東京と大阪のアンダーグラウンド・シーンで活躍する若手3バンドの共同企画。神戸と東京で開催された。東京編の出演バンドは蛸地蔵(大阪)/ファンシーナムナム/倫敦水槽/ワニのいる生活(神戸)/壊れかけのテープレコーダーズ/ザ・シャロウズ。知っているバンドは壊れかけ~とシャロウズしかいなかったが、ファンシーナムナムを前から観たかったのと、蛸地蔵の評判が良いので出かけてみた。
この日は高円寺を上げての阿波踊り大会の開催日で駅は物凄い人出でごった返している。人ごみを避けて裏通りから東高円寺へ向かったのだがそこら中に阿波踊りのチームや酒で盛り上がった集団がいて賑やかだ。そんな中高円寺のはずれのUFO CLUBも満員のオーディエンスで盛況だった。そう、この日も客層がとても若く女の子が異常に多い。またしても私が最年長なのは間違いない。女の子達がどのバンド目当てなのかと思ったが、どのバンドでもいい感じに盛り上がっている。そこにいかにもバンドマンという感じの男の子が加わりステージにかけ声を浴びせている。
最初は神戸の女性kbd+男性dsの二人組ワニのいる生活。プリセットされたオケにあわせてのパフォーマンス。男女ヴォーカルの掛け合いがスリリングな歌モノがあると思えば、変拍子多用のプログレ風インストもある。なかなかつかみどころのないバンドだ。キーボードの女の子の付け睫毛が凄い。途中でうまい棒を客席へ投げ込んだり、東京の客は野次が少ないなーと煽ったり。客も盛り上がりいい感じのスタートだ。
2番目は壊れかけのテープレコーダーズ。このバンドは何故か私の行くライヴに対バンでよく出演し、観るのはもう5回目くらいだ。オルガンのゆさ嬢の無表情なプレイとクリアな歌声が気に入っている。ヴォーカル/ギターの小森氏の激しいプレイも見逃せない。それでいて曲調はポップ。この日の面子の中では最も常識的なバンドという印象。
3番手はザ・シャロウズ。のっけから突っ走るガレージ・サウンドで、壊れかけ~のポップな印象を一気に払拭する。前列は女の子が押し寄せゴーゴーダンスで嬌声を上げる。ドラムとベースの突進力はずば抜けている。デビュー・アルバムの曲と未収録曲(新曲?)が半々。ガレージ・シーン最高の貴公子たちだ。惚れ直したぜ。
4番目が目当てのファンシーナムナム。kbd&vo+g+bの女性3人組。チープなリズムボックスに乗せて歌謡チックな演奏を繰り広げる。最初は場末のキャバレーの歌謡ショーまたは韓国のポンチャックを想わせたが、演奏が進むにつれ酩酊的なリズムと妖艶な演奏にカンやノイ、クラフトワークのようなジャーマン・トランスの世界に迷い込む。摩訶不思議な無国籍サウンド。朝日新聞の近藤康太郎記者のお墨付きだけある。ずっと聴いていたら別の世界に連れて行かれるようなドラッギーなバンドだった。
5番目は蛸地蔵。名前から軟体動物的なふにゃふにゃサウンドを想像していたらとんでもない!強烈なファズとヘヴィーなリズムで1970年代の日本のロック、外道や村八分、サンハウスなどを髣髴させる。奇抜なメイクに姫カットを振り乱して歌い弾きまくるギターのうえのひる子氏の派手なアクションが滅茶苦茶カッコいい。歌詞やメロディも良いし、これは最大のめっけもの。このバンドも女の子のファンが多く汗だくでモッシュし騒いでいる。ライヴ終了後すぐに物販へ走りCDを2枚購入。Bo NingenのTaigen氏に続く姫カットの新星現る!
トリは倫敦水槽。vo,g,kbdが女性、b,ds,percが男性の6人組。ヴォーカルの子(松下さん)が香椎由宇似で可愛い。ギターの子も背が小さくて愛らしい。キーボードも美形。とても目を楽しませてくれるバンドだ。スケールの大きなプログレ歌謡にセクシーな歌声と指揮をするような身振りで踊る松下嬢が怪しい異質な世界を繰り広げた。アンコールにはラモーンズの「電撃バップ」を演奏しパンクな一面も見せた。
6バンドそれぞれ独自の個性を持っていてさすが「音楽祭」を名乗るだけのことはある素晴らしいイベントだった。こういうイベントが若い観客でソールド・アウトになるから日本のロック・シーンには希望がある。
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「平凡」も懐かしいな。石野真子ちゃんLOVE!(本文とは関係ありません)