都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『特別企画「大安寺の仏像」』 東京国立博物館 本館11室
東京国立博物館 本館11室
『特別企画「大安寺の仏像」』
2023/1/2~3/19
重要文化財『不空羂索観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
東京国立博物館 本館11室で開催中の『特別企画「大安寺の仏像」』を見てきました。
奈良時代に7つの大寺院の筆頭とされた大安寺は、国家によって造営された日本最初の国立寺院として知られ、日本の仏教の歴史上にとって重要な役割を果たしました。
その大安寺に伝わる奈良時代の仏像を紹介するのが『特別企画「大安寺の仏像」』で、重要文化財7件を含む8躯の仏像に加え、同寺に出土した奈良時代の瓦などが展示されていました。
重要文化財『多聞天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
まず会場の入口にて展示されていたのが四天王立像のうちの『多聞天立像』で、左手を腰に当てつつ右手を振り上げながら、憤怒の表情にて人を見下ろすように立っていました。
重要文化財『多聞天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
幅と奥行きのある体つきは重厚感があり、兜や胸の甲には中国の唐に由来するという緻密な文様が刻まれていて、右足を曲げているからか躍動感も感じられました。
重要文化財『増長天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
同じように右手を振り上げながらもやや落ち着いた表情を見せるのが、同じ四天王立像のうちの『増長天立像』で、顎を引きつつ両足を開いてはどっしりと直立していました。
大安寺の四天王立像はいずれも体が太めに表され、甲には装飾的な文様が象られているのが特徴で、像の高さや作風に違いが見られるものの、奈良時代の後期の頃に造られました。
重要文化財『楊柳観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
奈良時代の木彫の中でも優れた作例とされるのが『楊柳観音菩薩立像』で、目尻を上げつつ憤怒の表情をしながら、均整のとれた体躯を見せつつ立っていました。また口の開きと連動して上がるこめかみといった筋肉をはじめ、衣の柔らかな表現などに豊かな造形感覚を見ることができました。
重要文化財『広目天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
大安寺の木彫群はいずれも頭部から足下の台座までを一材から彫り出していて、『楊柳観音菩薩立像』や『聖観音菩薩立像』における腕や胸の飾りも体と同じ木から彫られていました。
重要文化財『聖観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
この『聖観音菩薩立像』の物静かながらも微かに笑みを浮かべた表情も魅惑的だったかもしれません。やや上目を向いて遠くを眺めるようなすがたにはどことなく哀愁すら感じられました。
『単弁蓮華文軒丸瓦』 奈良時代・8世紀 他
会場は本館の玄関より右手すぐの11室です。総合文化展(常設展)の料金にて観覧することができます。
撮影も可能でした。3月19日まで開催されています。
『特別企画「大安寺の仏像」』 東京国立博物館 本館11室(@TNM_PR)
会期:2023年1月2日(月・休)~3月19日(日)
休館:月曜日。1月10日(火)、2月7日(火)。ただし1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館。
時間:9:30~17:00
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。
*総合文化展観覧料
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
『特別企画「大安寺の仏像」』
2023/1/2~3/19
重要文化財『不空羂索観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
東京国立博物館 本館11室で開催中の『特別企画「大安寺の仏像」』を見てきました。
奈良時代に7つの大寺院の筆頭とされた大安寺は、国家によって造営された日本最初の国立寺院として知られ、日本の仏教の歴史上にとって重要な役割を果たしました。
その大安寺に伝わる奈良時代の仏像を紹介するのが『特別企画「大安寺の仏像」』で、重要文化財7件を含む8躯の仏像に加え、同寺に出土した奈良時代の瓦などが展示されていました。
重要文化財『多聞天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
まず会場の入口にて展示されていたのが四天王立像のうちの『多聞天立像』で、左手を腰に当てつつ右手を振り上げながら、憤怒の表情にて人を見下ろすように立っていました。
重要文化財『多聞天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
幅と奥行きのある体つきは重厚感があり、兜や胸の甲には中国の唐に由来するという緻密な文様が刻まれていて、右足を曲げているからか躍動感も感じられました。
重要文化財『増長天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
同じように右手を振り上げながらもやや落ち着いた表情を見せるのが、同じ四天王立像のうちの『増長天立像』で、顎を引きつつ両足を開いてはどっしりと直立していました。
大安寺の四天王立像はいずれも体が太めに表され、甲には装飾的な文様が象られているのが特徴で、像の高さや作風に違いが見られるものの、奈良時代の後期の頃に造られました。
重要文化財『楊柳観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
奈良時代の木彫の中でも優れた作例とされるのが『楊柳観音菩薩立像』で、目尻を上げつつ憤怒の表情をしながら、均整のとれた体躯を見せつつ立っていました。また口の開きと連動して上がるこめかみといった筋肉をはじめ、衣の柔らかな表現などに豊かな造形感覚を見ることができました。
重要文化財『広目天立像(四天王立像のうち)』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
大安寺の木彫群はいずれも頭部から足下の台座までを一材から彫り出していて、『楊柳観音菩薩立像』や『聖観音菩薩立像』における腕や胸の飾りも体と同じ木から彫られていました。
重要文化財『聖観音菩薩立像』 奈良時代・8世紀 奈良・大安寺
この『聖観音菩薩立像』の物静かながらも微かに笑みを浮かべた表情も魅惑的だったかもしれません。やや上目を向いて遠くを眺めるようなすがたにはどことなく哀愁すら感じられました。
『単弁蓮華文軒丸瓦』 奈良時代・8世紀 他
会場は本館の玄関より右手すぐの11室です。総合文化展(常設展)の料金にて観覧することができます。
1月2日(月・休)に、特別企画「#大安寺の仏像」が開幕しました。大安寺に伝わる奈良時代の木彫像に加え、大安寺出土の瓦(当館所蔵)などもあわせて展示し、日本仏教の源流ともいうべき大安寺の歴史を紹介します。*本館11室にて3月19日(日)までhttps://t.co/GlHuZFSpc3 pic.twitter.com/RCJMJHG3IZ
— 東京国立博物館(トーハク) 広報室 (@TNM_PR) January 3, 2023
撮影も可能でした。3月19日まで開催されています。
『特別企画「大安寺の仏像」』 東京国立博物館 本館11室(@TNM_PR)
会期:2023年1月2日(月・休)~3月19日(日)
休館:月曜日。1月10日(火)、2月7日(火)。ただし1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館。
時間:9:30~17:00
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。
*総合文化展観覧料
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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