内田はたくさんの本を書いていて、多くの人に読まれている。ボクも何冊か読んでいる。しかし致命的なことは、読んでいるときにはなるほどなるほどと思いながら読んでいくのだが、読み終えた後にあまり記憶に残らないのだ。もちろんボクが年齢を重ねて記憶力を失いつつあるということもあるのだろうが、しかし他の本は少しは記憶に残るのだから、ボクだけのせいではない。
内田は学者ではあるが、何ごとかを緻密に研究し、思考し、叙述するということをしているのではない。専門はフランス現代思想だそうだが、彼の本を読んでいるとそうした思想家の断片が記されてはいるが、その思想家のジャングルに分け入ってあれこれ論ずるというものではない。したがって、あんがい思いついたことを書き連ねていて、それぞれが緻密に展開されているわけではないので、それで記憶に残らないのだろう。
しかし、その思いつきは独創的で面白い。今回は忘れないように筆記していった。というのも、この本は図書館から借りたもの。いつものように書き込みをするわけにはいかないので、面白い箇所を書き写した。
42ページには、こういう記述がある。
「戦争に負ける」こと、「戦勝国に従属する」ことを無媒介的に接合したことによって、「なぜ戦争に負けたのか」「戦争で何を失ったのか」という問いを組織的に回避した。
また「日本の戦後の対米戦略は「対米従属を通じての対米自立」」は、その通りで、そのたとえがよかった。つまりある店の丁稚がひたすら主人のために尽くす、一生懸命尽くせばいずれはのれん分けをして、自立できるのではと、ひたすら主人に忠誠を誓う。ナルホドと思った。しかしアメリカはのれん分けなんかはしない。なぜか、国家だからで、もっとも国益に敏感な国家だからだ。日本に尽くしてもらったほうが、国益にかなうからぜったいに自立させないだろう。
その他にも、ふむふむと思うようなところがたくさんあった。図書館で借りて読んでみればいい。この本、ボクの後に20人がついている。
読んで損はない。
内田は学者ではあるが、何ごとかを緻密に研究し、思考し、叙述するということをしているのではない。専門はフランス現代思想だそうだが、彼の本を読んでいるとそうした思想家の断片が記されてはいるが、その思想家のジャングルに分け入ってあれこれ論ずるというものではない。したがって、あんがい思いついたことを書き連ねていて、それぞれが緻密に展開されているわけではないので、それで記憶に残らないのだろう。
しかし、その思いつきは独創的で面白い。今回は忘れないように筆記していった。というのも、この本は図書館から借りたもの。いつものように書き込みをするわけにはいかないので、面白い箇所を書き写した。
42ページには、こういう記述がある。
「戦争に負ける」こと、「戦勝国に従属する」ことを無媒介的に接合したことによって、「なぜ戦争に負けたのか」「戦争で何を失ったのか」という問いを組織的に回避した。
また「日本の戦後の対米戦略は「対米従属を通じての対米自立」」は、その通りで、そのたとえがよかった。つまりある店の丁稚がひたすら主人のために尽くす、一生懸命尽くせばいずれはのれん分けをして、自立できるのではと、ひたすら主人に忠誠を誓う。ナルホドと思った。しかしアメリカはのれん分けなんかはしない。なぜか、国家だからで、もっとも国益に敏感な国家だからだ。日本に尽くしてもらったほうが、国益にかなうからぜったいに自立させないだろう。
その他にも、ふむふむと思うようなところがたくさんあった。図書館で借りて読んでみればいい。この本、ボクの後に20人がついている。
読んで損はない。