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ぽかぽか春庭「2003年のオイコノミー」

2015-05-23 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150523
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年5月(6)2003年のオイコノミー

 2003年の三色七味日記再録を続けています。
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2003/05/13 火 晴れ
ことばの知恵の輪>オイコノミー

 ビデオ、会話3コマ。

 佐藤雅彦の『毎月新聞』に、竹中平蔵と対談をしたことについて書いてあった。平蔵によると「エコノミーとは、ギリシャ語のオイコノミー(共同体のあり方)が語源なんだって。「へーぞう!」と思った。へぇ×10。「へぇじゅう」

 経済の根本とは、共同体をどうあらしめるか、という問題に帰着するわけだ。これからふたつの考え方が出る。「経済とは、金かねカネと、金の流れをどうこうするばかりじゃ、だめである。共同体のあるべき姿を考えることが肝要」と思うか、「共同体といっても、結局は金をどう分配するかということなんだよ」と考えるか。

本日のひがみ:経済の根本はどうあれ、我が家には回ってこないカネ。天下の回りもののはずだろう


2003/05/14日 水 くもり夜雨
日常茶飯事典>ゴーストタウン・バリ

 午前中Aダンスィング。先生のバリ近況報告によると、観光客激減でバリ島はゴーストタウン状態だと。20年前は田圃の中の一本道を歩いてバリ舞踊を見て歩いたが、今は一本道沿いに続々とできてきたレストランや土産物屋が店じまいして、ゴーストタウンになっている中を通っていくのだそうだ。
 「夏にまたバリ舞踊フェスティバルを開催するから、みなさん夏休みにバリへどうぞ」という先生からのお薦めではあるが、今年は誰も行きそうにない。

 午後教授法2コマ。

本日のつらみ:ゴーストタウンでもいいから、行ってみたいよ

2003/05/15日 木 雨 
日常茶飯事典>忘れ物経済学

 日本事情、作文2コマ。

 せっかくいつもより早く家を出て、早く講師室に到着して、授業が始まる前に次週分のコピーもすませて、なるべく早く帰ろうと思ったのに、駅を出ようとしたら傘がない。電車の中に忘れてしまった。
 傘をコンビニで買って行こうと思ったのだが、駅員に一応尋ねてみる。「終点駅で車内チェックをするはずだから、ちょっと待って」と言われる。「どれくらい待つんですか」「2,3分」と言われたので、まあ、今日は早く出たのだし、時間に余裕があるからいいかと待っていた。10分くらい待つ。
 「終点駅に該当の傘があるから取りに行って」と言われる。しかも「切符は終点駅まで買ってください」
 遺失物事務所は、改札をいったん出ないと行けないように設置してある。改札口中側のドアからでも行けるはずなのに、そちらのドアは駅員専用。で、傘を受け取り、住所氏名ハンコも押して、帰りも180円の切符を買わなければならない。1000円で買った傘を受け取るために、360円と1時間半の時間を浪費。100円ショップで買った傘なら完全に赤字。

 これじゃ、だれも落とした傘なんか取りに行かないはずだ。この私鉄会社の方針では「落とし物はあきらめて、新しいのを買った方が安上がり。ものを大事にしない世の中の風潮を押し進め、消費に励みましょう」というものらしい。

本日のうらみ:これからは百円傘を持ち歩く

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20150523
 経済学について暗いのは相変わらずだが、我が家の経済は2003年に比べてさらに真っ暗。どん底景気。何しろ、時給稼ぎの賃仕事が半分なくなり、収入は三分の二がなくなってしまったのだから。ヤンゴン出稼ぎをしなければ、食べていけないところまで追い詰められて、病気が心配な老体ながら、「健康がとりえです」と叫んで赴任することにしたんです。しかしながら、そのウリセンの健康もあやしい年齢になってきた。
 体力の衰え気力の衰え、自覚できるが、衰えていないふりしながらの、相変わらずの自転車操業。いつかバッタリ倒れないという保証はないが、走り続けるほか倒れずに進む方法がない。

 こんな貧乏な家なのに、泥棒に1週間分の食料を盗まれました。
 週一回の生協の食料品配達。我が家の玄関前には、発泡スチロールの配達箱が6~8個並ぶ。牛乳は6本とどけてもらうけれど、夏場はもう4本をスーパーで買い足す。主食とおかずはほとんど生協の配達品だけでやりくりしてきました。野菜を少し買い足す程度。
 5月21日、私がミャンマー赴任の会議から帰ると娘が意気消沈していました。
 「生協の配達品を全部盗まれちゃった。警察と生協に連絡したけれど、この近所一帯にこの生協どろぼうが頻発していて、警察官がパトロール警戒中だったんだって」と。警官とのやりとり、生協係員との折衝で、半日かかり、疲れ切ってしまったというのです。

 生協が言うには、配達が済んだ段階で配達品の箱はオタクのものだから、被害届はオタクが出してくれと。そして、警官が言うには、もし、生協がこの食料品を保証するなら、おたくの被害はないということになるので、被害届けは生協が出すべきだと。
 被害届けを出して今週分の食料がないことに泣き寝入りしてすごすか、再配達の料金はとらない、という生協の措置をうけ入れるか。
 
 警官が言うには、こんな物騒な世の中なのに、玄関前に食料品の箱を放置しておくのが悪いと。確かに。しかし、私は仕事が終わるまで受け取れないのに、生協の配達員は私の仕事中に配達に来て、玄関前に置いていくだけ。これまでに盗まれたこともあったけれど、ここ10年は被害にあってこなかったので、「どろぼうさんも、こんな貧乏な家の食べ物をとったりはしないだろう」と、油断していました。警察は「鍵がかかるようにしておくべきだ」確かに、たしかに、仰せの通り。

 そもそも警官は被害届けが出せない盗難事件など、自分の成績の点数にはならないので、関わるのを面倒くさいのです。市内パトロールしたら何点、自転車どろぼう捕まえたら何点と勤務状態が点数化されるのが警察。成績がよければ、巡査も巡査長に格上げされる。

 実にめんどうそうな警官であった、と、娘は憤慨する。警察官も忙しいのでしょうね。いろいろ守らなくてはいけない人が多いし、場末の貧乏家族の食料品盗難に関わっていたくない気もわかります。結局、生協に再配達してもらうことにしました。

 10年間、盗難事件もなくて安全な団地住まいと思ってきたのに、残念無念。

<つづく>
コメント (2)
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