伊藤野枝について。
野枝に対する評価は、堀保子、神近市子と争って大杉栄を「寝取った」というような、これだけをもとにしたまことに低いものだ。
しかし私は野枝を理解する。
今月号の『図書』に瀬戸内寂聴の対談があった。そこに、こうあった。さすが寂聴さんだ。
人を好きになるとか、不倫なんていうのはね、雷が落ちてくるようなもので。だから、それに当たるか当たらないかであって、特別なことじゃない・・・
人を心底から好きになってしまうと、自らが既婚者であるかどうか、そういうことはどうでもよくなる、とにかくその人と一緒にいたい、愛し合いたい、と思うのだ。それも全身で、心と体、全体がそうなるのだ。
その雷に当たったことのない人には、ひょっとしてわからないかもしれないが、野枝の大杉への傾倒は、そういうところにあったと私は思う。
野枝に対する評価は、堀保子、神近市子と争って大杉栄を「寝取った」というような、これだけをもとにしたまことに低いものだ。
しかし私は野枝を理解する。
今月号の『図書』に瀬戸内寂聴の対談があった。そこに、こうあった。さすが寂聴さんだ。
人を好きになるとか、不倫なんていうのはね、雷が落ちてくるようなもので。だから、それに当たるか当たらないかであって、特別なことじゃない・・・
人を心底から好きになってしまうと、自らが既婚者であるかどうか、そういうことはどうでもよくなる、とにかくその人と一緒にいたい、愛し合いたい、と思うのだ。それも全身で、心と体、全体がそうなるのだ。
その雷に当たったことのない人には、ひょっとしてわからないかもしれないが、野枝の大杉への傾倒は、そういうところにあったと私は思う。