それは遥かな記憶の果て。彼がまだ少年だった頃、うたかたの夢の中に彼女は現れた。彼と同じで彼女もいたいけな少女だった。
彼と彼女は何をするでもなく並んで座っていた。 「ここは寒いわ」と彼女が言ったが彼にはどうしてよいか分からなかった。彼女の黒いワンピースの肩に、自分の着ているジャンパーを掛けてやる、なんていう発想は浮かびもしなかった。
彼女とは初対面であるはずなのにどことなく懐かしい薫りがする。一緒にいて安心するようでいて、彼は緊張もしていた。
そのうちに場面が変わり彼は数人の友人達と遊んでいる。彼女は少し離れてそれを視ていた。彼は彼女の視線を強く感じた。彼女の目の前でヘマをする訳にはいかない。そう思ったとたん 馬跳びに失敗して地面に顔面から転げ落ちたところで目が覚めた。
彼の股間は粘着質の白い液体で汚れていた。 初めて味わう甘美な快感だった。
夢の中
二人が初めて
出会う場所
禁断の果実を味わってしまった彼の上に更なる試練が襲いかかる。急展開するはずの次回をお楽しみに。