インフルエンザの熱は下がったが、まだ外出することも出来ないので、部屋の整理をしていた。20数年前に聴いていた日本のパンクのCDが多数出てきた。アナーキー、ラフィンノーズ、コブラ、ライダーズ、ストラマーズ、KENZI & THE TRIPSといった80'sパンク・バンドである。その中でも最も多いのがスタークラブ/THE STAR CLUBである。
このへんのパンクのCDは、実はリアルタイムで購入したわけではない。1977年・14歳で受けたパンクの洗礼は、82年・19歳ですっかりネジ曲がり、ポストパンクやインダストリアルに方向転換、87年・24歳頃にはアヴァンギャルドとサイケにどっぷりハマっていた。サイケレア盤収集と企画ライヴ『アートロック宣言』に明け暮れた社会人生活を送っていた筆者だが、仕事関係で行くようになったカラオケの十八番はブルーハーツとハイロウズだった。カラオケで知り合った女の子に誘われて1999年に『Japan Punk Rock Festival』というイベントを今は無きOn Air Eastに観に行った。アナーキー、ラフィンノーズ、ライダーズ、コブラ、スタークラブという80'sパンク・オールスター・ラインナップで、その女の子とは色恋沙汰も無く別れたが、パンクロック愛の焼け木杭に火が付いて、ガチ恋さながらに中古CD屋で買いまくった、その思い出のコレクションである。
旅の出だしは散々だった。ニューヨークから13時間かけてイスタンブールへ着いてみると、楽器や衣装の入ったスーツケースが紛失し、リュックとテナーサックスだけを手に異国に降り立つことになった。「スーツケースだけじゃなく自信も失った状態だった。でも翌日のライヴのサウンドチェックで最初の一音を鳴らした時に、パイロットの詩の意味を理解したよ。その後の物語はこのアルバムに語られている。私のどんな言葉よりも「Resistance(反抗)、Provocation(挑発)、そしてSpontaneity(自発性)」を上手く表現している。」(『IF YOU HAVE TIME』ジョー・マクフィーのライナーノーツより)
このツアーから最初にリリースされたのが、2014年に3月18日イスタンブールのライヴハウス「バビロン」で収録されたライヴ盤『BABYLON』である。THE FIRST MEETING OF ISTANBULとサブタイトルされている通り、初コラボレーションの演奏を収めたアルバムで、エレクトロニクスの浮遊感の中、アブストラクトな管楽器の交歓が、徐々にベクトルを同じくして上昇して行く様子のドキュメントである。
Live At Babylon w/ Joe McPhee
2015年末にリリースされたのが3日後の3月21日同じくイスタンブールのハイヤーム・スタジオでのスタジオ録音作『IF YOU HAVE TIME』である。拡散する外向きのベクトルを持つライヴ盤に対して、スタジオ内で演奏者だけで展開された本作は、音楽の深層へと接近するインナートリップを描いた作品と言って善かろう。タイトルもペーター・ブロッツマン&ハーミッド・ドレイク(In The Lair Of The Dried Rat Dog)、ジョン・コルトレーン・カルテット(Tell Me, How Long Has ‘Trane Been Gone)、アルバート・アイラーと同年同日生まれのノルウェーのサックス奏者ベングト・”フリップ”・ノードストローム(Frippe's Dream)といったジャズネタでキメる。
HD Teaser | Konstrukt & Joe McPhee "If You Have Time" (LP)
2016年度ネクロ魔主催イベント第2弾。フィロのスことフィロソフィーのダンスが出演予定だったがメンバーがインフルエンザに罹り欠席。ちなみにブクガことMaison book girlのコショージメグミもインフルのため、2/20名古屋,21大阪のイベントは欠席になった。ブクガは3人組で出演。インフル禍はアイドル界にも魔の手を伸ばしたか、と思ったがまさか我が身に降り掛かるとは想像もしていなかった(後述)。
『アートロック』という言葉があるが、それはART(芸術)とROCK(芸能)の幸せな結婚ではない。アンディ・ウォーホールが手がけた『The Velvet Underground and Nico』のジャケットは芸術だが、中身の音楽は芸能と看做され、別の評価軸で語られる。美術館でROCKコンサートが開催されることも少なくないが、既存の権威に異を唱えるROCKの反骨精神に憧れながら、権威主義の牙城であるARTの立場を際立たせる結果に終わることが少なくない。ところがROCKを「Experimental」(実験音楽)「Improvisation」(即興音楽)「Noise」(ノイズ)と呼び代えてみるとARTとの親和性が高くなるから不思議だ。格調高いART界が猥雑なROCKを受け入れるには、名称だけでもART寄りの呼称を採用することが必要なのだろう。
Recording Engineer: shunichi TAKANO
Assistant Engineer: rumiko SHIMADA
Recorded at:チェシャー・キャット
Recording date: 18 NOV. 1982
Mixed at: Flat Motovuto
Produced by: M & M company
Cover design: mistumasa NONAKA
Managemnet by: M & M company
Manufactured by: KOJIMA RECORDINGS. INC.
printed in japan M & M RECORDS
愛媛県出身のロックアイドルユニット、ひめキュンフルーツ缶のメジャー・デビュー3作品目のアルバム!
1月10日に地元愛媛のひめぎんホール・サブホールにてワンマンライブ「HimeKyun“Run before the wind”第一章」を終えたひめキュンフルーツ缶。彼女たちがこのライブで掲げた第2章が幕開けとなる2/17発売のアルバム『天国ギミック』が完成!
先日の新宿ピットインでの灰野敬二との共演ライヴについてのブログで、のなか悟空を「一匹狼のイメージが強い」と書いたが、それは80年代に公園やストリートでの野外パフォーマンスを行い、ドラムを担いで世界各地を旅する冒険ドラマーとして話題になったからであろう。そもそも野外や国外に出るキッカケは、自由を標榜したジャズシーンが、80年代に入って保守的・閉鎖的になり、規格外の活動をするには外へ出るしかなかったからだという。
⇒のなか悟空&人間国宝+灰野敬二@新宿Pitt Inn 2016.2.7(sun)