2013/01/09
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>ちえのわ三色七味日記2013年1月(2)10年前の1月
10年前の日記コピーの続きです。
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2003/01/08 水 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『ロイヤル・テンネンバウム』
午前中Aダンス。自習。
午後、娘といっしょに行って、ハイタウンマンション4階、夫の事務所引っ越し先を見た。これまでの事務所よりは格段にレベルアップの部屋だが、家賃も大幅アップ。事務所維持ができるのかという心配もある。ま、年中無休の「父さんは倒産しそう」会社だから、倒れたらそのときのこと。
娘は「お父さんは、口で言えないけれど、お母さんが大好きなんだよ、それはわかってあげて」と父親を弁護する。娘は父をわかってあげてもいいけれど、私には夫がわからん。一度胸の中にできあがった氷山は解けない。タイタニックが衝突して、氷山を粉砕してくれる?
娘と『このすばらしき世界』『ロイヤル・テンネンバウム』を見た。
ロイヤルは、家族再生物語のひとつ。アメリカなら、よくあるかもしれない家族崩壊と再生。長男も次男も養女もそれぞれに立ち直ってよかったね、で終わる。
ロイヤルは10年前に別居して、7年音信不通だった妻にむかって「ずっと愛していた」などとぬけぬけと言う。こういうところは「言葉で表現しなければ、愛していることにはならない」国なんだろうなあと思う。
本日のうらみ:私は結婚以来、その手の言葉をきいたことがない。ぬけぬけとでもいいから、言ってごらんなさい!
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2003/01/09 木 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『このすばらしき世界』
日本事情作文2コマ。期末テスト実施。
期末テストの監督をしながら、昨日見た映画をぼうっと思い出す
『このすばらしき世界』は、岩波ホールでやっていたとき見逃した。高野悦子のめがねにかなった映画なら、見ておいてもいい、というミーハー感覚でみたが、とてもいい映画だった。戦時下のチェコの人々の生活を初めて知った。
第二次世界大戦の終末に近い、チェコの小さな町。ヨゼフ(ボレスラフ・ポリープカ)とマリエ(アンナ・シィシェコヴァー)の夫婦は子供に恵まれず、ヨゼフは寂しい毎日をおくっていた。
そんな時、ポーランドの収容所を脱走した、ダヴィドがヨゼフの家に助けを求めてあらわれた。ユダヤ人ダヴィド(チョンゴル・カッシャイ)はヨゼフの元上司の息子。ヨゼフが匿わなければ、確実に彼はナチに殺される。
秘密を抱え込んだヨゼフとマリエは、近所の目を誤魔化そうとして、ドイツ人の仕事を手伝う。しかし、マリエに横恋慕しているドイツ系チェコ人のホルスト(ヤロスラフ・ドゥシニク)がたびたび家に出入りし、隠し事をしているのではないかと疑われる。
今までのユダヤ人の虐殺を語る映画とは違う点。今までの映画はドイツ人は加害者、ユダヤ人は被害者、そして周辺諸国の人々も巻き込まれたかわいそうな人たち、として型ができていた。しかし、『このすばらしき世界』で描かれている人々は、立場が変わればみんな悪魔になってしまう弱い人間。加害側も被害側も双方の姿を含めて、戦時下の悲惨さが描かれている。
ユダヤ人収容所で、ダビィドの妹は「両親を殴り殺せ」と命じられる。「両親を殺せばおまえの命は助けよう」と。親は目で「殺していいよ」と娘に呼びかける。しかし、親を殺した後、娘が助けてもらえるという保証はない。娘は加害を命じられた被害者。殺す側と殺される側が同じ立場なのだ。
ドイツ人が力を持っている時、ドイツ人は威張り、人々はへつらったり、自分が助かる為に黙っていたり、隣人を密告したりする。ドイツ人が負けると、チェコ人は一転して、軍人だけではなく、ドイツ人の障害者、女性、子供達にまで、殴る蹴る投獄する。被害を受けた側は、自分の受けた仕打ちを繰り返す。自分が酷い目にあったことを反転させ、自分が強くなれば、弱くなった人に復讐するのだ。
ダビットの家を接収して住んでいたドイツ人将校の家族も末路は悲惨。対独協力者が一夜にして国賊として告発される側にまわる。
中国や朝鮮でも同じ事が行われたのだろうと思う。対日協力者は日本敗戦となるや、漢姦として裁かれた。
過ちをおかさない人間はいない。また、人間は、立場状況が変わると、被害者にもなり加害者になる。そんな弱い人間を、弱いままに、英雄にもなれば卑屈なへつらい人間にもなる存在として、描いていく。加害者と被害者は、表裏一体のもの。
そんな弱さをかかえた人間達が、弱い中で助け合って生きていく姿。弱い人間でも、弱いなりに助け合い励まし合い影響しあっていくものなのだ。映画の原題はチェコ語で「私たちは共に助けあわねば」
ラストシーン、ダビィドを匿っていたことが、明らかにされる。「ドイツ協力者として裁かれる」から一転して、「ドイツに抵抗した善良な市民」として讃えられ、ヨゼフ夫婦は助かる。
ヨゼフは自分では妻に与えてやれなかった「神からのさずかり子」をだいて、街を歩く。ラストに流れる音楽は、バッハの『マタイ受難曲』のアリア「神よ、憐れみたまえ」。
本日のひがみ:団地2DKの住まいに「助け合うご近所さん」は、いない
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2003/01/10 金 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『GO』
ビデオ会話3コマ。
娘息子と年末にビデオをとっておいた『GO』を見た。男の子ビルドゥングスとしては型どおりで物足りない面もあるのだが、在日の男の子が主人公として描かれるのをみるのはたぶん初めてだから、とても面白かった。
民族学校の行進練習のシーンなどとても笑えるんだけど、北朝鮮のマスゲームは笑って見られるのに、在日民族学校がやってると、子供の前で大笑いしちゃいけないような気分になるのはなぜだろう。北朝鮮でやっていることは、客観的に中国や韓国を見るのと同じ視線で見られるのに、在日民族学校でやっていることに対しては、加害者としての罪悪感と共に見なくてはならないようなスリコミがあるからだろうか。
窪塚洋介ブレイクの映画。GTOに出てたときから「とにかく若くてきれいな子は好き!」のミーハーとしては、彼がやたらと演技派づかないで、はちゃめちゃやっていて欲しい。叶姉妹とお泊まり愛とか、バカやっていてくれ。
GTOのときは「ビッグバンになってやる池内博之」のほうが伸びると思ってた。前田愛と共演した少年少女ビルドゥングス長野田舎編もとてもよかった。しかし、その後のビューティフルライフで、キムタクの弟分で出演した美容師役も、ファーストラブでのフカキョンの恋人国語教師役もあまり良くなかった。ロックンロールミシンを見てみるか。
本日のいたみ:ボクサーアボジが息子を鍛えるところ、痛そう!
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>ちえのわ三色七味日記2013年1月(2)10年前の1月
10年前の日記コピーの続きです。
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2003/01/08 水 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『ロイヤル・テンネンバウム』
午前中Aダンス。自習。
午後、娘といっしょに行って、ハイタウンマンション4階、夫の事務所引っ越し先を見た。これまでの事務所よりは格段にレベルアップの部屋だが、家賃も大幅アップ。事務所維持ができるのかという心配もある。ま、年中無休の「父さんは倒産しそう」会社だから、倒れたらそのときのこと。
娘は「お父さんは、口で言えないけれど、お母さんが大好きなんだよ、それはわかってあげて」と父親を弁護する。娘は父をわかってあげてもいいけれど、私には夫がわからん。一度胸の中にできあがった氷山は解けない。タイタニックが衝突して、氷山を粉砕してくれる?
娘と『このすばらしき世界』『ロイヤル・テンネンバウム』を見た。
ロイヤルは、家族再生物語のひとつ。アメリカなら、よくあるかもしれない家族崩壊と再生。長男も次男も養女もそれぞれに立ち直ってよかったね、で終わる。
ロイヤルは10年前に別居して、7年音信不通だった妻にむかって「ずっと愛していた」などとぬけぬけと言う。こういうところは「言葉で表現しなければ、愛していることにはならない」国なんだろうなあと思う。
本日のうらみ:私は結婚以来、その手の言葉をきいたことがない。ぬけぬけとでもいいから、言ってごらんなさい!
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2003/01/09 木 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『このすばらしき世界』
日本事情作文2コマ。期末テスト実施。
期末テストの監督をしながら、昨日見た映画をぼうっと思い出す
『このすばらしき世界』は、岩波ホールでやっていたとき見逃した。高野悦子のめがねにかなった映画なら、見ておいてもいい、というミーハー感覚でみたが、とてもいい映画だった。戦時下のチェコの人々の生活を初めて知った。
第二次世界大戦の終末に近い、チェコの小さな町。ヨゼフ(ボレスラフ・ポリープカ)とマリエ(アンナ・シィシェコヴァー)の夫婦は子供に恵まれず、ヨゼフは寂しい毎日をおくっていた。
そんな時、ポーランドの収容所を脱走した、ダヴィドがヨゼフの家に助けを求めてあらわれた。ユダヤ人ダヴィド(チョンゴル・カッシャイ)はヨゼフの元上司の息子。ヨゼフが匿わなければ、確実に彼はナチに殺される。
秘密を抱え込んだヨゼフとマリエは、近所の目を誤魔化そうとして、ドイツ人の仕事を手伝う。しかし、マリエに横恋慕しているドイツ系チェコ人のホルスト(ヤロスラフ・ドゥシニク)がたびたび家に出入りし、隠し事をしているのではないかと疑われる。
今までのユダヤ人の虐殺を語る映画とは違う点。今までの映画はドイツ人は加害者、ユダヤ人は被害者、そして周辺諸国の人々も巻き込まれたかわいそうな人たち、として型ができていた。しかし、『このすばらしき世界』で描かれている人々は、立場が変わればみんな悪魔になってしまう弱い人間。加害側も被害側も双方の姿を含めて、戦時下の悲惨さが描かれている。
ユダヤ人収容所で、ダビィドの妹は「両親を殴り殺せ」と命じられる。「両親を殺せばおまえの命は助けよう」と。親は目で「殺していいよ」と娘に呼びかける。しかし、親を殺した後、娘が助けてもらえるという保証はない。娘は加害を命じられた被害者。殺す側と殺される側が同じ立場なのだ。
ドイツ人が力を持っている時、ドイツ人は威張り、人々はへつらったり、自分が助かる為に黙っていたり、隣人を密告したりする。ドイツ人が負けると、チェコ人は一転して、軍人だけではなく、ドイツ人の障害者、女性、子供達にまで、殴る蹴る投獄する。被害を受けた側は、自分の受けた仕打ちを繰り返す。自分が酷い目にあったことを反転させ、自分が強くなれば、弱くなった人に復讐するのだ。
ダビットの家を接収して住んでいたドイツ人将校の家族も末路は悲惨。対独協力者が一夜にして国賊として告発される側にまわる。
中国や朝鮮でも同じ事が行われたのだろうと思う。対日協力者は日本敗戦となるや、漢姦として裁かれた。
過ちをおかさない人間はいない。また、人間は、立場状況が変わると、被害者にもなり加害者になる。そんな弱い人間を、弱いままに、英雄にもなれば卑屈なへつらい人間にもなる存在として、描いていく。加害者と被害者は、表裏一体のもの。
そんな弱さをかかえた人間達が、弱い中で助け合って生きていく姿。弱い人間でも、弱いなりに助け合い励まし合い影響しあっていくものなのだ。映画の原題はチェコ語で「私たちは共に助けあわねば」
ラストシーン、ダビィドを匿っていたことが、明らかにされる。「ドイツ協力者として裁かれる」から一転して、「ドイツに抵抗した善良な市民」として讃えられ、ヨゼフ夫婦は助かる。
ヨゼフは自分では妻に与えてやれなかった「神からのさずかり子」をだいて、街を歩く。ラストに流れる音楽は、バッハの『マタイ受難曲』のアリア「神よ、憐れみたまえ」。
本日のひがみ:団地2DKの住まいに「助け合うご近所さん」は、いない
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2003/01/10 金 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>『GO』
ビデオ会話3コマ。
娘息子と年末にビデオをとっておいた『GO』を見た。男の子ビルドゥングスとしては型どおりで物足りない面もあるのだが、在日の男の子が主人公として描かれるのをみるのはたぶん初めてだから、とても面白かった。
民族学校の行進練習のシーンなどとても笑えるんだけど、北朝鮮のマスゲームは笑って見られるのに、在日民族学校がやってると、子供の前で大笑いしちゃいけないような気分になるのはなぜだろう。北朝鮮でやっていることは、客観的に中国や韓国を見るのと同じ視線で見られるのに、在日民族学校でやっていることに対しては、加害者としての罪悪感と共に見なくてはならないようなスリコミがあるからだろうか。
窪塚洋介ブレイクの映画。GTOに出てたときから「とにかく若くてきれいな子は好き!」のミーハーとしては、彼がやたらと演技派づかないで、はちゃめちゃやっていて欲しい。叶姉妹とお泊まり愛とか、バカやっていてくれ。
GTOのときは「ビッグバンになってやる池内博之」のほうが伸びると思ってた。前田愛と共演した少年少女ビルドゥングス長野田舎編もとてもよかった。しかし、その後のビューティフルライフで、キムタクの弟分で出演した美容師役も、ファーストラブでのフカキョンの恋人国語教師役もあまり良くなかった。ロックンロールミシンを見てみるか。
本日のいたみ:ボクサーアボジが息子を鍛えるところ、痛そう!
<つづく>