『田原桂一展「存在」』 √K Contemporary

√K Contemporary
『田原桂一展「存在」』
2023/6/17〜7/15


田原桂一『Rome-5』 1979年撮影

東京・神楽坂の√K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)にて、写真家の田原桂一の個展「存在」が開かれています。

今回の展示で公開されたのは、田原が20代後半の頃、1978年から1980年にかけて撮影した「Photosynthesis」と呼ばれるシリーズで、いずれも当時33歳でパリでデビューを果たしたばかりのダンサー、田中泯を被写体としたものでした。


田原桂一『Bordeaux-11』 1980年撮影

そのうちの『Bordeaux-11』とは、かつてナチス・ドイツがフランスのボルドーに築いた要塞を舞台とした作品で、誰もいない廃墟の中、田中が忽然とすがたを現して立つような光景を写し出していました。


田原桂一『Island-22』 1980年撮影

一方で『Island-22』では、田中が両手を地面に突きながら、腰を屈めて走り出すような仕草をとらえていて、頭を突き出した肉体そのものの迫力と動的でかつ躍動感のある画面を築き上げていました。


田原桂一『Bordeaux-6』 1980年撮影

一連の「Photosynthesis」は3年間かけて撮影された後、実に35年間未発表だったもので、今回は2017年に原美術館の展示にて発表されて以来、久しぶりに公開されました。


「Portrait」シリーズ 作品展示風景

この「Photosynthesis」に続くのが、クリスチャン・ボルタンスキーやヨーゼフ・ボイスといった世界的なアーティストを被写体とした「Portrait」シリーズで、ちょうど暗がりの空間に吊るされるようにして作品が展示されていました。


「Photosynthesis」シリーズ 作品展示風景

白く明るい1階から2階に並ぶ「Photosynthesis」シリーズと、一転しての暗がりに浮かび上がる「Portrait」シリーズのコントラストも魅力といえるかもしれません。

なお現在、√K Contemporaryでは三上晴子による『Eye-Tracking Informatics』を特別に展示中です。

三上晴子「Eye-Tracking Informatics」特別展示
https://root-k.jp/exhibitions/seiko-mikami_eye-tracking-informatics/

1回数分ほど体験できるインタラクティブな作品です。公開日程、および予約方法については同ギャラリーのWEBサイトをご確認ください。


田原桂一の写真がとらえた、人間の存在の輝き。ダンサー、田中泯と取り組んだ表現とは?|Pen Online

7月15日まで開催されています。

『田原桂一展「存在」』 √K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)(@rk_contemporary
会期:2023年6月17日(土) 〜7月15日(土)
休館:日・月曜日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:新宿区南町6
交通:都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅A2出口より徒歩5分。東京メトロ東西線神楽坂駅神楽坂口より徒歩12分。
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