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ぽかぽか春庭「旧安田庭園&大江戸伝統祭」

2014-10-16 00:00:01 | エッセイ、コラム
20141016
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>小さい秋みつける散歩(4)旧安田庭園&大江戸伝統祭

 10月11日、両国のシアターカイに行き、K子さんが出演している演劇を鑑賞。
 開場時間より少し早めに両国につきました。ちょっと遠回りして、旧安田庭園を歩きました。
 旧安田庭園は、大名屋敷として本庄松平氏、岡山池田氏が所有したのち、明治半ばに安田財閥が入手。1922(大正22)年に、東京都に寄贈されました。1967(昭和42)年から墨田区立公園に。



 かっては、隣接して流れる隅田川が、満ち潮引き潮によって水位が変わることを利用した潮入り庭園でした。現在も地下水利用ながら潮入りを再現しているそうです。池には鴨が泳ぎ、石の上では亀が甲羅干ししていました。のんびりした光景です。
 庭園内、あまり秋っぽくはなかったけれど、両国公会堂の丸い姿が池に映り、その影の中を鴨が泳ぐ時間の流れ、ゆったりとしていて、演劇公演前のよいプロローグになりました。

 シアターカイのビルの前で、毎年恒例という「大江戸両国伝統祭」が開催中でした。
 開演までの時間、伝統祭を楽しみました。



 仮設舞台では薩摩琵琶が演奏されていました。太平記の一節。昔の興業では、太平記語りを上演していて客の入りが悪くなると「本日より、正成登場」というのぼりがたったそうです。女性の琵琶奏者が語っていたのも、太平記いちばんの人気演目のひとつであろう桜井の別れ。



 薩摩琵琶を聞こうという観客は中高年ばかりです。高齢者のなかでも、教科書で楠親子の桜井の別れをならったという人はもう少ないんじゃないかと思います。戦前の修身教育とか国語教育で桜井の別れを習ったというのなら、もう80歳を超えているだろうし。

 実をいうと私は太平記を全巻読み通したことなし。ところどころのストーリーは知っているし、南北朝の戦いのおおよその推移は歴史本で知っている程度。文学としては、『平家物語』は原文で読んだけれど、『太平記』は現代語訳や吉川英治の新太平記も読み通していません。

 でも、「♫青葉茂れる桜井の里のわたりの夕まぐれ~」という歌のおかげで、琵琶の語りの内容は理解できました。♫あおばしげれるさくらいの~」は、まりつき唄のひとつでした。
 戦前教育では忠臣の鑑、七生報国の英雄として扱われた楠正成ですが、今時の若者は、楠正成も桜井の別れも「誰?それ」だろうと思います。

 両国の伝統祭、工芸品やおみやげのお菓子もいろいろあったなかで、私は「ちゃんこ寺尾」の出店でちゃんこをいただきました。500円。醤油味、肉団子、白菜などのちゃんこでした。
 芸術の秋も伝統芸能の秋もいいけれど、やっぱり一番は食欲の秋です!



 両国から家に帰ると、ドンドンと大きな音。荒川の河原で花火大会が行われているのが遠くに見えました。秋の花火もいいものです。

 

<おわり>
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