20141025
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記芸術の秋(7)ウフィツィ美術館展
東京都美術館のウフィツィ美術館展。これぞウフィツィとして私たちが知っているのは、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」とか「春(プリマヴェーラ)」でしょう。
日本の中学校高校の美術の教科書に載っている、だれでも知っている名画。
サンドロ・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ff/c52f2b5c4d7fdb6c6f85a95adb135b8e.jpg)
東京都美術館展のウフィツィ美術館展には、むろん、ヴィーナスや春は展示されていません。日本の美術教科書に載っているくらいの、という意味では「これぞウフィツィ」という代表作は来ていませんけれど、今まで見たことがなかった名画に出会いました。
ボッティチェリの「パラスとケンタウロス」
テンペラで1480-1485に描かれた作品です。今回の東京都美術館でのウフィツィの目玉。
サンドロ・ボッティチェリ《パラスとケンタウロス》
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/1b/1447502981bbdd3c18e6dcdd744d3d1f.jpg)
イタリア、フィレンツェには、たくさんの美術館がありますが、メインのウフィツィ美術館のほか、「捨て子養育院美術館」からの出品もありました。
「捨て子養育院美術館」は、15世紀初頭に建てられた、建築様式の面に置いてとても重要な建築物です。絹織商ギルドが資金を調達し、病院を設立。病院で捨て子養育教育を行いました。食堂、回廊、宿舎、診療所、看護室などが備わった養育院は、たびたびの災害にあって改修が加えられてきましたが、1966年のアルノ川氾濫後の改修では、15世紀当初の姿に復元されたということです。
ここにも、サンドロ・ボッティチェリの作品が収蔵されていました。「聖母子像」です。
捨て子たちが、毎日この作品を見ることができたのかどうか、知りたいところです。院長室かなんかの奥深くに納められていて、捨て子は見ることをゆるされていなかったのかなあとか、思いながら、聖母子像を見ました。この作品でも、イエスによりそう天使のほうはなかなか美形なのに、幼子イエスは、それほどかわいくない。どうして?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/4f/5f7be2f6a58e1823daf1c586a9b09236.jpg)
最後は殺されてしまう運命を持った赤ん坊だから、あまり美形に描いちゃいけないというシバリでもあったのか、と、思うくらい、「幼子イエスがとびきりかわいい」という絵に出会ったことがない。
日本の赤ちゃん用品のCMなどでは、とびきりかわいい赤ちゃんタレントの写真が使われているので、そういうのにならされてしまったのかも知れません。
ボッテチェリのほか、メディチ家歴代の肖像画など、みどころはたくさんありました。
65歳以上の方々、次回1月19日に、東京都美術館をお出かけを。12月14日までの会期中、あと第3水曜日は11月19日だけです。
列に並ぶのは嫌いですけれど、10月15日は、列に隣り合って、千葉の中学生たちが「反活動で東京の好きなところを見学して歩く」という総合学習で来ていました。彼らを見ていて、退屈しなかったので、持参の文庫本は開かずに30分ほどの入場待ち時間をすごせました。国立博物館「清明上河図」は2時間待ちだったことを思えば、30分はあっという間。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記芸術の秋(7)ウフィツィ美術館展
東京都美術館のウフィツィ美術館展。これぞウフィツィとして私たちが知っているのは、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」とか「春(プリマヴェーラ)」でしょう。
日本の中学校高校の美術の教科書に載っている、だれでも知っている名画。
サンドロ・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/ff/c52f2b5c4d7fdb6c6f85a95adb135b8e.jpg)
東京都美術館展のウフィツィ美術館展には、むろん、ヴィーナスや春は展示されていません。日本の美術教科書に載っているくらいの、という意味では「これぞウフィツィ」という代表作は来ていませんけれど、今まで見たことがなかった名画に出会いました。
ボッティチェリの「パラスとケンタウロス」
テンペラで1480-1485に描かれた作品です。今回の東京都美術館でのウフィツィの目玉。
サンドロ・ボッティチェリ《パラスとケンタウロス》
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/1b/1447502981bbdd3c18e6dcdd744d3d1f.jpg)
イタリア、フィレンツェには、たくさんの美術館がありますが、メインのウフィツィ美術館のほか、「捨て子養育院美術館」からの出品もありました。
「捨て子養育院美術館」は、15世紀初頭に建てられた、建築様式の面に置いてとても重要な建築物です。絹織商ギルドが資金を調達し、病院を設立。病院で捨て子養育教育を行いました。食堂、回廊、宿舎、診療所、看護室などが備わった養育院は、たびたびの災害にあって改修が加えられてきましたが、1966年のアルノ川氾濫後の改修では、15世紀当初の姿に復元されたということです。
ここにも、サンドロ・ボッティチェリの作品が収蔵されていました。「聖母子像」です。
捨て子たちが、毎日この作品を見ることができたのかどうか、知りたいところです。院長室かなんかの奥深くに納められていて、捨て子は見ることをゆるされていなかったのかなあとか、思いながら、聖母子像を見ました。この作品でも、イエスによりそう天使のほうはなかなか美形なのに、幼子イエスは、それほどかわいくない。どうして?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/4f/5f7be2f6a58e1823daf1c586a9b09236.jpg)
最後は殺されてしまう運命を持った赤ん坊だから、あまり美形に描いちゃいけないというシバリでもあったのか、と、思うくらい、「幼子イエスがとびきりかわいい」という絵に出会ったことがない。
日本の赤ちゃん用品のCMなどでは、とびきりかわいい赤ちゃんタレントの写真が使われているので、そういうのにならされてしまったのかも知れません。
ボッテチェリのほか、メディチ家歴代の肖像画など、みどころはたくさんありました。
65歳以上の方々、次回1月19日に、東京都美術館をお出かけを。12月14日までの会期中、あと第3水曜日は11月19日だけです。
列に並ぶのは嫌いですけれど、10月15日は、列に隣り合って、千葉の中学生たちが「反活動で東京の好きなところを見学して歩く」という総合学習で来ていました。彼らを見ていて、退屈しなかったので、持参の文庫本は開かずに30分ほどの入場待ち時間をすごせました。国立博物館「清明上河図」は2時間待ちだったことを思えば、30分はあっという間。
<つづく>