20151205
ミンガラ春庭ミャンマー便り>ヤンゴン暮らし11月12月(4)教員宿舎お引越し
3日木曜日の朝、宿泊していたホテルをチェックアウト。大学が予約した日にちより延泊した分の2泊分は、実費支払い、帰国後の精算、ということで、$100の支払い。朝食とベッドのB&Bとしては、妥当な値段ですが、当地の物価水準から考えれば、労働者ひとりの月給に相当します。
午前中にインターナショナルSOSというクリニックを受診しました。
若い日本人女性医師でした。ご主人の赴任に伴って当地へ来て1年。半年前からこのクリニックで仕事をしている、ということでした。
80代か70代後半と思える高齢のレントゲン技師さんが撮影現像してくれた画像は、とても不鮮明で、尾てい骨もはっきり写っていない。え、これで診断ができるのか、と思っていると、ヒトエ先生は、「ちょっとデジタル画像のほうを見て確認してきます」と、レントゲン室へ行きました。
先生の診断では、「臀部打撲による尾てい骨周辺の筋肉等損傷」ということで、骨にはヒビなどが入っていないということでした。ほっ。
どちらにせよ、自己治癒頼みで、もらった薬は、湿布かわりの塗り薬と痛み止めの内服薬ですが、少なくとも骨折よりは治りがはやいだろうと思います。
仕事を終えて、学科長先生が教員宿舎まで連れて行ってくださるというので、待っていました。6:30になっても迎えにこないので、ボスが電話をすると「やあ、やあ、忘れていた」ということでした。
当地のアポイントはこのようなことが多いので、ボスも気にしていません。当地には校務分掌という組織はなく、「外国人教員の宿舎入居」というような些末なことでも、学科長の判断処理によって行われるのです。事務員は、ほとんど事務能力を持たず、お茶くみ程度の仕事をするのみ。
たとえば、事務室のエアコンが壊れたので、修理してほしい、というようなことでも、大学内に施設管理部署はないので、これも学科長に訴える。学科長がたまたま時間があって、思い出してくれると、顔を見た教員に伝える。教員がそれを忘れていない場合に業者に連絡してくれる、という手続きになる。どこかで話が行き違うと、エアコンは永遠に壊れたまま。
ボスの話では、これは、大学だけでなく、どこの官庁も同じで、かっての軍事政権が独裁体制を作るために、イギリス植民地政府が築いてきた官僚制度をすべてぶちこわして、一部の軍人だけが権力を掌握する、という国のしくみにしてしまったことの後遺症だそうです。
今後、この体制がかわっていくのかどうか。
学科長先生の車に乗せていただき、渋滞の道路3kmを30分以上かかって教員宿舎に着きました。着いたら、管理人がいないので、鍵がないという。管理人に電話をして来てもらうまでさらに15分ほど待つ。大学を出る前に管理人に電話をして、宿舎で待機するように、という連絡はしないのです。到着してから、電話する。みな、待つことには慣れている。まあ、これが当地のやり方です。
まずは、清掃。冷蔵庫も衣料ケースもカビていました。掃除をして退去したのですが、やはり雨期の終わりの時期に部屋を閉めたので、部屋がかび臭い。
とりあえずの拭き掃除をしました。適当にしておいてであとは週末に、と思ったら、エアコンから水が落ちてくる。ふぅ、何から何まで、たいへんだ、と、拭き掃除をしていると、突然停電。毎日停電は何回かあるのですが、こんなときに、と、思います。
幸い今回の停電は、手探りで懐中電灯を探している間に復旧しました。
こうして宿舎の引っこしも済み、定住生活開始です。
12月4日(金)
日本から来ているビルマ語学習のふたりの女子留学生をボスが招いて、大学近くのハッピーカフェでランチ。ボスは若い学生にミャンマーについて講義をするのが大好きなので、12時から始まったランチ講義は3時までつづきました。ビルマ学50年の大家の講義、ビルマど素人の私にも参考になりました。
先生は、「専門家になれ、専門屋になるな」と、女子学生二人を啓蒙していました。専門家とは、専門について習得したことが世界へ寄与するような目を見開いた人で、専門屋とは、専門については詳しいけれど、いわゆる専門バカのことらしい。
帰宅時。タクシーに乗ると、座るときはいいけれど、立って外に出るときがつらいので、バスで帰ることにしました。かなり重たいリュックしょって満員混雑のバスに立っているのもきついけれど、この際、立つことを選択。タクシーは宿舎まで2000チャット200円。バスとサイカーだと200チャットプラス300チャット50円。タクシーより150円分の節約になります。
バスに乗ってから気づいた。降りるべきバス停の名前を忘れてしまった。なんだっけなあ。とにかく、英国インターナショナルスクールを過ぎたら降りるのだから、外の景色をじっと見つめていれば、大丈夫。
節約したお金1500チャットで、炭火焼きの魚を買って帰りました。いつもは2000チャット200円の魚は「高い!と感じてしまうくらい、ミャンマー物価感覚になっているのだけれど。 女子留学生にも、彼女らが得ている日本の奨学金7万円は、当地の労働者の平均月収をはるかに超えているので、女子寮の学生達の生活水準に合わせるようにと伝えました。ふたりとも、意欲的で利発そうな女性で、きっと10ヶ月の留学生活でよい経験をすると思います。
私も、今回の経験、よいものになるよう、気をつけてすごしたいと思います。1,階段から転げ落ちぬよう。2,交通事故に遭わぬよう。3犬にかまれぬよう。4,食べ過ぎぬよう、、、、(4)につき、、、守れるといいな、、、、
<おわり>
ミンガラ春庭ミャンマー便り>ヤンゴン暮らし11月12月(4)教員宿舎お引越し
3日木曜日の朝、宿泊していたホテルをチェックアウト。大学が予約した日にちより延泊した分の2泊分は、実費支払い、帰国後の精算、ということで、$100の支払い。朝食とベッドのB&Bとしては、妥当な値段ですが、当地の物価水準から考えれば、労働者ひとりの月給に相当します。
午前中にインターナショナルSOSというクリニックを受診しました。
若い日本人女性医師でした。ご主人の赴任に伴って当地へ来て1年。半年前からこのクリニックで仕事をしている、ということでした。
80代か70代後半と思える高齢のレントゲン技師さんが撮影現像してくれた画像は、とても不鮮明で、尾てい骨もはっきり写っていない。え、これで診断ができるのか、と思っていると、ヒトエ先生は、「ちょっとデジタル画像のほうを見て確認してきます」と、レントゲン室へ行きました。
先生の診断では、「臀部打撲による尾てい骨周辺の筋肉等損傷」ということで、骨にはヒビなどが入っていないということでした。ほっ。
どちらにせよ、自己治癒頼みで、もらった薬は、湿布かわりの塗り薬と痛み止めの内服薬ですが、少なくとも骨折よりは治りがはやいだろうと思います。
仕事を終えて、学科長先生が教員宿舎まで連れて行ってくださるというので、待っていました。6:30になっても迎えにこないので、ボスが電話をすると「やあ、やあ、忘れていた」ということでした。
当地のアポイントはこのようなことが多いので、ボスも気にしていません。当地には校務分掌という組織はなく、「外国人教員の宿舎入居」というような些末なことでも、学科長の判断処理によって行われるのです。事務員は、ほとんど事務能力を持たず、お茶くみ程度の仕事をするのみ。
たとえば、事務室のエアコンが壊れたので、修理してほしい、というようなことでも、大学内に施設管理部署はないので、これも学科長に訴える。学科長がたまたま時間があって、思い出してくれると、顔を見た教員に伝える。教員がそれを忘れていない場合に業者に連絡してくれる、という手続きになる。どこかで話が行き違うと、エアコンは永遠に壊れたまま。
ボスの話では、これは、大学だけでなく、どこの官庁も同じで、かっての軍事政権が独裁体制を作るために、イギリス植民地政府が築いてきた官僚制度をすべてぶちこわして、一部の軍人だけが権力を掌握する、という国のしくみにしてしまったことの後遺症だそうです。
今後、この体制がかわっていくのかどうか。
学科長先生の車に乗せていただき、渋滞の道路3kmを30分以上かかって教員宿舎に着きました。着いたら、管理人がいないので、鍵がないという。管理人に電話をして来てもらうまでさらに15分ほど待つ。大学を出る前に管理人に電話をして、宿舎で待機するように、という連絡はしないのです。到着してから、電話する。みな、待つことには慣れている。まあ、これが当地のやり方です。
まずは、清掃。冷蔵庫も衣料ケースもカビていました。掃除をして退去したのですが、やはり雨期の終わりの時期に部屋を閉めたので、部屋がかび臭い。
とりあえずの拭き掃除をしました。適当にしておいてであとは週末に、と思ったら、エアコンから水が落ちてくる。ふぅ、何から何まで、たいへんだ、と、拭き掃除をしていると、突然停電。毎日停電は何回かあるのですが、こんなときに、と、思います。
幸い今回の停電は、手探りで懐中電灯を探している間に復旧しました。
こうして宿舎の引っこしも済み、定住生活開始です。
12月4日(金)
日本から来ているビルマ語学習のふたりの女子留学生をボスが招いて、大学近くのハッピーカフェでランチ。ボスは若い学生にミャンマーについて講義をするのが大好きなので、12時から始まったランチ講義は3時までつづきました。ビルマ学50年の大家の講義、ビルマど素人の私にも参考になりました。
先生は、「専門家になれ、専門屋になるな」と、女子学生二人を啓蒙していました。専門家とは、専門について習得したことが世界へ寄与するような目を見開いた人で、専門屋とは、専門については詳しいけれど、いわゆる専門バカのことらしい。
帰宅時。タクシーに乗ると、座るときはいいけれど、立って外に出るときがつらいので、バスで帰ることにしました。かなり重たいリュックしょって満員混雑のバスに立っているのもきついけれど、この際、立つことを選択。タクシーは宿舎まで2000チャット200円。バスとサイカーだと200チャットプラス300チャット50円。タクシーより150円分の節約になります。
バスに乗ってから気づいた。降りるべきバス停の名前を忘れてしまった。なんだっけなあ。とにかく、英国インターナショナルスクールを過ぎたら降りるのだから、外の景色をじっと見つめていれば、大丈夫。
節約したお金1500チャットで、炭火焼きの魚を買って帰りました。いつもは2000チャット200円の魚は「高い!と感じてしまうくらい、ミャンマー物価感覚になっているのだけれど。 女子留学生にも、彼女らが得ている日本の奨学金7万円は、当地の労働者の平均月収をはるかに超えているので、女子寮の学生達の生活水準に合わせるようにと伝えました。ふたりとも、意欲的で利発そうな女性で、きっと10ヶ月の留学生活でよい経験をすると思います。
私も、今回の経験、よいものになるよう、気をつけてすごしたいと思います。1,階段から転げ落ちぬよう。2,交通事故に遭わぬよう。3犬にかまれぬよう。4,食べ過ぎぬよう、、、、(4)につき、、、守れるといいな、、、、
<おわり>