浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】佐々木克『幕末史』(ちくま新書)

2015-02-27 22:57:38 | 近現代史

 違和感を持ちながら読み終えた。司馬遼太郎的な歴史観であり、そのような書き方が随所に見られる(主観的な記述!)。

 あとがきによれば、本書は、「欧米列強にたいして手も足も出すことができなかった軍事的弱小国家日本が、屈辱をバネにして立ち直って近代化を達成した、国家建設の物語」として書かれた。

 近代天皇制国家の建設は正当化され、その建設の担い手たちも「正しい」ことを行った群像として描かれている。そうした視点が一貫しているので、近代国家建設の途上における否定される可能性のある歴史的事象はすべて記述されない。

 はたしてそういう叙述で良いのか、疑問である。一応読み終えたが、どうもしっくりとこない。

 【追記】2023年3月28日 なぜかこの本を手に取りもう一度読み始めた。主観的な記述が各所にあり、史料に基づいてと書きながら、史料に即しているわけではない。主観的な個所をチェックしていたら、この本を読んだ記憶がよみがえった。この本は、捨てるしかない、という結論になった。この学者、もう亡くなられているようだが、思い込みの激しい方のようだ。原口清氏や田村貞雄氏に、評価を聞いておけばよかった。

 

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破壊

2015-02-27 22:34:51 | 政治
 「イスラム国」が、文化遺産を破壊している映像を公開した。驚くべき蛮行である。現在まで保存されてきた過去の歴史的遺産を破壊するということは、未来をも破壊することでもある。

 21世紀、ついに人類は、こうした野蛮人を生み出した。破壊されたのは「大半は複製品」であるとされるが、それであっても許せない蛮行である。

 『毎日新聞』記事(一部)。

【カイロ秋山信一】「イスラム国」(IS)を名乗るグループは26日、イラク北部モスルの博物館で彫像などの展示品を破壊する映像を公開した。イラクのクルド系メディア「ルダウ」によると、破壊された展示品の大半は複製品で、本物の遺物は展示場所からなくなっており、ISが密売した疑いがあるという。

 映像はISの広報部門が製作したとされ、画面上部にISの旗が表示されていた。メンバーとみられる男らがハンマーやドリルで彫像を次々と破壊した。映像では「(彫像は)神として崇拝されていたものだ。アラーのみを信仰する我々には何の価値もない」などと主張している。

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企業への補助金

2015-02-27 20:56:40 | 政治
 『毎日新聞』の記事(一部)である。静岡県選出の二人の大臣に補助金交付企業から政治献金がなされたというものだ。「鈴与」という静岡市清水区の大企業である。この「鈴与」、国土交通省所管の「広域物資拠点施設整備費補助金」(災害時に支援物資を避難者らに円滑に届けるための施設整備)から4200万円、二酸化炭素排出量を抑える技術の導入を進める環境省所管の補助金から1億7000万円を交付されていた。

 大臣への政治献金の問題ではあるが、ここでしっかりとみておかなければならないことは、企業には、国、県、市町村からも様々な名目の多額の補助金が支出されているということだ。企業は、企業活動をみずからのカネだけではぜったいにしない。必ず公的なところからカネを出させようとする。

 その姿を見ると、日本は「資本主義社会」であると実感する。

補助金交付企業から2大臣に献金

 望月義夫環境相(衆院静岡4区)が代表を務める自民党支部が2013年、国の補助金の交付通知を受けて以降1年以内に総合物流会社「鈴与」(静岡市清水区)から140万円の政治献金(寄付)を受けていたことが分かった。望月氏はこれを返金したという。また、上川陽子法相(衆院静岡1区)の同党支部も鈴与から献金を受けていた。
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曾野綾子のアパルトヘイト肯定発言について

2015-02-26 22:27:07 | 社会
 曾野綾子氏の弁明を週刊誌が載せているそうだ。その内容が以下に紹介されている。このなかで指摘されている、TBSラジオの荻上チキ氏の番組は、聞くに値するものだということを付記しておく。

http://lite-ra.com/2015/02/post-900.html
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安倍首相のヤジ問題

2015-02-26 17:57:13 | 政治
 『毎日新聞』が、この問題で識者のコメントを集めている。


特集ワイド:見過ごせない!安倍首相のヤジ

毎日新聞 2015年02月26日 東京夕刊

 国民のリーダーたる首相が国会論戦で「日教組!」などとヤジを飛ばし、しかも事実誤認で、後日訂正と謝罪--。安倍晋三首相のヤジ問題は西川公也前農相の献金疑惑と辞任騒動の陰に隠れてしまったかのようだが、実は重大かつ深刻な問題なのではないか。識者たちに聞いた。

 ◇国会に「ネトウヨ」的言論--安田浩一さん(ジャーナリスト)

 安倍首相が「日教組、日教組!」と連呼するのを見て、「ネット右翼(ネトウヨ)」と呼ばれる人たちが好んで使う罵倒の言葉を思わず連想しました。

 ネトウヨの人たちやヘイトスピーチに参加する人たちの世界では、特定の相手を敵と認定し、皆で攻撃するための負のキーワードが存在します。それが「反日」「売国奴」「在日」などです。「日教組」もそんなキーワードの一つです。私自身、彼らから関係もないのに「日教組」と言われたことがあります。そう口にするだけで相手の言論を封じ込め、問答無用でおとしめ、自らが優位に立てると、彼らは信じているのです。

 安倍首相は西川前農相の献金問題を追及する民主党議員に対し、唐突に「日教組!」とヤジを放った。それで相手をたじろがすことができると考えたのなら、ネトウヨ的発想に近いものを感じます。

 ある選挙中、首相が秋葉原で演説するのを見たことがあります。日の丸の小旗を持った支持者たちが最も熱狂したのは、首相が日教組とマスコミを批判した時でした。「日教組」と言えば多くの人の共感を得られると思っているのかもしれません。

 今、社会では、相手を敵か味方かに分け、敵と認定すれば皆で寄ってたかってたたく風潮が広まっています。「反日」「売国奴」など、何の議論も対話も成立しないような根拠のない罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせかける風潮もあります。

 今回はそれがとうとう、国会の議論の場にまで持ち込まれてしまった。まして一国の首相の手によって。そのことが最大の問題ではないでしょうか。【聞き手・小国綾子】

 ◇マスコミよ、もっと怒れ--吉永みち子さん(作家)

 ちょっと失礼ですが、言わせていただきますよ。あのやりとり、大人じゃない。安倍さん、野党の批判は批判として粛々と受け止めればいいのに、なぜそれができないのでしょうか。批判があってこそ議論が生まれ、物事がより良くなっていくはずなのですが。

 歯がゆいのは「首相の品格」の問題に矮小(わいしょう)化されてしまったこと。本当なら、政治とカネの問題をとことん突き詰めるべき場面だったのに。これは民主党もだらしないよ。安倍さんがヤジった時点で「総理、それはどういう意味ですか」と、逆に民主党側の土俵に引きずりこむ好機だったのに、ストレートに怒っちゃった。やり方が稚拙です。

 この問題を大きく報じているのは一部の新聞です。安倍政権の広報紙みたいな新聞は当然として、テレビもあまり取り上げない。私が心配するのはそんな今の日本の空気感です。

 このヤジ騒動、ニュース番組やワイドショーのおいしいネタのはずですよ。民主党政権時代、原発事故を巡る閣僚の失言がありましたが、どこも特集組んで放送していたじゃない。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の事件でも、政府対応が正しかったのか検証が必要なのに、それを言うと、なぜか「テロに屈する」などと言い出す。議論のすり替えなのに、みんな黙っている。安倍政権からクレームがくるのが怖いのでしょうか。

 なぜ戦前の日本人は政府・軍部の愚かな暴走を許したのか、不思議でしょうがなかったんです。でも今の日本を見ていて「ああ、そういうことだったのか」と得心します。杞憂(きゆう)に終わればよいのですが。【聞き手・吉井理記】
 
◇昔なら内閣が吹っ飛んだ--森田実さん(政治評論家)

 安倍首相の言動に、1953年2月の衆院予算委員会を思い浮かべた。右派社会党の議員の質問に当時の吉田茂首相が小声でつぶやいた「バカヤロー」という言葉を偶然マイクが拾った。懲罰動議が可決され、さらに内閣不信任案の可決に発展、いわゆる「バカヤロー解散」の引き金となった。

 首相の発言はそれほど重いということだが、今回は面と向かって、しかも事実誤認であり、より悪質だ。本来は内閣が倒れるような問題なのに、直後に起きた西川前農相の辞任問題に世間の視線は向いてしまった。

 首相がヤジで言及した日教組の組織率は既に2割台だ。そんな組織への敵がい心に凝り固まっているとすれば、あまりに古い思考と言わざるを得ない。国会で政府を点検するという正当な行為を首相自らが妨害するのを許せば、行き着く先は弾圧だ。

 感情を抑制できず表に出してしまったことも問題だ。むきになる姿勢は国内政治に限らず外交的にもマイナス。それでなくても関係良好とは言えない中国や韓国が、敵がい心が強く感情的な首相の言動を信用するだろうか。

 一方、民主党の対応は残念だ。次の質問者が直ちに取り上げるといった臨機応変さが必要だった。首相への懲罰動議も提出すべきだ。国民と政治を結ぶという議会人としての自覚がもっと欲しい。

 「高慢は常に破滅の一歩手前にあらわれる。高慢になる人はもう勝負に負けている」とはスイスの思想家ヒルティの言葉だ。民主党議員を見下した首相の姿勢が目に付く。だが、それは自ら終えんに近づいているということだ。【聞き手・庄司哲也】

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 <安倍首相ヤジ問題の経緯>

 19日の衆院予算委員会で民主党議員が西川氏の献金問題を取り上げた際、安倍首相が「日教組(日本教職員組合)はやっているよ。日教組どうするの」と閣僚席からヤジを飛ばした。首相は20日の同委でも「日教組は(国から)補助金をもらい、(日教組関連団体の日本)教育会館から献金をもらっている民主党議員がいる」と主張。だが、日教組が国から補助金を受けた事実はなく、民主党議員が日本教育会館から献金を受けたこともなかった。首相は23日、同委で「私の記憶違い」「遺憾で、訂正する」と発言を撤回、陳謝した。ただ同日も民主党議員の名を挙げ「日教組からダイレクトに献金をもらっていた」などと批判を続けた。

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戦後70年談話

2015-02-26 15:49:02 | メディア
 内田樹が、『街場の戦争論』で、「戦争に負けた国は無限責任を負う」と書いている。しかしそれだけではいけない。この言葉にもっと倫理的な要素を付け加えるべきだ。侵略戦争や植民地支配を行った敗戦国は、さらにその責任を負うべきである。

 さて、安倍首相は、そうした思考は受容できない人物であろう。というのも、彼が全体主義者であるからだ。

 『1984年』を著したG・オーウェルは、「思いつくままに」(『オーウェル評論集』岩波文庫)でこう記している。

 全体主義の真の恐怖は、「残虐行為」をおこなうからではなく、客観的真実という概念を攻撃することにある。それは未来ばかりか過去までも平然と意のままに動かすのだ。

 まさに安倍首相は、そういうことをしょうとしている。首相は「戦後70年談話」で、「意のままに」歴史を動かそうとしているのだ。

 『沖縄タイムス』の社説。

社説[戦後70年談話]過去と真摯に向き合え  2015年2月26日 05:30


 戦後70年にあたり、安倍晋三首相が夏に発表する新たな談話について検討する有識者懇談会が初会合を開いた。

 安倍首相は談話について「先の大戦への反省」「戦後の平和国家としての歩み」「世界の平和と安定に向けた貢献」の3本柱で構成する意向を示している。

 安倍首相の談話をめぐっては、戦後50年の村山富市首相談話や戦後60年の小泉純一郎首相談話をどこまで継承するかが、焦点として浮上している。

 村山談話は「植民地支配と侵略によってアジアの人びとに多大の損害と苦痛を与えた」と認め、痛切な反省とおわびを表明した。小泉談話もこれを踏襲した。

 安倍首相は村山談話について「歴代首相の談話を全体として引き継ぐ」と述べる一方で、文言をそのまま継承するかは明らかにしていない。

 1月のNHK番組で「今までのスタイルを下敷きとして書くことになれば、『使った言葉を使わなかった』『新しい言葉が入った』というこまごまとした議論になっていく」とも語っている。

 「植民地支配と侵略」「反省とおわび」は、村山談話の根幹をなす重要なキーワードである。その後の歴代内閣にも引き継がれ、日本の公式な歴史認識として国際社会でも高く評価されている。

 仮にそのキーワードを使わなかった場合、村山談話を骨抜きにし、その価値を台無しにする恐れがある。逆に歴史修正主義的なメッセージと受けとられれば、中韓との関係悪化は決定的になるだろう。

    ■    ■

 気がかりなのは、過去に安倍首相が、村山談話の見直しに意欲を示していたことだ。

 2013年4月の国会答弁では「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と述べた。さらに「侵略の定義は定まっていない」とも語った。

 安倍首相が歴史問題でどのような立場をとるかは、中韓のみならず米国も神経をとがらせている。米国務省のサキ報道官は、村山談話と、慰安婦問題に対する反省と謝罪を盛り込んだ河野洋平元官房長官の談話を「近隣諸国との関係を改善する重要な区切りだった」と述べ、安倍政権が引き継ぐことが好ましいとの考えを示している。

 中国の王毅外相は23日、国連安保理事会の公開討論会で「過去の侵略の罪のごまかしを試みる者がいる」と演説した。名指しはしなかったが、戦後70年談話を前に安倍首相をけん制したのは明らかだ。

    ■    ■

 有識者懇談会は、西室泰三日本郵政社長を座長に16人で構成する。西室氏は「新日中友好21世紀委員会」の日本側座長を務め、中国にパイプを持つ。北岡伸一国際大学長や中西輝政京大名誉教授など首相に近い有識者のほか、ジャーナリストも入る。多様な視点からの幅広い議論を望みたい。有識者だけでなく、各党の意見を聞く必要もある。

 安倍政権がどのような歴史認識を持ち、どこに向かおうとしているのか、世界の注目を集める談話である。過去と真摯(しんし)に向き合う姿勢を示すことだ。
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この頃

2015-02-25 17:22:16 | 日記
 一昨日は静岡、昨日は午後ずっと畑。じゃがいもの植え付けと収穫。3時間ほど畑で肉体労働をしていたら、久しぶりなので、腰が痛く何かをする気持ちも起こらず、ぼーっとしていた。
 そして今日は、午前中が検診、午後再び3時間ほどジャガイモの植え付けと収穫。しかし今日は畑仲間がいて、しばらくぶりなので、1時間ほどは雑談。

 検診を待っている間、佐々木克『幕末史』を読んでいた。読んでいて、司馬遼太郎ばりの書き方(主観的な内容を書き込む)、「挙国一致」ということばの多様、みずからを完全に討幕派に身を置いて、幕府を地の文で「姦吏」と書くなど、どうも国家主義的な書きように、現在の時代状況が投影されているような気がした。まだ読みかけであるが、うーむと唸りながら読んでいる。

 果たして原口清氏は、この本をどう読まれるか聞いてみたい気がする。

 明日から通常の日々になる。
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米軍が逮捕?

2015-02-23 07:46:24 | 政治
 以下は『琉球新報』記事。詳細はいずれわかるだろうが、山城議長は、おそらく狙われていたのだろう。日本の国家権力との連携の中での逮捕である。運動を抑圧する目的がある。

平和センター議長ら逮捕 県警、刑特法違反疑い 米軍が拘束2015年2月23日

 名護署は22日、米軍キャンプ・シュワブ内に正当な理由なく侵入したとして、刑事特別法違反の容疑で、男性2人を逮捕した。県警警備1課によると、2人は黙秘している。逮捕されたのは、シュワブのゲート前で抗議行動をしていた沖縄平和運動センターの山城博治議長と男性1人。新基地建設をめぐり、シュワブゲート前で刑特法違反容疑の逮捕者が出るのは初めて。識者からは刑特法の適用に疑問と批判の声が上がっている。
 逮捕容疑は22日午前9時3分ごろ、米軍キャンプ・シュワブ内に正当な理由なく侵入した疑い。目撃者らによると、市民らがシュワブの新ゲート前で抗議行動中、米軍の日本人警備員ともみ合いになり、その際に山城議長ら2人が同警備員に引きずられる形で、基地内に連行された。山城さんらは基地内で約4時間拘束され、午後1時すぎに名護署に引き渡された。山城議長と接見した弁護士らによると、山城議長らは基地内に連行された後、後ろ手に手錠を掛けられ事務所内に連れて行かれた。
 県警によると、米軍は午前9時30分ごろに県警に「男の身柄を拘束した」と連絡した。瑞慶覧正警備部管理官は刑特法違反容疑での逮捕について「米軍から状況を聞き、証拠(ビデオカメラの映像など)となるものを見せてもらった」と説明した。
 県警は米軍の山城議長らに対する対応について、「(米軍が)確保し、拘束した」としたが、在沖米海兵隊報道部は琉球新報の取材に対して「米海兵隊施設に侵入したとして日本人警備員が『逮捕』した」と回答した。
 山城議長らの逮捕を受け、名護署には多くの市民が駆け付け、「不当逮捕だ」「即時釈放しろ」などと抗議の声を上げた。名護署は23日にも那覇地検に山城議長らを送検する。
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朝日社説

2015-02-22 17:18:03 | メディア
 劣化した知性と感性の持ち主である、安倍首相に関する『朝日新聞』社説。


首相のヤジ―敵意むき出し華もなし

2015年2月22日(日)

 先日の衆院予算委員会で、耳を疑う場面があった。

 民主党の玉木雄一郎氏が、砂糖業界団体の関連企業から西川農水相への寄付について、「脱法献金だと言わざるを得ない」と追及していた時のことだ。

 首相が自席からこんなヤジを飛ばした。

 「日教組!」「日教組どうするの、日教組!」

 玉木氏は「総理、ヤジを飛ばさないで」と繰り返し、見かねた大島理森予算委員長が「総理、総理も、ちょっと静かに」とたしなめた。

 NHKやネットで生中継されていた中でのこと。首相がどうしてこんなヤジを飛ばすのか、多くの人が首をひねったに違いない。

 首相の念頭には自民党が野党時代に国会で取り上げた民主党議員と日教組との関係があったようだ。翌日には民主党からの抗議に「今後、静かな討論を心がけたい」と語った。

 ヤジは「議会の華」という。ただし、これは言論を生業とする政治家ならではの絶妙な「突っ込み」をたたえる言葉だ。

 首相はよく、答弁中のヤジに「私が答えているんですから」と顔をしかめる。それなのに閣僚の疑惑を突かれたからといって敵意むき出しで言い返すのでは、行政府の長としての矜恃(きょうじ)や品位を自らおとしめることにしかならない。

 最近の首相発言でもうひとつ気になったのは、中東の過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件にからむ答弁だ。

 周辺国への2億ドル支援を表明した首相スピーチによって、人質に危険が及ぶかもしれないとの認識はあったのか。参院予算委での共産党の小池晃氏の問いに、首相はこう答えた。

 「小池さんの質問はまるで、ISIL(「イスラム国」)に対しては批判をしてはならないような印象を我々は受ける。それはまさに、テロリストに屈することになると思う」

 そうだろうか。むしろ逆に「首相の答弁はまるで、『イスラム国』と闘う首相に対しては批判をしてはならないような印象を我々は受ける」と返したくなってしまう。

 後日の衆院本会議で自民党議員が、共産党の志位委員長の質問中に「さすがテロ政党」とヤジを飛ばした。首相の意を忖度(そんたく)したのかどうかは知らないが、悪質なレッテル貼りとしかいいようがない。謝罪に追い込まれたのは当然だ。

 国権の最高機関の中での話である。あきれるしかない発言はお断りしたい。
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リフォーム詐欺

2015-02-22 08:03:50 | 日記
 先日の「飛び込み」の続編である。

 昨日、Panasonicのルーガに替える工事を行った業者が来てくれた。一応屋根の上に上がって点検してくれたが、まったく問題はなかった。ルーガは一枚一枚の瓦をビスで留めている。ボクも自宅の屋根を遠望したが、めくれているところなんかなかった。

 そこで近所の方に、そのことを話してあげた。

 すると、このようなことがあったという。

 夕方薄暗くなった頃、若い男が訪ねてきて、屋根についているデジタルのアンテナのところがはねている、3000円で簡単になおるからやってあげましょうかと言われたそうだ。そういわれてみればそんな気がしたので依頼してしまったという。
 その後、「屋根裏の木がずれているように思える」と言われた。「屋根裏なんか入れないなあ」というと、「じゃあ私が入ります」といって入り込んだ。すると、「やっぱりずれているし、湿気が多い。換気扇をつけないといけない。木からアブラがでている」と言ってきたそうだ。
 
 聞いたのはここまでだが、おそらくその見積もりも依頼したのではないかと思う。しかし「木からアブラがでる」というのもおかしな話しだ。出るとするならヤニだろう。

 これは詐欺ではないかと指摘しておいた。近所の方がきちんと断られることを祈る。

 ネットでリフォーム詐欺を検索すると、同じような話しがでている。

 リフォームその他は、ぜったいに飛び込みの業者には依頼しないことだ。

 以前仲良くしている業者から聞いたことがあるが、たとえば住宅の塗装でも、ペンキはピンからキリまであって、素人には見分けがつかない。安くて当然品質もよくないペンキで塗装して高額の代金をせしめていく悪質業者がいる、と教えられたことがある。
 
 さて我が家に来た若者は、「アイセイホーム」というB51枚二つ折りのモノクロのパンフを置いていった。

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劣化する政治

2015-02-20 20:29:29 | 政治
 今日届いた『週刊金曜日』、特集は「劣化する自民党」である。

 その劣化を象徴する事態があったことを今知った。昨日、予算委員会で民主党の議員の質問中、安倍首相が、質問とまったく関係ないところで「ニッキョウソ、ニッキョウソ」などとやじったのだ。議長に制止されたにもかかわらず、まだヤジを続けようとしていた。

 ネトウヨと同レベルの首相をもった日本。

 その模様は、下記でみられる。

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-6304.html

 しかしこのこと、今朝の新聞にもなかったのでは・・・

 追記 『朝日新聞』は報道している。

http://www.asahi.com/articles/ASH2M77GYH2MUTFK01V.html
http://withnews.jp/article/f0150219002qq000000000000000G0010101qq000011550A

 こういう劣化した首相の姿は、きちんと報道すべきである。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/watanabeteruhito/20150220-00043202/

 安倍を、「ネトウヨ総理」と呼ぼう。
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さすが『毎日新聞』、ひとり参加しているからなあ

2015-02-20 09:06:56 | 政治
 『毎日新聞』は、長い名前の有識者懇談会のメンバーについて、「70年談話、有識者懇 安倍色突出避ける」、「戦後70年談話:有識者懇、バランス人選 夏までに結論 25日初会合」とした。

 しかし、『中日新聞』は、「核心」欄で、「首相に近い「いつもの顔」」と見出しをつけた。

 どちらが正しいか。

 この懇談会には、毎日新聞の山田孝男政治部特別編集委員が入っている。この人、安倍首相と会食をする、いわば安倍首相のお仲間である。毎日新聞は、自社の社員が入っているので、「バランス人選」などという誰が見ても「それはおかしい」と思うような見出しをつけたのだろう。

 北岡伸一、中西輝政、山内昌之、岡本行夫、宮家邦彦、西原正(もと防衛大学校長)らがメンバーである。

 『中日新聞』、「核心」欄の、下記の評価が正しい。

安倍晋三首相が夏に発表する戦後七十年談話に関する有識者会議「二十一世紀構想懇談会」のメンバーが決まった。政府は均衡型の人選であることを強調するが、首相の安全保障政策や歴史観に近い人物が目立つ。
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もうひとり、知性のない安倍首相のお友だち

2015-02-19 09:01:43 | 政治
 作家曾野綾子について言及した内田樹氏のブログ。そして英文記事の翻訳。

http://blog.tatsuru.com/2015/02/18_0935.php
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品性のない会長

2015-02-19 08:45:51 | メディア
 基本的にテレビには品性はない。ゴールデンタイムなど、品のない番組が並んでいる。しかしNHKには、民放にはない品がまだ残っていた。

 ところがNHKは、会長自身に品がない。彼が発することばは、乱暴で、まるで品がない。昨日、「報道ステーション」で彼の発言を聞いていたが、知性も品性もない物言いであった。こういう人物をNHK会長にする安倍政権も、同様に知性も品性もないということだし、安倍を総裁に持ち上げる自由民主党も同じ穴の狢であるということだ。

 『毎日新聞』記事(一部)。
籾井会長は昨年1月の就任直後に全理事から辞表を取り付け「よくあること」と述べたが、その発言を撤回すべきだと迫る議員に「屁理屈(へりくつ)だ」「言葉尻をとらえている」と反論。議論の応酬後、「くだらん」とこぼした。枝野幸男幹事長は同日の記者会見で、「くだらん」発言について「その一点をもって(会長)失格」と厳しく批判した。

 会長は、このとき、「あるものはある」と応えた。

 だが彼は、「よくある」ことと「ある」ことの意味が理解できないらしい。「あるものはある」と「よくある」ことは、意味内容はかなり違う。前者は、「ふつうはないけれども、さがしてみればある」という意味で使われる。「言葉尻」ではなく、ことば本体の意味を問われているのである。こういう人物がNHKの会長であることが、問題なのだ。

 この点について詳しく報じたものが、下記にある。

http://lite-ra.com/2015/02/post-877.html
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飛び込み

2015-02-18 18:43:49 | 日記
 夕方、ドアホンが鳴った。もう暗くなった頃だ。若い男が立っていた。彼は、近所で屋根の仕事をしていたら、「お宅の屋根の差し棟のところがはねているのがわかった」というようなことを話した。

 我が家の屋根は、数年前に全面的に改修し、Panasonicのルーガに変えている。一枚一枚がビスで留められているはずである。またその仕事も、永年つきあいのある業者に依頼したものだ。改修してからそんなに時間も経っていないので、もし不調であったならその業者に連絡して修理を依頼するのが当然だと思った。

 その若い男は、簡単に修理できる、10分もあればできるし、3000円くらいでやってあげます、と言う。

 ボクは、いつも依頼する業者に連絡して、言われたことを伝え、点検に来て欲しい旨連絡した。

 すると、戸外ではしごの伸びる音、しばらくすると屋根を打つ音が聞こえてきた。戸外に出ると、近所の屋根をトントンやっているではないか。近所の人に尋ねると、屋根がおかしいといわれたのでやってもらっているのだという。そこには先ほどの若い男がいた。

 ボクはすぐに業者に連絡し、若い男に指摘されたことは嘘かもしれないが、それでも一応点検してほしい旨を伝えた。

 その若い男から渡された会社のチラシが手元にある。今はその会社名を公にはしない。もし我が家の屋根に異常がなかったら、しかるべきところに伝えるつもりである。

 おそらく少し暗くなっている頃に訪ねてくるのが重要なことなのだろう。本当は何もしていない、しかし暗い屋根からトントンと音が聞こえてくれば何か修理をしているのだと思わせることができる。

 屋根の上がどうなっているのか、ふつうボクらは見ない。その屋根がおかしいといわれたら、おおかたの人はだまされ、3000円くらいなら頼んでしまうだろう。

 新手の詐欺のような気がする。
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