
20160113
ぽかぽか春庭@アート散歩>2015秋のアート散歩(4)モネ展
11月18日水曜日。東京都美術館でモネ展を見ました。
最初、東京都美術館内、モネ展一巡。ワイワイと押しかけてきているバーサンジーサンの頭越しに、どんな絵があるのかを、確認する。
第3水曜日、65歳以上は無料鑑賞できる日なのです。無料だから、お暇なバーサンはグループで連れ立って、おひまなジーサンはおつれあいに担ぎ出されて見にきています。
もうちょっとすいてからにしようかと、西洋美術館新館へ。西洋美術館の常設展は、65歳以上いつでも無料なのです。
常設展の一部屋はモネの部屋。モネが十数点並んでいます。いつでも見られるのだけれど、いつでも空いています。モネが好きでゆっくり見たいなら、こちらにくるべきなのですが、東京都美術館に押しかけている善男善女は、別段モネが好きで美術館に押しかけているわけじゃない。テレビで話題にしているから見に来たのです。第3水曜日、タダだし。
モネが好きなら、西洋美術館でゆっくり鑑賞できますよ、なんて教えても、見向きもされない。テレビでやっていないから。
西洋美術館モネの部屋では、数点の特別委託作品は写真をとれませんが、西洋美術館所蔵品は写真を撮るのも自由です。
以下は、西洋美術館、「モネの部屋」の作品。
「雪のアルジャントゥイユ 」1975

「しゃくやくの花園」1887

「セーヌ河の朝」1898

「ヴェトゥイユ」1902

「睡蓮」1916

原田マハの『ジヴェルニーの食卓」を読んだあと、じっくりモネの睡蓮や黄色いアイリスと向かい合っていると、モネがいっそう身近な画家に思えます。
モネが浮世絵その他日本の絵画の影響を受けているからでしょうが、私たち日本人にとっては、モネの感性、自然を見つめる目がとてもすんなり受け止められ、心に響いてきます。
さて、東京都美術館も少しは空いてきたかな、と、もう一度入館しました。年齢証明証があれば、何度でもただ。(「再入場はお断りします」という札がでていますが)
1度目よりはよほど空いていました。雨の水曜日。どうしてこんなに人が集まるのか、というくらいにギューギューに折り重なっていた人の列も、二重の人垣くらいになっていましたから、さきほど当たりをつけておいた「ゆっくり見たい絵」の前にいき、人が少ないときを選んで前に立ちます。順番に見るのではなく「人が少ない順」に回るので、何度も行ったり来たりして、地階、1階、2階をあがったり下がったりしながら、好みの作品と向かい合いました。
マルモッタン美術館より貸与のモネ。写真撮影は禁止ですので、以下は借り物画像です。モネが売りに出さず最後までジェヴェルニーの自宅に残して置いた作品は、次男ミッシェルが相続し、マルモッタン美術館がそれを受け継ぎました。
「幼いミシェル・モネの肖像」 1878-79

「雪の効果、日没」1875

「オランダのチューリップ畑」1886

「ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅」1877

今回の展示で特に良かったのは、最晩年の作品群です。
ジヴェルニーの庭を描いた作品が並んでいました。写実から抽象に向かっているかのようなモネ。バラも、池にかかる太鼓橋(日本の橋)も、柳も、目を患ったためとは思いますが、ひとつの具象をなすのではなく、色彩の乱舞として絵になっています。


残念だったのは、期間限定展示の「印象日の出」が、私が見に行った日にはすでになかったこと。でも、最晩年のモネをたくさん見ることができて、眼福の至りでした。
眼福もらって、おなかもいっそう福々しい鑑賞者

着ているのは、胸に金色に輝くかぼちゃのTシャツ。草間彌生の「かぼちゃ」がユニクロとのコラボ製品になりました。
たったひとり、上野公園のスタバの女性店員さんが「あっ、それ草間先生のですね」と気づいてくれました。草間ファンに会えてよかった。モネ展なのに。
<つづく>