A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

日野日出志 vs JOJO広重 トーク地獄変!@新宿 Naked Loft 2013.6.29(sat)  

2013年06月30日 00時22分40秒 | 素晴らしき変態音楽


日野日出志 vs JOJO広重 トーク地獄変!
非常階段『極悪の教典・完全盤~日野日出志 vs 非常階段~』発売記念トーク・ライブ&サイン会


出演:日野日出志(漫画家)、JOJO広重(非常階段)
MC:椎名宗之(Rooftop編集局長)

泣く子も黙る世界初のノイズ・バンド、非常階段の規格外BOXセット『極悪の教典・完全盤~日野日出志 vs 非常階段~』の発売を記念して開催される規格外のトーク・ライブ!
ホラー漫画界の重鎮である日野日出志と非常階段のブレインであるJOJO広重が門外不出のエピソードの数々を縦横無尽に披露!
当日は『極悪の教典』BOX購入対象者にサイン会もあり!



世紀の極悪バンド、マル非のレア・アイテムをメジャー・レコード会社から再発するに当たって大阪商人・JOJO広重がとった戦略は、思い切り豪華な装丁で純真なファンのコレクター心をくすぐるという悪魔の囁き作戦だった。今まで何度も広重の物欲作戦に泣かされ、増々加速するボックス攻撃に何とか耐性が出来たと思ったが、日野日出志の漫画の原画をあしらった毒々しいアートワークには抵抗出来なかった。オマケを餌にCDを購入させる方法は悪名高きAKB商法と同じだが、この日のトークの随所でアイドル界への興味を表明した広重だけに、そのうち握手券やチェキ券付CDをリリースするかもしれない。ボックス収録CDを聴きながら書いているが、誰かが言ったように「青春の垂れ流し」の禍々しくも痛々しい音の洪水に、何度ストップボタンを押そうとしたか分からない。ここに収められたのは11時間に亘る生々し過ぎるドキュメントであり、本来なら地下深く葬られて二度と陽の目を見るべきではない黒歴史である。CDとして再び地上へ甦ったゾンビ音響に襲われて、文章を書く気力が失われていく。。。。

罰当たりなフランケンシュタイン役を演じた広重と日野日出志のトークショーは昨年11月渋谷アップリンクでの「蔵六の奇病30周年記念トークショー」に続き2回目。前回と被る内容も多いが、さらに踏み込んでお互いの活動背景やプライベートな面にも話が及んだ。

以下メモ箇条書き:
・日野の原点はレイ・ブラッドベリとつげ義春。広重にとっては頭脳警察。
・マル非が30余年経っても「過激」「おしっこ」と言われるのは演歌歌手のヒット曲のようなもの。日野にとっては「蔵六」「地獄変」がそれにあたる。
・日野が幻覚に襲われながら無理解な世間すべてに「死ね」と呪詛して描いたのが「地獄変」。それにインスパイアされたのが広重のソロ『みんな死んでしまえばいいのに』。
・今思うと自分が「地獄変」を描いたとは信じられないし、描こうと思っても無理(日野)。広重の『極悪の教典』の演奏に対する想いも同じ。
・『極悪の教典』はスロッビング・グリッスルの24本組カセットにインスパイアされた(広重)。
・『蔵六の奇病』の原画が郵便で届いた時の感動は一生忘れない。その気持ちを今の若いアーティストに返してやりたい(広重)。
・才能ある若い学生を育てて自分の老後に備えている(日野)。
・日野は字が綺麗で家が近い女性のファンレターを、広重は主催イベントで綺麗な女性のアンケート用紙を、それぞれチェックしてナンパしたのが今の奥さん。

驚くほどふたりの境遇・考え方が似ていることが判明し興味深かった。日野は自分の漫画とマル非のノイズに関係があるとは思えないと言うが、表現者としての立ち位置と思考回路が兄弟のようにそっくりなのが面白い。




約束通りサインを貰ってホクホク。


漫画と音楽
まんだらけと
どらっぐすとうあ

★6月30日深夜に何やらマル非のビッグニュースが発表されるらしい。要注目!





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黒い安息日は13日の金曜日~ブラック・サバス「13」

2013年06月28日 23時59分34秒 | ロッケンロール万歳!


「黒い安息日」=ブラック・サバスというバンド名は「私の血塗れバレンタイン」=マイ・ブラッディ・ヴァレンタインと双璧を成すオカルト/ホラーなネーミングである。それぞれ『ブラック・サバス/恐怖!三つの顔』(1964年イタリア)、『血のバレンタイン』(1981年カナダ)という映画から命名された。サバスは「人を怖がらせる音楽を作る」というコンセプトで結成され、デビュー作『黒い安息日』以来一貫して悪魔や黒魔術のイメージを追求して43年。マイブラは当初影響されたクランプスやバースデイ・パーティなどガレージ/ゴス系ロックのイメージで名付けられた名前だが、衝撃作『ラヴレス(愛なき世界)』の後22年間沈黙するという神秘のベールに包まれた。どちらも耳障りなファズギターが鳴り響く豪音シャワーにより聴き手を異次元空間に導く。ヴォーカルのインパクトの違いは、70年代と90年代を隔てる価値観の変化によるものであり、同時代に与える酩酊効果は同質であった。



ブラック・サバスがデビューから43年目にして初めて全英アルバムチャート1位とBillboard 200チャート1位を獲得した最新作「13」は、「これは始まりの終わりなのか」という歌い出しの「エンド・オブ・ザ・ビギニング」で幕を開ける。43年前の13日の金曜日に発表されたサバスのデビュー作「黒い安息日」そのままの重く沈み込むギターとヘヴィなビート、オジー・オズボーンの悪魔に魅入られたヴォーカルが流れ出す。極めて70's的であると同時にテン世代の感性を兼ね備えた革命宣言。テン世代ロックが失ったリアルさを体現する。「神は死んだのか?」~「永遠に生きる」~「壊れた精神」。カオス渦巻くテン年代の核心を暴く言葉が並ぶ。飽食の時代の決定打として波紋を呼びそうな暗黒の世界を展開している。



時代を超越した暗黒の帝王オジーの福音は、日本で初めて開催されたメタルの祭典オズフェスに「ももいろクローバーZ」という異物を注入するというテロ行為によって、新世紀へ向けての飽くなき挑戦を声高に宣言すると共に、ももクロの「黒」はブラック・サバスの「BLACK」であるという意図された類似性を提示した。多くのメタラーが信奉する格闘技に於ける異種混合戦が、音楽の進化のためにも最も有用な戦略であることを帝王自ら宣言していることを肝に銘ずるべきであろう。

▼もう少し近づいて2ヶ所を見れば。。。






黒と黒と黒
三つ子の魂
エンドレス

SABBATH BLOODY VALENTINE SABBATH.


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Extreme Music from IDOL. 偶像極瑞音樂~BiS 新生アイドル研究会「DiE(ディー・アイ・イー)」

2013年06月28日 00時14分11秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2012年初夏「アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!」のでんぱ組.incで初めて新世代アイドルの現場を体験し、大きな衝撃を受けたことは何度も書いた。価値観の崩壊をもたらしたそのライヴ・シリーズの第一回に出演したのがBiSだった。でんぱショックでくらくらする頭を抱えてYouTubeで検索したら、出てきたのは全裸&内臓PV。「なんだこれ?」をきゃりーぱみゅぱみゅより約1年早く提示したのがBiSだった。



囚人服に釘バットのアーティスト写真、WIKIには「IDOL騒動」という人騒がせな事件の記載がある。脱いで、襲撃して、暴動を扇動しなければ生き残れないのがアイドル戦国時代なのか?と思い気が遠くなった。直後にカオスイベント「自家発電」で非常階段と合体することを発表。ますます拡大する「なんだこれ?」。アルバム発売日に開催されたインストア・イベントで初めて観たBiSは、PV等から連想する悪魔的な禍々しさとは無縁の普通の美少女だった。



その後何度も現場を体験。でんぱ組との対バンが多かった。でんぱ組の「Sabotage」もBiSの「IDOL」もスクリームで始まるので最初は違いが分からなかったが、次第にアイドル街道の正反対に位置することが分かってきた。「萌え」を体現するでんぱ組はアイドルとして正のベクトルの最右翼。



新生アイドル研究会 Brand-new idol Society=「BiS」はその名の通り「アイドルを研究して、アイドルになろうとする、アイドルになりたい」ユニットだから、永遠に正真のアイドルにはなれない運命である。We Are IDOL.ではなくWe Wanna Be IDOL.。ワナビー精神の象徴が研究員愛用のIDOL Tシャツであり、BiS側からのワナビー宣言がアルバム「IDOL is DEAD(アイドルは死んだ)」であり、なりたくてもなれないアイドルへのアンビバレントな気持ちの発露が「IDOL騒動」であり「BiSメンバー内抗争」であった。すなわちでんぱ組と対極の負のベクトルの端に屹立するのがBiSなのである。



幾多の苦難を超えて赤坂ブリッツから両国国技館まで辿り着いたBiSのイバラの道は相次ぐメンバーの脱退という形で続く。全員面接オーディションを経て新メンバーを補充、出来上がったのは半数が新加入の6人体制。ライバルのモノノフ(ももクロヲタ)や秋葉原ディアステージ在籍者も含む、カオス度数の高い組織変更だった。奇しくもでんぱ組の後にトリを取ったYATSUI FESTIVAL! 2013で初体験した新編成BiSのステージで、新規メンバーが全く違和感なくリードを取るのに感心した。



新たなる出発を告げる新作「DiE」のPVはメンバー自ら「ハメ撮りPV」と呼ぶ隠微な映像。カップリングの「MURA MURA」PVでは、あまコンピのジャケットにピッタリなカワイイ小坊主頭で放尿しながら男を折檻し射精させる。相変わらずのお騒がせビデオ連発に加え、KISS会と称するリリース・イベントではKISS(+Misfits+デーモン閣下)に扮し面妖なダンスを披露、へたくそにメイクを真似た白塗り研究員の黒魔術降臨ヲタ芸カオスを誘発した。握手会での謎のKISS(+Misfits+デーモン閣下)メイクのアイドル姿には少女特有の虚言趣味が漲っていた。



多くの地下音楽/変態音楽愛好家がアイドルにハマりつつあることは確か。不思議なのは、AKB48やももクロやモー娘。よりも、でんぱ組とBiSに惹かれる者が多いことだ。アイドル界の両極に位置するこの2者に心奪われるのは、生まれついての極端音樂(Extreme Music)マニアにとっては必然なのかもしれない。







●ブログ
BiS サキの目指せ!男前?

●インタビューLINK
Billbord Japan
メンズサイゾー
ototoy

アイドルの
向かう果てには
武道館

BiSは当初の予定通り、来年春の武道館公演で解散するのだろうか?



<BiS スケジュール>詳細はHP参照のこと
6/28 18:00~「DiE リリースイベント」@タワーレコード秋葉原店
6/29 15:00~/18:00~「DiE リリースイベント」@タワーレコード新宿店
6/30 12:00~「DiE リリースイベント」@下北沢THREE
6/30 15:30~「DiE リリースイベント」@下北沢スタジオベイド

★★7/6 18:00~★★「OMOIDE in MY BiS」 @梅田AKASO
7/14 13:00~ 「SUMMER CAMP 2013」 @川崎 CLUB CITTA'
7/20 10:00~ 「FREEDOM NAGOYA2013」@名古屋・大高緑地公園特設ステージ
7/27、28 「TOKYO IDOL FESTIVAL2013」@お台場
8/16~22 7days@下北沢シェルター
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のりのりくらくらひらがなわんだーらんど~きゃりーぱみゅぱみゅ「なんだこれくしょん」

2013年06月27日 00時20分31秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


5月23日の衝撃の発表以来全貌を知らぬまま妄想して来たきゃりーぱみゅぱみゅの2ndアルバム「なんだこれくしょん」をやっと手にした。初回限定盤の孔雀の羽を纏った乱れ髪写真は、デビュー作「ぱみゅぱみゅレボリューション」のパステル花びら回転サメ頭から1年経ち、大人びた表情と前作でははにかんで隠していた両手を大胆にワキワキさせたポーズが世界征服の野望を告げている。きゃりーの専売特許・特製フォトブックは「なんだこれ?」な不可思議写真が満載。ぜひとも買えるうちに入手して確認いただきたい。



アソビシステム中川社長、中田ヤスタカ、増田セバスチャンなど最先端の感性を持つおとなたちが、100%おとなこどものきゃりーと一緒に繰り広げたのりのり悪ノリが「なんだこれ?」の集積として結実したことは、現代日本カルチャーの究極形が解析不能のカオスであることの証明である。感情表現や情景描写だけではなく製造・流通・販売という経済活動の現場でも耳目を集めるオノマトペ(擬声語)の乱舞するぱみゅぱみゅワールドは、ひらがなばかり並んでおとなには読みにくいことこの上ないが、文字を覚えたての幼児にとっては辿々しくても指で一文字ずつ押さえながら発音可能であり、「きゃりーちゃんといっしょにおうたがうたえたよ!」という喜びの記憶として一生脳裏に刻み込まれるに違いない。「きゃりーと歌う生涯教育」として教育界に革命を起こすかもしれない。



外国人が妙な仮名文字が描かれたTシャツや帽子を着用することがよくあるが、きゃりーが海外で人気を博す理由は、仮名のグラフィック的可愛さ・ポップさと相通ずるものがあるからかもしれない。日本語を解しない者にとっては「なんだこれ?」だけど何か意味があることは伝わる。訳が分からないけど、否、訳が分からないから面白い。アイドルに謎が必要なことは松田聖子が証明したが、きゃりーの謎はコンピューターウイルスのようにネットを通じてワールドワイドに拡散する。まさに万国博覧会ならぬ万国撹乱会である。



随所に散りばめられた和の要素は、純和風とは似て非なるものであり、異邦(星)人により解体再構築・空(妄)想・でっち上げられた疑似的日本=「なんちゃってジャポン」である。ドラゴンボールやエヴァンゲリオンや初音ミクにより世界中がVIRTUAL JAPANを体験できる時代だからこそ、きゃりーの「なんだこれ?」似非ジャポニズムが強力な非武装核兵器足り得るのである。




●お言葉これくしょん
・心乱聖人「ただ声に出して身観未実魅巳美看(みみみみみみみみ)とばかり称うれば、曼荼羅に往生すべきように思いはんべり。それは大に”なんだこれ?”なきことなり」
・なんだ組.inc「グロカワソングで世界に”なんだこれ?”を発信♪」

●リンクこれくしょん
宇川直宏が語るきゃりーぱみゅぱみゅ壱卍(万字)
子供も大人も楽しめるポップでストレンジなきゃりーワールド


なんだこれ?
くらくらするね
のりのりのりお

なんだこれ? ((((;゜Д゜))))))) 謎のアナログ盤発見。情報求む!


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町田町蔵・工藤冬里(Tori)もビックリ!!~狂犬ハードコア vs. 凶鳥デスメタル

2013年06月26日 00時12分05秒 | 素晴らしき変態音楽
人間以外のヴォーカリストと言ってもボーカロイドではない。ここに紹介する2つのバンドは獣をリードヴォーカルにもつ文字通り人間離れしたバンドである。

●CANAINUS

バジーという名のビットブル犬がヴォーカルを務めるのは、1992年にニューヨークで結成されたハードコア・パンクバンド「カナイナス」。イヌ属を意味するCanisに接尾語inusをつけた形容詞で「犬っぽい」という意味。90年代はメンバーチェンジを繰り返し、2001年にメンバーが固まった。当殺傷処分の前日に救出されたバジルとバジーという名前の2匹の犬がリードシンガーを務めていた。人間のメンバーはサッズ・エクソダス(g)、ベル・モロトフ(g)、バディ・ブロンソン(b)、カリー・ライトニング(ds)の4人。2004年に14曲入CD&7インチ「今や動物たちは声を手に入れた(Now The Animals Have A Voice)」でデビュー、2005年にサンディエゴのグラインドコア・バンド「キャトル・デカピテイションCattle Decapitation」と7インチ「スプリットEP」と、次に紹介するヘイトビークと7インチ「Bird Seeds Of Vengeance / Wolfpig」をリリースしている。だが2011年にバジルが脳腫瘍により他界。バンドは現在、残されたバジーをメインボーカルに置き、亡くなったバジルのために新アルバムをレコーディング中だという。バジー以外のメンバーは、全員が菜食主義者であり、動物の権利を保護する活動家でもある。歌詞カードによると動物虐待や環境破壊への反対をテーマにしている。デス・メタルやグラインドコアのヴォーカリストは犬の唸り声を真似た声で歌うから、それならば本物の犬に歌わせようと思ったのがバジーたちを加入させたきっかけだったという。人前での生演奏やツアー移動は動物虐待になるので、ライヴ演奏は行わないスタジオ・プロジェクトである。




●HATEBEAK

その狂犬バンドとスプリット・シングルをリリースしたのが、オウムをヴォーカルに据えた「憎悪のくちばし」を意味するデスメタル・バンド「ヘイトビーク」。2003年バルチモアで結成。メンバーはブレイク・ハリソン(ds)、マーク・スローン(g,b)、ウォルド(vo)。3枚のスプリット・シングルをリリースし2009年に解散。そのサウンドは「地面を圧搾する削岩機」「激怒と爆風デスメタル」と評される。カナイナス同様動物虐待を避けてライヴを行わないスタジオ・プロジェクトである。ブレイクはワシントンD.C.のグラインドコア・バンド「ピッグ・デストロイヤー(豚破壊者)」のノイズ/サンプラー奏者として活動中。



ペットは飼い主に似ると言われるが、両バンドとも写真を見ると雰囲気がそっくりなのが笑える。

イヌネコと
バンドやろうぜ
どうぶつの森

猫アイドルをペットにしたいニャ。




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イマジン・ドラゴンズ/赤い公園/LEO IMAI/Mop of Head@タワーレコード渋谷 2013.6.23(sun)

2013年06月25日 01時28分02秒 | ロッケンロール万歳!


TOWER RECORDS × CREATIVEMAN presents UPPERCUT supported by Paul Smith JEANS

ACTS: IMAGINE DRAGONS / 赤い公園 / LEO IMAI / Mop of Head



気になっていた赤い公園は前日のYATSUI FESTIVAL!に出演したが別の目当てのバンドと被って観れず、翌日のタワーレコードのイベントで観ることにした。いろんなアーティストのインストアで通い慣れたCUTUP STUDIOがいつもと雰囲気が違う。外国人客が異様に多い。それもロックっぽい兄ちゃんだけではなく、オシャレな女子高生や休日のお父さん風の姿が目立つ。渋谷が立川基地にワープしたような気分。何事かと思ったらイマジン・ドラゴンというアメリカのバンド目当ての様子。聞き覚えのある名前なのでググってみた。今年のグラミー賞以降アメリカのチャートが気になりチェックしていて、ずっとTOP10にランクインしてるのでYouTubeでチェックしたバンドだった。今時珍しく王道のロックをやっていて面白いなと感じた。そんな旬でビッグなバンドを近距離で観られるのだから外国人(特にアメリカ人)には見逃せないチャンスである。

この日のイベントの趣向は、日本の3組から観客の投票でサマソニ出演者を決める公開オーディション。外国人が多いので選出基準が変わりそう。

Mop of Head
ブレイクビーツ、ダブステップ、ドラムンベース、ハウスなどのクラブミュージックを生演奏で表現するインスト・ロックバンド。2011年デビュー、同年フジロックに出演し熱狂で迎えられた。天性のフェス仕様バンドで、のっけから両手を上げて飛び跳ね「しぶやーーーーっ!踊ろうっ!アー・ユー・レディ?」と煽る。ファンキーなダンスビートに身体が疼くが、時間も早いのでさすがに観客はレディーじゃない。有名ロックナンバーのリフを交えた演奏に拍手は沸くが、踊らすことは叶わず。昨日のフェスのステージならダンス大会間違いなしだろう。お祭りにはピッタリなのでサマソニ向けである。アゲアゲ・サウンドでアイドルと共演しても面白い。



LEO IMAI
日本人とスウェーデン人とのハーフのニューウェイヴ・シンガーソングライター。サンプラーやループを駆使したエレクトロサウンドをバックにギターの弾き語りを聴かせる。ポストロック的な感触もあるが、歌に人間味があり聴きごたえがある。ZAZEN BOYSの向井秀徳のユニットKIMONOSでも活動しているので以前観たことがあるハズ。抜群に英語がうまいので外国人ウケは良いかもしれない。



赤い公園
最近MVを観て気に入った4人組ガールズ・バンド。ふわふわした白いドレスで捻くれたギター・サウンドを奏でるのが面白い。しかし外国人客が多いので、ミュージック・マガジン最新号にBO NINGENのTaigenが「日本のJ-POPは海外の人にはとても特異なものに聴こえる」と書いていたのを思い出す。赤い公園の曲はメロディーはポップだが、テンポチェンジや転調が多くオルタナ色豊かな曲調はプログレっぽいと言ってもいい。初めて聴いて踊るのは日本人にも難しい。清楚なルックスと裏腹に激しくパワフルなステージは迫力たっぷりだが、曲を知らないと呆然と見守るのみ。辛抱強い日本人ならばそれが凄い、と言うかもしれないが、白黒はっきり言う外国人がどう思うか?ルックスや雰囲気は好みだが、シチュエーション的に可哀想だったかも。



イマジン・ドラゴンズ
ラスヴェガス出身の4人組ロック・バンド。昨年リリースしたアルバム「ナイト・ヴィジョンズ」が英米ともに2位の大ヒット、今年のサマーソニックへの出演も決まっているブライテスト・ホープ。メンバーがサウンドチェックに顔を見せただけで黄色い歓声が上がる。外国人客だけでなく日本人のオーディエンスの多くも待ち望んでいたのがイマドラ。ルックスは田舎の兄ちゃん風の腕っぷしの強そうな風体だが、演奏は繊細かつ大胆。何よりも力強く覚えやすいメロディーが印象的。ヴォーカルのダンは巨大なバスドラや和太鼓を叩きながら、伸びのいい声で前向きな歌を熱唱する。メロディーがポップなので初めて聴いてもシンガロングできるのが素晴らしい。そして盛り上げ上手。観客全員大合唱&ジャンプの最高の盛り上がりだった。彼らは大の日本通で、3年前に「TOKYO」という曲を書いて以来日本へ来るのが夢だったという。その喜びを全身で表現するダンのカリスマ性に痺れた。停滞気味の洋楽ロックの救世主の登場かもしれない。今年のサマソニの目玉となるに違いない。



夏フェスに
向けて暴れる
ドラゴンズ

進行のスムーズなフェスやアイドル・ライヴに慣れてしまうと、ロック・コンサートのセットチェンジが耐えられないほどまだるっこしく感じられる。

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アーバンギャルド/でんぱ組.inc/BiS/PERSONZ/荻野目洋子他@YATUSI FESTIVAL! 2013.6.22(sat)

2013年06月24日 01時53分35秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


「エレキコミック」のやついいちろうによる、音楽とお笑いのエンターテインメントフェス、6/22(土)渋谷で開催!!!

渋谷のライブハウスをめぐるサーキット型フェスティバルです。

会場:Shibuya O-EAST/Shibuya O-WEST/Shibuya O-nest/Shibuya O-Crest/duo MUSIC EXCHANGE/7th floor/clubasia/VUENOS/Glad



お笑い芸人やついいちろうは邦楽ロックDJとしても知られ、ロック・フェスに出演したり、お笑い界や音楽界の知人をゲストにDJイベントを開催したりしてきた。昨年2月に渋谷で自分の名を冠したエンターテイメントフェスティバル「YATSUI-FESTIVAL2012」を小室哲哉、曽我部恵一BAND、きゃりーぱみゅぱみゅ他150組のアーティストと芸人の参加を得て開催。成功させた。2回目の「YATSUI FESTIVAL! 2013」は発表されるや否や大きな話題になり、チケットは早々にソールドアウト。

5月の下北沢サウンドクルージングに続くサーキット型フェス参戦。ライヴハスが街のあちこちに散らばっていた下北沢に比べ、会場が固まっているので歩く必要がなく誠に楽チン。メイン会場のO-EASTは開場と同時に入場規制になっていた。各アーティストの登場SEでやつい自身の声でバンド名が紹介される。

●画家


最初に向かったのはclub asia。画家という名前からはどんなバンドか予想も付かなかったが、10数人編成の大所帯バンドだった。ホーンを中心にしたファンキーなサウンドは祭りの幕開けにピッタリ。多種多様なメンバーが好き勝手に絵の具で絵を描く演奏は、ファンク版渋さ知らズといった趣。




●bump.y


今回のYATSUI FESの特徴はアイドル枠の拡大である。近年アイドルのロック・イベントへの参加が顕著だが、ももクロのオズフェス出演やサマソニや夏の魔物のラインナップを見れば明らかなように、今やロック・フェスにアイドルは欠かせない存在と言える。フェス・ファンとアイドル・ファンは祭り好きという点で共通する。

bump.yは真冬に屋外イベントで遭遇したことがある。コートを着ても寒い冷風の中、肌も露な薄着の衣装を着ての笑顔のパフォーマンスに感心した。アイドル稼業が過酷な世界なのは前夜NHK「ドキュメント72時間"地下アイドルの青春"」で観たばかりなので、胸に迫るものがある。bump.yはそれぞれソロでCMやドラマで活躍する女優によるアイドル・グループ。背丈が凸凹なのが特徴か。王道アイドル・ポップス。




●バニラビーンズ


個人的なハイライトのひとつバニラビーンズ。いつもは後列だが、今回初めて最前列で観戦。ふたりの長いおみ足をじっくり拝めて悦に入っていたら、途中から目の前のお立ち台に上がって、眼前1メートルの大接近に心拍数が上がる。目が合うと緊張感が高まりドギマギしてしまう。握手会とはまったく違う興奮を味わった。




●THEポッシボー


O-EASTの曽我部恵一を観るつもりだったが、入場規制のため諦める。1Fのduo MUSIC EXCHANGEはさながらアイドル祭り。THEポッシボーはハロプロ出身でTOP10ヒットを連発する上昇株。お祭り歌謡ポップはモー娘。以来のつんく節。




●Negicco


バニビと並ぶ渋谷系アイドルNegiccoは結成10年目にして注目度急上昇。7/17初のオリジナルアルバム「Melody Palette」をリリース、初のホール公演も決定した。小西康陽プロデュースの「アイドルばかり聴かないで」をはじめオサレなサウンドを元気に歌い踊る3人に会場一体になって盛り上がる。




●アーバンギャルド


ハイライトの二つ目アーバンギャルド。ベスト盤「恋と革命とアーバンギャルド」リリース後初の公開ライヴである。私のアーバン初体験の地clab asiaで観るのが感慨深い。クラブ仕様PAから流れるピコピコ電子音がリアルに響く。いつも通りの天馬の変態パフォーマンスとよこたんのコケティッシュな歌は勿論、バンドらしさを増した演奏が素晴らしい。10月に筋肉少女帯との対バンが決定した。




●SAKANAMON


アイドル&女性アーティストばかりになりそうなのでO-WESTのSAKANAMONへ。さかな繋がりで人気オルタナバンドのサカナクションと紛らわしいが、SAKANAMONはひと世代若い3ピース・ギターバンドである。ジェネレーション・ソングといえる捻くれた歌をパワーポップで聴かせる。まだまだロックは大丈夫だとわかりひと安心。




●荻野目洋子


アイドルと並ぶ今回のフェスの特徴にベテラン・アーティストの出演がある。その中でも意外性の高い荻野目洋子のステージ。duo MUSIC EXCHANGEに集まったアイドル・ファンがどう反応するのか。冒頭ダンサーを引き連れ倖田來未のような踊りで登場したので驚いたが、2曲目から往年のヒット曲に突入。最近楽器演奏にハマってて、と語りエレキウクレレの弾き語りも披露。80'sアイドル・ソングのキャッチーさを改めて実感する。祭り好きな観客の予想以上の盛り上がりに荻野目ちゃんも満足だったに違いない。




●PARSONZ


もうひとつのベテランPERSONZ。「あたしたちが間違いなく最年長」と語るJILLをはじめオリジナル・メンバーで来年結成30周年を迎える。その記念に武道館が目標という彼らの演奏はベテランならではの貫禄溢れる堂々としたもの。覚えやすいメロディーとキメ満載の名曲の数々はアイドル・ソングに通じるポップさがある。観客のノリも素晴らしかった。




●マキタ学級


ピン芸人マキタスポーツの音楽プロジェクトがマキタ学級。歌と演奏の上手さとお笑いたっぷりのパフォーマンスが楽しい。YATSUIフェスならではのラインナップ。こんな機会じゃなければ観ることがないので新鮮だった。




●ホフディラン


これまた懐かしのホフディラン。90年代スピッツ、サニーデイ・サービス、ゆらゆら帝国と並んで愛聴し愛唱していた彼らとの再会が嬉しい。観客の多くはホフのライヴは初体験だと思われるが、ワタナベイビーの無茶ぶりにちゃんと応えていたのが素晴らしい。同じ時間帯に上階のバーでDJをしていたサニーデイ・サービスの田中貴がベースで飛入り出演。思わぬサプライズに感激。




●東京女子流


duoの進行が押していたのでホフと被っていた東京女子流を観ることが出来た。SPEEDやMAXに通じるエイベックス系ダンス&ボーカル・グループ。荻野目の「ダンシング・ヒーロー」をカバーしていて驚く。アキバ系とは違いオタ芸が打ちにくいにも拘らず、アイドルとして人気を博していることにアイドル・シーンの奥の深さが伺える。




●お笑いライヴ(キック/ラブレターズ/ホシカワ/流れ星/江戸むらさき)


YATSUIフェスの特色の芸人ライヴ。大混雑のステージ前方を避け、上手後方にいたので、ステージを真後ろか観る形になった。楽屋口が見えるので、芸人がステージに向かう途中で、キリッと笑顔に変身する様子がよく判った。たぶんアイドルも同じようにステージに出る時に気持ちを入れ替えるのだろう。テレビで活躍する売れっ子芸人のネタに大笑いした。




●でんぱ組.inc


最大のハイライト、でんぱ組.inc。スタンプラリー以来3週間ぶりのライヴ。duoはこの日最大動員で入場規制になった。前列はスシ詰め状態。メンバーにとっても久々のステージでテンションマキシマムの弾けっぷり。観客の半分以上が初でんぱの様だが、凄まじい盛り上がりは間違いなく大ブレイク前夜。




●BiS


アイドル祭りのトリはBiS。下北沢サウンドクルージングでは会場に入れず悔しい思いをしたので、今回満を持して観戦。絶好調のでんぱ組のあとでも観客の数が殆ど減らないことに人気のほどが伺える。新メンバーが加わり6人組になった新生BiS初体験。3人の新メンバーが完全にBiSの一員として馴染んでいるのに感心する。ビートが潰れるほどのラリーズ並みの爆音と激しいパフォーマンスは、でんぱ組と方向性は異なり、アイドル界の極北を提示していることは間違いない。間もなくリリースされるニュー・シングル「DiE」の反響が楽しみ。




結果的にアイドルと懐かしアーティストばかりになってしまったが、20代の若者中心の音楽フェスに旬のロックだけではなく、異ジャンルの要素が不可欠になっていることに、音楽カルチャーの広がりと多様化が明らかにされていた。



ヤツイフェス
おっさん世代も
楽しめます

カオスと秩序の境界線は霧散してしまった模様。
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浅井健一アコースティック・ライヴ@下北沢GARDEN 2013.6.21(fri)

2013年06月23日 01時43分32秒 | ロッケンロール万歳!


浅井健一 『Cold Mink Night Vol.7 ~Kenichi Asai Acoustic Night』

浅井健一アコースティック・ライヴ
オープニングゲスト:福士久美子/水政創史郎/外村公敏/Merlyn Kelly

浅井健一オフィシャル・ファンクラブ「COLD MINK CLUB」会員限定イベント。3月の渋谷AX以来のベンジーのライヴだが、ずっと小さな会場で観れるのが嬉しい。しかもレアなアコースティック・セット。ファンクラブさまさまである。会場の前方に椅子が並べてあるが早々に埋まり後列でスタンディングの観戦。いつものロケンローな盛り上がりではなく、じっくり聴き込む落ち着いたアットホームな雰囲気。

●福士久美子(vo.key)/水政創史郎(g.vo)/外村公敏(ds)/Merlyn Kelly(b)
現SHERBETSの福士と外村と、1996年SHERBET時代のメンバーの水政、ロサンゼルス出身のMerlyn Kellyによるセッション・バンド。福士のブルージーなヴォーカルを中心にした地に足の着いたロック・サウンドはベンジーの世界観にピッタリ。メンバーそれぞれソロやセッション・ミュージシャンとして活躍しているので実力的にも問題ない。この4人にナツキ(vo.g)を加えてTHE HiPPYというバンドで活動していたが、この日のMCでナツキが脱退し現在ヴォーカリスト募集中とアナウンスされた。ベンジー&チバが提唱するR&Rカオス精神を継承して、彼らも好きな形の活動をしているわけだ。ベンジー・ファンの心に刺さるナイスなステージだった。

ペリカンの涙 福士久美子



●浅井健一(vo.g)/皆川真人(key)/岡村美央(vn)
ベンジーの書く哀愁のメロディーをじっくり味わってみたいと常々思っていたので、アコースティック・ライヴはまさに待望の機会である。井上陽水、椎名林檎、レミオロメンなど様々なアーティストと共演する皆川と、ベンジーや大塚愛、河村隆一、BUCK-TICK等のレコーディングに参加する岡村という実力派との共演もメチャクチャ豪華。ベンジーがアコギを爪弾きハイトーンのスキャットで歌い始めた途端に背中に電流が走る。この声にこのメロディーにこの演奏、これってゼッタイ反則だよ!切ない歌詞がダイレクトに心に突き刺さり、目頭が熱くなってきた。照明が暗くて助かったが、恐らく会場を埋めた女性全員と野郎の70%が涙していたに違いない。普段のライヴでは無口なベンジーが気さくな語りを聞かせるのがファンクラブ・イベントならでは。心を潤す歌に耽溺した雨の夜だった。

浅井健一が届ける「Your Smile ~2015 winter~」 - Rock is [ONE SONG]


Set List
1 Nobody Plain
2 PLAY
3 スケルトン
4 Lula
5 キセキ
6 SPRING SNOW
7 Rain Cherry
8 Your Smile
9 新宿
10 セッション
11 ソリ
12 Green Jelly
13 ロメオ

E1 KODOU
E2 ボーリングクラッシュ

下北で
R&R野郎の
目に涙

浅井健一 & Bad Teacher Kill Club LIVE DVD
『FRIED RICE -Pocky in Leatherboots Tour FINAL Live at SHIBUYA-AX -』
7/17(水) 発売決定!



コメント (2)
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『きゃりーぱみゅぱみゅは曼荼羅である 』~ 地下音楽愛好家から見たその魔力 (完全版)

2013年06月22日 00時07分31秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


"きゃりーぱみゅぱみゅは曼荼羅である"
~地下音楽愛好家から見たその魔力
(完全版)
剛田武




アングラ人生を眩しい光で救った女神
 “中学まではまともだった”とは永遠のバカ・ロック=Theピーズのデビュー曲「バカになったのに」の一節だが、私の場合は「暗くなったのに」とでも言えばいいだろうか。普通にテレビのアイドルやラジオ・ヒットを愛好していたのが、15歳でパンク衝動に侵され方向転換。サブカル音楽誌を読み耽り、自主盤・ヨーロッパ盤・海賊盤専門店に入り浸り吉祥寺マイナー周辺の現場に通い詰めた。90年代は渋谷系ブームに背を向け、裸のラリーズとPSF&アルケミー系アングラ・ロックとサイケのレア盤蒐集に耽溺、21世紀に入り生活に多少余裕ができると地下音楽の居心地の良い暗黒の淵に身を浸した。人並みに若い娘は好きだが、アイドルといえば戸川純を最後に関心はなかった。そんな偏屈なアングラ人生をアイドルの眩しい光で救ってくれた女神こそ、「あたしアイドルじゃねぇし」と宣言するきゃりーぱみゅぱみゅだった。

Theピーズ「バカになったのに」



 きゃりーの存在を知ったのは2011年夏の新聞記事だった。アイドル・ブームに便乗して奇天烈なのが登場したな、と思い気に留めなかったが、派手なファッションと発音しにくい名前は頭の片隅に残った。秋の夜長のYouTubeサーフィン中にふとその名前が頭に浮かんだ。きゃり何とか。検索して出た動画が「PONPONPON」。突然画面に溢れ出した極彩色の洪水に頭が歓喜の悲鳴を上げた。サイケな色彩地獄で天真爛漫にはしゃぐ姿は、カワイイけれどお色気ゼロ。キュートな美少女なのに劣情を刺激されない不思議。セックス・アピールを感じない女性アーティストはオノ・ヨーコとPHEWに継いで3人目である。

戸川純/オノ・ヨーコ/PHEW


「もしもし原宿」のジャケットは『クリムゾン・キングの宮殿』の顔面模写、弩派手なファッションはジェネシス時代のピーター・ゲイブリエルの仮装か、蔵六になりたくてペンキや汚物を被った初期非常階段と同じ変身願望、フルネームのきゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅはプレミアータ・フォルネリア・マルコーニ(PFM)、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ(バンコ)へのオマージュ、好んで衣装やグッズに用いる目玉の意匠はレジデンツの目玉親父、または13thフロア・エレヴェーターズの1stアルバム・ジャケットの引用。「きゃりー=プログレ&サイケ&アングラ」説の確信を得た。

「もしもし原宿」/クリムゾン・キングの宮殿


きゃりーぱみゅぱみゅ/ピーター・ゲイブリエル




きゃりーぱみゅぱみゅ/非常階段


プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ/バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ
 

豆しぱみゅぱみゅ/レジデンツ/13thフロア・エレヴェーターズ


 デビュー・アルバム『ぱみゅぱみゅレボリューション』はタイトル通りのポップ革命宣言だった。中田ヤスタカのクラウト・ロック~ハウス~テクノ~トランス趣味をぎっしり詰め込んだマニアックなサウンドと、きゃりーの何気ない会話をサンプリングしたダダイスティックな歌詞に彩られたドープな世界が繰り広げられる。しかし、“つけまつけて つけまつけまつけまつける”、“うぇいうぇいPONPONPON うぇいうぇいPONうぇいPONPON”という無意味な文字列が循環するミニマリズムには難解さはない。お遊戯会ではしゃぐ幼児の姿が目に浮かぶ。きゃりーの曲は「踊れるリズムと童謡メロディー」というヒット曲の法則に忠実なのだ。

 湿った日本的情念が極力排除され、エクスタシーをキメたような底抜けに明るい歓喜の歌に身を任せて聴き進むと「おやすみ」のクールなアシッド・フォークに涙がこぼれそうになる。と思ったらラスト・ナンバーで「ちゃんちゃかちゃんちゃん」と感傷をぶち壊す急転直下の暴走で幕を閉じる。まさにポップ・アートの21世紀的展開。ノイズや変拍子こそないが聴き終わったあとに残される裏返った世界は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』、イエス『危機』、キング・クリムゾン『太陽と戦慄』、スロッビング・グリッスル『20ジャズ・ファンク・グレイツ』に通じるカタルシスがある。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ/イエス『危機』


キング・クリムゾン『太陽と戦慄』/スロッビング・グリッスル『20ジャズ・ファンク・グレイツ』


 喩えれば「中田=アンディ・ウォーホール/きゃりー=ニコ」、「中田=セルジュ・ゲンズブール/きゃりー=ジェーン・バーキン」、「中田=寺山修司/きゃりー=浅川マキ」。いずれも最初はパトロンの力を借りたがすぐに自らの魅力で独自の世界を切り開いたという点がきゃりーにも当てはまる。

アンディ・ウォーホール&ニコ/セルジュ・ゲンズブール&ジェーン・バーキン/浅川マキ


魂を抜き去られてしまったのである
 7月渋谷AXでライヴ初参戦。開演まで延々とリピートされる電子オルゴールのSEはピンク・フロイドの『鬱』ツアーでの鳥のさえずりや、裸のラリーズの無音ストロボ点滅を彷彿させた。「私のライヴは遊園地」と語るきゃりーは角の生えた犬という古代神殿や中世寺院にこそ相応しいガーゴイルのオブジェと、60年代サイケデリック・ライトショーを数百倍に拡張したビデオ・ドラッグをバックに、生け贄の儀式のように一心不乱に歌い踊る。前夜かりんとうを銜えて綱渡りをして、堕ちてはまた綱渡りを繰り返す、という悪夢を見たと語る。まさに『ドグラマグラ』か、はたまた「再び赤い悪夢」か? 数日後にパリ公演を控えノリにノッたステージだが、合法ドラッグとしか思えぬ多幸感の奔流に幻惑され放っしの恐怖の頭脳改革ショーだった。

ピンク・フロイド/裸のラリーズ


夢野久作『ドグラマグラ』


キング・クリムゾン「再び赤い悪夢」



 10月の3rdシングル「ファッションモンスター」は人類普遍の命題に対するメッセージだった。キーワードは「FREE=自由」。「だれかのルール」=“他人が決めた世間の常識”だけではなく、「せまいこころの檻」=“自分の心の牢獄”からも自由になりたい、と歌っていることに注目したい。自由を求めることは芸術の根本理念である。ローリング・ストーンズ「アイム・フリー」、ザ・フー「僕は自由だ」、モンキーズ「自由になりたい」、ビートルズ「フリー・アズ・ア・バード」、ボブ・ディラン「自由の鐘」、フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション『アブソリュートリー・フリー』、ディーヴォ「自由という名の欲望」、ザ・タイガース『自由と憧れと友情』、PYG「自由に歩いて愛して」など「自由」を謳った曲が如何に多いことか。

ローリング・ストーンズ「アイム・フリー」



ザ・フー「僕は自由だ」



モンキーズ「自由になりたい」



ビートルズ「フリー・アズ・ア・バード」



クイーン「自由への旅立ち」



スティング「セット・ゼム・フリー」



マザーズ・オブ・インヴェンション『アブソリュートリー・フリー』



ディーヴォ「自由という名の欲望」



PYG「自由に歩いて愛して」



 ではきゃりーの言う「自由」とは何か。それはカップリング曲「100%のじぶんに」に明らかである。自我の確立、すなわち精神分析家エリクソンが提唱した「Self Identity=自我同一性」の概念。青春期に自我同一性が確立されないと、同一性拡散の危機に陥り、対人不安・非行・アパシー・精神病・神経症を発症することもある。30余年前、灰野敬二が『わたしだけ?』で“うまくできない うまくできない うまくできない 自分のまねが”“つきぬけても つきぬけても 又同じ私”と漆黒の闇に囁き呟き呪い叫んだ存在論的命題を、きゃりーは誰でも口ずさめるキャンディ・ポップのオブラードに包んで万人に提示しているのだ。大衆性と前衛性を融合したきゃりー革命が、さらに人間の本質に踏み込んで辿り着いた解放宣言がこの曲に他ならない。

灰野敬二『わたしだけ?』
 

灰野敬二「うまくできない」



 11月の武道館公演できゃりーの真の姿が露わになった。「武道館で飛び出す絵本」をテーマに様々な演出で展開した脳内アトラクションで満員の観衆を魅了。その様子に童話「ハーメルンの笛吹き男」を思い出した。約束を守らない村人に怒った男が道化姿で笛を吹いて町中の子供たちを踊らせて連れ去ってしまったという、実際に起こった失踪事件に基づく寓話である。笛吹き娘のきゃりーに文字通り踊らされた8000人の観衆は魂を抜き去られてしまったのである。隣の席の真面目そうな制服・メガネの女子高生は、声援を送ることもなくあたかも人形のように黙々と星型ライトを振りながら羨望の目でステージに見入っていた。これはギリシャ神話の「ゴルゴン」である。見事な金髪に嫉妬した女神に髪の毛を生きている蛇にされてしまったゴルゴンは、姿を見たものを石に変えてしまうという恐ろしいモンスターになり、英雄ペルセウスにより首を刎ねられ、その首は魔よけとして教会や礼拝堂の礎石を飾ることになった。すなわち人に忌み嫌われるアヴァンギャルドな化け物が、装飾やお守りとして大衆化した訳である。きゃりーとは謎の失踪事件と古代神話から生まれた「異形のシンボル」だったのである。

きゃりーぱみゅぱみゅ/ハーメルンの笛吹き男


きゃりーぱみゅぱみゅ/ゴルゴン


本格海外進出への決意が滲む
 2013年1月発売の4thシングルのリード曲はアニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌「キミに100パーセント」。きゃりーの100%へのこだわりの秘密は?
 子供向けの100%ソングといえばアニメ「忍たま乱太郎」主題歌の光GENJI「勇気100%」。忍者という裏社会を描いたアニメとローラースケートという特殊技能に長けた伝説のアイドルが邂逅したカルト・ヒット。オルタナの帝王ソニック・ユースにはその名もズバリ「100%」という曲がある。当時このNY地下ロックのシンボルは世界の前衛音楽の頂点にあった。オタク文化とロックの親和性を象徴するのがマシュー・スウィート。パワー・ポップの名盤『100% Fun』のブックレットには好きなマンガBEST10が掲載され、腕には「うる星やつら」のラムちゃんの刺青がある。きゃりーがこだわる100%という言葉には、カルトと前衛とオタクが潜んでいるのである。

光GENJI「勇気100%」



【追記】100%ソングの記事を書いたのは2013年1月13日。その時点では「にんじゃりばんばん」(2013.3.20発売)の情報はありませんでした。偶然のシンクロに驚きです。詳述はしませんが、他にもいくつかシンクロ現象がありました。

ソニック・ユース「100%」



マシュー・スウィート『100% fun』より「シック・オブ・マイセルフ」



 2月から世界征服ツアーをスタート。デビューから1年半で海外進出することに対しては、周りのオトナたちから異論が寄せられたらしいが、敢えてワールド・ツアーを実行した背景には、“誰かが決めたルールとは違うだけ”(「でもでもまだまだ」)、“だれかの ルールに しばられたくないの”(「ファッションモンスター」)、“常識を変えたら 驚きが日常に”(「にんじゃりばんばん」)、“point of view 変えてみて”(「Point of view」)と常に「世間のジョーシキ」への疑問を歌い、100%の自分自身でいることの大切さを実践してきたきゃりーの信念が貫かれている。実際に現地に行くまで何が起っているのか判らず不安だった、ときゃりーは語るが、その気持ちは映画『スパイナル・タップ』で本国で落ち目になったロック・バンドが遠い極東で熱狂的に迎えられたエピソードに近い感覚かもしれない。
 またYouTubeの二次元アイドルが、三次元の生身の存在としてステージに現れた時の海外のファンの驚きと興奮は、クラフトワークの "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8" の飛び出す立体映像以上のものがあったに違いない。

映画『スパイナル・タップ』(1984)予告編



クラフトワーク "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8"より「放射能」



 5月23日「恋文の日」に愛の告白のように不意打ち発表された2ndアルバム『なんだこれくしょん』。冒頭のタイトル曲のお囃子リズムこそ、大衆を踊らせるきゃりーらしい幕開け。ちりばめられた和風テイストには本格海外進出への決意が滲む。肝はアルバムの真ん中、レコードならA面ラストに配された「み」であろう。マ行は50音唯一の両唇鼻音であり、中でも「みゅ」は日本語で用いられる例はほとんどない外来語専用の音である。名前に「みゅ」を含有するきゃりーにとってグローバル化は必然だった。「きゃりーの素」と言える「み」は子供でも外国人でも容易に発音可能であり、ビートルズの「レボリューション9」の“ナンバー・ナイン”のように“みみみ”と呪文のように唱和することで聴き手をトランス状態にして、新たな精神レベルに導こうとしているのだ。
 名前とは裏腹にロックの最前衛を提示したポップ・グループが衝撃的デビュー・アルバム『Y(最後の警告)』に続き、2ndアルバム『ハウ・マッチ・ロンガー』で更なる高みに登ったように、きゃりーがウルトラCの跳躍を見せた。ポップ・グループのように分裂したくてもきゃりーは100%の自分ひとりしかいない。

ザ・ビートルズ「レボリューション9」



ザ・ポップ・グループ「人類回帰」



 仏教で最高の悟りの境地を表す曼荼羅は、ユングによれば、中心・全体・調和を意味する超越的自己の象徴とされる。70年代を象徴する歌姫、山口百恵は菩薩だったが、100%自己実現を標榜するテン年代カルチャーのシンボルであるきゃりーは現代の曼荼羅に間違いない。
 きゃりーぱみゅぱみゅというアイドルの免罪符を銜えて綱渡りをして、救いの曙光が見えかけたところで墜落し、また最初からやり直し。運命の女神に魅惑された病める魂の彷徨は当分終わりそうもない。

菩薩/曼荼羅


マンダラバンド「曼荼羅組曲」



アーバンギャルド「病めるアイドル」



★筆者がきゃりーぱみゅぱみゅと並ぶ"現代日本のポップアイコン"と断言するアーバンギャルドについてはコチラをご覧ください。


【参考資料】
【MASH UP】非常階段 vs きゃりーぱみゅぱみゅ

【商品検索】
きゃりー階段

【板野友美】「1%」



                                注:一部の写真は加工してあります。ご了承ください。

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実録・恋と革命とアーバンギャルド あたま山荘への童貞(みち・未知)

2013年06月21日 00時24分18秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


“『恋と革命』に、すべてを賭けたかった・・・・・・”
アーバンギャル&ギャルソンとの関係の深い松永天馬率いるアーバンギャルドが、
革命を叫びロックシーンのド真ん中から5年間の前衛都市プロパガンダ活動を集大成したベストアルバム(&新曲&初収録&リミックス)。

オリコンデイリーチャート初登場12位。
日本中の音楽ファンの目を釘付けにした「ミュージックフェア」出演の道程には、一体何が起きていたのか。
彼らはなぜ、水玉を身に纏い、セーラー服を愛好し、幾多の制作・演奏の現場を乗り越え、トラウマテクノポップを標榜するに至ったのか。
自らベースを演奏し、経験と才能を注ぎ込んで制作した鬼才・佐久間正英プロデュースの新曲を含む初ベスト!!

★特典内容:全国ツアー握手券封入!!!!!
(参考文献はコチラ

『実録・恋と革命とアーバンギャルド』



第1章.出会い~「スカート革命

第2章.初体験~渋谷club asia, August 2011

第3章.純~新宿ロフト, September 2011

第4章.病気~「メンタルヘルズ



第5章.ディストピア~鴬谷 東京キネマ倶楽部, November 2011

第6章.感謝祭~新宿ロフト, December 2011

第7章.トラウマ~「プロパガンダビデオ2012

第8章.ボーン~「生まれてみたい

第9章.格闘~渋谷La.mama, May 2012



第10章.コスプレ~渋谷クラブクアトロ, June 2012

第11章.衝撃その1~病めるアイドル五番勝負・でんぱ組.inc 渋谷O-Crest, July 2012

第12章.衝撃その2~病めるアイドル五番勝負・バニラビーンズ 渋谷 Take Off 7, July 2012

第13章.衝撃その3~病めるアイドル五番勝負・ぱすぽ☆ 恵比寿リキッドルーム, July 2012



第14章.NO CULTURE~「さよならサブカルチャー

第15章.ナゴム~渋谷WWW, October 2012

第16章.生存~「ガイガーカウンターカルチャー

第17章.まんだらけ~赤坂ブリッツ, November 2012



第18章.魔物~恵比寿リキッドルーム, November 2012

第19章.失神~渋谷Milkyway, February 2013

第20章.鬱~渋谷クラブクアトロ, March 2013

第21章.前夜~「都会のアリス


付録1 映像篇

動画1. 新曲「都会のアリス」少女たちを踊らせてみた



動画2. JAPAN EXPO出演!



動画3. アーバンギャルドが音楽を担当した映画「恋に至る病」2013.7.3 DVDリリース



動画4. 主演:松永天馬/音楽:アーバンギャルド・映画「アーバンギャルド・天才馬鹿」(2007)



付録2 検証篇

1. 恋と革命、インターネットと音楽産業、そしてアーバンギャルド by 宗像 明将

2. 祝ミュージックフェア初出演! アーバンギャルドBEST(最新インタビュー/All Aboutテクノポップ) by 四方 宏明

3. 2夜連続アーバンギャルドリリース記念番組「恋と革命と2.5D

4. 前衛都市の屋台骨。瀬々信(Gt)、鍵山喬一(Dr)、谷地村啓(Key)インタビュー@Roland Music Communication

革命は
進むよ
どこまでも



アーバンギャルド全国ツアー2013
恋と革命とアーバンギャルドツアー ~前衛都市、五年目の真実。

スタンディング3500円(税込)*ドリンク代別/未就学児入場不可
OPEN/START 18:30 /19:00*新横浜/盛岡/仙台17:30/18:00
*東京/18:15/19:00

7月14日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!
7月18日(木)千葉LOOK
7月20日(土)盛岡Club Change
7月21日(日)仙台Live House PARK SQUARE
7月23日(火)郡山CLUB #9
7月24日(水)八戸ROXX
7月30日(火)水戸ライトハウス
8月12日(月)広島ナミキジャンクション
8月13日(火)福岡DRUM SON
8月14日(水)熊本DRUM Be-9V2
8月16日(金)高松DIME
8月21日(水)新潟CLUB RIVERST
8月22日(木)金沢vanvan V4    
8月30日(金)名古屋APOLLO THEATER
8月31日(土)難波ROCKETS
9月6日(金)札幌Sound Lab mole
9月12日(木)渋谷O-WEST

★各会場にて握手会開催!
全国ツアー「恋と革命とアーバンギャルドツアー」各会場にて握手会開催!ベストアルバム『恋と革命とアーバンギャルド』に封入された握手券で握手会に参加できます。(どの店舗からご購入されても券は封入されていますが、限定枚数なのでお早めにご予約ください。)

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