つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

はるかなる夢

2006-09-27 02:42:06 | 絵・まんが
あなたは自分の本を出したいと、思ったことありますか?
今巷では、素人の出版ブームが起こってる気配があるが、
その実態はかなり違うようである。

私は「はいまん彩」を描きだして3~4年経った頃から、
何とか本にして出版したいなあ…と思い始めた。
7~8年経って作品の枚数も溜まってきたので、
そろそろまとめたいなあと思っていた頃、友人二人が本を出した。
同じS出版からである。

私は「おめでとう」と祝いつつも「先を越されちゃったなあ」
と思ったものだった。

本にして出版するには、三つの方法があり、
自費出版・共同出版・商業出版である。
自費出版は文字通り全て自分で出資して印刷してもらうことである。
共同出版というのは、印刷代などは自分で出資して、出版ルートや
宣伝などを出版社にやってもらう事である。
商業出版は全て出版社が出資してくれることである。

この内、私にとっての出版というのは、この商業出版だけである。
当然ながら一番厳しい。出版社に聞いたところ、最低一万部を売るという
保障や見込みがないと出来ないそうである。

考えてみれば当たり前のことであるが、素人にとって、この一万部は
高い壁である。そんな作品ができれば苦労はしないのだ。
現に本を出した友人の一人は「売れたのは50部だって」と
一年程経ってから言っていた。

私は彼の絵が好きで、高く評価していたのだが、今描いていないという。
本が売れないというのは、自信を無くすものなのだ。
彼は初めて描いた絵本が入賞して、出版社の奨めるまま
共同出版で本を出したのだ。

しかし彼本来の力量は、あの絵本にはまだ出ていなかったと、私は思っている。
そして又彼本来の絵を描いてくれるものと信じている。
頼むよ!

もう一人の友人の売れ行きは聞いていないが、自伝的小説で、作品を
読ませてもらったとき、ちょっとわかりづらいところが
あったので「これ編集者はチェックや直しをしたの?」
と聞いたら、渡した原文のままだという。
いわゆる丸投げなのだ。

通常は信じられないことである。作品自体は、作者の
実体験に基づいたとても心打たれるいい作品なのだ。
しかしその内容をより生かすには作者と編集者が
かんかんがくがくとやり合って作っていくものなのである。

かく言う私は、マンガながら、単行本を出した経験と、
原稿のやりとりを経験しているので、多少は知っているつもりである。

しかしこの作品というのが水物で、どんな作品がヒットするか
ハッキリわからないのが現状なのである。

そんなこともあって、今、共同出版というのが、大流行であるが、
問題にもなっているようだ。
最近、出版を奨める広告がよく新聞に載っている。これがけっこう
曲者で、一般の人の出版意欲をあおり、提出した作品を褒め上げ、
共同出版を奨めるのである。

本を出したいと思っている人にとって、その作品を褒められれば
その気になってしまうのも仕方がないところがある。
しかしお金のある人は構わないが、無い人はくれぐれも借金してまでも
本を出そうとしないことである。売れれば簡単に返せるなどとは
間違っても思ってはいけない。万に一つであることを肝に銘じてもらいたいのだ。

ネットで調べてみると、出版社に対して訴訟を起こしていたり、
共同出版の問題を指摘していたりしている。
共同出版と言いながら、実態は費用が自費出版に近かったり
するようである。

しかし実際に在野には隠れた才能が、溢れているので出版社も
真摯な気持ちで拾い上げてほしいものである。
私は出版に携わる人たちの本来の精神を信じたいと思っている。

一般の人の中に潜む原石を見つけ出し、鍛え上げて輝ける宝石に
するのが出版社の一番大切な役目ではないだろうか。
出版の良心を信じてやまないのだ。

私も出版の夢はかなりすぼんではきているのだが、めげず臆せず
夢見るオッサンとしては、つもりである。
もうこうだ
コメント (3)
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