6月10日のTADZIOレコ発以来のヘアスタ東京ライヴ。その間中原氏は群馬県と大分県でライヴを行ったそうだ。特に大分県のライヴの仕切りは地元の酒蔵の二代目で凄い金持ちだったらしい。
この日は菊地成孔氏とパードン木村氏との初共演というスーデラらしい企画。ヘアスタとサックスとの共演はありそうでなかったので楽しみに出かけた。菊地氏のライヴは5年位前DCPRGを渋谷クアトロで観たのと、2年前山下洋輔トリオ復活祭ライヴ@日比谷野音にゲスト出演したのを観たくらいで、余りライヴでは接してこなかったのでこちらも楽しみ。菊地氏は大学での講師を務めたりファッション誌に寄稿したりしているので女性ファンも多い。スーデラが丁度満員になるくらいの入り。
まずはヘア・スタイリスティックス=中原昌也氏のソロ。MBの「Symphony For A Genocide」のTシャツを着ている。いつも通りの電子ノイズ音響だが、スーデラでやる時はいつもリバーヴを深めにかけ催眠的な演奏になるのが面白い。1970年代のタンジェリン・ドリームを思わせる。深遠な中原ワールドを40分間堪能した。
続いて菊地氏とパードン木村氏のデュオ。木村氏はスーツケース大のアナログ・シンセを3台使いスペーシーなエレクトロ・サウンドをクリエイト。菊地氏はソプラノとテナーを使って豪快なブロウを聴かせる。菊地氏のDub Sextetで何度も共演している二人だけに息のあったパフォーマンスだったが、どこか予定調和的な気がして途中かなりうつらうつらしてしまった。
最後に3人のセッション。菊地氏のドローン的なサックスとヘアスタのノイズと木村氏のシンセサイザーが蕩け合い涅槃のような感覚が身体を包む。たいへん心地よい脳髄マッサージだった。ヘアスタのノイズにはサックスが似合う。いつか坂田明さんと共演して欲しいものだ。ジム・オルーク氏も一緒にね。
ヘアスタと
サックス共に
響きあう
会場に以前日本に滞在して灰野さんを中心に日本のアングラ音楽を研究していたニューヨーク州立大学のロレイン嬢が来ていて驚いた。3週間夏休みをとって来日中とのこと。中原氏とは以前カラオケに一緒に行ったことがあるという。今回灰野さんのライヴを観ることはできないが、インタビューをしたいと言う。灰野さんが帰ってきたら当たってみよう。