『週刊金曜日』3月28日号が届いた。知らなかったこと、考えなければならないことが、ここにたくさんある。知らなかったことを知り、考えるべきことを見つけることができたなら、その後は、何らかの行動にでていかなければならない。
しかし少しの市民運動に関わっているだけのわたしには、それができないでいる。
『週刊金曜日』の「金曜ジャーナリズム塾」の講師は、綿井健陽さん。「報道が弱ると社会は荒れる」と綿井さんは語る。新聞購読者が減るなかで、地方の支局などに配置される記者が減っている。これは由々しき事態である。わたしは新聞やテレビを批判してきたが、それはあるべきジャーナリズム精神を発揮して欲しいという願いからであった。だから、記者がいなくなるということは、世の中にある不正を報じるものがなくなるということで、まさにその結果として「社会は荒れる」。
決してSNSなどは、新聞やテレビの代替にはなり得ない。なかには良識を持たないメディアもあるが、全体としては、良識をもって動いている。しかしSNSは、綿井さんも言うように、「混乱に拍車をかけている」。SNSは個人の勝手な、根拠もない情報を自由に流すことが出来る、ということは、デマや虚偽など排除されなければならない情報がネット空間に飛び交うということである。兵庫県知事選など、そうした情報にのせられる人が多いのだということを、わたしたちは知らされた。
綿井さんは、映画監督・是枝裕和さんの「創造は組織する」ということばを紹介している。「創造という行為が中心にあって、人が集まってくる」という意味だという。よいことばだと思う。
創造する、という行為を、わたし自身あまりやっていないことに気付いた。
本を読んでいると、なるほどと思うことばにぶち当たる。自分自身を日々更新していかないと、干からびたどうしようもない存在へと化していく。