東京国立博物館にて『本阿弥光悦の大宇宙』が開かれています

室町時代末期の京都に生まれた本阿弥光悦は、刀剣鑑定の名門家系だった本阿弥家において優れた目利きの力量をもつと、書の名人としても活躍し、漆芸や陶芸、出版など多様な造形にてマルチに才能を発揮しました。


『本阿弥光悦の大宇宙』会場入口。手前は国宝『舟橋蒔絵硯箱』(本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
注:プレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影。会期中の特別展示室内は撮影ができません。

その光悦の幅広い業績を紹介するのが『本阿弥光悦の大宇宙』で、展示の見どころについてPenオンラインに寄稿しました。

稀代のマルチクリエイター、光悦の魅力のすべて。特別展『本阿弥光悦の大宇宙』が開催中!|Pen Online

まず今回の最大の見どころは光悦にまつわる作品を極めて網羅的に集めていることで、光悦蒔絵の代表作の『舟橋蒔絵硯箱』をはじめ、光悦の唯一の指料と伝わる『短刀 銘 兼氏 金象嵌 花形見』などの刀剣、さらに『黒楽茶碗 銘 時雨』といった光悦茶碗など110件を鑑賞することができました。



また光悦自身が熱心な法華信徒であったことにも着目していて、光悦の信仰のあり方と当時の社会状況との関わりを踏まえながら、どのように作品を生み出していったのかについても検証していました。

このほか『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』といった長大な絵巻も一度にすべて公開されているのも嬉しいかもしれません。


白楽、赤楽、黒楽の名品が暗がりの独立ケースの中に浮かび上がる、ラストの茶碗の展示も大変に充実していました。

この規模で光悦の業績を検証する展覧会はしばらく望めないかもしれません。質量ともに決定版ともいえる光悦展でした。なお会期中に一部作品の展示替え、場面替えが行われます。詳しくは東京国立博物館のWEBサイトより出品リストをご確認ください。

3月10日まで開催されています。

『特別展「本阿弥光悦の大宇宙」』@koetsu2024) 東京国立博物館・平成館 特別展示室(@TNM_PR
会期:2024年1月16日(火)~3月10日(日)
休館:月曜日。2月13日(火) 。ただし、2月12日(月・休)は開館。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1300円、高校生900円、中学生以下無料。
 *当日に限り総合文化展も観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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