20160102
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>サルの文化史(1)サル年
当地、12月31日も1月1日も、フツーに平日。しっかり働きました。
当地では、新年めでたいのは4月。水掛け祭りを盛大に祝います。1月1日は、きのうの続きの平日で、少しもめでたくないっ!ゆえに春庭からのご祝詞はひかえさせていただきますが、日本にてつつがなく2016年をお迎えの皆みな様方、2016年がよい年になりますよう、30度のヤンゴンよりお祈り申しあげます。
2015年の初頭に「羊の文化史」として、古代群馬の「羊太夫」のことなど述べました。
2016年は申年ですから、サルのお話。(今回のサルシリーズ画像は、2011~2015に上野動物園多磨動物園などで春庭が撮ったお猿さんたちです)
「なんだか、アタシって、孤独を愛するみたいなの」

そもそも十二支とは、もともと動物を表していたわけではありません。古代中国において人間の生活にもっとも関わりが深かった12の動物を十二支の漢字にあてはめたわけで、家畜として有用な牛兔馬羊鶏犬猪(豚)のほか、ライオンがいない中国で最強の肉食獣であった虎、穀物備蓄と関わりが強い鼠、農耕の水と信仰に関わる蛇と龍までで十一支。エジプトで家畜化したというネコがいつごろ中国に入ったのかは、論争が続いていますが、十二支の動物がきめられたころにはいなかったことは確か。
さて、今年の猿が十二支に加わったのは、古代中国において何が決めてであったのでしょうか。
現代中国は、四つ足のものは机と椅子以外、空飛ぶものは飛行機以外、海行くものは潜水艦以外なんでも食べる、と言われています。
猿も、清朝時代の満漢全席では猿脳が「精力剤」として皇帝の子宝多かれと食べられたと言われていました。現代でもサーズ騒ぎのときに、ウィルスを運ぶ恐れのある動物として、ハクビシンとサルの売買が禁止されたことがありました。そのニュースを見て、今も中国でハクビシンを食べる食文化があると聞いていたけれど、サルも?と思いました。
「猿は人間に近い動物である」とは、どの文化でも共通した認識です。そして、人間に近い猿を人の生活に近づけることは、人間社会の安定のためにたいへん危険なことであることが、多くの社会で知られてきました。ヒトに近いサルは、ヒトに感染するウィルスを運ぶことがあるからです。
もともとはサルの間で感染するウィルスであったエイズが人間に蔓延してしまったのは、アフリカのある地域でサル肉を食べる習慣があったために、サルのウィルスがヒトにも移ったからだ、という説があります。真偽のほどは研究が進んでいくうち確かめられるのでしょうけれど、なにやら信じたくなるような。
「アタシたちって、仲良しだわよね」「そうだっけ、、、」

犬や牛馬と異なり、サルが人間にとって有用な家畜として身近にならなかったのは、知能の高すぎるサルは人の馴致に従わず、家畜化しにくかった、という理由と、生物的にヒトに近すぎるために危険であった、という理由とがあると思われます。
むろん、猿回し芸のサルや、現代福祉で使われ始めている「介助猿」もいます。四肢の不自由な方の生活を助ける仕事をする訓練を受けた猿は、主にオマキ猿だとか。
一番知能が高いチンパンジーやボノボは、力が強すぎて身体の不自由な方との共同生活には向かないそうです。
犬もそうですが、動物は、自分以上に力を持つ人をボスと思い、ボスの言うことには従う。自分より力が弱いとみると、自分のほうが上に立とうとする。サルが家畜とはならなかった理由のひとつ「人の命令に従う」という従順さにおいて、不向きな動物であったからといえます。
サルのほうが人間より力が強いということを理解している点で、サルは、家畜化に不向きだったのでしょう。
お山の大将、オレひとり、と、下にいる猿を見下ろす

インドネシアやタイなどでサルに椰子の実を取らせるところがあるそうですが、どうやら「家畜としての労働」ではなく、観光用みたいです。猿回し芸のように、特別な調教能力を持った親方が、特別な訓練をしないと、言うことをきくようにならないなら家畜というわけにはいきません。
馬にも調教は必要ですが、家畜として使用できるってことは、一般の農家であっても調教はできた、ということ。牛も特別な調教師が訓練をしなくても、農耕につかうことができます。 オマキザルを介護サルに調教しているのは、どういう訓練方法によるのでしょうか。
でも、これからは、特別な調教が必要なサルよりも、プログラム次第でヒトを助けるようになるロボットの時代なのでしょうね。
現在は一体が数百万円くらいするらしいロボットですが、私が介護を受ける頃には、私にも買える値段になるでしょうか。、、、おっと、私の年金では無理そうです。
自分でサルを調教しようかしら。あらら、私には調教の能力もないのでしたっけ。「夫」調教に見事失敗した実績が、、、、、。我が夫は、家事育児いっさいしない、できないままとっくに還暦もすぎ、今や粗大ゴミ道まっしぐら。
誰です、「イマドキのイクメン」を育てて「家畜化に成功」とか言うのは、、、、調教のうまい女子うらやまし。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>サルの文化史(1)サル年
当地、12月31日も1月1日も、フツーに平日。しっかり働きました。
当地では、新年めでたいのは4月。水掛け祭りを盛大に祝います。1月1日は、きのうの続きの平日で、少しもめでたくないっ!ゆえに春庭からのご祝詞はひかえさせていただきますが、日本にてつつがなく2016年をお迎えの皆みな様方、2016年がよい年になりますよう、30度のヤンゴンよりお祈り申しあげます。
2015年の初頭に「羊の文化史」として、古代群馬の「羊太夫」のことなど述べました。
2016年は申年ですから、サルのお話。(今回のサルシリーズ画像は、2011~2015に上野動物園多磨動物園などで春庭が撮ったお猿さんたちです)
「なんだか、アタシって、孤独を愛するみたいなの」

そもそも十二支とは、もともと動物を表していたわけではありません。古代中国において人間の生活にもっとも関わりが深かった12の動物を十二支の漢字にあてはめたわけで、家畜として有用な牛兔馬羊鶏犬猪(豚)のほか、ライオンがいない中国で最強の肉食獣であった虎、穀物備蓄と関わりが強い鼠、農耕の水と信仰に関わる蛇と龍までで十一支。エジプトで家畜化したというネコがいつごろ中国に入ったのかは、論争が続いていますが、十二支の動物がきめられたころにはいなかったことは確か。
さて、今年の猿が十二支に加わったのは、古代中国において何が決めてであったのでしょうか。
現代中国は、四つ足のものは机と椅子以外、空飛ぶものは飛行機以外、海行くものは潜水艦以外なんでも食べる、と言われています。
猿も、清朝時代の満漢全席では猿脳が「精力剤」として皇帝の子宝多かれと食べられたと言われていました。現代でもサーズ騒ぎのときに、ウィルスを運ぶ恐れのある動物として、ハクビシンとサルの売買が禁止されたことがありました。そのニュースを見て、今も中国でハクビシンを食べる食文化があると聞いていたけれど、サルも?と思いました。
「猿は人間に近い動物である」とは、どの文化でも共通した認識です。そして、人間に近い猿を人の生活に近づけることは、人間社会の安定のためにたいへん危険なことであることが、多くの社会で知られてきました。ヒトに近いサルは、ヒトに感染するウィルスを運ぶことがあるからです。
もともとはサルの間で感染するウィルスであったエイズが人間に蔓延してしまったのは、アフリカのある地域でサル肉を食べる習慣があったために、サルのウィルスがヒトにも移ったからだ、という説があります。真偽のほどは研究が進んでいくうち確かめられるのでしょうけれど、なにやら信じたくなるような。
「アタシたちって、仲良しだわよね」「そうだっけ、、、」

犬や牛馬と異なり、サルが人間にとって有用な家畜として身近にならなかったのは、知能の高すぎるサルは人の馴致に従わず、家畜化しにくかった、という理由と、生物的にヒトに近すぎるために危険であった、という理由とがあると思われます。
むろん、猿回し芸のサルや、現代福祉で使われ始めている「介助猿」もいます。四肢の不自由な方の生活を助ける仕事をする訓練を受けた猿は、主にオマキ猿だとか。
一番知能が高いチンパンジーやボノボは、力が強すぎて身体の不自由な方との共同生活には向かないそうです。
犬もそうですが、動物は、自分以上に力を持つ人をボスと思い、ボスの言うことには従う。自分より力が弱いとみると、自分のほうが上に立とうとする。サルが家畜とはならなかった理由のひとつ「人の命令に従う」という従順さにおいて、不向きな動物であったからといえます。
サルのほうが人間より力が強いということを理解している点で、サルは、家畜化に不向きだったのでしょう。
お山の大将、オレひとり、と、下にいる猿を見下ろす

インドネシアやタイなどでサルに椰子の実を取らせるところがあるそうですが、どうやら「家畜としての労働」ではなく、観光用みたいです。猿回し芸のように、特別な調教能力を持った親方が、特別な訓練をしないと、言うことをきくようにならないなら家畜というわけにはいきません。
馬にも調教は必要ですが、家畜として使用できるってことは、一般の農家であっても調教はできた、ということ。牛も特別な調教師が訓練をしなくても、農耕につかうことができます。 オマキザルを介護サルに調教しているのは、どういう訓練方法によるのでしょうか。
でも、これからは、特別な調教が必要なサルよりも、プログラム次第でヒトを助けるようになるロボットの時代なのでしょうね。
現在は一体が数百万円くらいするらしいロボットですが、私が介護を受ける頃には、私にも買える値段になるでしょうか。、、、おっと、私の年金では無理そうです。
自分でサルを調教しようかしら。あらら、私には調教の能力もないのでしたっけ。「夫」調教に見事失敗した実績が、、、、、。我が夫は、家事育児いっさいしない、できないままとっくに還暦もすぎ、今や粗大ゴミ道まっしぐら。
誰です、「イマドキのイクメン」を育てて「家畜化に成功」とか言うのは、、、、調教のうまい女子うらやまし。
<つづく>