2023年1月に見たい展覧会【七福うさぎ/亜欧堂田善/エゴン・シーレ】

お正月も三が日を過ぎました。年末年始のために休館していた美術館の多くも今週末までに開館します。*写真はサントリー美術館より。撮影用パネルの長谷川等伯の『楓図』。



今月は興味深い展覧会がいくつも開幕します。見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『アニメージュとジブリ展』 松屋銀座(1/3~1/23)
・『国宝 雪松図と吉祥づくし』 三井記念美術館(12/1~2023/1/28)
・『ドリーム/ランド』 神奈川県民ホールギャラリー(12/18~2023/1/28)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『面構(つらがまえ) 片岡球子展 たちむかう絵画』 そごう美術館(1/1~1/29)
・『博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年』 東京国立博物館(1/2~1/29)
・『浮世絵と中国』 太田記念美術館(1/5~1/29)
・『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』 静嘉堂文庫美術館(1/2~2/4)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『江戸絵画の華 〈第1部〉若冲と江戸絵画』 出光美術館(1/7~2/12)
・『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』 千葉市美術館(1/13~2/26)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『北斎かける百人一首』 すみだ北斎美術館(12/15~2023/2/26)
・『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』 東京都庭園美術館(12/17~2023/3/5)
・『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』 森美術館(12/1~2023/3/26)
・『生誕100年 柚木沙弥郎展』 日本民藝館(1/13~4/2)
・『Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/18~3/26)
・『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』 PLAY! MUSEUM(1/21~4/2)
・『佐伯祐三 自画像としての風景』 東京ステーションギャラリー(1/21~4/2)
・『江上幹幸コレクション インドネシアの絣・イカット ~クジラと塩の織りなす布の物語~』 たばこと塩の博物館(1/21~4/9)
・『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』 東京都美術館(1/26~4/9)

ギャラリー

・『191人のクリエイターと瀬戸の職人がつくる招き猫 Lucky Cat』 クリエイションギャラリーG8(12/7~2023/1/21)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」』 √K Contemporary(11/12~2023/2/4)
・『A girl philosophy」ある少女の哲学安珠写真展』 CHANEL NEXUS HALL(1/18~2/12)
・『石川直樹 写真展 ダウラギリ/カンチェンジュンガ/マナスル』 GYRE GALLERY(12/17~2023/2/26)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)
・『第16回 shiseido art egg 岡ともみ展』 資生堂ギャラリー(1/24〜 2/26)

まずは新春にちなんだ展覧会です。静嘉堂文庫美術館にて『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』が開かれます。



『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』@静嘉堂文庫美術館(1/2~2/4)


これは岩崎小彌太(三菱第4代社長)の還暦を祝い、夫人の孝子が京人形司の丸平大木人形店に依頼して作らせた兎の冠を戴く御所人形を公開するもので、あわせて蕪村や抱一らの江戸絵画から大観といった近代日本画、さらに宴の器など、吉祥的な主題を持つ作品を紹介します。うさぎと新春の美術の関わりを見る華やいだ展覧会となりそうです。

首都圏では実に17年ぶりの回顧展です。千葉市美術館にて『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』が行われます。



『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』@千葉市美術館(1/13~2/26)

現在の福島県に生まれ、江戸時代後期に活躍した亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)は、腐食銅版画技法を学ぶと日本初の銅版画による解剖図などを手がけ、江戸時代最大級の油彩画の『浅間山図屏風』を描くなど洋風画家として活躍しました。


その亜欧堂田善の軌跡を15歳から最晩年の作品200点にて振り返るもので、加えて司馬江漢や谷文晁、鍬形蕙斎といった同時代の絵師や弟子たちの作品約50点も公開されます。近年再発見され74年ぶりに回顧展に出展される『湖辺武人図』をはじめ、30年ぶりに公開される『浅間山図屏風』の下絵といったレアな作品にも注目が集まるかもしれません。

ラストは今年全体を通しても注目の西洋美術展です。『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』が東京都美術館にて開催されます。



『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』@東京都美術館(1/26~4/9)

これは19世紀末を経てウィーンに生き、28歳の若さで生涯を閉じたシーレの画業を、レオポルト美術館のコレクションにてたどるもので、シーレの油彩画、ドローイング約40点をはじめ、クリムトやココシュカといった同時代の画家をあわせた約120点の作品が展示されます。


クリムトやウィーン世紀末関連の展示でシーレの作品を見る機会こそありますが、シーレを実に30年ぶりに主役に据えた見応えのある展覧会となりそうです。

一部の内容が重なりますが、イロハニアートにも今月のおすすめの展覧会を寄稿しました。


1月のおすすめ展覧会5選 2023 江戸絵画の華から佐伯祐三、エゴン・シーレ展まで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
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