都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2024年11月に見たい展覧会【浅井忠/中村彝/須田悦弘】
今年も残すところあと2ヶ月となりました。11月も注目したい展覧会が少なくありません。気になる展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』 世田谷美術館(9/21~11/17)
・『芹沢銈介の世界』 日本民藝館(9/5~11/20)
・『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』 平塚市美術館(10/5~11/24)
・『光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」』 MOA美術館(11/1~11/26)
・『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』 町田市立国際版画美術館(9/14~12/1)
・『塩田千春 つながる私』 大阪中之島美術館(9/14~12/1)
・『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』 府中市美術館(9/21~12/1)
・『丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展』 アサヒグループ大山崎山荘美術館(9/14~12/8)
・『没後50年記念 福田平八郎×琳派』 山種美術館(9/29~12/8)
・『荏原 畠山美術館 開館記念展 Ⅰ―與衆愛玩一共に楽しむ–』 荏原 畠山美術館(10/5~12/8)
・『挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」』 東京国立博物館(10/16~12/8)
・『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』 国立新美術館(10/30~12/16)
・『松谷武判』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/3~12/17)
・『運慶展』 横須賀美術館(10/26~12/22)
・『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』 練馬区立美術館(10/6~12/25)
・『ピカソ・セラミックー「見立て」の芸術』 ヨックモックミュージアム(10/29~2025/12/28)
・『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』 東京ステーションギャラリー(10/12~2025/1/5)
・『没後30年 木下佳通代』 埼玉県立近代美術館(10/12~2025/1/13)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『レオ・レオーニと仲間たち』 板橋区立美術館(11/9~2025/1/13)
・『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』 茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
・『平安文学、いとをかし』 静嘉堂@丸の内(11/16~2025/1/13)
・『ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉』 千葉市美術館(11/16~2025/1/13)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!』 福田美術館(10/12~2025/1/19)
・『唐ごのみ』 三井記念美術館(11/23~2025/1/19)
・『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』 千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
・『田村友一郎 ATM』 水戸芸術館現代美術ギャラリー(11/2~2025/1/26)
・『小杉放菴展』 八王子市夢美術館(11/16~2025/1/26)
・『三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック』 三菱一号館美術館(11/23~2025/1/26)
・『儒教のかたち こころの鑑―日本美術に見る儒教』 サントリー美術館(11/27~2025/1/26)
・『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見』 麻布台ヒルズ ギャラリー(11/1~2025/2/2)
・『須田悦弘展』 渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
・『パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅』 日本科学未来館(11/6~2025/2/4)
・『ひとを描く / ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』 アーティゾン美術館(11/2~2025/2/9)
・『ゴミうんち展』 21_21 DESIGN SIGHT(9/27~2025/2/16)
・『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』 東京都庭園美術館(11/30~2025/2/16)
・『漫画家・森薫と入江亜季展』 世田谷文学館(11/2~2025/2/24)
・『特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」』 国立科学博物館(11/2~2025/2/24)
・『T2 Collection「Collecting? Connecting?」/奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展』 WHAT MUSEUM(10/4~2025/3/16)
ギャラリー
・『青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」 』 ミヅマアートギャラリー(10/9~11/10)
・『未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置』 GYRE GALLERY(10/17~11/29)
・『日本のアートディレクション展 2024』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/1~11/30)
・『吉田志穂個展「印刷と幽霊」』 BUG(10/30~12/1)
・『トニー・アウスラー「Transmission」』 SCAI THE BATHHOUSE(10/4~12/21)
・『千住博・四代田辺竹雲斎 二人展「Beyond Nature」』 YUKIKOMIZUTANI(11/6~12/21)
・『渡辺志桜里 宿/Syuku』 資生堂ギャラリー(11/6~12/26)
・『ウェイド・ガイトン THIRTEEN PAINTINGS』 エスパス ルイ・ヴィトン東京(10/31~2025/3/16)
まずは近代洋画の先駆者として知られ、日本画や工芸、図案などでも業績を残した浅井忠の回顧展です。千葉県立美術館にて『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』が開かれます。
『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』@千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
1856年に佐倉藩の江戸屋敷に生まれた浅井は、幼少年期を佐倉市にて過ごすと、日本最初の国立美術学校「工部美術学校」第一期生としてイタリア人画家アントニオ・フォンタネージから西洋画を学びました。のちに農村風景などを油絵で描くと、パリへと留学し、アール・ヌーヴォーに感銘を受けてデザイン活動を開始しました。また帰国後は京都へと移住し、京都高等工芸学校教授を務めるなど後進の育成にも努めました。
その浅井の画業を同館の所蔵する4つの日記を軸に紹介するのが本展で、約2400件に及ぶコレクションから、収蔵後初公開8点を含む約350点の作品と資料が公開されます。各地を旅した浅井の足跡をたどりながら、作品とじっくり向き合うまたとない機会となります。
続いては大正期に活躍した洋画家・中村彝の回顧展です。茨城県立近代美術館にて『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』が開かれます。
『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』@茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
1887年、茨城県水戸市に生まれた中村彝は絵の道を志すと、第3回文展への初入選以降、新進洋画家として注目され、下落合にアトリエを構えて制作に励むも、1924年に肺結核によってわずか37年にて生涯を閉じました。
今回の回顧展では、重要文化財『エロシェンコ氏の像』や第3回文展への入選作『巌』、さらに約半世紀ぶりに公開される作品など約120点の作品にて中村の画業を明らかにします。なお展示は同館のみの単独開催となり、他館への巡回はありません。
ラストは現代美術です。渋谷区立松濤美術館にて『須田悦弘展』が行われます。
『須田悦弘展』@渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
本物と見間違うほどリアルな草花や雑草の木彫を手がける須田悦弘は、思いがけない場所に作品をさりげなく設置することで知られ、空間と作品が一体となるインスタレーションで人気を集めてきました。
その須田の都内の美術館としては25年ぶりの個展が本展で、初期作品やドローイング、また近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品などが公開されます。哲学の建築家とも呼ばれる白井晟一の瞑想的な建築空間との響きあいにも注目が集まりそうです。
ブログは不定期での更新となります。今月もよろしくお願いいたします。
展覧会
・『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』 世田谷美術館(9/21~11/17)
・『芹沢銈介の世界』 日本民藝館(9/5~11/20)
・『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』 平塚市美術館(10/5~11/24)
・『光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」』 MOA美術館(11/1~11/26)
・『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』 町田市立国際版画美術館(9/14~12/1)
・『塩田千春 つながる私』 大阪中之島美術館(9/14~12/1)
・『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』 府中市美術館(9/21~12/1)
・『丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展』 アサヒグループ大山崎山荘美術館(9/14~12/8)
・『没後50年記念 福田平八郎×琳派』 山種美術館(9/29~12/8)
・『荏原 畠山美術館 開館記念展 Ⅰ―與衆愛玩一共に楽しむ–』 荏原 畠山美術館(10/5~12/8)
・『挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」』 東京国立博物館(10/16~12/8)
・『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』 国立新美術館(10/30~12/16)
・『松谷武判』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/3~12/17)
・『運慶展』 横須賀美術館(10/26~12/22)
・『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』 練馬区立美術館(10/6~12/25)
・『ピカソ・セラミックー「見立て」の芸術』 ヨックモックミュージアム(10/29~2025/12/28)
・『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』 東京ステーションギャラリー(10/12~2025/1/5)
・『没後30年 木下佳通代』 埼玉県立近代美術館(10/12~2025/1/13)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『レオ・レオーニと仲間たち』 板橋区立美術館(11/9~2025/1/13)
・『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』 茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
・『平安文学、いとをかし』 静嘉堂@丸の内(11/16~2025/1/13)
・『ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉』 千葉市美術館(11/16~2025/1/13)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!』 福田美術館(10/12~2025/1/19)
・『唐ごのみ』 三井記念美術館(11/23~2025/1/19)
・『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』 千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
・『田村友一郎 ATM』 水戸芸術館現代美術ギャラリー(11/2~2025/1/26)
・『小杉放菴展』 八王子市夢美術館(11/16~2025/1/26)
・『三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック』 三菱一号館美術館(11/23~2025/1/26)
・『儒教のかたち こころの鑑―日本美術に見る儒教』 サントリー美術館(11/27~2025/1/26)
・『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見』 麻布台ヒルズ ギャラリー(11/1~2025/2/2)
・『須田悦弘展』 渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
・『パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅』 日本科学未来館(11/6~2025/2/4)
・『ひとを描く / ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』 アーティゾン美術館(11/2~2025/2/9)
・『ゴミうんち展』 21_21 DESIGN SIGHT(9/27~2025/2/16)
・『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』 東京都庭園美術館(11/30~2025/2/16)
・『漫画家・森薫と入江亜季展』 世田谷文学館(11/2~2025/2/24)
・『特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」』 国立科学博物館(11/2~2025/2/24)
・『T2 Collection「Collecting? Connecting?」/奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展』 WHAT MUSEUM(10/4~2025/3/16)
ギャラリー
・『青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」 』 ミヅマアートギャラリー(10/9~11/10)
・『未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置』 GYRE GALLERY(10/17~11/29)
・『日本のアートディレクション展 2024』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/1~11/30)
・『吉田志穂個展「印刷と幽霊」』 BUG(10/30~12/1)
・『トニー・アウスラー「Transmission」』 SCAI THE BATHHOUSE(10/4~12/21)
・『千住博・四代田辺竹雲斎 二人展「Beyond Nature」』 YUKIKOMIZUTANI(11/6~12/21)
・『渡辺志桜里 宿/Syuku』 資生堂ギャラリー(11/6~12/26)
・『ウェイド・ガイトン THIRTEEN PAINTINGS』 エスパス ルイ・ヴィトン東京(10/31~2025/3/16)
まずは近代洋画の先駆者として知られ、日本画や工芸、図案などでも業績を残した浅井忠の回顧展です。千葉県立美術館にて『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』が開かれます。
『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』@千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
1856年に佐倉藩の江戸屋敷に生まれた浅井は、幼少年期を佐倉市にて過ごすと、日本最初の国立美術学校「工部美術学校」第一期生としてイタリア人画家アントニオ・フォンタネージから西洋画を学びました。のちに農村風景などを油絵で描くと、パリへと留学し、アール・ヌーヴォーに感銘を受けてデザイン活動を開始しました。また帰国後は京都へと移住し、京都高等工芸学校教授を務めるなど後進の育成にも努めました。
開館50周年記念特別展「浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代-」SNS企画「#旅する100体の浅井忠」の参加者を募集します! pic.twitter.com/tlfXY6fCIu
— 千葉県立美術館 (@chiba_pref_muse) October 29, 2024
その浅井の画業を同館の所蔵する4つの日記を軸に紹介するのが本展で、約2400件に及ぶコレクションから、収蔵後初公開8点を含む約350点の作品と資料が公開されます。各地を旅した浅井の足跡をたどりながら、作品とじっくり向き合うまたとない機会となります。
続いては大正期に活躍した洋画家・中村彝の回顧展です。茨城県立近代美術館にて『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』が開かれます。
『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』@茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
1887年、茨城県水戸市に生まれた中村彝は絵の道を志すと、第3回文展への初入選以降、新進洋画家として注目され、下落合にアトリエを構えて制作に励むも、1924年に肺結核によってわずか37年にて生涯を閉じました。
当館ホームページにて、次回企画展「没後100年 #中村彝展」(11/10~1/13)の詳細を公開しています。講演会やコンサートのイベント申込も開始していますので、合わせてご確認下さい。詳細はこちら↓https://t.co/ZkF0PozHzd
— 茨城県近代美術館 (@ibarakikinbi) October 1, 2024
今回の回顧展では、重要文化財『エロシェンコ氏の像』や第3回文展への入選作『巌』、さらに約半世紀ぶりに公開される作品など約120点の作品にて中村の画業を明らかにします。なお展示は同館のみの単独開催となり、他館への巡回はありません。
ラストは現代美術です。渋谷区立松濤美術館にて『須田悦弘展』が行われます。
『須田悦弘展』@渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
本物と見間違うほどリアルな草花や雑草の木彫を手がける須田悦弘は、思いがけない場所に作品をさりげなく設置することで知られ、空間と作品が一体となるインスタレーションで人気を集めてきました。
【次回展示予告】渋谷区立松濤美術館では、11月30日から「須田悦弘」展を開催いたします。当館の壁に生えているこちらの植物。実は精巧に彫られた木彫作品です。思いがけない場所にさりげなく置かれる彫刻たち。白井建築を舞台とした、インスタレーション作品としてもお楽しみいただけます。 pic.twitter.com/0ociKH2Lrr
— 渋谷区立松濤美術館【公式】 (@shoto_museum) October 22, 2024
その須田の都内の美術館としては25年ぶりの個展が本展で、初期作品やドローイング、また近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品などが公開されます。哲学の建築家とも呼ばれる白井晟一の瞑想的な建築空間との響きあいにも注目が集まりそうです。
ブログは不定期での更新となります。今月もよろしくお願いいたします。
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