に、それを引き立てる小気味良い裏打ちのリズム。クラブでかけることを前提とした、これぞまさにインダストリアル・テクノの真骨頂とも言える、攻撃的圧を伴った音響処理は秀逸の一言。この曲を知ってからは自宅の中、通勤での移動中もspotifyで毎日のようにヘビーローテーションしている次第である。
ところで、ノイズリスナーと一口に言っても、ざっくりふたつに分けると、ひたすら厳格(?)にハーシュやパワエレのような、リズミックな要素を排した音しか聴かない層と、私のようなリズムも許容する層の二手に分かれているような気がする。リズムと言っても、もちろんチャラチャラしたオシャレなパリピ文化としてのダンスミュージックには全く水が合わないのだが、インダストリアル・テクノやゴシックEBMの暗いリズムは、そのようなチャラいリア充ミュージックとは対局にある、己の無意識の奥底にあるダークマターを孤独に崇拝し、一人孤立して踊るための漆黒の太陽崇拝トランスのようなものである。盤魔殿レジデントDJの中で、そのようなインダストリアル・テクノ熱に侵されているのはきっと自分だけだろうと思いながらふと隣を見ると、なんと盤魔殿主催のDJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫氏もとっくにこの病に感染して高熱を発していた。これぞまさに霊的空気感染。霊的濃厚接触。今、インダストリアル・テクノが熱い。諸君も1日も早くこのインダストリアル・テクノ病に感染し、独自の自然免疫を獲得せよ。


<――――――――――――EVENT INFORMATION――――――――――――>



3月25日(土)  Qliphoth VJで出演!
音楽とダークアートの祭典 Midnight★Mess presents 迷宮の森 Wonder Forest
木場EARTH+GALLERY
オープン 16:00
VIP指定席15.000円 
自由席 前売り 4500円|当日 6000円 +1D
30歳以下、3月生まれ 3000円*身分証提示
◆スペシャルライブ:デグルチーニ (大阪)
◆スペシャルコラボレーションショー
ベリーダンス&ギリシャギター(Bouzouki)ー、
◆DJs:DJ ZIN(CLUB WALPURGIS/Zin-François Angélique/Zinny Aerodinamica)、石丸運人(造形アーティスト/酔鯨館)、Ray Trak、rXr、
◆VJ:Qliphoth
<フェイスペイントブース> 変化師オリ 他




3月26日(日)混沌の首
「靈的革命 vol.2 〜予祝呪術としての儀式と行為〜」
国立新美術館で開催される「日本アンデパンダン展」にて展示および、儀式/パフォーマンス(3月26日(日)12:30開始予定)を行います。館内での行為の後に街頭に出て練り歩き、ある場所に向かいます。街頭では列席者(観客)もお歩きいただけますのでぜひご一緒ください。また、4/2(日)には混沌の首メンバー神林和雄のソロダンス「今、不屈の民を踊るということ」も行われますので合わせてご高覧いただけたら幸いです。詳細http://kondon.org
混沌の首/羅入、石川雷太、神林和雄、北野美月、山田遼、昼間光城
街頭練り歩き幟隊/渡井真歩、蔦谷K、他
スタッフ/衣装:混沌の首、ヤマギワユミコ、山田遼




<――――――――――――MOGRE MOGRU Live Information――――――――――――>



3月17日(金) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.6~即興のかたち

open 18:30 start 19:00
 adv/door 2500yen + 1 order streaming 1000yen
出演:MOGRE MOGRU、ニュージャージーズ、ひとのかなしみ、及川耕碩+サトウユウキ・デュオ




3月19日(日)  国立市公民館地下ホール
第十五回公民館運動

開場:18:30 開演:19:00 
木戸銭:0円
出演:MOGRE MOGRU2/3+鈴木和美(fl)+ひるり(dance)+のざあたかし(live painting)、巨人獣、火炎瓶テツ+ムラカミロキ+コーラ、ちゃんやま+ねやしょうへい




3月25日(土) 吉祥寺NEPO
CASIOS

open 17:20 start 17:40
前売/当日 ¥2200- 配信 ¥1000-
出演:MOGRE MOGRU 2/3、あんぽんたん、Puppy Sweat、特選おはしとDoormats、Wanday、Einy




4月1日(土) 高円寺Oriental Force
春の雪

18:30 OPEN 19:00 START ¥1,500 + 1 Drink
出演:MOGRE MOGRU、佐野麻呂梨王、ムラカミロキ x NRYY、電気馬骨


4月8日(土) 阿佐ヶ谷 mogru mogu
モグモグ in mogu mogu

19:30 Start ¥2,000(1ドリンク込)
出演:MOGRE MOGRU


4月30日(日) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.7

詳細後日

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【モグモグ主催イベント】『DIVE DEEP vol.5~おと と からだ』2月3日(金)吉祥寺NEPOにて開催~MOGRE MOGRU/愚弁/maguna-tech/鈴木和美 & ひるりDUO

2023年01月11日 00時10分07秒 | ネコ動画


2023年2月3日(金) 吉祥寺NEPO https://nepo.co.jp/

MOGRE MOGRU presents
『DIVE DEEP vol.5~おと と からだ』


Open 18:30 Start 19:00
Adv / Door ¥2,500 + 1 order
Streaming : ¥1,000

出演:
MOGRE MOGRU
愚弁
maguna-tech
鈴木和美(flute) & ひるり(dance) DUO

予約https://nepo.co.jp/schedules/view/1727

Live Stream Tickethttps://nepostream.myshopify.com/products/0203-oto-to-karada

インプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRU(モグモグ)主催の音楽表現の深淵に深く潜ることを目指すイベント『DIVE DEEP』の第5回目。今回は身体表現を取り入れたアーティストを三組迎えて、音(サウンド)と身体(フィジカル)の両面から生み出される新たな創造の場を模索する。アンビエント=環境とは、当然ながら聴覚(音)だけではなく、五感すべてに刺激をもたらす場であることを考えれば、これこそ本来の意味でのアンビエントイベントといえるだろう。さあ、新感覚ライヴハウス吉祥寺NEPOで「おととからだ」が生み出す深淵に深く潜りましょう。

TIME TABLE
19:00-19:30  MOGRE MOGRU
19:45-20:15  鈴木和美+ひるりDUO
20:30-21:00  maguna-tech
21:15-21:45  愚弁



●愚弁


谷口カズヒト(うた.からだ)を中心にメンバーは流動的。様々なジャンルの楽団員が奏でる即興演奏のなか現代詩をカラダでうたう形態で活動中。
メンバー:谷口カズヒト(うた.からだ)、狩俣道夫(Fl.Ts.Vo)、石塚俊明(Dr)

愚弁 Guben @ 新大久保 EARTHDOM



●鈴木和美(flute) & ひるり(dance) DUO


鈴木和美(かずみんぐ / ex内核の波、サロメの唇)とひるり(蛭田浩子 / ルーシーダットンインストラクターと踊り)によるフルート即興演奏×ダンスのデュオ。音と身体と心が浮遊する幻想的なパフォーマンスは必見。
メンバー:鈴木和美(flute)、ひるり(dance)

フルート(鈴木和美)&ダンス(ひるり) インプロビゼーション



●maguna-tech


音と身体のデュオユニット。
ノイズと舞踏、ダンスと音楽、空間との親和、そんなパフォーマンス。
メンバー:武智 圭佑(ノイズ)、武智 博美 (舞踏)

maguna-tech(1of3)刃ノ夜2010.4.29



●MOGRE MOGRU


2021年7月結成。アコースティック楽器とディープなエレクトロニクス&ギターによるインプロ・アンビエントユニット。「DIVE DEEP!/深く潜れ!」を合言葉に表現活動を行っている。
メンバー:剛田武(violin, flute, clarinet etc.)、TANAO(guitar)、黒い瞳(musical saw, glockenspiel, toy instruments, voice, etc.)

MOGRE MOGRU 2022 11 17 thu Kichijoji NEPO


音の海
身体が踊る
ダイビング


maguna-techさんの機材
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【灰野敬二ライヴ情報】7/2(土)高円寺ShowBoat~ロスト・アラーフ以前のバンド「実況録音」メンバー対バン/7/29(金)小岩オルフェウス~「精魂」レコ初ライブ

2022年06月29日 00時58分17秒 | ネコ動画


かつて「実況録音」として活動した川上シゲ、灰野敬二、伊藤寿雄が再び競演!

――ロスト・アラーフ加入前に参加した〈実況録音〉はブルース・ロックのバンドとのことですが、加入の経緯と活動内容を教えてください。

灰野「加入の経緯は思い出せない。高校を辞めた後に、都内の別の高校に行っている友達に誘われて彼の同級生のバンドに参加して、彼の高校の学園祭で1回だけライブをした。学外のメンバーが参加するのは異例のことで少し揉めたけど。多分その時のライブを実況録音のドラマーの高橋さんが観てくれて誘ってくれたんじゃないかな。錦糸町でリーダーの伊藤(寿雄)さんを紹介してもらった記憶がある。
実況録音はフリートウッド・マックみたいなブルース・ロックをやっていた。ベースはのちにカルマン・マキ&OZに入る川上シゲさんだった。ビアホールやジャズ喫茶で演奏したけど、音がでかい、ヴォーカルがわけわからん、と言われていつも途中でライブを中断させされた」
インタビュー:灰野敬二、ロスト・アラーフを語るより

7月2日(土) 東京・高円寺ShowBoat 
ShowBoat presents 三 様

開場 17:30 / 開演 18:00
前売¥3,500 / 当日¥4,000(税込・別途ドリンク代¥600)

【出演】
川上シゲ with The Sea
 川上シゲ (Ba, Vo/ カルメンマキ&OZ, 岡本健一&ADDICT OF THE TRIPMINDS, chappy's, ex実況録音
 久藤賀一 (Dr/ ex.カルメンマキ&OZ)
 大井貴之 (Gt, Vo/ ROUGH JUSTICE, 100 feet)

灰野敬二
(不失者、HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS, exロストアラーフ、ex実況録音)

Stumble Blues Band
 松井賢一 (Vo)
 木戸貴之 (Harp, Vo)
 伊藤寿雄 (Gt/ ex.実況録音)
 佐野元康 (Gt)
 大原龍介 (Ba)
 久藤賀一 (Dr/ サポート From “The Sea”)

【チケット】
■ShowBoat受付 6月9日(木)12:00〜
 代引郵送販売にて購入(メール / 電話にて受付)
 予約のみ(メール / 電話にて受付)
※店頭販売は休止しております。

【問い合わせ】
ShowBoat
■Tel 03-3337-5745(12:00~23:00)
■Mail info@showboat.co.jp





灰野敬二と沖縄電子少女彩がユニット・精魂(セイコ)を結成。デビュー・アルバム・リリース記念ライブが決定!

7月29日(金) 東京・小岩オルフェウス
精魂アルバムリリース記念ライブ

19:00open 19:30start
料金:前売3,500円 当日4,000円(+1d)

出演:精魂(灰野敬二&沖縄電子少女彩)

予約はDM or info@tincy.jpまで

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【告知動画公開】灰野敬二 5月22日(日) 灰野奇優館 vol.3 @下北沢Spread

2022年04月22日 20時54分51秒 | ネコ動画


【ライブ告知】 灰野敬二 2022/05/22 (日) 灰野奇優館 Vol.3 Spread  (下北沢, 東京)


2022/05/22 (日) 灰野奇優館 Vol.3 
開催場所 Spread (下北沢, 東京)
開場 19:00
開演 20:00

前売 3,000円
当日 3,500円
(Under 23割引料金  ¥2,000円)

入場なさる際にはドリンクを1杯ご購入頂きます。

Live:
灰野敬二


アンプ4台のサラウンド・ギターソロでお送りします!
お楽しみに⚡︎


flyer photo : Takako Noel
supported by nijinohoshi

40人限定のライブです(全席着席)。
メール予約ご希望の方は, meholidays7@gmail.comにメールをお送りください.
件名に「5/22 チケット購入希望」と記載の上, 本文に氏名と人数をご記入ください。

※ ご購入いただいた方は開催当日お名前の分かる身分証明書を受付にて確認させて頂きます。
※ 人数制限を設けていますのでキャンセルの場合は必ずご連絡頂きますようお願い致します。
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ヒグチケイコ+川口雅巳+内田静男 TRIO/広瀬淳二+今井和雄 DUO@阿佐ヶ谷Yellow Vision 2022.3.21(mon)

2022年03月22日 01時36分39秒 | ネコ動画


ヒグチケイコ keiko HIGUCHI (dr/v)+川口雅巳 masami KAWAGUCHI (g)+内田静男 shizuo UCHIDA (b) trio
広瀬淳二 Junji HIROSE (sax)+今井和雄 kazuo IMAI (g) duo

open18:00 / start18:30 ¥2,300+1D



2020年7月18日(土)『騒音天獄番外編・即興の夜』に出演して以来1年半ぶりの阿佐ヶ谷Yellow Vision。最近米Black Editionsから新作LP『Vertical Laguage』をリリースしたヒグチケイコと、川口雅巳(ニューロックシンジケイト, THE HARDY ROCKS)&内田静男(UH, Kito mizukumi rober)というTokyo Undergroundミュージシャンとのトリオに加え、即興音楽のベテランふたり、広瀬淳二と今井和雄のデュオを間近で見られる機会はあまりない。まん延防止法が解除される前日ではあったがYellow Visionはほぼ満員の盛況。コロナ禍で苦境に陥ったエンタメ業界の地下の地下に集う異端音楽愛好家の熱気はどんなワクチンよりも心と身体の正常化に効果があるに違いない。

●ヒグチケイコ+川口雅巳+内田静男 TRIO


ヒグチの歌とピアノは何度か聴いているが、ドラムを観るのは初めて。両腕を休みなく振り回して連続するビートを叩き出す様はまるでハードコアのブラストビート。さらに足で複数のエフェクターを踏み変えながら、2本のマイクでヴォイス・パフォーマンスを展開。ピアノ演奏を観たときは蜘蛛のような動きと感じたが、今回は前足が10本ある蟷螂(カマキリ)の捕食行動を幻視した。川口は指弾きでアブストラクトなフレーズを紡ぎ出し、ピックを使って歪んだロングトーンを炸裂させる。完全即興ではあるが紛れもないロック・ギター・サウンドにウィルコ・ジョンソンの狂気を感じた。二人に挟まれた内田は、我関せずと唯我独尊プレイを貫くように見えるが、トリオの重心となる堅固な存在感を発揮していた。ダイナミズムに溢れた三者のプレイは昨今の不穏な世界の影を切り裂く稲妻にように感じられた。
意外なことに川口と内田は、どちらも20年以上日本のアンダーグラウンドシーンで活動し、さらにどちらも灰野敬二と共演している(川口=哀悲謡,THE HARDY ROCKS、内田=滲有無)にもかかわらず、今回が初共演とのこと。歴史的な瞬間に立ち会ったのかもしれない。




●広瀬淳二+今井和雄 DUO


歴史的と言えばサックスの広瀬とギターの今井のデュオは、日本フリージャズ史に記録されるべき貴重なコラボレーションと言っていいだろう。「そろそろやろうか」「いいよ」と和やかな言葉を交わして、おもむろに爪弾くギターのストロークに重なるテナーサックスの静かなメロディから始まり、激しさと音量を増して爆音に至っても歌心は変わらない。激情に身を任せることなく、両者がお互いを敬いながら作り上げる音像が流れるように変化していく。終止直立不動で吹き続ける広瀬に対して、オートワウや逆回転効果エフェクター、さらにボトルやスプリングを使って全身でギターをかき鳴らす今井の運動量が凄い。これは対話?対決?ストーリーテリング?ラヴアフェア?―そんな疑問を抱く間もなく、目の前にある音と音の戯れに酔いしれるしかなかった。その波動を浴びて身体の内側で騒ぎ出す生命の息吹を感じつつ、自分は「音楽」よりも「音」が好きなのかもしれない、と思った。



好きとしか
言いようがない
この音が

140218 Masami Kawaguchi 3/3 with Keiko Higuchi 川口雅巳+ヒグチケイコ
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Americo/ニイマリコ/OCHA∞ME/kito-mizukumi rouber/FLASHLIGHTS@国分寺モルガーナ 2022.2.6(sun)

2022年02月08日 02時27分53秒 | ネコ動画


”SILENT RUNNING Vol.26"
~Americoソノシート発売記念~


Americo
ニイマリコ
OCHA∞ME
kito-mizukumi rouber
FLASHLIGHTS



約10年前、アイドルにハマる前はガールズガレージを中心にロックバンドの対バンイベントに通っていた。何度も通った推しのバンドもいたし、物販をメンバー自身がやっていたので、あいさつ程度の話は出来たが、それ以上に親しくなることもなく、バンドが解散したりすると会うこともなくなってしまった。またその頃は筆者も煙草を吸っていたので、スモーカーの多いバンド現場も苦にならなかったが、煙草を辞めた今では、ちょっとでも煙草の臭いがすると音楽を楽しめなくなってしまった。今回会場が禁煙であることを事前確認をしたうえで、久々のロック対バンイベントに足を運んだのは、橋本孝之君亡き後のkito-mizukumi rouberを観たい気持ちもあったが、気になるロック女子が出演することも大きな理由だった。会場はオミクロン禍にもかかわらずかなりの動員で、知り合いの客も何人かいて、思いのほか居心地のいい現場だった。

●kito-mizukumi rouber


新しい楽器が入るという噂を聞いて楽しみにしていたら、予想外の小柄なキーボード女子が登場。野獣めいた異能ロッカーに囲まれて怯えた子羊のように見えたが、後半は感化されたのかタコ踊りをしながらキーボードを叩き捲る弾けたパフォーマンスを展開。大國氏に聞いたところ、サックスでは橋本君を超える人はいないので別の楽器を入れようと、以前何度か対バンしたバンドのメンバーだったバニラという名のキーボードを新メンバーに迎えたという。彼女目当てで通うファンも増えるに違いない(筆者のことか)。

●OCHA∞ME


「オチャメ」と読む下北沢の飲み仲間で結成したという女子5人男子2人のパーティバンド。ロック、ファンク、スカ、歌謡曲のごった煮はダンスホールやボードビルショーのようなお祭りミュージック。フロントの4人のコーラスは「イカ天バンド」の雰囲気がある、といっても伝わらないか。ギターの激しいカッティングは80年代ポストパンクっぽい。メンバーの楽しくてしょうがないという笑顔がポジティブなパワーを放っていた。

●ニイマリコ


ずっと「ホムヨ」と読むと勘違いしていたHOMMヨ(オム)のヴォーカル/ギターのソロ。事前にBandcampで聴いた曲は作り込んだエレポップだったが、ライヴはギター一本の弾き語り。最近多い激情系ではなく、抒情系と呼べばいいのか、自然な声とメロディでストレートな歌詞を歌うスタイルが心地よい。“令和の藤圭子”と本人のツイートにあったのも頷ける。しかし、出番の終わった後にFLASHLIGHTSとAmericoをノリノリで楽しんでいる姿も素敵だった。

●FLASHLIGHTS


姫カットの女性メンバーに惹かれてジャケ買いしたLPを聴いて、哀感のあるメロディとストレートなパワーポップにノックアウトされた4人組のライヴを初体験。モッズ然としたReoのヴォーカルはレコード以上に魅力的で、ジャンプを決めるギタリストHiroshiもカッコいい。スレンダーなベーシストYokoは誰もが憧れるガールズロッカーそのもの。特に気に入ったのはTamuraのシンプル&タイトなドラミングだった(ドラムを始めてからドラマーばかり見ている)。こんなバンドがやりたかった、というよりやりたい、と強く思った。

●Americo


サイケデリックロックバンドThe Starsやアシッドフォークシンガー朝生愛を擁するPedal RecordsからリリースされたLPを愛聴していたAmericoを観るのも初めて。少年ナイフに通じるポップなロックンロールはどんな時に聴いても心が躍る。なにより子供心をくすぐるあっけらかんとした歌詞のパワーは何にも負けない。なんとベースのLolaは15年前に推していたガレージロックバンド「six」の初代ギタリスト。10数年ぶりに元気な姿を見れたことが何よりも嬉しかった。

ロックンロールは、そしてロック女子はやっぱり最高だ!と実感した素晴らしい一日だった。

ソノシート
何処でプレスが
出来るのか




 
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