地下アイドルへの招待
第21回:闇営業と病み営業と地下営業
~始発待ちアンダーグラウンド/沖縄電子少女彩
第21回:闇営業と病み営業と地下営業
~始発待ちアンダーグラウンド/沖縄電子少女彩
DJ Necronomicon ネクロノミコン(aka 剛田武)
お笑い芸人の闇営業が話題になったのは6月頃だが、気に入らないのは"反"社会的勢力との繋がりばかり話題にするマスゴミの姿勢である。闇営業の相手は"反=アンチ"に限らない。"非=ノン","不=イル","外=アウトオブ"を含む社会的勢力、つまり「非合法の活動を行う非公然の組織」つまり「地下組織」に他ならない。そして地下組織の活動、つまり「地下営業」こそ筆者が提唱・推奨・実践する『地下音楽/地下アイドルへの招待』の導く人生の理想型に違いない。翻って考えてみると、地下アイドルの世界では「闇」ならぬ「病み」営業が白昼堂々公然と行われて来た歴史があり「闇」も「病み」も許されるYummy(おいしい)な現場である。「病み」を前面に押し出せば、気分が乗らずドタキャンしてもOK、キレた挙げ句の暴力行為や自傷行為も問題なし。そのうちに、病みすぎてライヴ現場にメンバーが誰ひとり現れない究極の病み系アイドルが登場するかもしれない。その日の病みが比較的軽いメンバーが自室から固定画面で声だけのインスタライブで出演し、歌詞は歌わず、殆どが「みんな大嫌い」「死にたい」「草葉の陰から一生呪ってやるからそう思え」といった呟きのみ。特典会でチェキ券を1枚1000円で販売するが、メンバーが現場に居ないのでヲタクのソロチェキオンリー、ヲタクが自分で落書きする用にパステルカラーのポスカを用意してあるサービスが大好評。リリース音源はすべてアンタイレコードならぬアンタイストリーミング。Apple Music、iTunes、Line Music、Spotifyなど配信サイトで配信中だが、グループ名も曲名も非公開なので、誰ひとり聴くことが出来ない幻の音源、万が一聴いてしまったら恐ろしい運命が待ち受けているという都市伝説で人気爆発。楽曲制作費や衣装代・振り付け料どころか、メンバーも要らない(インスタライブは寝たきり老人の寝言を加工したテープ)ので、元手ゼロでアイドル運営が出来てぼろ儲け。そうだ、やったもん勝ちだから俺が最初にやってしまおうか等と非合法的な思考を重ねることが地下営業への近道かもしれない。
閑話休題、現在地下営業で目覚ましい成果を上げつつある注目の地下アイドルの最新作を紹介しよう。。
●始発待ちアンダーグラウンド『始発待ちアンダーグラウンド』
渋谷で終電を逃しちゃったから結成、2018年2月より活動開始。オクヤマ・ウイ、フカミ・アスミ、ムラタ・ヒナギクの3人グループ。初めて観たのは今年6月2日ネクロ魔、爆裂女子との対バンだったが、グループ名の「アンダーグラウンド」に相応しいグラムロック/GS/ロカビリー風サウンドとメンバーのロック女子ぶりが気に入った。デビューアルバム『始発待ちアンダーグラウンド』は60年代サイケポップやグラム歌謡の要素が色濃く、真夜中過ぎの地下鉄ホームの闇の中で始発を待つ女子の独白で綴る寺山修司の戯曲を思わせる曲もある。深夜を過ぎて寝る前のYummyな時間を彩るちょとだけ病んだ世界に浸れる。
始発待ちアンダーグラウンド - 風街タイムトラベル【MV】】
●沖縄電子少女彩『黒い天使』
高校を卒業し、8月に19歳になったばかりの沖縄出身のアヴァンギャルドアイドル&ノイズミュージシャン。生誕ライヴは、昼の部アイドル(キスエク、めろん畑、リリカオ等)、夜の部ノイズ(灰野敬二、ドラびでお、美川俊治、ASTRO等)、昼と夜/陰と陽/光と影の両面備えた本領を発揮。2ndアルバム『黒の天使』は、ドラびでお、美川俊治、森田潤、魚住有希、宇川直宏等がゲスト参加。ポップス〜ノイズ〜テクノ〜民族音楽〜昭和歌謡〜ダンスミュージックが並列に並んだバラエティ豊かなアルバムになっている。以前盤魔殿にゲスト出演した東京リチュアルのバンギ・アブドゥル氏と繋がりが判明。近々盤魔殿出演が実現するかも。
沖縄電子少女彩『黒の天使』MV / Okinawa Electric Girl Saya『Black Angel』
注:この2アーティストの音源はストリーミングでもちゃんと聴けますのでご安心ください。
闇の中
病んだ魂
地下活動
ULTRA DARK IDOL FROM JAPAN
NECRONOMIDOL // Live at NärCon 🇸🇪 July 27,2019