私は宝くじはあまり好きではない。
外れた時のあの手ごたえのない、荒涼たるむなしさが何ともイヤ
なのである。
しかしこの間、母と買い物に行った時、母が「宝くじを買おうか」
というのである。母は時々買っているので私は別に反対はしなかった。
時折り行くスーパーの入り口近くが、売り場だ。
10枚セットで三千円である。それを一組買った。そして
お金を払い、券を受け取ろうとした時、その売り場のおばさんが、
券に両手を合掌のように添えて、「当たりますように」と何ともいえない
やさしい笑顔で祈るように言って券を渡したのである。
その瞬間何だか当たるような気がしたから不思議である。
よく見ていると、次に買った人にも同じように言っていた。
60才前後と思われるそのおばさんは、すべての客に同じように
接していた。
母は券をサイフに仕舞うと「どうせ当たんないだろうけどね」
と言いつつ、ニンマリ笑った。私は当たりますようにおばさんを
振り返りつつ、もしも自分が宝くじを買うようなことがあったら、
絶対あのおばさんから買いたい、と思った。
そしてあの一言を賜りたいと思った。「当たりますように」
外れた時のあの手ごたえのない、荒涼たるむなしさが何ともイヤ
なのである。
しかしこの間、母と買い物に行った時、母が「宝くじを買おうか」
というのである。母は時々買っているので私は別に反対はしなかった。
時折り行くスーパーの入り口近くが、売り場だ。
10枚セットで三千円である。それを一組買った。そして
お金を払い、券を受け取ろうとした時、その売り場のおばさんが、
券に両手を合掌のように添えて、「当たりますように」と何ともいえない
やさしい笑顔で祈るように言って券を渡したのである。
その瞬間何だか当たるような気がしたから不思議である。
よく見ていると、次に買った人にも同じように言っていた。
60才前後と思われるそのおばさんは、すべての客に同じように
接していた。
母は券をサイフに仕舞うと「どうせ当たんないだろうけどね」
と言いつつ、ニンマリ笑った。私は当たりますようにおばさんを
振り返りつつ、もしも自分が宝くじを買うようなことがあったら、
絶対あのおばさんから買いたい、と思った。
そしてあの一言を賜りたいと思った。「当たりますように」