オヤジ3人で里山へ行く日がやってきた。
行いが良かったのか、はたまた晴れ男にされて
しまったF氏の効能か、発生していた台風19号は
日本本土をはるかに逸れていき、里山行当日は
朝から晴れ渡っていた。
カメラマンの感写さんの車に私とF氏が乗り込み、
ギャラリー喫茶「奈邪」で里山の持ち主
Kさんと落ち合った。
そこで、里山ハウスの鍵を預かると、
一服してから里山へと向かった。
「奈邪」のマスターに「合宿に行ってきます!」と
言うと、「どうせ呑むのが目的なんでしょう」と一笑に
付されてしまった。
F氏を誘ったのは、渓流釣りが得意なので、
途中に見える谷川を見て、アマゴやヤマメが
いそうなのか、いたとして、釣りに降りれるか
どうかを見てほしかったのだ。
車で時折見える谷川は、先日の台風の爪痕を
残しながらも、改めてジックリ見ていくと魚が釣れそうな
雰囲気をかもし出しているではないか。
「ウンいい渓相だね」F氏も納得の様子だ。
里山到着は、PM5時ちょっと前だったが、
まだまだ明るい。
荷物を里山ハウスに置くと、早速池の所へ行き
写真を撮った。
幸い、デッカイ鬼やんまが出ていたので、
撮ろうとシャッターを切ったが、すばやくて
とても我がヘボ腕で捉えることは無理だったので、
それはカメラマンの感写さんにお任せした。
持ち主Kさんがちょっと体調を崩して半年ほど
留守をしている間に、レンコンをごっそりイノシシに
やられてしまったと嘆いていたが、確かに池の周り中
ボコボコに掘られていた。
薄暗くなってきたので、早速飲み会開始となった。
自宅で作ってきた、イワシのほろほろ煮、ゴボウと
ニンジンのキンピラ、ポテトサラダを取り出し、
テーブルに並べた。
それに、来る途中で買った、カンパチ、カツオの
刺し身ブロックを取り出して切り、とりあえずビールで
三人オヤジ会に乾杯した。
ビールから始まり、純米酒、焼酎と呑み進んでいく。
初めてのF氏も通常より呑んでいるようだ。
外が真っ暗になったので、「外で呑もうよ」と
みんなを誘い出して、石垣に腰かけて呑み始めた。
元々が、里山の降るような星の下で3人で
呑むのが目的だったのだ。
しかし、この日はちょい欠けお月様が、煌々と
照り輝いていたせいか、星の光は控えめだった。
かくして、オヤジ三人組は、虫の音と蛙の声を
浴びつつ、月下に呑み交わしたのだった。