CDリリースやライヴの情報をどうやって入手するのか尋ねられることがある。15年前はテレビ・ラジオ・雑誌といったマスコミとチラシ(フライヤー)やレコード店やライヴハウスの告知ポスターしかなかったが、現在の情報源は圧倒的にネットである。FacebookやLINEという閉じたSNSも有用だが、最も重宝するのはツイッターである。ツイッターのタイムライン(TL)に散りばめられた過多情報(Information Overload Unit)蒐集の際の利用凡例を上げてみたので参考にしていただきたい。
●POWDER
ロシアの美少女バンドPOWDERを見つけたのは「ファッションモンスター」の日本語カヴァーという呟きだった。リンク先で動画を観て、一瞬で惚れこんでしまった。普通の人なら「面白いね」で済ますだろうが、惚れた相手のことをもっと知りたい、と考えるのが愛好家の性。探る方法は簡単。右側のおすすめ動画をクリックするだけ。POWDERの別の曲や他のロシア・ロックなど、どこでもドアのように行き来可能。ドラえもんの秘密道具にありがちな、とんでもない勘違いも多いが、逆にそれ故予想外の出会いが生まれる。コメントに関連サイトへのリンクがあれば、未知の世界の深部へと潜入開始。探索結果をツイートすると、フォロワーからの返信で意外な事実が判明することもある。POWDERの場合は日本の代理人やロシアの情報筋から返信があった。そこからロシア娘の広大な宇宙へ旅立つ。行き着いたのはPOWDERのお姉さんラニェートキ・ガールズ。密林探索に切り替え音源を入手。一方本日付のツイートで、POWDERが来年GWに来日の可能性があることが判明。きゃりーぱみゅぱみゅがワールドツアーで海外のファンを驚喜させたように、二次元アイドルの実体化に夢が広がる。
●TWIMY
昨日フォロワーが呟やいていたTWIMYというガールズ・バンド。中学1年生の女子トリオで凱旋、12歳とは思えない才能があるという。活動の場をツイッターに定め、楽曲完成をTL上でアナウンスし、RTでフォロワーを増やしている。現在までにオリジナル曲11曲と、TLで繋がったフォロワーによるリミックスも公開中。生ドラムが買えないのでリズムマシーンで代用しているが、むしろその方がネトバン=Net Bandらしくていい。恐るべき十代、と呼ぶには頼りないサウンドと、吹けば飛ぶような貧血ヴォーカルが、文系少女っぽい。果たしてホントに中1なのか、売り出しのためのやらせじゃないのか、様々な憶測が飛ぶのもネトバンならでは。30年前に「中国初のパンク・バンド」と話題になったドラゴンズ(龍)もネットがあれば、ごく自然に伝播したことだろう。鉄のカーテン時代のセンセーションは生まれなかったに違いない。ネットはセンセーションを駆逐する。存在するのは極小サークルが仕込んだ炎上騒ぎだけである。
ネットは大変便利だが、氾濫する情報の洪水をどのように泳ぐかが何より重要である。炎上TLの跡には無数の溺死体と焼死体が累々と放置されるのみ。俗にネット放置プレイと呼ばれ、露出プレイ・羞恥プレイと共に戦時下の三大変態プレイに分類される。
変態と
反対は
同じかも
Rock In Opposition
Shock In Abnormal