浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

東京五輪は中止?

2020-05-31 16:41:57 | 政治
 来年になった東京五輪。しかしもう中止が決まっているそうだ。当たり前、出来るわけがない。

 五輪中止は決定済みと報じた週刊フライデーの衝撃

東京五輪「中止検討せざるを得ない」組織委顧問の千玄室氏 現状での開催に危機感

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経産省の悪巧み 持続化給付金の闇をあばく

2020-05-31 09:49:50 | 政治
 これに関わる記事は3つ、よくもまあ調べた!三回の連載記事の最初がこれ。 

一般社団法人サービスデザイン推進協議会とは何者か。「持続化給付金」事務局の謎めいた正体を考える。
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アメリカの歌手は社会に生きている

2020-05-31 09:33:38 | 社会

テイラー・スウィフトさん、黒人男性死亡めぐりトランプ氏を批判
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財政赤字と言うとき

2020-05-31 09:08:35 | 政治
 以前にも書いたことだが、政府が財政赤字を主張するときは、消費税を増税するとき、医療、福祉、教育に関わる国民生活の予算を削減するとき、である。

 そうでないとき、政府は自分の身内に大盤振る舞いをする。政権政党である自民党・公明党は、国家のカネを自分たちの支持基盤にばらまき、国家財政を食い潰している。

 安倍晋三=自民党・公明党政権が何らかの事業を行うとき、必ず自分たちの身内を関わらせ、多額のカネを渡す。

 アベノマスクの件でも明らかになったが、今度は持続化給付金でも、自民党の広報を担っている電通や、竹中平蔵が関わるパソナに多額のカネが入るようにしている。
 
 さらに「観光割引、事務費が3000億円 「高すぎる」と野党が問題視」という記事にあるように、これも自民党の関係するところに委託されるのだろう。

 国民一人に10万円を支給するということになっているが、わが家にはまったく音沙汰もないが、これに関して国家財政を心配して「もらわないほうがいいのでは」などという奇特な国民がいる。
 国民が国家財政を心配する必要はない。自民党・公明党は、国家財政にたかり、そこから多額のカネを引き出し、いいように費消しているのだ。

 そういう事例はいっぱいあるではないか。もう国民も目を覚まさなければならない。気がついたときには、自民党・公明党の諸君によって国家財政がカラになり、荒涼たる生活がひろがっていることになるかもしれない。
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渡り鳥 東京都知事

2020-05-30 20:58:44 | 政治
 政治家は嘘つきということがここでも証明されている。

再燃する小池百合子の「学歴詐称」疑惑…首席も、卒業すらも嘘なのか
都議会で「ごまかし答弁」連発
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何、このニュース

2020-05-30 20:51:47 | コロナ
 日本という国は、こういうことも正確な数字を出せないということなのか。

“消えた”東京の陽性者162人 保健所と医療機関の報告に差
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黒川某と税金

2020-05-30 12:12:06 | 政治
 税法の学者である三木義一さんが、『東京新聞』で週一回「本音のコラム」を担当しているが、これが頗る面白い。

 28日のそれは「賭け麻雀と税金」である。最初の出だしがよい。

 「余人を持って代えがたい黒川前東京高検検事長は賭けマージャンの常習犯だった。・・・職業倫理もないいいかげんな男だったのかと唖然とするが、だから権力のご用聞きを平然とこなせたのだろう。」

 さて賭けマージャンで得たカネに税金はかかるのか、について三木さんは説明する。
 1965年の所得税法改正で、違法所得にも課税されることが明確になったという。

 「たまたま誘われた」賭けマージャンの場合は、「偶然性が高い」ので「一時所得」となるという。その場合は「50万円の控除額」があるので、所得は出ないだろう、とする。

 しかし黒川某は常習犯である。そして接待だったからその際の所得は「雑所得」となるが、必要経費はないので「収入金額がそのまま所得金額」となり、「給与所得について年末調整されているとはいえ、20万円以上あれば申告義務があ」り、「それ以下だとしても住民税の申告義務はある」。

 以上が三木さんのコラムの内容である。

 さて、黒川某は接待マージャンでの「儲け」をどうしていたのか。ここでも脱法行為を働いていたのか。

 安倍晋三=自民党・公明党政権にとって、こういう人間こそが「余人を持って代えがたい」人なのだという。

 安倍晋三=自民党・公明党政権に関わる人々は、犯罪行為を行ったり脱法行為をしているから、仲間が欲しいのだろう。

 確かに、小渕優子、甘利明、下着泥棒の高木毅、日報を隠蔽した稲田朋美、選挙買収の河井克行・案里夫妻・・・・など多士済々である。よくもまあ集めたものだ。首相自体も「桜をみる会」がある。

 すごい仲間たちだ。



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〈一部翻訳〉Small droplet aerosols in poorly ventilated spaces and SARS-CoV-2 transmission

2020-05-30 09:22:00 | コロナ
 ランセットという雑誌は医療界では権威あるものとされている。最後まで訳さなかったが、マスクの有効性と換気の重要性が指摘されていた。

 まだまだCOVID-19 は予断を許さない。マスクと換気、とても重要であることをしっかりと覚えておこうと思う。翻訳をはじめてここで約1時間が経過した。翻訳は時間がかかる。

通気性の悪い空間での小さな飛沫エアロゾルとSARS-CoV-2の感染

 世界的に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の集団感染を防ぐための有効な対策が医療機関で検討されている。SARS-CoV-2の感染要因についてのデータは少ないが、感染者からの呼吸器飛沫感染が主な感染経路であると考えられている。

 会話や咳をする際に発生する1ミクロン未満から約10ミクロンの小さな飛沫には、ウイルス粒子が含まれていることが明らかにされている。飛沫は、エアロゾルの中で3時間生存し、感染力を維持する。その飛沫は、空気中を通って気道に入ることで直接感染(エアロゾル)し、または汚染された手を通した接触により間接的に感染する。

 感染のあり方は、上気道から始まるか下気道から始まるかに影響を与え、病気の進行の重症度に影響を与えると考えられている。とりわけ、SARS-CoV-2感染の用量反応の関係は、まだ明らかになっていない。特にエアロゾルによるウイルスの感染に関しては。しかし、風通しの悪い空間での少量のウイルス濃度を含むエアロゾルは、低湿度・高温と相まって、時間の経過とともに感染量を増加させる可能性がある。

 呼吸器飛沫の飛散と可能な予防策をよりよく理解するため、咳や発声による飛沫の発生を、飛沫の大きさ分布、移動距離と速度、空気の換気レベルとの関係性のなかで飛散時間を測定・分析した。

 1回の咳と会話をしている際の呼吸器の飛沫の大きさ分布を調べるために、噴霧飛沫測定装置(Malvern Spraytec, Malvern, UK)を用いてレーザー回折測定を行った。健康なボランティアの咳では,大飛沫(直径100~1000μm)と小飛沫(1~10μm)の2種類が検出され,小飛沫の方がより多く検出された(付録p1).対話中では小飛沫のみが認められた(付録 p1)。大きな飛沫は特に咳と関係があるとされてきたが、ここでは咳によって両方の大きさの飛沫が発生することを観察した。

 次に、SprayScan(Spraying Systems, Glendale Heights, IL, USA)レーザーシートを用いて、咳からでる飛沫のレーザー光の散乱を撮影することにより飛沫の速度と飛沫の軌跡を調べた。大きな飛沫は急速に地面に落下することが観察された(付録 p2)。咳の開始時の飛沫の速度は毎秒2~7mで、目に見える大きな飛沫(典型的には直径500μm)は、その軌跡が重力のために曲がり、1秒以内に遠距離まで異動せずに急速に地面に落下することが判明した。この観察は、重力と空気抵抗のバランスをとることによって説明することができるが、典型的な半径5μmの小さな飛沫は、160㎝の高さ(すなわち、平均的な対話または咳が出る高さ)で生成されたとき、地面に到達するまでに9分かかることが判明した。これらの小飛沫は、SARS-CoV-2のエアロゾル感染に関連していることから、特に注目されている。

 また、鼻腔からの飛沫についても調査したところ、通常の呼吸ではバックグラウンドノイズレベル以上の飛沫は検出されないことが判明した。くしゃみからは、ほとんどが非常に大きな飛沫で、頬腔と鼻腔の両方から発生し、長い間は存在しないことが判明した。

 同じレーザーシートを使用して、咳の小飛沫が空気中にどのくらいの時間浮いてくるかを調査した。Medspray(オランダ・エンスヘデ)の専用スプレーノズルを使用して、コントロールされた量の小飛沫を空気中に分散させ、咳をしたときの効果を再現した。飛沫は平均直径5ミクロンで、スプレーノズルによってき均一的にばらまかれた。実験室の中央に吊るされた固定レーザーシートを通過する飛沫の数を、照らしだされた飛沫を検出するアルゴリズムを用いて解析した。我々は、換気のレベルが異なる3つの部屋でこの実験を繰り返した:換気なし、機械的換気のみ、入り口のドアと小さな窓を開いた機械的換気の3つである。よく換気された部屋では30秒で飛沫は半減した。換気なしの部屋では、(半減するまでに)5分かかった。(中略)換気の悪い部屋では、飛沫の数は1~4分で半減した。

 我々は健康なボランティアだけを調査し、COVID-19やウイルスを含むエアロゾル飛沫を持つ患者を直接調査したわけではないが、飛沫の大きさの分布と持続性に関する我々のデータは、ウイルス感染を防ぐためにはフェイスマスクを使用する必要があることを示唆している。ここで研究された小さな飛沫のエアロゾルによる感染は、高性能のマスクを使用しなければ防ぐことができない。従来のサージカルマスクは、吸入呼吸ではここで研究された小さなエアロゾルの30%しか阻止できなかったが、呼気にとってははるかに有効であった。

 (以下略)
 
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検査をしない態勢

2020-05-30 09:19:10 | コロナ
 埼玉県のCOVID-19 対応のまずさが指摘されている。東京の隣県ということで、医療などは東京都の関係機関に依存していたからだそうだが、埼玉県の行政に大きな問題があったことも事実である。

 とりわけPCR検査をしないために、埼玉県民は重篤化するまで放っておかれ、なかには亡くなられた方もいる。

 『日本経済新聞』が、さいたま市の保健所長にインタビューした記事を載せた。

 それを読んで、あああ、と思った。

「さいたま市の検査機は2台で、基本的には1日40件しか対応できない」という発言、そして後の方で「民間のキャパシティーを増やしていくことや、唾液によるPCR検査ができるようになればよくなる。」という発言がある。

 PCR検査機は、民間検査機関や大学病院、研究機関にも備えられているが、それを活用しようとしなかった、ということなのだ。

 さいたま市はじめ、埼玉県は医療機関が少ないという。保健所長は、「さいたま市は人口あたりの病院数も医師数も、政令指定都市のなかで一番少ない。非常事態が起きた時が心配だった。(医療崩壊の)危険性が高いと感じていた」と語り、「感染症指定医療機関の病床数は8床」しかないという。

 医療機関や感染症患者のための病床を、「医療費抑制」というかけ声の下に減らしてきたのは、厚労省の医系技官たちであった。今もこの方針に変わりはない。

 この保健所長も、もと厚労省の医系技官であった。
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距離をとること

2020-05-30 08:54:46 | コロナ
 人との距離をとることが、感染しないため必要であるとされている。基本的には感染者の飛沫がかからないように、ということで、今ではどこでも透明な「壁」を設置している。

 しかし、ウィルスは空気中にも長時間漂う、という研究もある。

コロナ対策の対人距離6フィート、不十分の恐れ 専門家報告

 私も日常的にはマスクをしなくなった。スーパーとか人が多くいるところに行くときだけマスクをする。

 だが警戒は怠ってはいけないと、自らを戒めている。無症状の感染者はどこにいるかわからない。
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COVID-19 への警戒

2020-05-30 08:54:30 | コロナ
 COVID-19 は、したたかなウィルスである。時に人の命を奪ったり、肺に致命的な打撃を与えたり、他方ではウィルスに感染していてもまったく症状を発しなかったり。無症状の感染者は、生活をしていくなかで非感染者にウィルスを感染させていく。
 だから、感染者を非感染者から離し、感染者がもつウィルスを撲滅することが必要となる。そのためには、感染者と非感染者とを明確に知る必要がある。

 ところが日本では、PCR検査にカネをかけたくない(日本の政府も自治体も、財政からは自分の支持基盤やお友だちなどにのみ支出する)から、検査はしない。今もってそれが続いている。

※「持続化給付金」の問題で、経産省と電通、竹中平蔵のパソナがタッグを組んで幽霊団体をつくり、大金をせしめようとしている。

給付遅れるコロナ「持続化給付金」 769億円で受託した法人の不透明な実態

持続化給付金の事業費97%が電通へ 国から受託の法人

持続化給付金の他にも…経産省事業を4年で14件 「実態は電通の人に聞いて」

 カネをかけないやり方というのは、感染者と非感染者とが交わらないようにすること、である。Stay Homeがその方法である。しかしこれはカネをかけないけれども、その一方で日常の経済活動が滞り、カネが市中をまわらなくなってしまう。この方法は、カネはかからないが、つぶれてしまう商店や業界、エンタテインメント業などが生まれ、社会を閉塞させてしまう。

 賢明な国は、検査をして感染者を確定して隔離し、経済活動が「臨終」を迎えることのないように経済的な支援をして、できるだけ早くにウィルスを放逐するという方法をとる。

 日本は、残念ながらそういう有能な方法はとらない。とにかくカネをかけない。カネはお友だちや仲よくしているところにしか支出されない(電通、パソナ・・・)。

 さて現状で、COVID-19 の新たな感染者は減っている。当然である。感染者と非感染者とが、Stay Homeで交わらないからだが、検査をしていないので無症状の感染者が野放しになっている。そしてまた感染者が非感染者と交わるようになれば、再び感染者は増えていく。

 折角Stay Homeで少なくしたのであるから、この時にこそ感染者をできるかぎり発見して非感染者から離すことが必要なのだ。

 しかし、安倍晋三=自民党・公明党政権とそれにぶらさがる「専門家」たちを、私は信用できない。なぜなら、有効だと分かっていても、やる気はないからだ。
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歴史的検証を拒否する政権

2020-05-29 21:58:30 | 政治
コロナ専門家会議、議事録作らず 歴史的事態検証の妨げに

 記録に残せないほど杜撰なことをしているということを示している。要するに、信頼できない「専門家会議」だということ。

新型コロナ専門家会議の議事録、西村経済再生相が「しっかりと記録を残したい」と3月に明言していた
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偉くなりすぎた?

2020-05-29 21:14:25 | 社会
 朝日新聞記者・三浦英之さんのTwitterに、良い文言を見つけた。

一連の問題を受けて今思うのは、新聞記者は「偉く」なりすぎたんだと思う。スーツを着て霞ケ関や記者クラブに通って偉い人と話をして自分が「偉く」なったような勘違いをしてる。僕らは一市民に過ぎない。目撃者に過ぎない。今一度原点に戻るため、地方で、現場で、「犬コロ」のように扱われた方がいい

 「「偉く」なりすぎた」ということば。

 私にはメディアで活躍している友人がいる。またいた。「いた」と過去形にしたのは、彼らはもう引退しているからだ。私も歳をとったが、彼らも、である。なかには亡くなったひともいる。

 若い頃、私は歴史の研究もし、またいろいろな運動に関わっていたから、新聞社やテレビ局に勤めている人々と知り合い、また仲良くなった。彼らと北遠の「西浦の田楽」を見に行ったり、飲めない酒も一緒に飲んだりした。新聞社の社旗を借りて、路上に車を止めたりしたこともあった。ユニークで面白い人が多かった。ほとんどが、どこの新聞社に所属していても、政治問題や現代社会などに強い関心を抱き、時に会って話をする時間は楽しく貴重であった。地方の支局などにいる彼らはまだ若く、社内でも「偉く」なっていなかった。

 しかしある時から、メディア関係者の中に、「偉ぶる」人が出て来た。記者になる人間の質が変わったのだと思った。
 記者は、社の名刺を持っている。すると、報じてもらいたいという望みを持つ会社の社長や首長や議員など、社会的に「偉い」とされている人々に、直接会うことができるようになる。そのうち、そういう人々に直接会うことができる自分も「エライ」のだと錯覚するようになる。しかし、そういう「偉い」人々は、記者個人ではなく、新聞社の社員としての記者に会うのであって、社の名刺を持っていなければ会わないのである。

 個人として一定の力を持った記者と、社の名刺に依存して錯覚しながら生きる記者。後者の人は、政治的社会的な批判精神を持たない。

 ユニークで知性あふれる記者は少なくなったと思う。もと記者とは今もつきあいがあるが、最近知った記者とはつきあわない。面白くないからだ。

 どこの世界にも「偉ぶる」人はいる。会話の中に「自慢話」を必ず入れてくる人。こういう人とはビジネスレベルでの付き合いで、それ以上にしないことにしている。

 私には歴史研究者や法学者に知り合いが多い、多かった。今は亡くなられた方もいるから過去形を入れているのだが、素晴らしい研究をしている人は「自慢話」はしない、偉ぶらない。実に謙虚である。私はこのような人々から謙虚さを学んだ。

 
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【本】江馬修『羊の怒る時』(影書房)その2

2020-05-28 20:59:13 | 

・・・自分たちの初台ではついに血を見ずに終わった。その主なる理由の一つは、ここいらは概して教養ある人々 、所謂知識階級が多かった事である。正直な所、自分は社会主義者と同じように、この震災にあたって、所謂民衆なるものに失望した。民衆とは愚衆であるとの感を強くした。そしてまだしも知識階級を頼もしく思った。少なくも彼等は残虐から顔を背ける事ができた。168~9

 この本を読んでいると、庶民は流言飛語を何の疑問もなく受け容れてしまっている。しかし一定の教養を持つ人々は、「・・・待てよ」というような懐疑をもつ。だからといって、その流言飛語を否定するまでには至らない。
 だが庶民の中にも、日頃朝鮮人との付き合いがある人は、流言飛語に巻き込まれない。

ある女性の発言である。 
 「私は、日本の女ですけど、やっぱしこんな分らない事は無いと思いますわ、」と奥さんはやはり一生懸命に、「だって日本人だって朝鮮人だって同じ人間ですものね。それだのに、一昨晩の騒ぎの時なぞ、在郷軍人なぞ三十分おき位に私共へやってきましたね、ここいらに朝鮮人が住んでいるから気をつけろの、出してよこせのと脅かして行くんですよ。実は私危ないと思ったので、鄭さんと外の友達方を私の家に隠してしまいましたの。そしてあなた方にしろ私達にしろ国は変っても同じ人間ですもの、どんなにしてでも隠まってあげます、もし殺されるなら一緒に死にましょう、と言って慰めていましたの。だって本当にお気の毒でしてね。」そう言って彼女は眼に涙を湛えていた。177~8

 朝鮮人虐殺が実際行われ、日本人の多くが虐殺する側にいたときに、そうでない人々がいたということは、一服の清涼剤である。

 さて浅草の観音堂が焼けずに残った。その時の状況を語った観音堂の関係者の発言が紹介されている。朝鮮人への恐怖感を喚起すれば、日本人は殺気立つのである。

「・・・観音堂がもう大丈夫となると、それまで緊張しきっていた群衆は一時に気がゆるんできました。見ると、あっちでもこっちでも一時に疲れが出て、正体もなくごろごろ眠っているという始末です。これには私、随分心配しましたね。
(中略)
 その時ーそれはもう二日の晩の事ですから、ー私はフト朝鮮人の事を思い出しました。そしてこれを利用するに限ると思いましたので、いきなり大きな声で、(今朝鮮人が四、五十人観音堂を包囲して、爆弾や石油を持って焼き払おうとしているから皆さん気をつけてください、)と呼ばわって歩きました。」
 「なる程、それはうまい所へ気がついたもんだ、」と大尉は感心したように言った。然し、もしこの場に刑事がいたら、流言飛語を放った犯罪人として捕えるだろうに。
「ところが、この宣伝が実によく利きましてね。気のゆるんでいた群集が一斉に生気づいて、殺気だってきましたよ、そして朝鮮人狩りが始まりました。」
「で、実際に朝鮮人がいましたか、」と兄がきいた。
「ええ、いましたとも。何十人となく罹災者の中に隠れていましたよ。あいつらときたらとてもずうずうしいんで、石油缶を前に置いてぼんやり火事を見てやがるんですからね。」
「ふむ、良い度胸だね、」と大尉が言った。
(中略)
「ふむ、」と自分はうしろの方にいて、心の中で呟やいた。「自分がもし神さまだったら、幾たりかの朝鮮人を犠牲にしてまでこんな建物を残させやしない。それよりもまずこの男から、罰してやるのに。」
245~6

 朝鮮半島から勉強に来ていた学生たちは、この蛮行の後、帰国していった。

 彼の同宿の友達は順々に本国へ帰ってしまった。彼等はそれぞれ専門の学校に籍を置いて、飴を売ったり労働したりして勉強を続けていたのであるが、今度の騒擾は彼等を奥底から恐怖させた。そして東京と勉強に見限って帰国させるようにしたのである。外の多くの朝鮮人がそうであったように。
250

 こういう事件の積み重ねが、朝鮮半島の人々の日本(人)観をつくってきたのである。

 著者は、ドイツから帰国した友人に話す。

「・・今度の震災は歴史上稀なるものであるに違いない、」と自分は言った。「然しそれはそうであるにしても、それは不可抗な自然力の作用によって起ったことで、もとより如何とも仕方がない。運命とでも呼ぶなら呼ぶがいい。しかし朝鮮人に関する問題は全然我々の無智と偏見とから生じたことで、人道の上から言ったら、震災なぞよりもこの方が遙かに大事件であり、大問題であると言わなければならないと思う。」253

 私も、大震災の時に、なぜ日本人が朝鮮人を虐殺したのか、これは解明しなければならないと思う。強度の揺れよりも、このことのほうが、日本人にとって考えなければならないことだからだ。

「それにしても、」と自分は言葉を続けた、「今度の事件で自分が何よりも痛切に感じたのは、人間にとって、教養がいかに大切なものであるかという事だった。だって、あの騒ぎがいかに日本人一般が日常の教養に於いて浅薄であるかを暴露したようなものだからね。まったく、あの騒ぎの中で、僕は多少なりと理性を失わなかったものを周囲に一人だって見出さなかった。何の事はない、ひと度あの流言が毒風のように人々の頭の上を吹いて過ぎると、皆はもう正気を失ってしまったのだからね。」254

 なぜ正気を失ってしまったのか、それは解明されなければならない。

 本書は「羊の怒る時」である。その書名は、文末のこのことばに発する。

「柔和なる羊を怒らすこと勿れ。羊の怒る時が来たら、その時は天もまた一緒に怒るであろう。その時を思って恐れるがよい。」256
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【本】江馬修『羊の怒る時』(影書房)

2020-05-28 12:25:46 | 
 江馬修という名は知っていた。『山の民』と著者として知ってはいたが、その本すら読まなかったし、この人がどういう人かも知らなかった。
 しかし最近出版された『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』と一緒に読むといい、というコメントがあったので、図書館から借りだしてきた。
 昨日借りてきたのだが、緊迫感を持って人々の行動を含めた情景描写、心理描写が卓越しているせいか、一気に読み進めることができた。

 舞台は関東大震災時の東京山の手である。著者の江馬は大震災を体験した。
 序 
 第一日
 第二日
 第三日
 その後
 という章立てで、関東大震災で特筆すべきことがドキュメンタリータッチで書かれている。第一日は激しい揺れ、屋外での生活、近隣住民との交わりなどが記されている。

 第二日から、朝鮮人の「暴動」という流言飛語が、著者を含めた地域住民のこころをつかみ取っていく様が描かれる。著者には親しい朝鮮人がいるし、また一定の知識教養もあり、朝鮮人の「暴動」に関する流言飛語に一定の疑問を抱きながらも、地域住民と共に朝鮮人の「襲来」という恐怖の中に過ごす姿が描かれる。その姿はきわめて迫真的で、どういう心理的な変化が生じたかを克明に記していく。読んでいる者も、その場にいるような雰囲気を感じさせる筆力である。

 第三日
 著者は、兄がいる本郷や浅草方面に行く。そしてその道中、自警団が朝鮮人取り締まりをしている現場に。

 ・・・少なくとも自分と話し合った限りの人々は、前夜来の朝鮮人の騒動を少しも疑っていなかった。
 (中略)
 この時、武器や兇器を持つことは警察から堅く禁ぜられていたのであるが、誰もそんな布令に耳を貸さなかった。見るがよい、どこかの職人らしい若い男は刺子の火事装束をきて、大刀を抜身にして無暗に振まわしながらこうどなっていた。
「主義者でも朝鮮人でも出てくるがよい、片っぱしから切って斬って捨ててやるから。」
「本当だよ。もし大杉栄なんかがいたら、頭を叩き割ってくれるがなぁ。」
 そう答える男は、金太郎のようにまさかりを肩に担いでいた。この外投槍を手にしているもの、野球用のバットや棍棒を持っているもの、ピストルを握っているもの、いわゆる百鬼夜行とはこの事かと思われた。まったく抜身の刀や刃物が夜闇の中でぎらりぎらりと閃くさまはあまり気持の良いものでは無かった。まして血に飢えかわくもののように、敵のあらわれるのをもどがしがって大言壮語もしているのを聞くことは。
 165~6

 朝鮮人の「暴動」を固く信じている群衆が、「敵」としているのは、朝鮮人、主義者、そして大杉栄なのである。なぜこういう人々が「敵」として認識されているのだろうか。

 そして「第二日」から「第三日」にかけて、著者が住む地域に朝鮮人が「襲来」してくるという流言飛語に恐怖を抱きつつ、地域住民が逃げ、隠れ、応戦しようとする姿が描かれるが、この個所を読みながら、あたかも大陸で日本軍が侵攻してくる際の中国や朝鮮の住民の動きであるかのように思えた。
 
 (続く) 
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