秩父屋台囃子高野右吉と秩父社中
20141018
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記芸術の秋(2)民族芸能in としま
ジャズダンス仲間のTTさんに誘われて、10月18日土曜日、豊島公会堂で「民俗芸能 in としま」という公演に行ってきました。TTさんが観覧はがきを応募して、2人入れるのだけれど、いっしょに行くはずだったご主人が行けなくなったので、いっしょに行かないかと誘ってくれたのです。
池袋のとしま公会堂、老朽化したために2015年の、新豊島区役所移転に合わせて公会堂も新施設に移転。今回は、古いとしま公会堂で行われる最後の民俗芸能公演になる、ということでした。
豊島区の民俗芸能公演は、今年26回目になるそうですが、私はこれまで見たことがありませんでした。
民俗芸能というと、各地の祭り囃子や盆踊り、お神楽、農村歌舞伎農村能狂言、人形芝居などさまざまなものが思い浮かびます。
昔、演劇学を学んでいた頃、岩手の遠野に伝わる早池峰神楽を見に言ったり、木曽の山奥の花祭りを見に行くなど、民俗芸能のおっかけをした時期もありました。芸能人類学という分野をやってみたかったのです。
私が「芸能人類学」を志した1970年代に、大学でこの分野を専門に扱う学科はありませんでしたし、専門科目に「芸能人類学」という講座を持つ大学もありませんでした。もし、この分野でしっかりと自分のやりたいことを追求できていたら、、、、と思うこともあります。しかし、1979年にケニアに行って東アフリカの民族舞踊をちょこっと練習しただけで、なにも究めることもなく、ライオンシマウマなど動物を見て、「熱中時代特別編」のケニアロケのエキストラをして楽しくすごしただけで、帰国。ナイロビ到着初日に出会ったタカ氏と結婚して、、、以来、芸能人類学とは縁が切れました。
今では、出講している大学にも「芸能人類学」という科目があり、若い研究者が育っています、、、、やりたかったな、芸能人類学。
1時にとしま公会堂につきました。公会堂エントランス脇にいわき物産即売所があったので、なしを3個買いました。750円。
エントランス前で秩父屋台囃子が「開演前演奏」をしていたので、聞きながら入場列に並ぶ。並んでいるのは婆さんじいさんばかり。そりゃ、若い人は民俗芸能よりJポップやらエグザイルやら、でしょうね。
エントランス前での秩父屋台囃子演奏
「撮影許可を得た人以外、撮影禁止」というので、受付の人に「撮影許可は誰に申請するのですか」と、おたずねしたら、名前も聞かずにすぐに「撮影許可」と書かれた札をくれたので、首から提げました。
1時半開演。福島県いわき市に伝わる重要無形文化財「御宝殿熊野神社稚児田楽・風流」から始まり、地元豊島区の伝統芸能、富士元囃子寿獅子と長崎獅子舞。
いわき市稚児田楽
富士元囃子
休憩をはさんで、秩父屋台囃子。このお囃子は、秩父夜祭りの山車の下に隠れてお囃子をするそうで、太鼓を床に置き、叩き手は、床に寝そべって演奏する、というスタイルでした。社中を率いる高野右吉さんは、鍛えた腕も力強く、育てている若手とともに、力強い演奏を聴かせてくれました。
私は林英哲の和太鼓演奏も好きだし、芸大パーカッション専攻の演奏会なども聞きに行きます。打楽器の響きが好きなのです。
秩父屋台囃子、勇壮で迫力のある演奏でした。
最後は古田人形芝居。長野県箕輪町の無形文化財です。舞台準備の間、人形をどうやって操るのか、主使い(首と右手)、足使い、左手使いが、それぞれの動きを見せてくれました。3人使いの人形で、文楽と同じです。本家の文楽も、行政側が「客が入らない文楽に補助金はださない」と、文化軽視の政策を進めてきたので、この先どうなるかわかりませんが、古田の人形は、町の誇りとしてみなで保存していこうという心意気が感じられました。
三味線と太夫
演目は「生写朝顔話 宿屋の段」
恋しい人を探している盲目の琴奏者の深雪。恋人だった宮城阿曽次郎。薄幸な娘のけなげなしぐさを、人形は感情をこめて表現していました。
終演後は喫茶店でTTさんとおしゃべり。いつもコンサートや美術展にいっしょにおでかけのご夫婦なのに、今日いっしょに来られなかったというので、理由をきくと。ご主人は尺八演奏が趣味。お友達に誘われて、尺八の演奏会に出演することになったのだそうです。お友達の車が迎えに来たので、ご主人を送り出してから、としま公会堂に来たということでした。
古典だけを演奏する流派だそうで、「どの曲も全部おなじに聞こえて、眠くなっちゃうから聞いていられない」
私も「藤原道山はイケメンだから好きだけれど、古典の曲ばかりだったら、私も寝ちゃうかも」と言いました。どうも、古典曲に素養がない。
伝統芸能の稚児田楽や人形芝居も、すみません、途中うとうとしました。生写朝顔の話、第二幕大井川の段が始まって深雪さんが川の渡し場に来たな、と思ったら、次はラストシーンでした。途中の話、どういうあらすじだったのやら。すみません。
TTさんが続けている反原発の集会のことなど、いろいろお話をうかがって、10月18日土曜日も、「芸術の秋」を堪能する楽しい一日になりました。(芸術堪能&睡眠不足解消堪能)
<つづく>