泉屋博古館東京にて『特別展 木島櫻谷―山水夢中』が開催中です

明治から昭和前期まで京都にて活動した画家、木島櫻谷は、動物の絵画から琳派の屏風、さらに山水画などを手がけると、叙情的で気品のある作品で知られ、近年再評価の機運が高まってきました。



その櫻谷の画業を紹介する『特別展 木島櫻谷―山水夢中』が、泉屋博古館東京にて開かれています。

日本画家、木島櫻谷の展覧会が泉屋博古館東京にて開催!見どころは? | イロハニアート



今回の櫻谷展の最大の見どころは、徹底した写生に基づいた山水画に着目していることで、集大成のひとつともいえる南禅寺塔頭の南陽院本堂の障壁画である『万壑烟霧(ばんがくえんむ)』が東京にて初めて展示されました。



また飛騨や富士、若狭、大分など全国各地へ出かけた際に描いた写生帖も出品されていて、櫻谷がいかに写生を重視していたのかについて知ることもできました。

第7回文展への出品作で、長く行方が分からなくなっていたものの、2019年に京都の福田美術館にて78年ぶりに公開された『駅路之春』も見どころといえるかもしれません。街道の茶店でくつろぐ旅の一行や白黒の馬などを、鮮やかな色彩によって描いていました。

このほか、最後の帝展出品作で、57歳にして櫻谷が到達した山水画のひとつの頂点ともいうべき『峡中の秋(きょうちゅうのあき)』も見応えがありました。


最後に展示替えの情報です。会期中、6月26日に展示替えが行われ、後期展示に入りました。以降の入れ替えはありません。

『特別展 木島櫻谷―山水夢中』出品リスト(PDF)
前期:6月3日(土)〜6月25日(日)
後期:6月27日(火)〜7月23日(日)
 *『寒月』の展示は6月18日にて終了しました。

私もすでに前期期間中に展示を見ましたが、改めて後期も出向こうと思いました。*写真はロビーにて展示中の作品。ロビーの作品のみ撮影ができます。


7月23日まで開催されています。

『特別展 木島櫻谷―山水夢中』 泉屋博古館東京@SenOkuTokyo
会期:2023年6月3日(土)〜7月23日(日)
 前期:6月3日(土)〜6月25日(日)、後期:6月27日(火)〜7月23日(日)
休館:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)
時間:11:00~18:00
 *金曜日は19時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで
料金:一般1200(1000)円、高校・大学生800(700)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
住所:港区六本木1-5-1
交通:東京メトロ南北線六本木一丁目駅北改札1-2出口より直通エスカレーターにて徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 『田原桂一展... 『三沢厚彦 A... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。