入院している私の友人は、今しゃべることができない。こちらの言うことは理解できるのだが、自分からの意思伝達はできない。こちらの言うことに、首を動かして応答するだけだ。
私は何とか意思の伝達ができるように、あいうえおの50音の表を作成した。昨日それを持って行ったら、小さすぎて読めないという。目にも何らかの障害があるようだ。昨日どのくらいの字の大きさならわかるか試してみて、ほぼ5㎝四方のマスにいっぱいに書かれた字なら読めるということがわかり、それを今日は持参した。しかしまだ指が自由に動かせない。表に書かれた字を指すことができないのだ。これは彼にリハビリで頑張ってもらうしかない。
そこで今度は、文をいくつか用意しようと思っている。たとえば「喉が渇いた」など。彼が必要とする文を書いたものを用意していく、そうづればそれらをいくつか組み合わせて、コミュニケーションがとれるようになる。
現実を前にして、その現実をどうすれば一歩前にすすめることができるか、少しでも改善できるかを考えて対応していく。それが必要だ。
ところが日本のエネルギー政策は、行き当たりばったりで、何の先見性、哲学もない。現実から何も学ばない。
ドイツは学んでいる。
次の記事は、共同通信配信の記事だ。
独下院、脱原発法案を可決 22年末までに全17基閉鎖
2011年6月30日 21時06分
【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)は30日、2022年末までに国内の原発17基を全て閉鎖することを盛り込んだ改正原子力法案を、与党と大半の野党の賛成で可決した。既に連邦参議院(上院)を構成する各州代表の大半も脱原発を支持しており、同国は脱原発に向け本格的に動きだす。
メルケル政権は昨秋に原発稼働期間の延長を決定したばかりで、福島第1原発事故を受けてエネルギー政策を百八十度転換。フランスや米国などは原発推進路線を堅持しているが、メルケル首相は議会で「福島での事故により原子力の役割を見直す必要があった」と説明した。
しかし日本は。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-942a.html
日本の場合は、単にエネルギー政策のレベルでの話ではなく、政・官・財・学・メディアの相互依存的な利権構造がぐるぐるに原発を取り巻いている。日本の現実を変えるということは、とてつもなく大変なことだ。
だいたいにして、学校教育から批判的な精神を奪っておいて、「上」の指示に素直に従う人間ばかりを育成してきたので、現実を直視し、思想や哲学をもって考え行動する人間が少なすぎるのである。
今日『大震災のなかで 私たちは何をすべきか』(岩波新書)が届けられた。まだ内橋さん、大江さんの文しか読んでいないけれど、豊かな問題意識のもと、ヒューマニズム精神、批判精神を背景にした格調高い文は、いろいろ考えさせられる。今こそ、この大震災、あるいは原発事故という現実から、何を学ぶか、若者にとっての大きな課題である。
私は何とか意思の伝達ができるように、あいうえおの50音の表を作成した。昨日それを持って行ったら、小さすぎて読めないという。目にも何らかの障害があるようだ。昨日どのくらいの字の大きさならわかるか試してみて、ほぼ5㎝四方のマスにいっぱいに書かれた字なら読めるということがわかり、それを今日は持参した。しかしまだ指が自由に動かせない。表に書かれた字を指すことができないのだ。これは彼にリハビリで頑張ってもらうしかない。
そこで今度は、文をいくつか用意しようと思っている。たとえば「喉が渇いた」など。彼が必要とする文を書いたものを用意していく、そうづればそれらをいくつか組み合わせて、コミュニケーションがとれるようになる。
現実を前にして、その現実をどうすれば一歩前にすすめることができるか、少しでも改善できるかを考えて対応していく。それが必要だ。
ところが日本のエネルギー政策は、行き当たりばったりで、何の先見性、哲学もない。現実から何も学ばない。
ドイツは学んでいる。
次の記事は、共同通信配信の記事だ。
独下院、脱原発法案を可決 22年末までに全17基閉鎖
2011年6月30日 21時06分
【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)は30日、2022年末までに国内の原発17基を全て閉鎖することを盛り込んだ改正原子力法案を、与党と大半の野党の賛成で可決した。既に連邦参議院(上院)を構成する各州代表の大半も脱原発を支持しており、同国は脱原発に向け本格的に動きだす。
メルケル政権は昨秋に原発稼働期間の延長を決定したばかりで、福島第1原発事故を受けてエネルギー政策を百八十度転換。フランスや米国などは原発推進路線を堅持しているが、メルケル首相は議会で「福島での事故により原子力の役割を見直す必要があった」と説明した。
しかし日本は。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-942a.html
日本の場合は、単にエネルギー政策のレベルでの話ではなく、政・官・財・学・メディアの相互依存的な利権構造がぐるぐるに原発を取り巻いている。日本の現実を変えるということは、とてつもなく大変なことだ。
だいたいにして、学校教育から批判的な精神を奪っておいて、「上」の指示に素直に従う人間ばかりを育成してきたので、現実を直視し、思想や哲学をもって考え行動する人間が少なすぎるのである。
今日『大震災のなかで 私たちは何をすべきか』(岩波新書)が届けられた。まだ内橋さん、大江さんの文しか読んでいないけれど、豊かな問題意識のもと、ヒューマニズム精神、批判精神を背景にした格調高い文は、いろいろ考えさせられる。今こそ、この大震災、あるいは原発事故という現実から、何を学ぶか、若者にとっての大きな課題である。