都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2021年7月に見たい展覧会【包む-日本の伝統パッケージ/前川千帆/イスラーム王朝とムスリムの世界】
7月に入りました。新型コロナウイルス感染症対策に伴い、東京と近県にはまん延防止等重点措置がなされていますが、大半の美術館や博物館は時短や予約制などの対策を踏まえて開館しています。
一方で「茶の湯の美」の再開を一時検討していた出光美術館は、状況に鑑みて臨時休館を継続しました。よって「茶の湯の美」は中止となり、予定されていた「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」も開催が見合わせとなりました。以降のスケジュールについても、今後、大幅な見直しがなされるそうです。
この夏から秋に向けて、今月は数多くの展覧会が新たにスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「アイヌの装いとハレの日の着物―国立アイヌ民族博物館の開館によせて」 渋谷区立松濤美術館(6/26~8/9)
・「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」 板橋区立美術館(7/17~8/15)
・「グローバル化時代の現代美術―“セタビ”のコレクションで楽しむ世界旅行」 世田谷美術館(7/3~8/22)
・「藝大コレクション展 2021 I期 雅楽特集を中心に」 東京藝術大学大学美術館(7/22~8/22)
・「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」 根津美術館(7/22~8/22)
・「自然が彩る かたちとこころ」 三井記念美術館(7/10~8/22)
・「山種美術館所蔵 浮世絵・江戸絵画名品選」 山種美術館(7/3~8/29)
・「ざわつく日本美術」 サントリー美術館(7/14~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「パビリオン・トウキョウ2021」 新国立競技場を中心とするエリア(7/1~9/5)
・「ボイス+パレルモ」 埼玉県立近代美術館(7/10~9/5)
・「包む-日本の伝統パッケージ」 目黒区美術館(7/13~9/5)
・「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺」 東京国立博物館・平成館(7/13~9/5)
・「マン・レイと女性たち」 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/13~9/6)
・「巨大映像で迫る五大絵師 -北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界」 大手町三井ホール(7/16~9/9)
・「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 SOMPO美術館(6/25~9/12)
・「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」 三菱一号館美術館(6/30~9/12)
・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「特別展 植物」 国立科学博物館(7/10~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「平木コレクションによる 前川千帆展」 千葉市美術館(7/13~9/20)
・「加藤翼 縄張りと島」 東京オペラシティアートギャラリー(7/17~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「日本民藝館改修記念 名品展II―近代工芸の巨匠たち」 日本民藝館(7/6~9/23)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 東京国立近代美術館(6/18~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館(7/17~10/17)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」 東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
【ギャラリー】
・「伊藤彩展 Where is banana?」 三越コンテンポラリーギャラリー(7/7~7/19)
・「アウトサイダーアート展 Our Life is Our Art」 GYRE GALLERY(6/7~7/25)
・「still life 静物」 ギャラリー小柳(6/4~7/31)
・「目 ただの世界」 SCAI THE BATHHOUSE(7/6~8/7)
・「玉山拓郎 Anything will slip off / If cut diagonally」 ANOMALY(7/17~ 8/14)
・「YOKOO LIFE 横尾忠則の生活」 ほぼ日曜日(7/17~8/22)
・「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/20~8/28)
・「会田誠展 愛国が止まらない」 ミヅマアートギャラリー(7/7~8/28)
・「上村洋一 + エレナ・トゥタッチコワ Land and Beyond|大地の声をたどる」 ポーラ ミュージアム アネックス(7/21~8/29)
まずは目黒区美術館です。「包む-日本の伝統パッケージ」展が行われます。
「包む-日本の伝統パッケージ」@目黒区美術館(7/13~9/5)
これは戦前からアートディレクターとして活躍した岡秀行氏がコレクションした、木や竹に藁など自然を素材する伝統的なパッケージを紹介するもので、菓子や酒類の容器を中心に400点もの資料が公開されます。
同館では2011年にも岡氏の「包む」コレクションが展示され、美しい佇まいに私も大いに感銘を受けましたが、再び評判を集める展覧会となるかもしれません。
実に44年ぶりの大規模な回顧展です。千葉市美術館にて「平木コレクションによる 前川千帆展」が開催されます。
「平木コレクションによる 前川千帆展」@千葉市美術館(7/13~9/20)
1888年に京都に生まれた前川千帆は、木版を発表しては創作版画の普及に務め、恩地孝四郎や平塚運一とともに御三家と称されるほどの評価を得ました。
今回の展覧会では、主要な版画をはじめ、最初期の新聞や雑誌の投稿作品、あるいは版木などの資料を合わせて約350点がされます。また版画家の前に漫画家として活動していたこともあり、漫画の掲載誌やアニメーション映画なども紹介されます。「ほのぼの版画ワールド」と記されたチラシ表紙の作品からして魅惑的ではないでしょうか。
ラストはイスラーム美術の展覧会です。東京国立博物館にて「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」が開催されます。
「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」@東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
マレーシアのクアラルンプールに位置するマレーシア・イスラーム美術館には、工芸品や宝飾品など1万件以上ものイスターム美術品がコレクションされてきました。
その一端をコレクションを展示するのが「イスラーム王朝とムスリムの世界」で、特定の国家や地域によらない世界スケールにてイスラーム美術が紹介されます。なお会場は東京国立博物館の東洋館の第12、13室が用いられ、常設展(総合文化展)のチケットのみで観覧可能です。必ずしも身近とは言い難いイスラーム美術の奥深い魅力を辿ることができるかもしれません。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
一方で「茶の湯の美」の再開を一時検討していた出光美術館は、状況に鑑みて臨時休館を継続しました。よって「茶の湯の美」は中止となり、予定されていた「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」も開催が見合わせとなりました。以降のスケジュールについても、今後、大幅な見直しがなされるそうです。
この夏から秋に向けて、今月は数多くの展覧会が新たにスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「アイヌの装いとハレの日の着物―国立アイヌ民族博物館の開館によせて」 渋谷区立松濤美術館(6/26~8/9)
・「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」 板橋区立美術館(7/17~8/15)
・「グローバル化時代の現代美術―“セタビ”のコレクションで楽しむ世界旅行」 世田谷美術館(7/3~8/22)
・「藝大コレクション展 2021 I期 雅楽特集を中心に」 東京藝術大学大学美術館(7/22~8/22)
・「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」 根津美術館(7/22~8/22)
・「自然が彩る かたちとこころ」 三井記念美術館(7/10~8/22)
・「山種美術館所蔵 浮世絵・江戸絵画名品選」 山種美術館(7/3~8/29)
・「ざわつく日本美術」 サントリー美術館(7/14~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「パビリオン・トウキョウ2021」 新国立競技場を中心とするエリア(7/1~9/5)
・「ボイス+パレルモ」 埼玉県立近代美術館(7/10~9/5)
・「包む-日本の伝統パッケージ」 目黒区美術館(7/13~9/5)
・「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺」 東京国立博物館・平成館(7/13~9/5)
・「マン・レイと女性たち」 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/13~9/6)
・「巨大映像で迫る五大絵師 -北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界」 大手町三井ホール(7/16~9/9)
・「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 SOMPO美術館(6/25~9/12)
・「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」 三菱一号館美術館(6/30~9/12)
・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「特別展 植物」 国立科学博物館(7/10~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「平木コレクションによる 前川千帆展」 千葉市美術館(7/13~9/20)
・「加藤翼 縄張りと島」 東京オペラシティアートギャラリー(7/17~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「日本民藝館改修記念 名品展II―近代工芸の巨匠たち」 日本民藝館(7/6~9/23)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 東京国立近代美術館(6/18~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館(7/17~10/17)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」 東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
【ギャラリー】
・「伊藤彩展 Where is banana?」 三越コンテンポラリーギャラリー(7/7~7/19)
・「アウトサイダーアート展 Our Life is Our Art」 GYRE GALLERY(6/7~7/25)
・「still life 静物」 ギャラリー小柳(6/4~7/31)
・「目 ただの世界」 SCAI THE BATHHOUSE(7/6~8/7)
・「玉山拓郎 Anything will slip off / If cut diagonally」 ANOMALY(7/17~ 8/14)
・「YOKOO LIFE 横尾忠則の生活」 ほぼ日曜日(7/17~8/22)
・「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/20~8/28)
・「会田誠展 愛国が止まらない」 ミヅマアートギャラリー(7/7~8/28)
・「上村洋一 + エレナ・トゥタッチコワ Land and Beyond|大地の声をたどる」 ポーラ ミュージアム アネックス(7/21~8/29)
まずは目黒区美術館です。「包む-日本の伝統パッケージ」展が行われます。
「包む-日本の伝統パッケージ」@目黒区美術館(7/13~9/5)
これは戦前からアートディレクターとして活躍した岡秀行氏がコレクションした、木や竹に藁など自然を素材する伝統的なパッケージを紹介するもので、菓子や酒類の容器を中心に400点もの資料が公開されます。
【展覧会予告】「包む-日本の伝統パッケージ」会期:7/13(火)~9/5(日)日本のデザイン黎明期に、わが国の伝統的なパッケージを収集し「TSUTSUMU(包む)」という言葉とともに大きな足跡を残したデザイナー、岡 秀行。当館所蔵の岡のコレクションをご紹介します。 pic.twitter.com/5TqzYy0Tmp
— 目黒区美術館 Meguro Museum of Art,Tokyo (@mmatinside) June 19, 2021
同館では2011年にも岡氏の「包む」コレクションが展示され、美しい佇まいに私も大いに感銘を受けましたが、再び評判を集める展覧会となるかもしれません。
実に44年ぶりの大規模な回顧展です。千葉市美術館にて「平木コレクションによる 前川千帆展」が開催されます。
「平木コレクションによる 前川千帆展」@千葉市美術館(7/13~9/20)
1888年に京都に生まれた前川千帆は、木版を発表しては創作版画の普及に務め、恩地孝四郎や平塚運一とともに御三家と称されるほどの評価を得ました。
7/13(火)〜9/20(月・祝)に開催する「平木コレクションによる 前川千帆展」の詳細を公開しました。近代日本を代表する創作版画家の前川千帆の版業を約350点の作品で一望する、なんと44年ぶり❗️の大回顧展です。センパンさんのほのぼの版画ワールド♨️をお楽しみください。https://t.co/bCcJo7rTVm pic.twitter.com/X0MXPybHJA
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) June 4, 2021
今回の展覧会では、主要な版画をはじめ、最初期の新聞や雑誌の投稿作品、あるいは版木などの資料を合わせて約350点がされます。また版画家の前に漫画家として活動していたこともあり、漫画の掲載誌やアニメーション映画なども紹介されます。「ほのぼの版画ワールド」と記されたチラシ表紙の作品からして魅惑的ではないでしょうか。
ラストはイスラーム美術の展覧会です。東京国立博物館にて「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」が開催されます。
「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」@東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
マレーシアのクアラルンプールに位置するマレーシア・イスラーム美術館には、工芸品や宝飾品など1万件以上ものイスターム美術品がコレクションされてきました。
【来月開催】特定の国家や地域によらない、世界規模のイスラーム美術を紹介。イスラーム文化の多様性を感じるられる「イスラーム王朝とムスリムの世界」展、7/6~https://t.co/2HX9jD3Vwm pic.twitter.com/FNOXa78VtC
— インターネットミュージアム (@InternetMuseum) June 21, 2021
その一端をコレクションを展示するのが「イスラーム王朝とムスリムの世界」で、特定の国家や地域によらない世界スケールにてイスラーム美術が紹介されます。なお会場は東京国立博物館の東洋館の第12、13室が用いられ、常設展(総合文化展)のチケットのみで観覧可能です。必ずしも身近とは言い難いイスラーム美術の奥深い魅力を辿ることができるかもしれません。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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