A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ライヴレポート】Japanese Folklore 2~doors In doors/NA/DA/ニューロマンティックス/MOGRE MOGRU/nannou@三軒茶屋Heaven's Door

2023年11月28日 00時56分30秒 | 素晴らしき変態音楽


11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「Japanese Folklore 2」

MOGRE MOGRU
doors in doors
NA/DA
ニューロマンティックス
nannou

所用でサウンドチェックには参加できず、開場時間少し前に三軒茶屋に到着。サウンドチェックを終えたTanaoと黒い瞳と飲み屋で合流。二人は「今日はロックバンドばかりのアウェーな現場」と不安そうにしていた。三軒茶屋ヘブンズドアには何回も来たことがあるが、確かにパンク/ロックバンドや地下音楽やラウド系アイドルばかりで、モグモグのようなアンビエント/即興系のライブは観たことがない。とはいえ古株のライブハウスなので学生ノリのイケイケなバンドが出るとも思えない。一体どんなイベントになるのか興味津々だった。ふたを開けてみればOriental Forceが似合いそうなエレクトロニクスや耽美派ロックや80'sハードパンクで、スタイルは異なるが世界観が共有できる親和性の高い出演者ばかりの滅茶苦茶ホームなイベントだった。nannou&ヘブンズドアならではの一味違った企画イベント「Japanese Folklore」に今後も注目していきたい。

●doors In doors


会場に着くとステージには大きなエフェクターボードの上にかがみ込むロングヘアの男。機材を操作して電子音を変幻させる。時にドローン、時にテクノビート。後半はエレキギターでディレイの効いたスペースサウンドを奏でる。プログレッシヴ・ロックでもありアンビエントでもある。ロックバンドsheeploreのギタリストで、今回が初めてのソロ・パフォーマンスだという。モグモグ・メンバー3人とも気に入った。いつか企画ライヴ「DIVE DEEP」に呼びたいと思う。


●NA/DA 


MOGRE MOGRU が吉祥寺NEPOに初めて出演した時に対バンしたエレクトロ&ドラムとチェロの二人組。チェリストとして多面的な活動をするチェロしおりさんはOriental Forceにもよく出演していて、ソロでは現代音楽的な試みもしている。そんな前衛精神を爽快なエレポップに乗せて繰り出すサウンドは現代ポップの進化形と言えるだろう。二人のヴォーカルのメロディには不思議な中毒性があり、思わず口ずさんでしまう。弦楽演奏家としても憧れの存在である。


●ニューロマンティックス
 

事前に調べたところドラムとギターの二人組だと思っていたら、ギターとベースを加えた4人編成になっていた。メンバーの面構えにはベテラン・ロッカーの風格がある。80'sパンク~パワーポップの香りの濃いロックサウンドとエネルギッシュなパフォーマンスが潔く好感度抜群。元DMBQの女性ドラマー吉村由加さんのヴォーカルがまさに好みで、パンクの血が騒いでしまった。


●MOGRE MOGRU


初ヘブンズドアだからと言って奇を衒わず、いつものスタイルを貫くパフォーマンスを心がけた。モグモグにとっては秋葉原グッドマンに次いで広い会場かもしれないが、さすが老舗のライブハウスだけあり、モニターも出音もばっちりで演奏しやすかった。そのため、肩に力が入りすぎず、平常心のモグモグ・サウンドが作れたと思う。他のバンドのお客さんはアンビエントや即興には慣れていないとは思うが、熱心に聴いてもらえたように思う。感謝しかない。

●nannou
 

エキゾチックな女性ヴォーカルが魅力的な耽美派オルタナロックバンド。シューゲイザー~ノイズロック的なサウンドもあるが、バンド全体の雰囲気は80年代ポストパンクに近いものを感じる。ヴォーカルの歌い方がG-SchumittのSyokoを彷彿させたが、後で尋ねたところG-シュミットは知らないとのこと。ヴォーカルが弾くキーボード(シンセ)のオーボエのような音がチェンバーロックっぽいニュアンスを生み出し、単なるギターロックに留まらない深みを感じさせた。このバンドも主催イベントに呼びたいものだ。

三軒茶屋ヘブンズドアにまた出演できることを祈ってやまない。

天国の
扉の向こうに
深い海

【MOGRE MOGRU 今後のスケジュール】

12月17日(日) 高円寺Oriental Force

NRYY企画イベント
open 19:00 / start 19:30
1500yen + 1 drink

MOGRE MOGRU
中村としまる
秋山徹次
NRYY


12月23日(土) 吉祥寺ブラックアンドブルー


HOPEライブvol.10
open15:30
チャージ 2,000円+1dr
出演予定
・ホッピー神山
・桜井真樹子
・岡田裕二(オカデン)
・MOGRE MOGRU
・愚弁
・エレクトリックスナフキン
・B.I.G.GAMELA
・王将&The Gov'nor Brothers
・ヒッピーマリアンズ
and more
*収益の一部はリレー・フォー・ライフ・ジャパン横浜へ寄付され、がん征圧の活動に活かされます。


2024年
1月18日(木) 高円寺Oriental Force
謎のしめころしfestival vol4
詳細後日

しめころし
MOGRE MOGRU


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【イベント情報】12/15(金)阿佐ヶ谷TABASAにて開催!ムードムンムンDJイベント『ムード盤魔殿』なべこ/小久保剛/Uran92/宇田川岳夫/剛田武

2023年11月25日 00時10分10秒 | こんな音楽も聴くんです


2023年12月15日(金) 阿佐ヶ谷TABASA
ムード盤魔殿 Disque Daemonium avec Mood
18:30 Open/Start
Charge 1,000yen + 1 drink
予約:https://www.asagayatabasa.com/events/mudobanmadono-disque-daemonium-avec-mood-1

ムード音楽、イージーリスニング、インスト、サントラ、純邦楽などレコード店の「その他」コーナーに特化したムードムンムンのDJイベント♡
その道の達人DJを迎えてクリスマス・シーズンに心温まる一夜をお贈りします。


出演DJ:
なべこ
小久保剛
Uran92 (JAZZ DAILAZ)
DJ Manticore a.k.a.剛田武
DJ Silence a.k.a.宇田川岳夫


TIME TABLE
18:30-19:10 DJ Manticore(剛田武)
19:10-19:50 Uran92 (JAZZ DAILAZ)
19:50-20:30 DJ Silence(宇田川岳夫)
20:30-21:10 なべこ
21:10-21:50 小久保剛



●なべこ


10年程前から現代箏曲のレコードを収集し始め、近年都内にて箏曲やその他現代邦楽でのDJプレイを行っている。前衛的センスによる邦楽器のための創作曲をその優れた音響面を活かしてambientに、アヴァンギャルドに、時にノイジーに響かせることで邦楽の個性やダイナミズムを伝えることが目標。 邦楽曲の古典から前衛までを横断するDJイベント『三々五々』の主催の1人。

●小久保剛 Takeshi Kokubo


足立区千住生まれ。中学2年生の時にサントラレコード集めをスタート、そのまま現在に至ります。最近はバーや映画館のロビーでサントラDJをしています。
ムード音楽は子どもの頃から親しんできたので「耳で味わう甘いキャンディ」のようなもの。

●Uran92 (JAZZ DAILAZ)


作曲活動を経て知人の勧めで2023年DJ活動を開始。2023年8月、EAST TOKYOを中心に活動するJAZZ DJ CREW『JAZZ DAILAZ』加入。
JAZZとエキゾチックミュージックやムードミュージックをクロスオーバーさせながら『じっくり聞いて心豊かになる音楽』をモットーにプレイしています。

●DJ Silence a.k.a.宇田川岳夫


エキゾチカの定番マーティン・デニーからムード歌謡、ムードミュージック的なプログレ、シンセ・インスト風プログレ、宗教音楽やワールドミュージックまで、ハントしてきた音盤をアナログでお聞かせします。盤ハント、人間狩り。愛(盤)を求めて街を彷徨った日々を!

●DJ Manticore a.k.a.剛田武


地下音楽愛好家と自称してきたが、還暦を過ぎてルーツが軽音楽と映画音楽だとカミングアウト。ハドフやレコ屋のジャンクコーナーを掘り起こしてサルベージした百均盤を武器に、地下音楽シーンにムード革命をもたらすべく「100 FOLKS」「100 CITY POP」「100 偽VENTURES」「100 LOVE SOUNDS」といったムーヴメントを次々投下中。

ムード會
クリスマスまで
待てません



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剛田武今週のライヴ:11/22(水)MOGRE MOGRU@三軒茶屋Heaven's Door/11/25(土)CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE@公園通りクラシックス

2023年11月20日 22時24分37秒 | ネコ動画


11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「Japanese Folklore 2」
open/start 18:30/19:00
前売/当日 ¥2,500/¥2,800

DIVE DEEP vol.8で対バンしたロックバンドたたらの目のベーシストTakosukeが参加する4人組nannou(ナノウ)とヘヴンズドアの共催イベントの第2回目。耽美的な女性ヴォーカルとダイナミックなオルタナ/シューゲサウンドが4ADを思わせるnannou、ミニマルなトラックとタイトな生ドラムと変幻自在なチェロによるツーピース音楽ユニット NA/DA (ナーダ ) 、元DMBQの吉村由加と元ネイルズオブハワイアンの天野によるドラム&ギター2人組で名前がそそるニューロマンティックス、そしてdoors In doorsというスタイルを超えたバンドの饗宴は、まさに日本の新たなるフォルクローレ。MOGRE MOGRU 初のヘヴンズドア出演ということで楽しさ倍増。

19:00~19:30 doors In doors
19:40~20:10 NA/DA 
20:20~20:50 ニューロマンティックス  
21:00~21:30 MOGRE MOGRU
21:40~22:10 nannou  




11月25日(土) 公園通りクラシックス
さよなら 「悠々自適」悠雅彦さん コンサート
13:30開場 / 14:00開演
前売り:3,500円 当日:4,000円

10月14日他界したジャズ評論家で、後年は web-journal JazzTokyoの主幹としてジャンルを越境してジャズはもとよりクラシックからシャンソン、純邦楽にまで評論の対象を拡大していった悠雅彦さんを追悼するコンサート。悠主幹の暖かい眼差しを浴びたミュージシャン、悠さんの主戦場となった Jazz Tokyoのコントリビュータとしても健筆をふるうミュージシャンたちとファンが一緒になって追悼するコンサート。
剛田武はJazzTokyoコントリビュータの一人として、サックスの山澤輝人とベースのルイス稲毛とのドラムレス・トリオ編成のCANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(砲弾爆発合奏団)としてトッパーで出演。70年代ロフトジャズやAACMなどシカゴ派のミュージシャンを積極的に日本に紹介した悠さんへ捧げる鎮魂フリージャズを奏でる。

1st set
1. Cannonball Explosion Ensemble(砲弾爆発合奏団)
山澤輝人 (tenor saxophone, flute) 剛田武 (violin, flute) ルイス稲毛 (electric-bass)
2. 藤本昭子(地歌)
3. 矢沢朋子 (piano)

2nd set
1. 仲野麻紀 (alto saxophone, metal clarinet)
2. ギラ・ジルカ (vocal) 深井克則 (piano)
3. 田村夏樹 (trumpet) 藤井郷子 (piano) 福本佳仁 (trumpet)八木美知依 (electric 21絃箏)
アンコール

司会:稲岡邦彌 (JazzTokyo編集長)
企画・制作:web-journal JazzTokyo since 2004
問合せ&予約申込み:jazztokyo.editor@jazztokyo.org

爆発だ!
アンビエントと
フリージャズ




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【プレイリスト公開】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.49『はじレコ特集』@阿佐ヶ谷TABASA 2023.11.10 fri

2023年11月19日 23時23分55秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.49
2023.11.10 fri 阿佐ヶ谷TABASA

少々時間が経ってしまったが、初めて買ったレコードをテーマにした盤魔殿vol.49のプレイリストをご紹介。現在は異端音楽の愛好家・研究家としてアングラまたは特殊な音楽を掘り続ける盤魔殿DJ諸氏だが、盤魔道への入り口は童謡、テレビ漫画や映画のテーマ曲、邦洋ヒット曲など王道レコードが多いことが判明した。その後いかにして異端音楽へ辿り着いたかはそれぞれ異なるストーリーがあり、その一端がこの日の選曲に現れているに違いない。曲名やジャケ写を眺めながらあなたも自分のリスニング・ヒストリーを思い返してみてはいかがだろうか?レコード/カセットテープ/CD/ダウンロード/サブスクと聴き方の形は変われど、音楽の魅力には違いがないことがわかるはずだ。それがわかるあなたは、音楽の魅力を様々な方向で楽しむイベント『盤魔殿』にぜひ遊びに来てください。

●DJ Bothis a.k.a.山田遼


1.Wipers - Return Of The Rat
2.Koji Kita & Scar Face - ソドムの市
3.Mars - Tunnel
4.Os Mutantes - A Minha Menina
5.Anemone Tube - In The Mausoleum
6.イモ欽トリオ - ハイスクール ララバイ
7.DNA - Size




●DJ Vaby a.k.a.大場弘規


1. 藤田淑子 / どろろのうた(1969)
2. ザ・ピーナッツ / モスラの歌(1978)
3. 石川セリ / 遠い海の記憶(1974)
4. 友川カズキ / 生きてるって言ってみろ(1986)
5. A.R.B /  Black X'Mas(1980)
6. 絶対零度 /  Untitled(1980)
7. ZELDA /  Ash-Lah(1980)
8. 財団法人じゃがたら /  Hey Say!!(1981)
9. カーネーション / 夜の煙突(1984)
10. 左とん平 / とん平のヘイ・ユウ・ブルース(1973)




●DJ Necronomicon a.k.a.剛田武


1. アラン・ドロンのゾロ(ゾロのテーマ)
2. 荒野の用心棒 さすらいの口笛
3. シシリアン
4. マイク・オールドフィールド / エクソシストのテーマ
5. アンヌ・アンデルセン / エマニエル夫人
6. 青江三奈 / 伊勢佐木町ブルース
7. GARO / 学生街の喫茶店
8. ヴァン・マッコイとスタイリスティックス・オーケストラ / ハッスル
9. ザ・ランナウェイズ / チェリー・ボンブ
10. Dolly Mixture / Baby It's you
11. 清水ひとみ / 熱い雨




●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda


1. ISAAC HAYES / Theme from SHAFT
2. TEST DEPT. / FUCK HEAD
3. The Doors / Break on through
4. ピンキー&ザ・クレイジーラブマシーン / ジャンキーパラダイス(Mr."J"に捧ぐ)
5. ROKY ERICKSON & THE ALIENS / TWO HEADED DOG
6. The Eleckric Banana / Alexander
7. nazz / loosen up
8. SWANS / Love will tear us apart
9. 松任谷由実/ やさしさに包まれたなら
10.nazz / forget all about it
11.SHEILA E. / The Glamorous Life




●DJ Athmodeus a.k.a.持田保

はじめてのレコード、ということでヤンキーとファンシーとニューウェーブをテーマに選曲しました
1: STOP THE NEW-WAVE / 伊武雅刀 & THE SPOIL
2: NEW EUROPEANS / ULTRAVOX
3: SHE’S GOT CLAWS / GARY NUMAN
4: LIFE IN TOKYO / JAPAN
5: RUNNING SHOT / 柴田恭兵
6: BLUE MONDAY / NEW ORDER
7: LOVE WILL TEAR US APART / 岩本清顕




●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元


1.The Beauty : Prelude To The Horror EP
2.Ralph Lundsten:SHANGRI-LA
3.Suzanne Ciani :Buchla Concerts 1975
4.Daniele Ciullini :Flowers In The Water
5.Borusiade:Confutation
6.Enrique:Please Shut The Door




●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫


1. David Bowie / Starman
2. Cockney Rebel / Cavaliers
3. Roxy Music / A Song For Europe
4. King Crimson / Prince Rupert Awakes
5. Wigwam / Losing Hold
6. Kolinda / Tetelek
7. Kebnekajse / Rättvikarnas Gånglåt
8. Samla Mammas Manna / Folkvisa i Morse
9. Formula Tre / Rapsodia di Radius



初めての
レコード聴いた
盤魔殿

▼次回12/15の盤魔殿は特別編!


2023年12月15日(金) 阿佐ヶ谷TABASA
ムード盤魔殿 Disque Daemonium avec Mood
18:30 Open/Start
Charge 1,000yen + 1 drink

ムード音楽、イージーリスニング、インスト、サントラ、純邦楽などレコード店の「その他」コーナーに特化したムードムンムンのDJイベント♡

出演DJ:
なべこ
小久保剛
Uran92 (JAZZ DAILAZ)
DJ Manticore(剛田武)
DJ Silence(宇田川岳夫)


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【ライヴレポート】DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy:MOGRE MOGRU/Aural Fit/ben isei/gloptin@NEPO 23.11.15 wed 

2023年11月18日 00時38分59秒 | ネコ動画


11月15日(水) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy
open 18:30 start 19:00
adv/door 2500yen + 1 order
streaming 1000yen
配信アーカイヴ購入できます⇒https://nepo.co.jp/schedules/view/2098

出演:
Aural Fit
gloptin
isei ben
MOGRE MOGRU

2022年4月10日渋谷EdgeEndでVol.1を開催してから1年半、MOGRE MOGRU主催イベント『DIVE DEEP 』が記念すべき10回目を迎えた。毎回濃い出演者ばかりのユニークなイベントを続けて来れたのは、モグモグのメンバーだけでなく会場のスタッフや共演アーティストやお客さんのお陰である。心より感謝したい。今回は「ガラクティック・ギャラクシー」ななてちょっと失礼なタイトルをつけたが、我々にとって「ガラクタ」は最高の誉め言葉である。常識に収まらないエクストリームな表現を追求する真のアーティストは、規範社会における我楽多とならざるを得ない。非常識極まりない我楽多/ジャンク道を貫く表現者が集まり、主催者冥利に尽きる「神イベント」となった。

●MOGRE MOGRU


いつもステージの後ろにいるギターのTanaoを最前に配した新機軸のセッティングで臨む。剛田は空き缶と雑貨によるガラクタ楽器を使い心持ちノイズ味増量の演奏。瞳は複数の詩を語り分けて、音風景に起伏をつける。後半のノイズギター+ヴァイオリン+シンセ三つ巴のダイナミズムが、モグモグの新たな方向性を示唆したように思える。



●isei ben


高円寺の前衛喫茶マッチングモールのオーナーでもあるisei benのエレクトロニクス演奏を始めて体験。いわゆるノイズやモジュラーシンセとは一味も二味も違う、ストーリー性のある電子音楽は、クラウス・シュルツやヴァンゲリスと同じ香りがするエレクトロ・プログレ。モグモグの世界観との親和性を強く感じた。いつかコラボをしてみたい。



●Aural Fit


豪快なファズギターが炸裂する即興サイケデリックロックトリオAural FitをNEPOで観れる幸せ。天井が高いこともあり、いつもの地を這うようなダークネスが、天に舞い上がるような高揚感に転じて聴こえる。情け容赦のないベースの低音と暴れまくるパワードラムが相まったロックの原初的なエネルギーを全身に浴びて精神が吹き飛ぶ快感に震えた。



●gloptin


究極のガラクタ楽器演奏家gloptinと1週間に2度対バンするとは自分でも驚くが、耳馴染みのある曲が増えて初めて観たときよりも楽しめる気がする。平易な言葉を絶叫するメロディーのポップさはまるでひとりブルーハーツのようだ。最後にフライパンとドラムスティックをばら撒いて観客参加のお祭り大会。やはりgloptinはトリで観るに限る。一生一度の神イベントの締めに相応しいパフォーマンスだった。





鍋叩き
踊りまくろう
腰が抜けるまで

【MOGRE MOGRU 次回のライヴ】


11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「japanese folklore 2」
open/start 18:30/19:00
前売/当日 ¥2,500/¥2,800

19:00~19:30 doors In doors
19:40~20:10 NA/DA 
20:20~20:50 ニューロマンティックス  
21:00~21:30 MOGRE MOGRU
21:40~22:10 nannou  
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【ライヴレポート】TOKYO NOISE MEETING Nov.2023~MOGRE MOGRU 2/3/gloptin/電子講談|=ヌーキー他@吉祥寺NEPO 2023.11.12sun

2023年11月15日 00時51分27秒 | 素晴らしき変態音楽


11月12日(日) 吉祥寺NEPO
TOKYO NOISE MEETING Nov. 2023
17:00 Open / 17:30 Start
入場料 2800円
予約:https://nepo.co.jp/schedules/view/2095

2020年までNEPOで開催されていたシリーズイベント「TOKYO NOISE MEETING」が9月18日に3年ぶりに復活。それに続く復活第2弾TOKYO NOISE MEETING Nov. 2023が開催された。ilyonsとよくばりChameleon.、そして我々MOGRE MOGRU 2/3が連続出演。他は初めてだが、様々なアブストラクトな音楽が楽しめる意義深いイベントだった。
前回の模様⇒【ライブレポ】TOKYO NOISE MEETING 2023 Autumn@吉祥寺NEPO 2023.9.18mon~MOGRE MOGRU 2/3/HANNA/よくばりChameleon.他

●よくばりChameleon.


ヴォーカル&ギター、エレクトロ二クス、ライヴペインティングと盛りだくさんなパフォーマンスで魅了するよくばりChameleon.は、今やこのイベントを象徴するアーティストと言えるだろう。エンディングの深緑で染まったステージは深海を思わせる幻想的な世界だった。

●ilyons


イベント主催のilyonsは今回はサブステージ(Smith Stage)でのパフォーマンス。距離が近いので迫力が倍増。超絶速弾きギターに絡むベースとエレクトロニクスが宇宙旅行のような高揚感をもたらす。ゴングやスティーヴ・ヒレッジのようなスペースロック感覚が気持ちいい。

●gloptin


響き渡るメタルパーカッションと叫びに似たヴォーカル、点滅するストロボが炸裂するgloptinのパフォーマンスは騒音まみれなのに爽やかな気分になる。それは目的としてのノイズではなく、歌と演奏を届けようという前向きな気持ちが結果的にノイズなっているからである。観客もフライパンを叩いて音の出す喜びを分かち合える。

●電子講談|=ヌーキー


サンプラーと電子サックス(EWI)を使って講談を聴かせるという前代未聞の芸(パフォーマンス)。講談もビートに乗ればラップと同じなので意外に違和感はない。言葉がわからなくてもリズムに身を任せていれば日本の伝統芸能を堪能できるので、外国人にも喜ばれるのではないだろうか。癖になりそうな面白さだった。

●nkz


大阪のアンダーグラウンドシーンでバンド活動をしていたというアーティスト。PC、ギター、エレクトロニクスと使って一人で音楽と映像のパフォーマンスをするスタイルはよくばりChameleon.に似ているが、緻密に構成された緊張感のある演奏は真逆のストイックな精神を感じる。一方後半のTOKYO NOISE MEETINGに捧げるプレイにはユーモアが溢れていた。懐の広さを証明するステージだった。

●honninman


本人マンという人を食った名前のパフォーマー。バックトラックに乗せて上半身裸で絶叫するスタイルは一人ハードコアパンクヴォーカリストといった趣。肉体派ノイジシャンとしてはインキャパシタンツの系譜と言えるかもしれないが、その突き抜けたジャンク感は突然変異に違いない、などといった分析を吹きとばすほど強烈なパフォーマンスだった。

●MOGRE MOGRU 2/3


今回も黒い瞳が欠席でTanaoと剛田武のデュオによるMOGRE MOGRU 2/3として出演。今回はビンテージのリズムボックスを導入し前回よりも構成を練った演奏を心がけた。ヴァイオリンとギターのドローン演奏から、テクノポップ・リズムに乗せたフルート演奏、ギターの爆音も絡めて激しめのインプロからエンディング。流れのある演奏ができたと思う。



●kazki=okada


ノイズアンビエントソロアーティスト。極東ピーコックというバンドのメンバーでもある。3台のギター&ベースアンプを使って、浮遊感のあるアンビエントから爆音ギターへとダイナミズムのある演奏。軽い耳鳴りを残して終了。イベントのエンディングを飾るにふさわしい怪演だった。

東京の
ノイズ会合
いと楽し

明日開催!!


11月15日(水) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy
open 18:30 start 19:00
adv/door 2500yen + 1 order
streaming 1000yen
予約:https://nepo.co.jp/schedules/view/2098

出演:
Aural Fit
gloptin
isei ben
MOGRE MOGRU

▼タイムテーブル(各30分)
19:00-19:30 MOGRE MOGRU
19:45-20:15 isei ben
20:30-21:00 Aural Fit
21:15-21:45 gloptin
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【盤魔殿アマルガム vol.46】『はじレコ特集』JAPAN/エクソシスト/どろろ/The Beauty/FGTH/No New York/名古屋遠征記

2023年11月12日 01時23分36秒 | 素晴らしき変態音楽


●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保


今月の一枚はじレコ編 JAPAN / The Singles (1981)
かつてナンシー関が語ったとされる(根本敬オリジナル説も有)「日本の文化の9割はヤンキーとファンシーでできている」論。しかし80’s日本においてバブリーに花開いた第三の文化現象が存在したことを忘れてはならない。そう、ニューウェーブ・ブームである。その発生と広がりについて詳しく述べる文字数は無いのだが、当時自分が愛読していた宝島を中心に音楽、漫画、お笑い(ビートたけしもニューウェーブと言われていた)、ファッションからニューアカなどの思想方面までがニューウェーブという括りで彩られていた時代が確かに存在してのだ。で、このニューウェーブ、こと音楽に関してはヤンキーとファンシーを融合させたニューロマ現象が個人的に衝撃(マユ毛剃りまくり&ボンタン・スタイルなど)で中学2年のとき初めて自発的に買ったレコがこのジャパンのベスト。パンクでもポストパンクでもない、ジョルジオ・モロダーのシンセベースがウネウネしまくるディスコ・サウンドをバックに田舎の中学生には想像できない日本像を描いた”Life in Tokyo”は自分にとって早すぎたブレードランナーと言えるだろう。その後ニューロマは日本でビジュアル系というヤンキーとファンシーの融合を極限まで加速させたスタイルを構築することとなるが、そこら辺の歴史を社会文化学としてマジで誰かまとめていただきたいと思う今日この頃である。

●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


マイク・オールドフィールド『エクソシストのテーマ』
童謡で一番好きだったのは「ちいさい秋みつけた」、小学校低学年のころ通学路で歌っていたヒット曲は「学生街の喫茶店」。基本的にマイナー調の曲が好きだった。中学へ上がる直前に短波ラジオにハマって(所謂BCL)海外の短波放送を聴いて洋楽ポップスに興味を持った。まだロックやジャズなどのジャンルがある事を知らず、最初に聴き始めたの映画のテーマ曲だった。特に映画が好きだったわけではなく、身近な海外エンタメが洋画しかなかったからだ。映画雑誌で「エマニエル夫人」の写真を盗み見て性に目覚めた世代である。初レコは「アラン・ドロンのゾロ」だが、2枚目に買ったのが「エクソシストのテーマ」(いや「燃えよドラゴン」のほうが先だったかも)。とにかく怖いと評判の映画で決して観たいとは思わなかった(いまだに観たことはない)が、ひたすら美しく哀しい旋律が繰り返されるうちに、じわじわと恐怖感が募る不思議な音楽にすっかリ魅了された。解説を読んでマイク・オールドフィールドという音楽家がたった一人で作り上げたことを知った。また彼が姉のサリーと一緒にやっていたバンド名がサリアンジーと書いてあり、その名前の美しい響きだけで恋のような憧れを抱いた。シルヴィア・クリステルに続く性の目覚めパート2だった。これがプログレへの目覚めだったとは言い切れないが、50年近く経っても筆者の妄想を刺激するヤバい音楽との記念すべき出会いだったことは間違いない。おっと、忘れかけていたが文字で読む性の目覚めはギョーム・アポリネールの小説『若きドン・ジュアンの冒険』だったことを今思い出した。また読んでみたい。

●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規


「これが私のリアル初レコ!」 藤田 淑子 / どろろのうた (7inch)
幼稚園時代、リアルタイムでテレビアニメを観ていたのですが、藤田淑子さんの歌う美しくもあり、何とも言えない狂気を孕んだ「どろろのうた」が僕の心に深く突き刺ささってしまったのです。そんな時に、武蔵境の今は亡き西友のワゴンセールで見つけ母親に(かなり)駄々こねて買ってもらった人生初のレコードがコレなんです!ナントあの巨匠「冨田勲」が作曲し藤田淑子さん(実はムーミンの主題歌も歌っています)の澄み切った声で歌われるこの曲。特に「赤い夕陽に~」のメロディ・ラインと荘厳なアレンジは今聴いてもゾクッとしますし、YouTubeでイマドキの女の子達が「うたってみた」で取り上げるのも十分頷ける程の名曲だと思います。残念ながら藤田淑子さんは2018年に逝去されていますが、名曲として後世に語り伝えられていくと僕は信じて疑いません。


●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda


初めてのレコード
初めて自分のお小遣いで購入したレコードは、アレだ。
しかしそれではお話にならないのと、DJとして難し過ぎるので、時を少し先に進めたい。
私は神奈川で生まれ育ったが、ひょんな事から東京の私立高校へ進んだ。絵を描いたりデザインをする授業が多く、しかし何故か卒業生には芸能人が多い。そこで、楽しい東京の遊び場を色々と教えて貰った。古いモールのある下北沢にも行ったし、新宿でおしゃれな友達と映画を観た。制服を駅のトイレで着替えてディスコに行った。そして、海外から来た音楽の数々に触れた。
気まぐれな年頃(私だけ?)だからか、短期期仲良く遊んで、クラス替えで離れたりもあったが、ある時好きなものが共通した友人と渋谷へ遊びに行った。まだ宇田川町にあったタワーレコードでお小遣いで輸入盤を買って、安価なアクセサリーを買ってお茶を飲んだ。美男の欧米人に胸をときめかせ、グラマラスな女性達に憧れた。
今でも外国人を好む女性はいるけれど、まだその頃は世間的にももっと無邪気に、アイドルとして見ていた様に感じる。欧米人はいつまでも可愛く美しくて、夢の世界に住む天使みたいだった。
その後大分経って、私自身は海外から移住したり音楽をやりに来たりで現実的な外国人に出会うのだが、頑張って片言の英語を話せば相手をしてくれたり、時に日本人より日本語が上手だったりして、突然海外は身近に感じられ、夢は消え去った。そんな、夢の様な音楽が、レコードから流れていた時代だった。

●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元


The Beauty /Prelude To The Horror EP
The Beautyはオダユウジ氏の変名プロジェクトであり、本作は瀧見憲司氏の主宰するレーベル”CRUE-L”からの出版である。
Jesse Ruinsとのスプリットカセットである前作”The Beauty / Jesse Ruins”がドリーミーなダンサブルトラックであったのに対して、本作は所謂リズム主体ではなくゆったりとした作風に仕上がっている。
改めて、レコードに針を落とすと辺りをチルウェイブの空気が覆い、かつて自分が浸っていた感覚...美しい音の霞の中に彷徨うような感覚を再び得ることになる。
あゝ今にも驟雨を降らしそうな退廃的な灰色の雲がかかっていて、、、陰鬱なトランス状態へと導く…
本作は私が最初に入手した”はじレコ”ではあり、入手した当初”レコードを聴けるっ!”と非常に気分が高まっていたあの新鮮な気持ちは忘れるはずもない。しかしまさか盤魔殿のアマルガムで書かせていただくことになるとは…
”踊らせないが鼓動は打つ、肉体が弛緩し変性意識に飛ぶ”という点でこの世から逸脱している。

●DJ Bothis a.k.a. 山田遼


Various Artists - No New York LP 1978(Antilles)
今回はあくまでも人生で初めて買った「レコード」ということで本作を紹介するわけだが、実際には私の世代(1980年代後期)で、それなりに物心がついて「どれ、音楽でも買ってみようかな」という年齢に差し掛かった地方在住者にとって、すでにそこにはレコードそしてレコード屋という存在は身近には無く、レコードに代わる音楽メディアとして流通していた「CD」を買う、ということしか選択肢はなかったように思われる。そのような時代に私が初めて買ったCDはZARDの『Today is another day』であるが、それはさておき上京して下北沢のパワースポットことディスクユニオン下北沢店で購入したレコードが今回紹介するVarious Artists -『No New York』である。Googleでこの作品名を入力して検索すると真っ先にBOØWYのそれがヒットしてしまうのだが、そっちの『No New York』ではなくて、こっちの『No New York』は1978年リリースのノーウェーブバンド4組によるVarious Artists作品で、なんと!プロデュースはアンビエント・ミュージックの立役者とも言える大御所ブライアン・イーノ御大その人であるというから驚きだ。作品の中身はというと、1970年代にニューヨークはSohoにあるアーティスト・スペースという名のギャラリーで4日間に渡りロックフェスティバルが開かれており、その3日目と4日目に出演したのが本作収録の4組のノーウェーブバンドJames Chance & The Contortions、Teenage Jesus And The Jerks、Mars、DNAである。その4バンドのライブをたまたまニューヨークに来ていたブライアン・イーノが目撃し、すぐさま4バンドに対し、コンピレーションを作ろうとラブコールを送り録音されたのが本作品というわけだ。当時巷を賑わせていた流行としてのニューウェーブの波に乗ることを拒否した最前衛としてのノーウェーブの実況録音ともいうべき、カミソリのような切れ味を持つ4バンドの放つ身の危険を感じるような発狂っぷりは「人間とはこうあるべき」という社会的な押し付けに対する全力の拒絶反応のお手本ともいうべき名盤である。個人的はB面3曲目のMars -『Tunnel』がお気に入り。それにしても、ブライアン・イーノ自身の代表作とも言えるアンビエントの名盤『Ambient 1 (Music For Airports)』と本作『No New York』が共に1978年リリースという、ブライアン・イーノの音楽的になんとも両極端な仕事のスタンスに対する驚きもさることながら、20代前半当時の私はなぜこのようなぶっとんだ作品を初めて買うレコードに選んだのか、今となっては全く思い出せないのが不思議でしょうがない。しかしながら、若い時分にこのような素晴らしい作品に触れることがその後の音楽人生の礎になったことに疑いはないので、そのようなきっかけとなる選択をした当時の自分にはこの場を借りて厚くお礼を申し上げたい。

●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫


名古屋遠征記 フリンジ・ミュージックを求めて 宇田川岳夫
「ヤマザキマザック美術館入り口前の彫刻で11月4日14時にお待ちしております…」春日井直樹氏からのメッセージである。名古屋市営地下鉄新栄駅出口すぐのところにあるヤマザキマザック美術館は、大手工作機械メーカーのヤマザキマザックが運営する美術館である。定刻少し前に所定の場所に赴くと、そこにはサイクリング車とともに立つ春日井直樹氏が待っていた。どちらからともなくお互いに声を掛け合い、目当ての人物に合えたことを自然な形で確認できた。春日井直樹氏は、作品のイメージとは全く異なる物静かな知性に満ちた芸術家然とした風格を備えた初老の紳士だった。春日井氏の先導で、しばらく名古屋市内のレコード屋を巡った。氏にお会いする前に、あの一部で有名な小池輸入レコード(閉店中)の三階建て自社ビルの前を通り、建物が健在であることを確認していたので、小池輸入レコードのその後についてのお話も伺ってみたが、息子さんがビルを相続したこと以外はわからないとのことだった。名古屋の中古盤店、全体にジャズとクラシックが充実している店が多く、高音質を誇る小池レコードで購入した盤を示す「小池盤」コーナーが存在するのは驚いた。
新栄から栄、最後は大須まで足を延ばして、全部で10店舗ほど回りながら、春日井氏と話していると、長旅の疲れも消えていった。東京と比べてレコード価格は安めに設定されていたので、ついつい買い込んでしまった。最後の目的地が、春日井氏が初代オーナーで、現在は三代目オーナーが経営している鶴舞公園近くのライブハウス、デイトリップである。ここでは「奄美 霊能ユタアヴァンギャルドノイズフェス」が開催されるのだ。アヴァンギャルド・ミュージックというかエクストリーム・ミュージックのライブに、出口王仁三郎の曽孫がメンバーである「おとのわ」、さらに奄美大島出身の最後のユタである円聖修による講演とパフォーマンス(?)がコラボし、盤魔殿のヒーローである持田保氏(恐山Vibration)によるDJまで加わるという盛りだくさんなイベントである。



会場の片隅でカウンターに座って、春日井氏が分けてくれたポテトチップをつまみながら、注文したドリンクを次から次へと飲み干し、ライブを見、転換時間には春日井氏や主催者の大谷氏、出演者の皆様といろいろと話が弾んだ。出演者は多かったが、驚いたことにタイムスケジュール通りにオンタイムで進行していった。1番目は「血を吸うカメラ」。進入禁止のOhya Hiro氏がペルシャンタンブールを即興で演奏し、それに「人間石鹸」のドラマーNanaumi Shinnichiがからむという編成だ。ムスリムガーゼを思い出させる演奏だった。その後「山本雅史」(モジュラーシンセによる即興)、「バカにハサミ」(ドラムとエレクトロニクスによるハーシュな即興演奏に女性ヴォーカルが絶叫)、「人間石鹸」(ギターインプロビゼーション、モジュラーシンセ、ドラムス、ヴォイス)とハーシュな演奏が続く。お客様は多くはないが、名古屋のインダストリアル・イベント「faktria」の主催者やContagious Orgasmのメンバー新井氏の姿も見えた。また東京方面から遠征しているお客様もいて、コアなファンの注目を集めているようだった。さて、後半になって「NOISECONCRETE×3CHI5」が、トライバルなリズムとポップさを漂わせるスキャットとインダストリアルなトラックとサイバーな映像を組み合わせたステージを展開すると会場内の熱気もさらにヒートアップした。そしてその次に登場した「石田音人」。モンゴルの馬頭琴や奄美大島のヤシの実で作った胡弓、失われたアイヌの民族楽器を駆使した演奏は、電気的に増幅されてはいないのだが、会場全体に響き渡った。そのあとにしばらくの転換時間をはさんで持田保氏による「恐山Vibration」DJモード。リチュアルなトラックにトライバルなリズムが強烈に重なり、それまで腕を組みノイズに耐えるように聞いていたオーディエンスたちが、踊り出した。「おとのわ」の女性メンバーである出口春日さんも、持田氏のDJプレイに身をまかせて神遊びのように踊った。もちろん私もゆらゆらと体を動かした。「ふるべゆらゆらとふるべ」である。舞いとは真(ま)霊(ひ)であるとの神領國資(笠井叡の弟子で金井南龍の弟子 元舞踏家)の言葉を思い出した。この後に続いたのが「KAZUMOTO ENDO」。極め付きのパワーエレクトロニクスが場内の空気を一変させて邪気を払ったようだ。そして最後から二番目が「おとのわ」。出口王仁三郎の曽孫春日と佐藤なーやによる、クリスタル・ボウルとヴォイスによる演奏は、極上のヒーリング・ミュージックであった。満を持して最後に登場したのが、奄美大島最後のユタ・円聖修師。門外不出のユタ歌(神を呼び起こす歌)は一聴すると奄美方言で歌われていることもあって島唄のようでもあったが、場の雰囲気を変化させるパワーに満ちていたようだ。円師の講演や映像の内容をここに詳述することはできないが、本物だけが持つオーラが漂っていたことは間違いない。
貴重なものを見せていただいたという気持ちになり、会場を後にしてホテルに向かったのは23時ころだった。名古屋での体験はすべてがマジカルであった。
  


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【更新しました】剛田武&MOGRE MOGRUスケジュール~11/12&15吉祥寺NEPO、11/10&12/15阿佐ヶ谷TABASA、11/25公園通りクラシックス他

2023年11月08日 00時21分24秒 | 素晴らしき変態音楽

CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE / 2023/9/14 高円寺ShowBoat (photo by 潮来 辰典)



11月10日(金) 阿佐ヶ谷TABASA*DJで出演
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.49
18:30 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink
★レコードの日「はじレコ(My First Record)特集」*盤魔殿DJが初めて買った(聴いた)レコードを交えてDJします。
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Bothis a.k.a.山田遼
DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元



11月12日(日) 吉祥寺NEPO*MOGRE MOGRUで出演
TOKYO NOISE MEETING Nov. 2023
15:00 Open / 15:30 Start
入場料 2800円
予約:https://nepo.co.jp/schedules/view/2095

ilyons
よくばりChameleon.
MOGRE MOGRU 2/3
gloptin
honninman
nkz
kazki=okada
電子講談|=ヌーキー



11月15日(水) 吉祥寺NEPO*MOGRE MOGRUで出演
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.10~Garakutic Galaxy

open 18:30 start 19:00
adv/door 2500yen + 1 order
streaming 1000yen

出演:
Aural Fit
gloptin
isei ben
MOGRE MOGRU



11月22日(水) 三軒茶屋 Heaven's Door*MOGRE MOGRUで出演
nannou&三軒茶屋HEAVEN’S DOOR presents「japanese folklore 2」
open/start 18:30/19:00
前売/当日 ¥2,500/¥2,800
MOGRE MOGRU
doors in doors
NA/DA
ニューロマンティックス
nannou



11月25日(土) 渋谷 公園通りクラシックス*CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE で出演
「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート
開場 13:30 開演 14:00
料金: 予約 ¥3,500 当日 ¥4,000

出演:
CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE (砲弾爆発合奏団)[山澤輝人(ts,fl) 剛田武(vln,fl) ルイス稲毛(b)]、ギラ・ジルカ(vo)、田村夏樹(tp)+藤井郷子(p)+福本佳仁(tp)、仲野麻紀(sax)、藤本昭子(地歌)、矢沢朋子(p)、八木美知依(エレクトリック21絃箏) (*五十音順)
主催: JazzTokyo
問い合わせ: jazztokyo.editor@jazztokyo.org



12月3日(日) 渋谷頭バー*DJで出演
きみにおちるよる vol.8大忘年会スペシャル
18時〜
入場料:1st drink ¥1.000
●出演者
【DJ】DJ TKD / Q’s / myzk / DJ 憑琉陀ケ / ATAKE / DJ Necronomicon / ひろし/せまし / おぐ / なまづ
【Guest DJ】molmomol / ロマン優光
【live guest】Tnaka(ex:marble≠marble)

12月13日(水) 高円寺Oriental Force*ソロパフォーマーで出演
As If企画イベント(詳細後日)
As If(中鉢洋夫g+平岡俊之waterphone)+剛田武


12月15日(金) 阿佐ヶ谷TABASA*DJで出演
ムード盤魔殿
18:30 Open/Start(予定)
Charge 1,000YEN + 1 drink
イージーリスニング、ラウンジ、純邦楽、民族音楽など、レコード店の「その他」コーナーに特化したセレクションで贈るムードむんむんなDJイベント!!!
出演:なべこ / Uran92 / 小久保剛 / 剛田武 / 宇田川岳夫 etc.

12月17日(日) 高円寺Oriental Force *MOGRE MOGRUで出演
NRYY企画イベント
open 19:00 / start 19:30
1500yen + 1 drink
MOGRE MOGRU
中村としまる
秋山徹次
NRYY



12/22(金) 多摩川 立日橋の下*ソロパフォーマーで出演
すばらし祭り 2023冬至
12:27頃(日本時間)
呼びかけ&共催:Live Under The Bridge 、ウランアゲルファウンデーション、国立ダンサーズ、かむろてつ、公民館運動、石ころゴロゴロ、多摩川増水、他
出演:
ちゃんやま(syn.sax.etc..)
しんらこう:Miki(うた)、南部輝久(djembe)
剛田武(sound)
佐伯武昇(perc)
火炎瓶テツ(electronics.voice)
くにたちダンサーズ

※雨天中止(代替会場:国立市公民館)



12/23(土) 吉祥寺ブラックアンドブルー*MOGRE MOGRUで出演
HOPEライブvol.10
open15:30
チャージ 2,000円+1dr
出演予定
・ホッピー神山
・桜井真樹子
・岡田裕二(オカデン)
・MOGRE MOGRU
・愚弁
・エレクトリックスナフキン
・B.I.G.GAMELA
・王将&The Gov'nor Brothers
・ヒッピーマリアンズ
and more
*収益の一部はリレー・フォー・ライフ・ジャパン横浜へ寄付され、がん征圧の活動に活かされます。



2024年2月9日(金) 東京 高円寺ShowBoat*CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLEで出演
EXPLOSION GIG vol.2
19:00 open / 19:30 start
Ticket: 前売/予約 ¥2,500+1d / 当日 ¥2,800+1d
【出演】
CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(山澤輝人:ts、剛田武:vln,fl、ルイス稲毛:b、南部輝久:ds)
グンジョーガクレヨン
森田潤
+EXPLOSION SESSION(出演メンバーによるフリーセッション)
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【JazzTokyo#307更新】シン・即興とシン・地下音楽『佐伯武昇インタビュー』/組原正『Moji』/ニュージャージーズ『テトラガマルス』

2023年11月06日 00時03分02秒 | 素晴らしき変態音楽

音楽情報サイト「JazzTokyo Jazz and Far Beyond」の最新号が公開された。カバー・ストーリーは「熱海未来音楽祭」。他に「追悼 悠雅彦」。剛田武は以下の記事を寄稿した。

●佐伯武昇 Takenori Saeki(パーカッション奏者)インタビュー

Interview #272 佐伯武昇 Takenori Saeki(パーカッション奏者)~辞める理由がないからやり続ける。

演奏中は何も考えていない
「行き過ぎることを恐れない」という地下音楽の精神を現在これほどまで体現している人間は佐伯武昇の他にはいないだろう。なぜ彼はそんな表現行為をするに至ったのか、そしてこれからどこへ行こうとしているのか?その秘密を探るべく本邦初のインタビューを敢行した。




●組原正『Moji』

Disc Review #2275 『組原正 / Moji』『Tadashi Kumihara / Moji』

革新的変態ギタリストの秘密のアルバム。
本作は絵筆代わりにギターで描いたサウンド・ペインティングであり、”100%組原正”のプライベート・コレクションである。秘密の日記を盗み見(聴き)する禁断の歓びを味わえる愛おしき作品。(地下)音楽愛好家にとってこれ以上の至福はない。




●ニュージャージーズ『テトラガマルス』

Disc Review #2274 『ニュージャージーズ / テトラガマルス』『Nyujajizu / Tetragammarus』

新たなる地下音楽即興デュオが描く混沌と調和の音響組曲。
フリー・ミュージック、アンビエント、プログレッシヴ・ロック、現代音楽、民族音楽、サウンドアート・・・。そのいづれでもありどれでもない正体不明の我楽多音楽。行き過ぎることを恐れない地下音楽の精神を諧謔趣味の遊び心で継承するシン・即興派の神髄がここにある。



地下即興
アングラインプロ
美しい

11/25(土)さよなら 「悠々自適」悠雅彦さん コンサート開催。我がCANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLEも出演!


10月14日他界したジャズ評論家で、後年は web-journal JazzTokyoの主幹としてジャンルを越境してジャズはもとよりクラシックからシャンソン、純邦楽にまで評論の対象を拡大していった悠雅彦さんを追悼するコンサート。悠主幹の暖かい眼差しを浴びたミュージシャン、悠さんの主戦場となった Jazz Tokyoのコントリビュータとしても健筆をふるうミュージシャンたちとファンが一緒になって追悼するコンサート。

2023年11月25日(Sat) 東京 渋谷・公園通りクラシックス
さよなら「悠々自適」悠雅彦 コンサート
開場 13:30 開演 14:00
料金: 予約 ¥3,500 当日 ¥4,000
出演:
CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE (砲弾爆発合奏団)[山澤輝人(ts,fl) 剛田武(vln,fl) ルイス稲毛(b)]、ギラ・ジルカ(vo)、田村夏樹(tp)+藤井郷子(p)+福本佳仁(tp)、仲野麻紀(sax)、藤本昭子(地歌)、矢沢朋子(p)、八木美知依(エレクトリック21絃箏) (*五十音順)
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