都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』 SOMPO美術館
SOMPO美術館
『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』
2023/10/17~2024/1/21
フィンセント・ファン・ゴッホ『野牡丹とばらのある静物』 1886〜87年 クレラー=ミュラー美術館
SOMPO美術館にて『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』が開かれています。
ウジェーヌ・ドラクロワ『花瓶の花』 1833年 スコットランド・ナショナル・ギャラリー
これはゴッホをヨーロッパの静物画の流れのなかに位置付けながら、先人達から何を学び、いかに自らの作品に反映させ、さらに次の世代の画家らにどのような影響を与えたのかを探るもので、国内外25か所からゴッホの油彩画25点を含む全69点の作品が公開されていました。
フィンセント・ファン・ゴッホ『陶器の鉢と洋ナシのある静物』 1885年 ユトレヒト中央美術館
人物を描く画家を目指していたゴッホは当初、静物画を油彩の技術を磨くための習作とみなしていて、初期には瓶や壺、野菜や靴などのモチーフを暗い色調にて表す作品を手がけました。
フィンセント・ファン・ゴッホ『赤と白の花をいけた花瓶』 1886年 ボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館
一方で33歳にフランスのパリへと移ったゴッホは、これまで少なかった花の静物画を制作するようになると、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリの影響を受けた『赤と白の花をいけた花瓶』などを描きました。
アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ『花瓶の花』 1875年頃 クレラー=ミュラー美術館
パリ滞在中のゴッホの静物画は、色や厚塗りの絵具などにモンティセリとの共通点を見られて、実際にゴッホも妹に宛てた手紙で「モンティセリは全て黄色、オレンジ(略)で南仏を描いた画家」と高く評価していました。
ゴッホが『ひまわり』の連作に着手したのは1888年8月のことで、南フランスのアルルで画家仲間との共同生活を計画すると、ポール・ゴーギャンを招き、彼の部屋を飾るために『ひまわり』を描きました。
右:フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』 1888年 SOMPO美術館 左:フィンセント・ファン・ゴッホ『アイリス』 1890年 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
この『ひまわり』と構図が共通し、ゴッホが世を去る年に描かれた『アイリス』が並ぶ展示がハイライトだったかもしれません。
ジョージ・ダンロップ・レスリー『太陽と月の花』 1889年 ギルドホール・アート・ギャラリー
このほか、ジョルジュ・ジャナンやジョージ・ダンロップ・レスリー、ヤン・トーロップ、イサーク・イスラエルスといった、国内ではあまり見る機会の多くない画家の作品も見どころだったのではないでしょうか。
ポール・ゴーギャン『ばらと彫刻のある静物』 1889年 ランス美術館
またポール・ゴーギャンの『ばらと彫刻のある静物』の洗練された構図と透明感のある美しい色彩にも強く魅せられました。
アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ『静物』 1886年 クレラー=ミュラー美術館
会期最終の4日間(1/18〜1/21)の20時までの夜間延長開館が決まりました。
一部を作品を除いて撮影も可能です。2024年1月21日まで開催されています。
『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』 SOMPO美術館(@sompomuseum)
会期:2023年10月17日(火)~2024年1月21日(日)
休館:月曜日。(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)。
時間:10:00~18:00
*1月18日(木)~21日(日)は開館時間を延長し、20時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2000(1800)円、大学生1300(1100)円、高校生以下無料。
※( )内は事前購入料金。
住所:新宿区西新宿1-26-1
交通:JR線新宿駅西口、東京メトロ丸ノ内線新宿駅・西新宿駅、都営大江戸線新宿西口駅より徒歩5分。
『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』
2023/10/17~2024/1/21
フィンセント・ファン・ゴッホ『野牡丹とばらのある静物』 1886〜87年 クレラー=ミュラー美術館
SOMPO美術館にて『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』が開かれています。
ウジェーヌ・ドラクロワ『花瓶の花』 1833年 スコットランド・ナショナル・ギャラリー
これはゴッホをヨーロッパの静物画の流れのなかに位置付けながら、先人達から何を学び、いかに自らの作品に反映させ、さらに次の世代の画家らにどのような影響を与えたのかを探るもので、国内外25か所からゴッホの油彩画25点を含む全69点の作品が公開されていました。
フィンセント・ファン・ゴッホ『陶器の鉢と洋ナシのある静物』 1885年 ユトレヒト中央美術館
人物を描く画家を目指していたゴッホは当初、静物画を油彩の技術を磨くための習作とみなしていて、初期には瓶や壺、野菜や靴などのモチーフを暗い色調にて表す作品を手がけました。
フィンセント・ファン・ゴッホ『赤と白の花をいけた花瓶』 1886年 ボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館
一方で33歳にフランスのパリへと移ったゴッホは、これまで少なかった花の静物画を制作するようになると、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリの影響を受けた『赤と白の花をいけた花瓶』などを描きました。
アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ『花瓶の花』 1875年頃 クレラー=ミュラー美術館
パリ滞在中のゴッホの静物画は、色や厚塗りの絵具などにモンティセリとの共通点を見られて、実際にゴッホも妹に宛てた手紙で「モンティセリは全て黄色、オレンジ(略)で南仏を描いた画家」と高く評価していました。
ゴッホが『ひまわり』の連作に着手したのは1888年8月のことで、南フランスのアルルで画家仲間との共同生活を計画すると、ポール・ゴーギャンを招き、彼の部屋を飾るために『ひまわり』を描きました。
右:フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』 1888年 SOMPO美術館 左:フィンセント・ファン・ゴッホ『アイリス』 1890年 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
この『ひまわり』と構図が共通し、ゴッホが世を去る年に描かれた『アイリス』が並ぶ展示がハイライトだったかもしれません。
ジョージ・ダンロップ・レスリー『太陽と月の花』 1889年 ギルドホール・アート・ギャラリー
このほか、ジョルジュ・ジャナンやジョージ・ダンロップ・レスリー、ヤン・トーロップ、イサーク・イスラエルスといった、国内ではあまり見る機会の多くない画家の作品も見どころだったのではないでしょうか。
ポール・ゴーギャン『ばらと彫刻のある静物』 1889年 ランス美術館
またポール・ゴーギャンの『ばらと彫刻のある静物』の洗練された構図と透明感のある美しい色彩にも強く魅せられました。
アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ『静物』 1886年 クレラー=ミュラー美術館
会期最終の4日間(1/18〜1/21)の20時までの夜間延長開館が決まりました。
\#ゴッホと静物画展 開館時間延長のお知らせ/ご好評につき2024年1月18日(木)~21日(日)は開館時間を延長し、20時まで開館します。ご観覧には日時指定予約が必要です。詳しくは、展覧会公式サイトをご確認ください。🔗https://t.co/L2qc8Iyf8o pic.twitter.com/F22h3qYJFT
— SOMPO美術館 (@sompomuseum) December 20, 2023
一部を作品を除いて撮影も可能です。2024年1月21日まで開催されています。
『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』 SOMPO美術館(@sompomuseum)
会期:2023年10月17日(火)~2024年1月21日(日)
休館:月曜日。(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)。
時間:10:00~18:00
*1月18日(木)~21日(日)は開館時間を延長し、20時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2000(1800)円、大学生1300(1100)円、高校生以下無料。
※( )内は事前購入料金。
住所:新宿区西新宿1-26-1
交通:JR線新宿駅西口、東京メトロ丸ノ内線新宿駅・西新宿駅、都営大江戸線新宿西口駅より徒歩5分。
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