浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

戊辰戦争

2017-05-31 20:08:58 | その他
 『日本歴史』800号を、図書館から借りた。原口清氏の「遠山茂樹さんを偲ぶ」という文を確認するためであった。遠山先生のお話は何度か聞いたことがある。そのなかで、歴史を学ぶものは、常に現代的課題を意識して研究しなければならない、ということばを私はしっかりと覚えている。原口先生も、「遠山史学の意義」の第一に、こう記している。

 歴史学者は自分が生きている現代が提起する諸課題に基づいて自己の課題を設定して過去の史実を分析し、その考察の成果を生かして現代に発言するという、歴史研究と現実の世界との相互作用によって専門研究者とその説を聞く国民との両者の接触・相互刺戟と相互向上を期待するものであった。


 またそこには、永原慶二さんを追悼する文もあった。永原先生は、学者然とした、きわめて温厚な方だった。永原先生とは、一緒に仕事をさせていただいたことがある。

 ついでに『日本歴史』2016年9月号を借りた。「座談会 戊辰戦争研究の現状と課題」を読みたくて借りたのだが、そこでの宮地正人氏の博学と問題意識の鮮明さに、さすがと思った。戊辰戦争時には、藤木久志氏が研究していた戦国時代の村の様相が復活していたという。戊辰戦争は、原口先生のそれが有名であるが、戊辰戦争研究がかくも進展していることに驚いた。勉強しなければならないと思った。
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私は飲まないから関係ないが・・・

2017-05-31 16:33:09 | その他
 安倍政権は、政治献金をしてくれる業界団体のためには、おいしい政策を展開する。

 明日から、安い酒が買えなくなる。

http://buzzap.jp/news/20170531-liqueur-price-up/
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小林よしのりの指摘は正しい

2017-05-31 16:30:53 | その他

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170530-00010002-flash-peo&pos=3
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そうかもしれない

2017-05-31 16:23:10 | その他
 『日本中枢の狂謀』(講談社)をかいた古賀茂明氏のインタビュー。そのなかにこの一節が。


 安倍さんの政治哲学とは、嚙み砕いて言えば、国民は「すごく怒っていても、時間が経てば忘れる」「ほかのテーマを与えれば気がそれる」「嘘でも断定口調で叫び続ければ信じてしまう」、つまり「国民は馬鹿である」ということです。

 要するに、バカにバカにされているということです、日本国民が・・・。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170530-00531718-bookbang-soci
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「戦後」の否定

2017-05-31 07:23:05 | その他
 安倍政権は、憲法を変えないままに、明確に「戦後」を否定する政策を実行している。

 「戦後」とは、自由や権利が保障され、格差が是正され、戦争をしない状態のことだ。しかし、アベノミクスは格差を拡大し、戦争法はアメリカの戦争にまさに軍隊として参戦できるようにし、さらに「共謀罪」を成立させることによって、戦前の治安国家を再現しようとしている。
 
 今まさに、「戦後」は、葬り去られようとしているのだ。

 日本国民の中には、そうした「戦後」の崩壊を喜んで見ている者や、他人事としている者が多いようだ。そうした「戦後」の否定をもういちど復活させるためには、莫大なエネルギーが必要となる。

 そうしたエネルギーを日本人はもっているか、NO!だと私は見ている。なぜなら、「戦前」を否定するために、よき時代のアメリカの占領が必要であった、つまり自力ではできなかったからだ。

 私たちは今後、絶望の中を生きることになるのだろう。

http://buzzap.jp/news/20170530-conspirasy-normal-people/
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厚顔無恥

2017-05-31 07:18:18 | その他
 安倍政権は、事実を認めず、ウソを平気でつき、ねつ造する。まさに日本は、安倍政権によってPOST TRUTH の国に成り下がった。情けない!

http://buzzap.jp/news/20170530-un-suga-conspiracy3/

 
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人権感覚のない人々による政治

2017-05-31 07:08:02 | その他
 この記事を読んで、安倍政権の取り巻きやそれを支持している者たちに愛想が尽きた。

http://lite-ra.com/2017/05/post-3206.html
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「共謀罪」は、戦前の警察国家を再現する

2017-05-30 21:09:27 | その他
 「共謀罪」を知れば知るほど、戦前の警察国家を復活させようという意図の下につくられてきた、といってもよい。「活躍」の場がなくなっていた警察の警備課は大喜びだろう。

 政府に異議を唱える者は、すべて取り締まれ!、という法案だ。

http://buzzap.jp/news/20170530-conspirasy-normal-people/
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愛媛県も、今治市も、安倍政権と同じ

2017-05-30 21:02:26 | その他
 『愛媛新聞』のコラム、「地軸」。県も市もどうしようもないが、メディアは健全のようだ。

なかったことに

2017年5月30日(火)(愛媛新聞)

 太平洋戦争が日本の負け戦となる分岐点となった、75年前のミッドウェー海戦。事前の図上演習で大敗との結果が出たが、ルールを変えて勝利を導き出した。最初の演習は「なかったこと」にしたわけだ▲

 安倍政権も旧日本海軍と同様「なかったこと」にしたいようだ。今治市への獣医学部新設を巡る「総理のご意向」などと記された文書▲

 真偽が注目される中、前文部科学事務次官が断言した。「あったものをなかったことにはできない」。疑わしい点が出てくれば、確認するのが筋だが、政権はこの発言を受けた調査を拒否。逆に疑問が募る▲

 愛媛県や今治市も国と同じ姿勢かと思わせたのが、調査で来県した民進党国会議員への対応だ。担当者が不在などとして、当日はゼロ回答。「調べられたらまずいのか」と要らぬ疑いをかけられかねない▲

 報道の際に欠かせないのが、いわゆる「裏取り」。次官経験者の発言があれば十分、裏を取ったといえるが、政権は信憑性(しんぴょうせい)を認めなかった。一方、前次官を中傷する報道は即座に「事実」と採用。真偽を判断する基準は、自分たちの都合の善しあしのよう▲

 後に虚偽発表の代名詞となる大本営発表は、損害を過小報告したミッドウェーが最初のうそ。当初は信じられていた軍部の発表だが、国民は徐々に疑うようになった。今の政権が文書問題で否定を貫いても、根拠がなければ、国民は「なかったこと」と納得してはくれまい。
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今日も『信濃毎日新聞』

2017-05-30 20:59:14 | その他
 他人事にしない、とても大切なことばだ。



斜面

岩盤が侵食されるように人権が削り取られている。海外からそう見えるのだろう。沖縄の山城博治さんが長期拘束されていたことを巡り国連の特別報告者4人が緊急アピールを出した。米軍基地の反対運動の先頭に立っていた人である

   ◆

昨秋、有刺鉄線を切ったなどの微罪で逮捕され5カ月も拘束、家族の面会さえ許されなかった。これらの人権侵害とともに表現や集会の自由を萎縮させる影響にも強い懸念を表明した。日本政府の回答は「主張は完全に間違っている」とけんもほろろだ

   ◆

ミルトン・マイヤー著「彼らは自由だと思っていた」はナチス時代の人々の内面を記録した。ある言語学者は告白する。ファシズムへの変化は気付かなかった。たとえ違和感を抱いて同僚に話しても「そんなにひどくはない」「人騒がせ」といわれ孤立するから「待つ」しかなかった

   ◆

日常は大きな変化もなく過ぎたが、言語学者はある日、幼い息子の言葉にがくぜんとする。「ユダヤ人のブタ野郎」。すべてが変わっていたことを知った。ドイツ人がなぜナチスに染まったのか。抵抗したマルチン・ニーメラ牧師の知られた言葉がある

   ◆

彼らが共産主義を攻撃した時、私は不安を感じつつ共産主義者ではないので何もしなかった。学校、新聞と対象を広げた時もそうだ。教会が攻撃され行動した。しかし、遅すぎた―。岩盤がもろい人権を守るため権力を抑える憲法ができた。ひとごとにしない。これもファシズムの教訓だ。

(5月30日)
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安倍政権の政治の私物化

2017-05-30 15:15:35 | その他
 安倍政権ほど正義や公正とかけ離れている政権はない。みずからを支持する者には、国有財産をタダ同然で分け与えるばかりでなく、犯罪を犯した者までも逮捕させず、政治献金を出せばその業界の利益を守ってあげる。

 森友問題、加計学園、そしてもとTBSの山口敬之のレイプ事件、ビールなどの安売り停止など。

 日本国民は、こういう輩を未だに支持している。驚くべきことだ。

http://lite-ra.com/2017/05/post-3203.html

http://buzzap.jp/news/20170529-kakegakuen-shoninkanmon/

 「中日新聞」記事から。

 調査会社カスタマー・コミュニケーションズ(東京)によると、「アサヒスーパードライ」や「キリン一番搾り」の三百五十ミリリットル缶六本パックの全国平均小売価格(税抜き)は四月、昨年十二月に比べ約三十円上がった。発泡酒や第三のビールも値上がりしている。

 改正された酒税法や酒類業組合法は、仕入れ値に人件費などを加えた「総販売原価」を下回る継続的な安売りを禁止し、守らないと最悪の場合、販売・製造の免許を取り消す罰則を盛り込む。施行前だが、安売りで目立ち、酒類業界を管轄する国税庁からチェックされることを警戒する業者は少なくない。これがリベートの減額とともに、ビールの値上がりの要因になった。

 なぜ今、規制強化なのか。法改正を進めたのは自民党の議員連盟「街の酒屋さんを守る国会議員の会」。議員立法が昨年夏の参院選直前に可決された。中小酒店には自民党を支持する「町の名士」が多い。選挙対策で安売りを規制しようとしたとの指摘もある。

 二〇一四年の政治資金収支報告書によると、法改正を求めた中小酒店主らの政治団体「全国小売酒販政治連盟」は、自民党の議員連盟幹部が支部長を務める党支部などに、計百四十万円を寄付していた。

 一方、値上げは大手ビールメーカーの株価を押し上げている。リベートの支払い減に伴う収益改善への期待でキリンホールディングス、アサヒグループホールディングスの株価はいずれも年初から約20%上昇。消費者には痛いビールの値上げが、一部の業界関係者や投資家の利益につながる構図になっている。

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静岡県知事選

2017-05-29 11:34:09 | その他
 6月に行われる静岡県知事選。現職の学者出身の川勝平太氏と、柔道の銀メダリスト溝口紀子氏が立候補する。『静岡』や『中日』新聞に、知事選の記事が増えてきた。

 私の投票行動は、候補者の浜岡原発への対応で決定するつもりである。

 さて、溝口氏が立候補した理由はよくわからないが、県が浜松市の海岸部に建設しようとしている野球場の問題がひとつある。浜松市はとにかく風が強い。私は自転車で畑に行くのだが、風が強くてしばしば倒れてしまう。そこで畑にポールをたて、いつもそこにつなぐようにしている。風は、海岸部のほうが強い。素人でも、なぜ海岸部に野球場をつくろうとしているのかわけがわからない。

 その建設を後押ししているのが、スズキである。スズキは陸上競技に力を入れている。浜松市の陸上競技場は狭い。隣り合って野球場があり、その野球場をどこかにもっていって陸上競技場を拡張し新設することを願っている。陸上競技場をつくるくらいスズキにはかねがあるのだから自前でつくればいいのだが、そうはしない。

 溝口氏は、野球場建設に反対のようだ。ということは、反スズキなのだろうか。

 川勝氏は、スズキの意向を汲んでいる。川勝氏は旧民主党が推している候補である。鈴木修氏への挨拶は欠かさない。しかし静岡県の自民党は、川勝が嫌いである。しかし自民党には川勝氏に勝てる候補がいない。対抗馬をだせなかった。溝口氏が立候補したので、反川勝氏ということから、各支部が溝口氏推薦に動いている。しかし県本部は「自主投票」である。

 静岡県の県知事選挙、県西部の市町村長・議員選挙、いずれも鈴木修氏の意向が流れを決める。それだけ票を動かす力が、鈴木氏にはある。

 知事選の解説記事も、鈴木修氏の意向を記さないものは価値がない。
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基礎的知識の欠如

2017-05-29 08:13:07 | その他
 右翼的な言説をまき散らす方々は、基礎的知識が欠如している人が多い。安倍首相が漢字を知らないのは既に知られているが、義家というもと教師も読めない議員だそうだ。そういう方々が安倍政権を構成している。

 どんな考え方をしている人でも、基礎的知識がある人のほうが信頼できるのだが・・・・・

http://lite-ra.com/2017/05/post-3194.html
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「共謀罪」の危険を指摘

2017-05-28 21:30:07 | その他
 宮崎日々新聞の社説も鋭い。


「共謀罪」書簡

2017年5月27日

◆説得力のある反論できるか◆

 共謀罪の構成要件を取り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院通過を前に国連特別報告者が政府に書簡を送り「深刻な欠陥のある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と強く批判した。政府は「内容は明らかに不適切」と抗議。「国連の立場を反映するものではない」とする。

 一般人が適用対象になる恐れがあり「監視社会」を招くと訴える野党の反対を数の力で抑え込み、今国会中の成立を目指すが、思わぬところからの批判に政府はいらだちを隠せない。

「表現の自由」制約も

 特別報告者は国連人権理事会に任命され、個人の資格で表現の自由やテロリズム、貧困、女性差別など、さまざまなテーマに関わる各地の人権状況の調査を行う。菅義偉官房長官は「個人の調査」であることを強調するが、書簡で報告者が懸念する「プライバシーや表現の自由の制約」は、政府がこれまで多くを語っていない点だ。

 政府は速やかに反論を取りまとめて送り、公表すべきだ。共同通信世論調査では77・2%もの人が「政府の説明が十分だと思わない」と回答している。それも踏まえ、反論は詳細かつ丁寧なものでなければならない。

 書簡を送ったのはケナタッチ国連特別報告者。政府が外務省を通じて抗議すると、今度は「法案の欠陥に一つも向き合っていない」「法案やその他の法律のどこに、プライバシー権の保護と救済が含まれているか示してほしい」とする22日付の書簡が送られてきた。

 犯罪が実行され被害が生じる前の計画段階で罰するには、プライバシーに踏み込み「内心」を探ることが必要になる。適用対象の「組織的犯罪集団」の誰かが自首したり、周辺関係者が通報したりすることもあるかもしれないが、多くの場合は監視により捜査の端緒をつかむことになろう。

傍受対象の拡大懸念

 LINE(ライン)やメールもチェックされ、人権侵害につながると追及されると、金田勝年法相は「通信傍受法の対象犯罪ではなく、対象に追加する法改正も予定していない」とし「リアルタイムで監視できない」と答弁。さらに一般人が捜査対象になるとの指摘には「犯罪集団と関わらない一般人は捜査対象とならない」と説明した。

 傍受対象の拡大について、法相は「検討すべき課題」としていた当初の答弁を修正したが、警察内には期待する声が根強い。また一般人を巡って政府は、正当な活動をしている団体でも目的が一変して犯罪集団とみなされた場合、メンバーはもはや一般人ではないと説明。市民団体や労働組合も対象になるとの懸念は拭いきれないままだ。

 政府の反論が国会でこれまで繰り返してきた説明の焼き直しにすぎないなら、ケナタッチ国連特別報告者は納得せず再び書簡を送ってくるだろう。
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『信濃毎日新聞』の批判精神

2017-05-28 21:26:17 | その他
 同紙の批判精神は、健全だ。この社説も鋭い。



あすへのとびら 秘密法の運用実態 国民主権を害している

 日本がかつての過ちを繰り返すのではないか、国民に何も知らされないまま間違った道へ踏み込むことにならないか―。

 読み進むとそんな思いにとらわれる。特定秘密保護法の運用をチェックするために、国会に設置されている情報監視審査会の年次報告である。

 衆院審査会の2016年分が先日公表された。例えばこんなことが書いてある。

 〈「あらかじめ指定」が拡大しすぎていることを踏まえ、適切な規定を定める〉

   <チェックは働かず>

 審査会が443件の特定秘密の内容説明を求めたところ166件に該当する文書がなかった。秘密指定されているのに中身がない。なぜそんなことになるのか。

 秘密情報が発生することを想定して、政府があらかじめ指定したのが理由の一つだ。実際には発生せず“カラ指定”になった。

 中身の吟味なしの指定だった。恣意(しい)的運用の最たるものだ。審査会に参考人で呼ばれた早稲田大学の春名幹男さんも「どう考えても不合理。すぐには理解できなかった」とあきれていた。

 作成後30年以上過ぎた文書が指定されていたケースもあった。

 特定秘密の指定期間は原則として最長30年とされている。超えるときは理由を示して内閣の承認を得る必要がある。

 その文書はスパイ活動に関するものだった。警察の情報収集能力が読み取れるため秘密指定した、との説明だったという。

 〈30年以上過ぎても指定解除しない前例になってしまわないか〉

 報告書に記載されている委員の発言である。

 人の「知識」の指定もあった。文書を廃棄したあと、その情報を覚えている担当職員の、いわば頭の中を指定した。

 この場合、秘密管理の対象は文書ではなく人間になる。秘密に触れた担当者を、仕事から外れた後まで罰則付きで管理する。

 秘密法は健全な社会と共存できるのか―。疑問は尽きない。

 報告書には政府が勝手な判断で指定していることを批判する委員の発言がしばしば登場する。

 〈一般に認知されており、公知であるにもかかわらず、当該情報を指定し続ける理由は何か〉

 新聞に載った情報が指定されていることについての質問だ。

 審査会が中でも問題視したのが安保政策の司令塔、国家安全保障会議(NSC)に関わる特定秘密だ。審査会は一切の情報の提供を政府から拒まれた。

 〈提供するのは困難と、何も聞いていないうちから結論を出されるのは心外〉〈初めから出さないと言うのは僭越(せんえつ)ではないか〉

 厳しい言葉が並んでいる。

 政府はNSCに関しては情報開示するつもりは全くないようだ。これでは国会が安保政策をチェックするのは不可能だ。

 安倍晋三内閣は集団的自衛権の行使容認に踏み切り、安保関連法で自衛隊の活動範囲を広げた。日本が攻撃されなくても、日本と密接に関わる国が攻撃されたときは自衛隊を動かすことができるようになった。

 出動を命ずるかどうかはNSCでの議論を経て首相が決める。どう議論されたかが、国民の代表である国会にも説明されない。これは民主主義と言えない。

 秘密法の運用チェック機関としては国会の審査会のほか、政府内に独立公文書管理監など二つが置かれている。首相の言う「重層的なチェック」である。

 二つの組織は官僚がメンバーでいわば身内である。実効性への疑問がかねて指摘されていた。

 報告書は特に公文書管理監について、職責を果たしていないという意味のことを述べている。秘密文書を直接確認する権限を適切に行使していない、と。

 チェック機関でどうにか機能しているのは今のところ国会の審査会だけだ。しかし心もとない。

 審査会は外部との連絡を遮断するため、電波が通らない部屋で開催される。メモを取ることは許されない。委員が情報を漏らすと処罰の対象となる。活動は秘密法でがんじがらめにされている。

   <廃止を目指そう>

 事務局を拡充し情報の専門家を加えて、与野党8人の委員のサポートを強化する必要がある。「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」を理由に政府が情報提供を拒める規定は廃止すべきだ。

 秘密法は米国の制度を参考にした。政府はそのうち秘密保持だけを取り入れて、情報開示の仕組みは採用しなかった。

 秘密法は国民の知る権利や国会の国政調査権を定めた憲法に反している。運用チェックの仕組みを整えつつ、廃止する努力をこれからも続けよう。

(5月28日)

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