A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

自由な音の記憶 Vol.4:工業人間のための工業音楽~インダストリアル・ミュージックのおさらい

2013年05月30日 00時59分35秒 | 素晴らしき変態音楽


この1週間アイドル関係の記事ばかりで「このブログオワタ」との声も聞こえるこの頃いかがお過ごしだろうか?本質が右傾化した訳ではなく意図的にバランスを崩すことで音楽の本質を再考しようというBRAINWASHである。右から左への急激な傾斜がポップとアヴァンギャルドの壁を突き破りトンネルを抜けたらまたトンネルだったという堂々巡りの輪廻に終止符を打つことを願って病まない。

'70年代イギリスでクーム・トランスミッションを名乗りメンタル/セックスをテーマに過激なアート・パフォーマンスを展開したジェネシス・P・オリッジとコージー・ファニ・トゥッティを中心に1975年結成されたスロッビング・グリッスル(TG)が1977年設立したINDUSTRIAL RECORDS Ltd. のスローガンが"Industrial Music For Industrial People"(工業人間のための工業音楽)。「工業生産される大衆音楽」へのアンチテーゼ(皮肉)だった。このレーベルからリリースされたTGを中心とする音楽作品はパンクで目覚めた反主流精神に支えられセンセーションを巻き起こし同調する非音楽集団が次々登場し世界にインダストリアル・ミュージックのウェーヴを起こした。

彼らは電子楽器を多用し、テープ録音されたノイズや環境音をコラージュ・モンタージュし、ひたすら非人間的で機械的なリズムやメロディを生み出していた。エモーションやリリシズムを排除した即物的な音響は当時はひたすら非音楽的に響いたものだが30年以上経った現代の耳には無声映画を観るようなノスタルジックな哀愁を呼び起こす。工業社会が大きく変質した訳ではないが同時代音楽は年月の重みに風化の一途を辿った。十二音技法や未来派や超現実主義同様セピア色に染まりながらも狂ったダイヤモンドの閃きを見せるインダストリアル・ミュージックの不器用な実験精神が今ほど必要とされている時代はない。

スロッビング・グリッスル


クリス・カーター 、ジェネシス・P・オリッジ、コージー・ファニ・トゥッティ、ピーター・クリストファーソンによる音響テロリスト集団。工業音楽の始祖。具体音やノイズのコラージュ、呪詛的なヴォーカルやリズム・ボックスを多用したサウンドに加え幼女ポルノや自殺の名所を用いたインパクトのあるヴィジュアルで一時代を築いた。1981年の解散後サイキックTV、クリス&コージー、コイルの3つに分裂するが23年後の2004年再結成。2012年活動停止。




キャバレー・ヴォルテール(CABS)


TGと並ぶ初期インダストリアル・ミュージックの代表格。1973年リチャード・H・カーク、クリス・ワトソン、スティーブン・マリンダーの3人によりシェフィールドで結成された。名前は反芸術運動(ダダイズム)の発祥の地であるスイスのキャバレーの名前にちなんでいる。チープなマシンビートにパンクギターと電子ノイズが織り込まれたサウンドは工業人間のためのディスコサウンド。1982年初来日。ツバキハウスで観たライヴはレコードよりずっと逞しいダンスミュージックだった。後にエレクトロニック・ダンス・ミュージックに転じた。




SPK


シドニーの精神病院に勤務していた看護人のグレアム・レベルと、彼の患者であったニール・ヒルが1978年に結成。バンド名はドイツのハイデルベルク大学に存在した"Sozialistisches Patientenkollektiv"(「社会主義患者集団」)に由来する。死体や病理写真を使ったアートワークはインダストリアル/ノイズの象徴。デビュー作直後グレアムとニールが仲違いしふたつに分裂。1984年ニールが自殺するとグレアムSPKはポップ路線に転向するがやがて解散。グレアムは映画音楽作曲家として大成功を収める。




ノクターナル・エミッションズ


'70年代末ナイジェル・エイアーズ、キャロラインKを中心にイギリス・ダービーシャーにて結成。徹底したアンチ・モラルなイメージの情報収集 (コントロール・テクノロジー) 及び情報制御活動と心理戦を作品のテーマとしたプロジェクトでTG、CABS、SPKよりも地下深く潜行しテロ攻撃を仕掛けた。'80年代半ばからエイアーズのソロユニットになりアンビエント/テクノ/ロック/メタルとスタイルを変遷させつつ現在でも活動中。




●ホワイトハウス


ポストパンク・バンド、エッセンシャル・ロジックのギタリストだったウィリアム・ベネットにより'80年にスタートしたプロジェクト。自ら設立したレーベル、カム・オーガニゼーションからモノクロコピーを貼っただけのチープなLPをリリース。壊れたシンセサイザーのひりつくような高音部と時折鳴る低音が同居した純粋ノイズにベネットの絶叫が被さる“パワー・エレクトロニクス”の先駆者。ベネットは現在カット・ハンズとして活動中。

Whitehouse - Live Action 39 Reseda 6-21-84



ノイズを
垂れ流す
音楽工場

'90年代ミニストリー、ナイン・インチ・ネイルズ等オルタナから派生したインダストリアル・ロックとは似て非なるものなので注意のこと。
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小野恵玲奈/ベイビーレイズ/バニラビーンズ@多摩川競艇場&風男塾@横浜BLITZ 2013.5.26(sun)

2013年05月28日 00時44分36秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『アイドル・フェス・イン・ボートレース多摩川』Vol.8

ご好評の『アイドルフェス・イン・ボートレース多摩川』はまだまだ続きます!
アイドル3組が多摩川に集結し、ライブを行ないます。
出演:小野恵玲奈/ベイビーレイズ/バニラビーンズ(ナビゲーター)

近年公営競技は従来の3K=怖い暗い汚いイメージからの脱皮に積極的である。三競オート(競馬・競艇・競輪・オートレース)の中でも垢抜けたイメージがある競艇=ボートレースはアッキーナこと南明菜をイメージキャラクターにしたカラフルなCMが印象的。当然アイドルブームともコラボし多摩川競艇場ではバニラビーンズをガールズレーサー応援キャンペーンに起用し定期的にアイドルフェスを開催している。


入場料100円で家から近いので出かけてみた。ローカル線の風情ある西武多摩川線で15分の競艇場前駅で下車。初老の男性たちに交じって競技場へ向かう。勝手に水際の草原の野外ステージと想像していたがそんな筈はなく競技場の入口近くのイベントスペースだった。開催中のガールズレースに絡めたイベントでレースの合間にアイドルがそれぞれパフォーマンスを行うスタイル。朝の10時から午後4時までの長時間だがレースもなかなか面白く飽きないで楽しめそう。実際にお金を賭ければもっと楽しいだろう。ギャンブルにはまったく無縁なので競艇場の何もかもが興味深かった。アイドルファンも多数来場していた(特にベイビーレイズ・ファン多し)が銀髪のお父さんたちが物珍しそうにステージを眺めているのが微笑ましかった。


バニラビーンズ



小野恵玲奈



ベイビーレイズ





風男塾乱舞2013特別編
~上半期「風無双計画」千秋楽・大一番!!~




午後は横浜へ移動して男装のアイドル観戦。2006年に結成されたアイドルグループ中野腐女シスターズ(後に中野風女シスターズ)の別ユニットとして2008年スタートしたのが腐男塾。2011年秋に本家中野風女シスターズが活動休止し風男塾と改名しメインユニットとなる。写真を見れば判る通りルックスは完全に男子。歌を聴けば女子だと判るが遠目にはジャニーズの新人と言われても納得するイケメン。どんなファンが観に来るのか興味深かった。東阪名ツアーのファイナル=千秋楽。横浜ブリッツを埋めたのは若い男女で女子が7割くらい。アーバンギャルドじゃないし所謂アイドルで女子率の高い客層は有り得ないので不思議な雰囲気。サイリウムの数がハンパない。しかも色とりどりで誠にきらびやか。客席後方にエキサイティングエリアなるものが設置されており声のデカいアイドルヲタが大騒ぎ。ゼロ世代芸人はなわがプロデュースするだけありバエティ番組風ビデオを交えてのライヴはエンタメ色が強い。女同士で演じる男の世界。男装したアイドルが「ボーイズラヴ」と歌いキスする姿に観客の女子が大歓声。これってHOMO?それともLEZ?二重に屈折した世界。最初はアイドル界の宝塚かと思ったが宝塚と違って娘役がいない。何より若い女子の歌と踊りなのにまったく萌えない。アイドルのアイドルたる由縁は「萌え」に他ならないと思う。「萌え」を放棄したアイドルにケチャを打つアイドルヲタ。ってことはこれもアイドルなのか?妙に冷静な頭に無数の???が浮かぶ。はなわらしい青春パンク路線はナイスだし4D成田忍のアレンジの完成度はアイドルソングを超えて超一流。エンターテイメントとしては素晴らしいがアイドルとして評価できるかどうか個人的には疑問が残る。



アイドルは
ひらひらミニスカ
ガーリーに

競艇に対抗する訳ではなかろうが風男塾が大相撲のキャンペーンソングを歌っているのが面白い。




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でんぱ組.inc/TADZIO/魅起法則etc.@下北沢サウンドクルージングVol.2 2013.5.25(sat)

2013年05月27日 00時43分16秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Shimokitazawa SOUND CRUISING Vol.2

音楽、演劇文化などの発信源である下北沢のライブハウス、バーを舞台に昼夜開催されるサーキット・イベント。15の会場で、ライブやパーティ、DJ、パフォーマンスが披露される。

会場:下北沢GARDEN / 下北沢SHELTER / 下北沢Daisy Bar / 下北沢ReG / 下北沢BASEMENT BAR / 下北沢THREE / 下北沢ERA / 新代田FEVER /art ReG CAFE / 下北沢MOSAiC / 風知空知 / altoto / MORE / 富士見ヶ丘教会 / JET SET

でんぱ組.incもが&ねむの下北探索はコチラ

近年増えている都市型ロックフェス=ライヴハウス周遊イベント。下北沢サウンドクルージングは昨年に続き今年が第2回。渋谷・新宿・吉祥寺に囲まれた下北沢は'70年代から演劇と音楽の街として独自の文化を育んできた。初めて行ったのは'70年代末。ライヴハウス下北沢ロフトと自主盤専門レコード店の五番街、パンク/プログレ専門店エジソン下北沢店、その他古着屋・古本屋が無数にあり週末毎に通ったものだ。当時通った店は'80年代半ばに姿を消すが下北沢屋根裏、CLUB Que、Shelter、ディスク・ユニオン下北沢店、F'lmore Records等が取って代わった。屋根裏の上階に練習スタジオがありバンド練習を定期的に行った。'90-'10年代も通りや店舗は変わっても演劇と音楽の街の伝統が貫かれている。今でもこの街に来ると心が期待感でワクワクする。

減り続けるレコード店・CDショップに反比例してライヴハウス・音楽バーの数は増加している。今回のイベント会場は半分以上行ったことがない。目当はでんぱ組.incとBiSだったがそれ以外はタイムテーブルとアーティストデータを見比べ廻る順路を考えた。個人的な趣味で女性のいるバンドばかりになってしまった。

夏を思わせる暖かい晴天のシモキタは若者で溢れている。リストバンドをしたサウンドクルージング参加者も多い。最初に目をつけていたバンドを観に行く。男女ヴォーカルのパワーポップで悪くはないが他の出演者が気になる。3曲聴いたところで他の会場へ向かう。そこで10分また移動して10分という感じでつまみ食い。普通なら一生観ることのないバンドを沢山観られるのが周遊イベントの醍醐味だろう。どのバンドも個性的で興味深かった。ライヴハウスは大小様々。トリにBiSが出演する会場は驚く程小さなロックバー。既に研究員が最前列に陣取っていた。

事前チェックしていて二重丸をつけたのが魅起法則(ミキノルム)というオールガールズバンド。会場のERAは少し外れにある。練習スタジオの上階の中規模ホール。適当に観て次に行こうと思っていたが演奏がとても良かったので最後までしっかり観る。黒茶金と3色に別れた髪色がユニーク。最近メンバーチェンジがあったらしいがそれをまったく感じさせない一丸となった演奏。チャットモンチーとつしまみれが合体したようなポップさとオルタナ感が同居した音楽性にピピッと来た。演奏終わりを待ってCD・バッジを購入。






でんぱ組.incまで45分あるが様子だけ見ようとGARDENへ行くと既に通りに列が出来たていた。慌てて最後尾に並ぶ。野外フェスも同様だが人気のあるアーティストだと入場規制が掛かり会場に入れないこともあるので注意すること。ぎゅう詰めで身動きできない状態+ヲタの大声に掻き消されてヴォーカルが聴き取れなかったが観客ノリが素晴らしく熱狂のステージだった。






でんぱ組終了後BiSの会場へ向かうと予想通り入場規制。並んでも入れない可能性大とのことで諦めて会場周遊に戻る。久々のTADZIOのリーダーがロングヘアを切りボブに変身していて驚くが音は今まで以上にノイジーで次作への期待が高まる。6月4日六本木スーパーデラックスでの「中原昌也 お誕生会での再開を誓う。その後数カ所廻り終演予定時刻を10分過ぎてDAY TIME終了。





一日分
ゆっくり巡る
旅に出たい

6月には渋谷地区周遊イベント「ヤツイフェスティバル」が開催される。


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天使にもほどがある! ルイ・ヴィトンの衣装をまとった「初音ミク」が美しすぎた件

2013年05月25日 05時00分06秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


世界的な人気を誇る初音ミク。その彼女が主演を務めるオペラ『THE END』が、2013年5月23・24日の両日、東京・渋谷Bunkamuraで上映されました。
 
●ルイ・ヴィトンを着た初音ミク
今回のオペラで注目すべきは初音ミクの衣装です。大手ファッションブランドのルイ・ヴィトンがデザインを手掛けており、実際に衣装をまとった等身大フィギュアが、ホールロビーに展示されているのです。その姿は美しい! の一言に尽きます。ミクさん、マジ天使!
 
●「終わり」をテーマにした作品
今作『THE END』はその名前の通り、終わりをテーマにしたボーカロイドオペラ。自分の運命を予感したミクは、他のキャラクターとの対話を通して、終わりを探す旅を始める……。音楽家の渋谷慶一郎氏と演出家・劇作家の岡田利規氏が、初音ミクを題材に初のコラボレーション作品です。
 
●ルイ・ヴィトンのスタジオチームがデザイン
衣装は、ルイ・ヴィトンのスタジオチームがデザインを手掛けています。同ブランド2013年のテーマ(ダミエ・パターン)用いて、初音ミクにふさわしい衣装を作り上げています。
 
●少女の佇まいに大人の魅力
初音ミクは16歳というキャラクター設定です。大人というにはまだ早いお年頃。その設定を踏まえたうえで、等身大フィギュアを作られています。洗練されたルイ・ヴィトンの衣装をまとった彼女は、どこかしらあどけなさの残る少女の佇まいをかもしています。しかし同時に、研ぎ澄まされた大人の魅力を漂わせています。もしも実在したなら、このフィギュアのように人目をグッと引きつける女性だったのかもしれません。
 
●パリでも公演予定
オペラは東京での公演の後、11月にフランス・パリでも公演を予定しているとのことです。世界のファッションの中枢、パリの人々の目に、初音ミクのファッションはどのように映るのでしょうか。パリっ子の反応が気になるところです。
(Rocket News 24)



KPP
敵か味方か
ボカロイド

同じKAWAii!!革命の闘士として共闘するが良い。

▼ボカロ?なんだこれ?


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What the F××k is this Kyary Pamyu Pamyu?~きゃりーぱみゅぱみゅ「なんだこれくしょん」

2013年05月24日 00時15分15秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


通勤電車の事故で30分遅れで着いた職場のパソコンを立ち上げAmazonからの案内メールを何気なく開くと「きゃりーぱみゅぱみゅのニューアルバム予約開始」の文字が。「なななななんだこれぇぇぇっ!!!」という心の声がそのまま文字になってWEB上に書かれている。「ズキュウウウン」「メメタア」「パパウ パウパウ 波紋カッタ―――ッ!! フヒィーン」という漫画の擬音が背後に飛び出して実体化し現実と仮想の逢魔時に思わずジョジョ立ちしてしまった。鮮やかに恋してにんじゃりばんばんとキマッた不意打ち。真珠湾攻撃(1941年12月8日)の如き世紀の奇襲に脳髄は完全に戦闘能力を喪失。この「What the Fxxk is This ?=なんだこれ?」攻撃がいつ開始されたのか調べたところ昨夜深夜0時に第一声が発せられたことが判明。NET時代の情宣戦略に長けたKPP陣営が綿密なマーケティングリサーチの上でコンピューターウイルスサイバー攻撃を仕組んだことは確かだ。非同時多発的に世界各地のユーザーのパソコン上で発生する一瞬の衝撃の為だけに名づけられたタイトルの予想以上の破壊力にKPP攻撃隊総指本部はトラ・トラ・トラ=ワレ奇襲ニ成功セリと拍手喝采したに違いない。


Attack on Pearl Harbor


「不意打ち(Lady In A Cage)」は1964年アメリカのサスペンス映画。「サイコ」「血だらけの惨劇」など当時モノクロのサイコホラーやベテラン女優が老醜をさらす映画がブームを呼んでいた中で登場。不運にも自宅のエレベーター内に閉じ込められた東京生まれのオリヴィア・デ・ハヴィランド(1916-)扮する哀れなヒロインの苦難をよそに、屋敷内に侵入した近所のごろつきたちが好き放題の乱行を繰り広げる、という衝撃的な内容が良識派の憤激を買うこととなり、公開時に大きな論議を呼んだ。日本ではこれまでビデオ化もDVD化もされていないレアな作品。籠の鳥ならぬ蝙蝠と醜いごろつき怪物が古屋敷で乱痴気騒ぎとはまさにファッションモンスターの世界である。良識やコンサバへの挑戦がKPP革命の基幹を成すことは周知の事実。KPP陣営がこの映画を観ながら今回の作戦を練っていたとしても驚きはしない。


Lady In A Cage


タイトルを「なんだこレボリューション」と読み替えれば本作がKPP革命三部作の第2章であることが明確になる。頭脳警察革命三部作ならブレヒトの詩に曲を付けた「赤軍兵士の詩」にあたる。叙事的演劇の提唱者ベルトルト・ブレヒト(1898-1956)は共産主義者でもあり第2次大戦時ナチスの迫害を逃れて亡命生活を送った。見慣れたものに対して奇異の念を抱かせる「異化効果」を始めとするさまざまな演劇理論を打ち立て現代演劇の父と呼ばれる。音楽革命同志クルト・ワイルやハンス・アイスラーらとの共闘から生まれた名曲の数々は現在も世界中の音楽家により歌い継がれている。その生き様と思想の影響はKPP宣言の端々に見いだせる。


Bertolt Brecht


それにしても新作が世に投下された1週間後に次の作品を喧伝するという連続機銃攻撃は「プロパガンダの天才」と呼ばれたナチス国民啓蒙宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルス(1897-1945)の手法そのものではないか。1943年1月ナチス軍がスターリングラードの戦いに敗れた後の2月18日にベルリンのスポーツ宮殿において行われたかの有名な「総力戦布告演説」に明らかな通り「宣伝は精神的認識を伝える必要もなければ、おだやかだったり上品だったりする必要もない。成功に導くのがよい宣伝で、望んだ成功を外してしまうのが悪い宣伝である」「重要なのは宣伝水準ではなく、それが目的を達することである」との理論の基「大衆の獲得」「手段を選ばぬ情宣活動」を遂行する一方で通称死刑執行委員会を組織し「退廃芸術展」を開催し反ナチ芸術撲滅に尽力したゲッベルスの思想こそ100%KPP世界浄化ツアーを成功させた女革命家の行動規範なのである。


Paul Joseph Goebbels





KPP
無血革命
進行中

松田聖子を筆頭にAKB48、Perfume、PASSPO☆によるアイドル一斉蜂起レコ発日に狙いを定めて仕掛けたKAWAii!!BOMBテロは思惑通り大成功で総統様もご満悦。次なる焦点はKPPがいつどこで誰とどのように(3W1H)マジックナンバー「15」にアクセスするかである。

▼KPPに捧ぐ

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エンタメ芸能うわさの15時「永遠のアイドル」松田聖子、衝撃の真相!秘密は「LuLu!!」と数字?

2013年05月23日 00時16分36秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


松田聖子(51)が78枚目のニュー・シングル「LuLu!!」をリリースした。翌月には47枚目のオリジナル・アルバム「A Girl in the Wonder Land」、7月には通算100回目の武道館公演が控えている。




1980年のデビューから33年間休まず清純派アイドル街道一直線のSEIKOに関してあまり妄想の翼を広げることは憚られるが「LuLu!!」というタイトルから当然連想されるべきは下記である:

●ルルLulu「いつも心に太陽をTo Sir With Love」


本名ルル・ケネディ‐ケアーンズ。’60年代デビューのスコットランド出身の歌手・女優・タレント。1967年出演映画「いつも心に太陽を」の主題歌が全米No.1ヒット。一躍世界的アイドルとなる。以来紆余曲折を経ながら現在でもショービズの第一線で活躍するSEIKOの大先輩。もしかしたら「LuLu!!」の作者Charaは二人を重ね合わせてイメージしたのかもしれない。




●ルー・リード&メタリカ「Lulu」


NYの暗黒帝王とヘビメタ鋼鉄番長が四つに組んだ問題作。Amazonのカスタマーレビューでは1~5点まであまねく網羅。リリース時はセンセーションを巻き起こしたが1年半たった今は本人を含め誰も語ることのないLOST GEM。恐らくハーフコインの花園に人知れず咲いていることだろう。




●LuLu「精神鎮痛剤」


唯一無二の医療系ヴィジュアルバンド。2005年LuLu総合病院として結成。外科、内科、眼科、精神科、皮膚科が存在する。オーディエンスのことはクランケと呼び、各々のクランケには担当医がおりどのようなクランケにも万全の体制 で対応できる天才的迷医が揃っている。「日本黒十字縷々総合病院」の異名を冠し、診察会と呼ばれるライブでも、そのヤブ医者具合を遺憾なく発揮したパフォーマンス、ステージングにてアンダーグラウンドな治療法でクランケ達を圧倒させ続けているバンドである(amazaonより)。って面白れぇ!どうやらヴィジュアル界もアイドル同様個性派揃いの様子。Charaはこっちを意識したのかも。



分析の結果LuLuという言葉には長期間世界に君臨する帝王(女帝)と文字通りビョーキの偏執狂というアンビバレントなふたつの意味が内在していることが分かる。帝王といってもショービス/アングラ/ヘビメタという閉じた世界だからある種偏狭なマニア性を帯びているので実は二つは同じ意味かもしれない。世界進出を想定して外国人でも判るマツダ(車)とセイコー(時計)が野合した名前を持つSEIKOもアイドルという特殊な世界を生きるスキッツォイド・クイーンと言える。「LuLu!!」というタイトルにシンボリックな意味と祈りが籠められていることは間違いない。

★SEIKO本人の釈明はコチラ

一方でSEIKOが「ルル」のCMに出演していないことは日本歌謡界七不思議のひとつである。アイドルで居続けるには謎が不可欠なのであろう。



SEIKOちゃん
クシャミ3回
ルル3錠

((((((SEIKOを司る数字の驚くべき真相判明))))))
6月発売の47thアルバムは訳せば「不思議の国の少女」。17thシングル「時間の国のアリス」(1984)、32ndアルバム「永遠の少女」(1999)の続編といえる。「時間」と「永遠」の間が15年、「永遠」と「不思議」の間が14年と約15年周期でSEIKO少女シリーズが巡ってくる訳だ。
各作品のナンバーを計算すると驚くべき法則が判明する。

32-17=15
47-32=15

「15」こそSEIKOを司るマジックナンバーなのである。

この数字から誰もが連想するのは「15歳のテーマ 百恵の季節」「15歳のテーマ ひと夏の経験」「15才」(すべて1974)という山口百恵の15歳三部作であろう。「秘密をもった少女」「雨に濡れた少女」「聖少女」「嵐の中の少女」など少女ソング満載の他「伊豆の踊子」「野菊の墓」「たけくらべ」といった文学少女趣味も全開。さらに同年初のベストアルバムもリリースしており充実のほどが伺える。菩薩にとっても「15」が魔法数字であることは間違いない。何かと比較の対象になる’70・’80年代を象徴するアイドルふたりが同じ数字に支配されているという事実はアイドル戦国時代を勝ち抜くための大きなヒントになるかもしれない。

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WEEKEND LOVERS 2013:The Birthday/MANNISH BOYS@新木場 STUDIO COAST 2013.5.20 (mon)

2013年05月22日 00時23分00秒 | ロッケンロール万歳!


Weekend Lovers 2013 最終日追加公演!

Opning Act : Heavenstamp
Live Act :The Birthday (1st), MANNISH BOYS (2nd).

2002年初夏、ROSSO, LOSALIOS presents の名の下に始まったロックンロール・パーティ。複数のバンド&DJとともに各地の週末をまわるオールナイト・クラブ・サーキットととして、その産声をあげた。第2回を開催した2008年ではイベントのスタイルをオールナイトから通常の終演時刻に変更。チバユウスケと中村達也がホストを務めThe Birthday / FRICTION / EOR / JOY HEIGHTSを中心にゲストバンドを交え全国を縦断した。

そしておよそ5年ぶりの開催が決定!




BJC&TMGEのR&Rカオス(→検証記事はコチラ)は21世紀突入時から始まっていた。これを検証すると途中で訳が分からなくなり脳味噌スキッツォイドマン状態間違いないので慌てずじっくり整理しながら進めて行こう。

イベント発起人の2バンドのメンバーから。ROSSO:チバユウスケ(TMGE)、照井利幸(BJC)、イマイアキノブ(FRICTION)、佐藤稔(FRICTION)。LOSALIOS(2002年当時のメンバー):中村達也(BJC)、加藤隆志(Tokyo Ska Paradise Orchestra)、TOKIE(AJICO)、武田真二。ここで注意していただきたいのはLOSALIOSのCDに浅井健一と照井が参加していたとかAJICOは浅井のバンドだとか加藤が浅井健一&Bad Teacher Kill Clubのメンバーだとかいう邪念を捨て去ることである。とりあえずベンジーは現時点では無関係なので断固無視せよ。さもなくばここから先の分析に進む前に脳内ブリッツクリーグバップでオサラバであろう。

<Weekend Loversの歩み>(公式FBページより)
記念すべき第一回開催は2002年初夏。
ROSSOとLOSALIOSのリリースパーティーとして立ち上げ、週末のオールナイト・クラブ・サーキット「WEEKEND LOVERS」の産声をあげた。
Weekend Lovers 2002 全国11都市12公演
Live Act:ROSSO, LOSALIOS, Harry, STROBO, Syrup 16g, ミラクルヤング, THE TRAVELLERS, CLASSIC CHIMES.
DJ:村上淳、坂田カヨ、谷中敦、冷牟田竜之、川村カオリ、他

2回目の開催は2008年。
Weekend Lovers 2008 全国8都市9公演
Live Act:The Birthday, FRICTION, JOY HEIGHTS, EOR, TOKYO No.1 SOUL SET, NICO Touches the Walls, METALCHICKS, MO'SOME TONEBENDER, THE BACILLUS BRAINS, SHERBETS.
DJ:村上淳

3回目にしておよそ5年ぶりとなる今回。
The Birthday & MANNISH BOYS Presents
Weekend Lovers 2013 全国9都市10公演
Live Act : MANNISH BOYS, The Birthday.
Opening ACT : Heavenstamp(5/16&20)
DJ : 村上淳(5/14&16)

4月30日(火) 仙台 Rensa
5月2日(木) 東京 Zepp Tokyo
5月4日(土) 札幌 Zepp Sapporo
5月7日(火) 沖縄 音市場
5月9日(木) 福岡 Zepp Fukuoka
5月10日(金) 大阪 Zepp Namba
5月12日(日) 岡山 CRAZY MAMA KINGDOM
5月14日(火) 広島 クラブクアトロ
5月16日(木) 名古屋 Zepp Nagoya
5月20日(月) 東京 新木場 CLUB COAST(ママ)

注)都市数の変化が日本経済の動きに比例しているとか何故ムラジュンが2回だけの参加かとか名古屋だけゲストが揃うのはソースカツ丼のためかといった雑念は抱かないこと。

過去2回はチバ&達也関連以外のバンドが多数出演のフェス状態だったのが今回2マンになったのは「バンドの演奏時間をこれまでよりも充実させるため」とのことだが昨年チバ&達也&イマイアキノブ(FRICTION)で結成したThe Golden Wet Fingersが重要な鍵を握っていることは間違いない。イマイは第1回ROSSO、第2回The Birthdayで連続出演。あ!第2回はFRICTIONでも参加か?と騒ぐのは早とちり。2008年のFRICTIONはRECKと達也の二人FRICTIONである。ってここにも達也???ヤヴァいヤヴァい危うく迷宮に飛び込む直前で我に返りFRICTIONの名前も頭蓋から追い出そう。ん?JOY HEIGHTSって??メンバー:百々和宏、中村達也、大友良英、tatsu(LA-PPISCH)。なるほど達也はこのバンドでも参加か。バンド内にタツがふたり。。。って百々はMO'SOME TONEBENDERのメンバーぢゃん。ままま待てっSHERBETS発見!やはり出たかベンジーっ!!いやいや頭に血が昇ったら負けだ。グッとこらえてベンジーも忘れろ。。。。。という感じでその他の知らないバンドをググると恐ろしいパンドラの匣を開ける羽目になるのでそっと蓋をすることにする。ところでイマイは今回も沖縄公演で飛入り出演したそうだからご安心のこと。

過去の熱帯雨林ジャングル状態がシンプルに整理された今回は誠に見晴らし良く来場者の顔には迷いがない。月曜日なのに週末の恋人とはこれ如何に?だがこの程度の不合理はR&Rカオスの前では屁でもない。霧雨降るド平日だがロケンローには天気も曜日も関係ない。ぎっしり埋まった客席は開演前から汗ばむほどの熱気。出演者による前口上がお約束の模様。ステージでは無口な硬派で通すロケンローラーのぶっちゃけ普段着の楽しい会話を聞けるのは会場に来たファンの特権だから詳細は割愛。

●Heavenstamp


オープニング・アクトのHeavenstamp。バックライトでシルエットのまま演奏開始。予想に反してヴォーカルが女性だったので軽く驚く。チバ&達也のお墨付きだけあり曲はいいし演奏力もパワフル。ストレートなビートロックからドラマティックなミッドテンポナンバーまで今時珍しい正統派R&Rバンド。個人的にはカワイさ全開ルンルンギャルバンを好むのでど真ん中ではないがとても魅力的な若手である。こんな真摯なバンドが頑張る限りR&Rは鳴りやまない。




●The Birthday


シンプルな編成なのでセットチェンジは15分くらいで完了。前説に続き毎度お馴染み「シクスティーン・キャンドルズ」のSEでThe Birthdayが登場。観客が波のように前方へ押し寄せる。以前からThe Birthdayのステージに何となくプレミア感漂う気品を感じていた。リリースされたばかりの昨年の武道館ライヴDVD「RAISE YOUR BLACK FLAG」を観て気づいた。ステージの床に絨毯を敷きアンプに布を被せ骨董品店または妖しい地下倶楽部または場末のライヴハウスを作り上げているのである。大ステージの上に出現したプライベートな小ステージ。その親密な空間で展開する最高のロケンロー。彼らは1万人を相手に演奏しているのではなくひとりひとりのファンに向かってマンツーマンでがなり・弾き・叩いているのである。ハンドメイドR&Rホームパーティーの千秋楽に相応しいハード&ブルージーなロケンローナンバーを連続プレイ。空飛ぶ絨毯のように大きく波打つ客席が壮観だった。



<The Birthday Set List>
1.涙がこぼれそう
2.Buddy
3.2秒
4.カレンダーガール
5.あの娘のスーツケース
6.SATURDAY NIGHT KILLER KISS
7.狂っちゃいないぜ
8.ALRIGHT
9.Red Eye
10.READY STEADY GO
11.ローリン

●MANNISH BOYS


中村達也と斉藤和義のデュオMANNISH BOYS。先月The Golden Wet Fingersのライヴの後に寄ったタワレコで黄色いジャケの限定CDを見つけた時はこれ以上カオスを助長するのかと目を疑った。斉藤については昔子供番組でヒットした「歩いて帰ろう」と3.11震災直後に発表した反原発の替え歌「ずっとウソだった」が印象にあるくらいで詳しくない。遠目にルックスがベンジーにちょっと似ているが「これからもヨロチクビ」ツアーを行うC調キャラはベンジーの硬派イメージとは真逆。どこでこのR&R無間地獄に巻き込まれたのかは知る由もないがご愁傷様と言うしかない。早速試聴機で聴いたが線の細い歌がどうもしっくりこない。その後この人心攪乱工作対バンツアーを知りこりゃ勝てんわと降参した次第。

▼CDショップのカオス コメント読んでも違いがわからニャい・・・


ステージにはドラムとギターアンプだけ。ベースレスのアッパーなC&W風ナンバー+サバス風ヘビメタ+中村の極道トーク+斉藤のあっけらヴォーカルに眩暈がする。途中で堀江博久(NEIL&IRAIZA、Cornelious)がb&keyで参加しバンド・サウンドに。【無視して欲しい豆知識:堀江はThe HIATUSでウエノコウジ(TMGE)とバンド仲間である。】The Birthdayカヴァーで客席がヒートアップするがこんなに人のいいバースデイソングは初めて聴いた。MANNISH BOYS=「男っぽい少年たち」とは極悪達也のオルターエゴの発散ユニットなのか。



<MANNISH BOYS Set List>
1.MANNISH BOYSのテーマ
2.CRAZY NURSE
3.Mach Venus
4.猿の惑星
5.Dark is easy
6.黒塗りのセダン
7.天使とサボテン
8.DIRTY BUNNY
9.Oh Amy
10.LOVE&LOVE
11.涙がこぼれそう(The Birthdayカバー)
12.あいされたいやつらのひとりごと
13.MANNISH BOYSのテーマ

アンコールでThe BirthdayとMANNISH BOYSと堀江の共演で新曲「Weekend Lovers」を披露。キーボードが入るとスプリングスティーンっぽく聴こえるのが面白い。チバの青春の叫びをバンドが明日なき暴走に導き闇に吠える街を駆け抜けていく。すっかり謎解きは忘れて誰が誰かも関係ないウィーアーザワールド的衝動に身を任せた一夜の週末だった。

<ENCORE>
En1. ざまみふぁそらしど
En2. セッション

★ライヴレポートとTV放映情報はコチラ
★ロキノン的詳細ライヴレポートはコチラ

週末は
パズルを解いて
過ごしましょう

帰宅してまだ一週間が始まったばかりだという当然の事実に気づいた瞬間が最も不条理だったかもしれない。

The Birthday
『Black Doctor Fight Again 12 Nights』

9月14日(土)千葉LOOK
9月16日(月・祝)CLUB CITTA’ Kawasaki
9月19日(木)KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
9月21日(土)北見 ONION HOLL
9月23日(月・祝)サッポロファクトリーホール
9月27日(金)名古屋クラブダイアモンドホール
9月28日(土)なんばHatch
9月30日(月)高松DIME
10月2日(水)福山Cable
10月4日(金)福岡BEAT STATION
10月6日(日)長野CLUB JUNK BOX

Barbate Rock Presents“Mirage Of Music”
supported by Barbate Rock 3rd Anniversary
10月12日(土)新木場STUDIO COAST

【!!!この先キ・ケ・ン!!!】
達也つながりのドラマー吉田達也の現行参加バンドは約15、バンド歴は50近い。棲息地の異なるダブル達也を繋ぐキーパーソンが勝井祐二大友良英でありそこからアングラ界の相姦図を思うのは(例えボンヤリした白日夢であれ)人間をやめる覚悟が必要。そこには参加ユニット数が100近い山本精一やリリース作品が500枚を超える秋田昌美(Merzbow)といった研究し甲斐のある猛者がゴロゴロ。R&Rカオスに匹敵するものとしてこっちの世界には一度足を踏み込んだら抜けられない「一生非常階段」という極悪の掟が存在する。あまちゃんで蒙古の如く勢力図拡大中の大友良英も犠牲者のひとり。
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自由な音の記憶 Vol.3:サイケデリック・ロック基本のキの1番~シスコサウンド編

2013年05月20日 00時46分43秒 | 素晴らしき変態音楽


改めてレコード棚を眺めると半分以上が'60年代のサイケデリック物であることに気がつく。'80~'90年代ずっとサイケにハマりアナログ盤を買い漁った。暇な時間はレコ屋巡りに明け暮れた。海外出張に行っても空き時間は観光よりもレコ漁り。どこに行っても身に染み付いた習慣は変わらないものだ。バカ高いプレミア盤には目もくれずバッタもんコーナーでジャケ買いすることが殆どだった。近年コレクターの間でちょっとしたサイケブームがありオリジナル盤やレア盤の値段が高騰しているが元々500円コーナーで買ったレコードが30年で急に値上がりする訳もなくコレクションは財産にはならない。

サイケデリックに興味を持ったのはいつ頃だろうか。子供の頃世間にはサイケが溢れていた記憶がある。子供心にサイケはハレンチ/ゲバゲバ/ゴーゴー/ラブピースと同義語だった。テレビに映る繁華街にはシンナーを吸うヒッピーがたむろし芸能人は長髪にパンタロンで横尾忠則な背景で愛の歌を唄い子供番組の主題歌はファズ・ギターや安っぽいオルガンが鳴り響いていた。そんな昭和元禄の集大成が大阪万博だった。学習雑誌は毎月万博特集で明るい未来のテクノロジーをサイケカラーで謳った。親戚のアパートの一室を借りて従兄弟家族と泊まった。従兄弟と昼夜一緒に過ごすことが嬉しくて肝心の万博の記憶が殆ど無い。アメリカ館やソ連館といった人気パビリオンは何時間もの長蛇の列でハナから諦め東南アジア南米アフリカ等の空いてる展示を観たと思う。メキシカンハットの楽団の写真があるからそれが生涯初の外人バンドかもしれない。後に電子音楽やロックの貴重なコンサートがあったと知るが当時はそんなものにまったく興味はなかった。


幼少時のビミョーなサイケ体験の影響か洋楽ロックを聴き始めて二番目に好きになったビーチ・ボーイズは最初は爽やかなハーモニーに惹かれたが「グッド・バイブレーション」や「サーフズ・アップ」といったサイケ期の作品も抵抗なく馴染めた。当時ロック映画は「ウッドストック」か「モンタレーポップ」しかなくそこに記録されたサイケデリックな世界に感化された。パンクの洗礼を受けるとルーツたるドアーズやストゥージズやMC5さらに無数のガレージパンクバンドによりサイケに遭遇。エコバニやキュアーでネオサイケ、ザッパやプログレやフリージャズの前身はサイケなヒッピー。ロック道を進む度に必ずサイケに行き着く。これはどうしたことか?と思った訳ではないが物心ついてサイケにハマるのは必然だとしか言えまい。


例によってマイナー志向が顔を出し誰も知らないB級C級サイケを多く集めたがメジャーなバンドも押さえていた。サイケにハマり始めた頃はアナログ末期で'60年代ロックのLPは廃盤状態でデッドやザッパやジェファーソンの定盤も入手が難しい「レア盤」だったのである。
という訳でサイケデリック・ロックを代表する基本的名盤を紹介しよう。20年前訪れたサンフランシスコで飛行機の時間を気にしながらへイトアシュベリーに寄り飛び込んだ土産物屋で買ったのが表題のポスター。当時の面影は殆ど無く観光地化していたがサイケグッズは捨てる程沢山あった。
今回は'60年代ヒッピー文化のメッカだったシスコ特集。

●ジェファーソン・エアプレイン


シスコサイケ最大のヒット曲「あなただけを」はオールディーズ全集の定番だがガレージ・フォーク・サウンドとグレイス・スリックのエロい艶声が草の匂いを放ち中毒性たっぷり。ヨーマ・カウコネン(コーコネン、コウコウネンとも)の粘っこい指弾きギターとぶりぶりリズム隊とハモらない三声ハーモニーがどサイケ。全盛期の5作のアルバムすべてが必聴だが最初はポップな「超現実主義的枕/シュールリアリスティック・ピロー」をどうぞ。



●グレイトフル・デッド


デッドは知らなくても髑髏(スカル)と熊(デッドベア)は着たり貼ったり付けたりしているに違いない。アメリカではビジネス書のネタに成るほど人気と影響力のあったバンド。基本は延々とジャムセッションが続く長時間ライヴ演奏。'90年代初めにワシントンDCのスタジアムで観た時あのユルい演奏で観客がジャンプしまくり客席が大揺れするのに驚いた。レコードで全体像を知るのは無理。ジェリー・ガルシアの死後も数多くリリースされるライヴ音源・映像でも魅力の半分くらいしか伝わらないだろう。ジャケで選べばデビュー作から「ライヴ・デッド」あたりか。特に「青草も臭ぁ/アオクサモクソア」はタイトルとジャケが最高に頭死(デッドヘッズ)。



●ジャニス・ジョプリン


ジャニスといえばお茶の水の貸レの名前にもなった伝説的女性シンガー。ブライアン・ジョーンズ、ジミヘン、ジム・モリソン同様に27歳で亡くなり名誉ある27クラブに加わった彼女の影響は音楽に限らず甚大。短い生涯に残したLPは4作だけだが無数の映画や小説になった。遺作のソロ「パール」は素晴らしい歌ものアルバムだがサイケといえば(株)兄貴/ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーの「安身震/チープ・スリル」。ジャニスのヴォーカルと比較されテクニック面を云々されるバンドだが破天荒なサム・アンドリュースの痙攣ギターをはじめ荒削りな激情サウンドがジャニスの情念と見事に交換している。



●クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス


長ったらしい名前は処女宮に関する妄想(*)から名付けられた。似たような名前のシカゴ・トランジット・オーソリティーやきゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅとは成り立ちが違うので注意のこと。日本では上記のバンドに比べて評価が低いがサイケ方面の影響力は勝るとも劣らない。フラワー派SSWディノ・ヴァレンテ色が濃くなりレイドバックする以前のツインギター時代は文字通りのアシッド(麻薬所持で逮捕歴有)ロック。特にジョン・シポリーナのトレモロアームを駆使したプレイは多くのギタリスト(例:トム・ヴァーレイン、坂本慎太郎、栗原ミチオ)に影響を与えている。ライヴ録音の「愛の組曲/ハッピー・トレイルズ」のA面を占める「愛の組曲/フー・ドゥ・ユー・ラヴ」の脈動ビートはまるで人力サイケデリック・トランス。



*クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスの名前:ジョン・シポリーナの証言
『マレイとフライバーグが名前を思いついたんだ。俺とデヴィッド・フライバーグ(b)は同じ日に生まれている。ゲイリー・ダンカン(g)とグレゴリー・エルモア(ds)も同じ日に生まれている。みんなおとめ座だった。マレイはふたご座。ふたご座とおとめ座の守護星は水星(マーキュリー)。マーキュリーの別名はクイックシルヴァー(水銀)。水銀は古来ギリシャ神話になぞって神の使い(the messenger of the Gods)とされている。そしておとめ座(Virgo)はそれに仕える人(servant)。そしてフライバーグが言ったんだ。 'Oh, Quicksilver Messenger Service'』

●カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ


クイックシルヴァー以上に過小評価されているのがカントリー・ジョー率いる魚。「モンタレーポップ」では顔の花ペイントが象徴的だったし「ウッドストック」で観客との「F-U-C-K」コール&レスポンスで反戦を唄ったカントリー・ジョーはまさにカウンターカルチャーの申し子だった。ジョーのアジ演説ヴォーカルとこれまた絶賛過小評価中のバリー・メルトンのビブラート・ギターとチープなオルガンを核にしたサウンドはプロテスト・サイケNo.1!。最も有名な「アイム・ フィクシン・トゥ・ダイ・ラグ」はラグタイム風ノヴェルティ・ソングだがライトショー・ジャケの1st「心と身体のための電子音楽/エレクトリック・ミュージック・フォー・マインド・アンド・ボディ」でアート・ロックNo.1を堪能出来る。





シスコには
日清シスコ
ありません

CDやDVDで貴重な音源や映像が次々発掘されているがまずは当時のオフィシャル作品に耳を通していただきたい。






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doronco/灰野敬二+三浦真樹/LAPIZ TRIO/ヨシノトランス+川口雅巳@国立 地球屋 2013.5.17(fri)

2013年05月19日 00時19分47秒 | 灰野敬二さんのこと


「 ドラマー、サミーに捧ぐ 」
【 出演 】doronco (bass play)/灰野敬二+三浦真樹/LAPIZ TRIO (LAPIZ vo,g/横山玲b/中村清ds)/らりは/ヨシノトランス+川口雅巳

メンバーの出入りが激しいので正確にはわからないがサミーこと三巻俊郎は1976年に裸のラリーズに参加したらしい。同バンドの数少ないオフィシャルCDのひとつ「'77 LIVE」のドラマーである。記録本によるとドラム以外にベース、ギターも演奏したようだが真偽の程は不明。私が初めて観たのは2006年5月1日新宿裏窓企画ライヴでの灰野敬二+どろんこ+サミーのトリオだった。灰野の独特の呼吸がラリーズのリズム隊が刻む強固なビートと予想以上に上手く溶け合い強烈な「ROCK」(ロックンロールではなく)を発散した。このトリオは年イチでライヴを行った。最後に観たのは2010年3月22日ここ地球屋でのSeven Z(らりは)、川口雅巳、ヨシノトランスも出演した野間幸道(裸のラリーズのサミーの後任ドラマー)追悼ライヴだった。それから3年後今度はサミー本人の追悼ライヴが開催されるとは思いもしなかった。

昭和時代に米軍ハウスがあった三多摩地区は学生やロッカーが多く棲む日本のロックの温床だった。その風土は現在でも残っている。特に地球屋は往時の中央線文化の香り漂うエキゾチックな雰囲気が嬉しい。到着した時にはらりはの演奏が終わったばかりだった。サミー所縁の年配客やバンド仲間を含め満員。リラックスしたムードが心地よい。

ヨシノトランス川口雅巳


3年前は元不失者のドラマー小杉淳を交えたトリオで出演したふたりのアコースティック・デュオ。ヨシノがエスラージ、川口がガット・ギターでサミーが好きだったというドノヴァンとアイアン・バタフライに加えウルティメイト・スピナッチの日本語カヴァーという選曲が日本のサイケ・シーンをリードしてきた彼らならでは。


(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

●LAPIZ TRIO


元フリクションのラピス率いるトリオ。元阿呆船の横山玲と元不正療法・JUNGLE'Sの中村清という歴戦のメンバーによるラフなロックンロールが地球屋のムードによく合う。ラピスは1978年にフリクションとラリーズが対バンした時に水谷からラリーズ加入を誘われ断ったという逸話があるが仲は良かったらしい。



●灰野敬二+三浦真樹


ラリーズと不失者のメンバーだった三浦は日本地下ロックの重要人物。割礼や静香や阿呆船でも活動、1990年代のラピスとのデュオ音源が最近CDリリースされた。不失者脱退後も灰野とは交流があり何度か共演している。「あっち」「暗号」「おまえ」「ここ」と代表曲を演奏。拡散してゆく三浦のストラトの繊細なトーンが灰野のSGの太い音色と好対照をなす。歌の節々にサミーへの呼びかけを挟み慈愛が漲る演奏。



●los doroncos


ベース・ソロだと思っていたらどろんこ(vo.b)+川口(g)+らりは(g)+長谷川真子(ds)=los doroncosのステージ。「サミーも野間君ももの凄い回数一緒に演奏してきたのにふたりともいなくなっちゃった。どこへ行ったんだろうね。歳を取るってそういうことかな」と滲みるMC。感傷を振り払う様に演奏に没頭する姿が美しかった。



消えた魂は
何処へ
紛れ込む

生き残った者はひたすら演奏を続けるしかないだろうか。

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第五列:JOJO広重+GESO@渋谷UPLINK 2013.5.15(wed)

2013年05月17日 00時25分56秒 | 素晴らしき変態音楽


第五列の復習<UPLINK編>

70年代後半から80年代半ばまで印刷物、カセットテープ、レコードを発表し続けていた集団『第五列』の音源集が、CD3枚(+DVD1枚)というボリュームでリリースされることとなった。これを記念して、今なお謎の多い第五列について当事者であるJOJO広重とGESOの両氏が語り、作品を紹介し、演奏を行うイベントを開催。聞き手にインキャパシタンツ美川俊治氏を迎えます。日本のアンダーグラウンド文化史の一端がひも解かれる夜!

ライブ&トーク出演:JOJO広重、GESO/聞き手:美川俊治


(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

昨年11月非常階段JOJO広重、T.美川らによるユニット阿部怪異の復活に絡めて第五列に関する記事を書いた。30年前にチラシの片隅で見た阿部怪異の名前を再び聞く(しかもライヴまで!)ことになるとは信じられなかったがその繋がりで第五列を再発見したのも驚きだった。ただし完全に忘却の中に埋もれていた阿部怪異に比べれば第五列は21世紀初頭にアルケミー・レコードから2作のCDがリリースされたので多少は知名度があるのではなかろうか?


インキャパシタンツ「アルケミー箱愚か」に始まったアルケミー/Youthによる怒涛のボックス・セット攻撃の中でついにこの謎だらけの集団に陽が当たることになった。その前に渡邉浩一郎追悼CD「まとめてアバヨを云わせてもらうぜ」、オムニバス「なまこじょしこおせえ」の2作の関連CDが再発された。1982年ピナコテカ・レコード最後のリリースの「なまこじょしこおせえ」は当時LPを手にした筈だがレジデンツっぽいという印象があるだけであまり覚えていない。CD再発に際してタイトルが複数存在し曲順不明の世紀の謎と謳われたが当時の自主制作盤は総じてそんな感じだったので不思議だとは思わなかった。70年代LAの伝説的アーティストの作品としてリリースされた「Anode/Cathode」は実は第五列制作音源だというし、ピナコテカのフリーペーパー「アマルガム」には大言壮語のマニュフェストや真偽不明の情報が数多く掲載されていた。贋作と捏造が罷り通っていたのがマイナー音楽シーンだったのである。


地下音楽の怨霊の巣吉祥寺マイナーを母体とするピナコテカと協働して30年前の音楽界を迷宮化した第五列関連作品のCD化により当時の謎が解明されるかと期待したが新たに加えられたライナーノーツは十年一日の言葉遊びと論理破綻が渦巻き晦渋極まりないモノ。明らかに意図的に創り出されたカオス状態。30年経っても腸捻転したままの意志の力に無条件降伏(幸福)。ここ数年吉祥寺マイナーや京都どらっぐすとぅあといった迷宮の探索が進んでいるが探れば探るほど無明の輪廻に絡み取られるのが現実。第五列の首謀者の一人GESOこと藤本和男を表舞台に担ぎ出しても謎の解明には至らない。一見真面目な文学者風だが話の節々に頑固一徹の闘争理念が滲み出る。迷宮出身者にしては珍しく単純明快な非常階段の二人も30年来不滅の非楽主義者のオーラに巻き込まれ的外れのトークに終始する。ラビリンスの奥深さを垣間見せたトークに続き34年ぶりのJOJO+GESOのデュオ・セッション。シモンズ「恋人もいないのに」~緑魔子「やさしいにっぽん人」(初音階段ヴァージョン)~インプロヴィゼーションと20分の演奏。マウスハープ、ミニギター、ガラクタを駆使してJOJOのノイズ・ギターに対抗するGESOの異能ぶりが際立った。



五列目は
ピットイン右三列目より
危険かも

謎の謎による謎のための非楽(Non-sic of the Enigma, by the Enigma, for the Enigma)。
コメント (2)
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